遊馬「アストラル。俺、デュエルやってて本当によかった」
アストラル「……」
遊馬「住む世界や言葉が違っても、誰とでも一緒に遊べて、仲間になれちまう。 本気になればなる程、分かり合えて、心がワクワクして! へへっ……なあ、アストラル。"ナンバーズ"が集まったらお前、その先どうすんだよ?」
アストラル「使命を果たし、アストラル世界へ戻るだけだ」
遊馬「そ、そっか、だよな……。で、それからどうすんだよ?」
アストラル「それから? その先の未来など考えた事がない」
遊馬「何だよ、張り合いがねえな。──俺はいっつも考えるぜ、俺達の未来を! すっげえキラキラしてて、眩しくて、スカッとする未来を! いつか、お前にも俺の未来を見せてやっからな」
アストラル「君の未来……」
遊馬「あっ、でもその時はお前、いねえかも知れねえんだな」
アストラル「遊馬……。ふっ、そうだな」
遊馬「ああっ! お前今俺が寂しそう、こいつ別れる時泣くとか思っただろ?」
アストラル「ふっ……」
遊馬「この野郎! だったら俺は、絶対泣かねえからな! 別れの時、お前と本気デュエルして、絶対勝って、笑ってやる! 約束したぜ!」
そして、場面はデュエルに戻る
遊馬「アストラルの言ってた約束って……」
遊馬「うっ……ぐっ……」
小鳥「遊馬のライフが300に……」
鉄男「おまけにあいつのフィールドには」
アンナ「もう、モンスターはいない」
ゴーシュ「だが、アストラルの"ホープ・ルーツ"には」
ドロワ「まだ2つオーバーレイユニットがある」
Ⅲ「永続罠"オーバーレイ・アクセル"によって、アストラルにもう一度攻撃ができる」
Ⅳ「それが決まったら、遊馬は……」
遊馬「あいつ、さっき言ってた」
アストラル(回想)「君には、いつか交わした私との約束を果たして貰う!」
遊馬「まさかあの時の……」
アストラル「行くぞ、遊馬! 私は"オーバーレイ・アクセル"の効果発動! オーバーレイユニットを一つ使い、もう一度攻撃を行う!」
遊馬(お前との別れの時の本気デュエルで俺、笑うって。)
アストラル「行け、遊馬にダイレクトアタック!」
遊馬「(デュエルで笑う? デュエルはもっと、ワクワクしてドキドキして、楽しいものなのに、なのに俺……。いつの間にか泣いてばっかで……俺、失くしてたのか……心の底から笑うって。 あいつ俺に、それを思い出させようと……。あいつ!)
罠発動、"マストダイ・ドロー"! 自分のライフより高い攻撃力のモンスターにダイレクトアタックを受けた時、カードをドローして、それが罠カードだったら、バトルを無効にして発動できる! アストラル、思い出したぜ! お前との約束!」
アストラル「そうか」
遊馬「それにしてもお前、それを気付かせる為に──どんだけクソ真面目で不器用なんだよ!」
アストラル「遊馬」
遊馬「分かったぜアストラル。約束だ! 笑ってやる! お前に勝って、心の底から! 見せてやる! 俺の未来を!」
一同「!」
小鳥「あの光、まさか!」
遊馬「最強デュエリストのデュエルは全て必然! ドローカードさえも、デュエリストが創造する! シャイニング・ドロー!!」
アストラル「遊馬、やはり君は……あの古の闘いで別れた、紛れもない私の分身。もう一人の私……」
遊馬「俺がドローしたのは……罠カード。よってバトルは無効となる! そして俺はこの罠カード、"マスター・ピース"を発動! このターン、バトルで墓地に送られたモンスター2体で、エクシーズ召喚できる!
俺は"ガガガ・ガンマン"と"ガガガ・ザムライ"でオーバーレイ! エクシーズ召喚! 今こそ現れろ! フューチャーNo.00! 天馬! 今、ここに解き放たれ、縦横無尽に未来へ走る! これが俺の天地開闢! 俺の未来! かっとビングだ、俺! "未来皇ホープ"!」
未来皇ホープがエクシーズ召喚される
Ⅲ「ランク0のナンバーズ」
Ⅳ「遊馬の新たなナンバーズ」
鉄男「"未来皇ホープ"」
小鳥「何だか、遊馬に似てる」
アストラル「これが君の未来」
遊馬「俺の未来は、まだ何も決まっちゃいねえ! それがランク0の可能性だ!」
アストラル「実に君らしいナンバーズだ」
遊馬「おう、アストラル! このお前との最後のデュエル、楽しんで楽しんで楽しみ抜いて、最後に絶対笑ってやる!」
アストラル「来い遊馬! 私はこれで、ターンエンドだ」
遊馬「よっしゃあ、行くぜ! 俺のターン、ドロー! 俺は"未来皇ホープ"で"ホープ・ルーツ"に攻撃!」
アストラル「攻撃力0の"未来皇ホープ"で攻撃力2000の"ホープ・ルーツ"に攻撃だと!? 何か仕掛ける気だな、遊馬」
遊馬「さて、どうかな?」
アストラル(くっ……またブラフなのか)
遊馬、不敵に笑っている
アストラル「──私は、"ホープ・ルーツ"の効果発動! モンスターエクシーズとバトルをする時、オーバーレイユニットを一つ相手に与える事で、このターンの終わりまで"ホープ・ルーツ"の攻撃力は、 相手モンスターとのランク差×100に、相手のオーバーレイユニットの数をかけた数値となる。よって"ホープ・ルーツ"の攻撃力は300!」
遊馬「──俺は"未来皇ホープ"の効果発動! このカードはバトルでは破壊されず、バトルダメージも0にして、更に、バトルした相手モンスターのコントロールをバトルの間だけ得る!」
アストラル「何!?」
遊馬「行っけえ、"未来皇ホープ"! "ホープ剣フューチャー・スラッシュ"!!」
ホープとの戦闘で破壊されるホープ・ルーツ
遊馬「これで"ホープ・ルーツ"のコントロールは俺が貰った!」
アストラル「それが"未来皇ホープ"の力か」
遊馬「行け、"ホープ・ルーツ"! アストラルにダイレクトアタック!」
アストラル「やるな、遊馬」
遊馬「へへっ! 俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
アストラル「君の攻撃は、ブラフではなかったようだな」
遊馬「さすがだぜアストラル。よく"ホープ・ルーツ"の攻撃力を下げたな!」
アストラル「君が新たな可能性を見つけたなら、それがブラフなどである訳がない」
遊馬「へへっ……お前とのデュエル、最高にワクワクするぜ。さあ来い、アストラル! お前の本当の全力! 俺に見せてくれ!」
ゴーシュ「何だか凄えデュエルになって来やがった」
ドロワ「ああ」
アンナ「どっちも一歩も退いてねえ」
小鳥「でも、遊馬もアストラルも、何だか楽しそう」
アストラル「遊馬! ランク0、無限の可能性があるのなら、私はさらに、上へ行こう! 全ての光よ! 力よ! 我が右腕に宿り、希望の道筋を照らせ! シャイニング・ドロー!!
来たぞ、遊馬。私は"-HRUM-アルティメット・フォース"を発動! 自分フィールドにいる"ホープ"をランク10のナンバーズにランクアップさせ、このカードをオーバレイユニットにする。
ランクアップ・ハイパー・エクシーズ・チェンジ! 現れろ、No.99! 砕け散り我が魂の記憶! 今一つの星となりて、天命を貫く霹靂となれ! これがナンバーズの終焉にして頂点。"希望皇龍ホープ・ドラグーン"!」
遊馬「これがランク10、No.99。"希望皇龍ホープ・ドラグーン"」
アストラル「行くぞ、私は"ホープ・ドラグーン"の効果発動! 1ターンに1度、墓地にいるナンバーズ1体を効果を無効にして特殊召喚する。蘇れ、No.39! "希望皇ビヨンド・ザ・ホープ"!」
遊馬「くっ、"ビヨンド"まで。だが、"未来皇ホープ"の効果はまだ!」
アストラル「それはどうかな」
遊馬「何!?」
アストラル「私は"ホープ・ドラグーン"で"未来皇ホープ"に攻撃!」
遊馬「させるか! 俺は"未来皇ホープ"の効果を再び発動! バトルでは破壊されず、バトルダメージも0にして、更に! バトルするモンスターのコントロールを得る!」
アストラル「そうは行かない! "ホープ・ドラグーン"のさらなる効果発動! このモンスターが自分フィードを離れるとき、オーバーレイユニットを一つ使い、その効果を無効にし、"ホープ・ドラグーン"以外の全モンスターを破壊する!」
遊馬「何だって?」
嵐が吹き荒れる
遊馬「──させるかよ! "未来皇ホープ"の効果発動! オーバーレイユニットを一つ使い、このカードの破壊を無効する! これで"未来皇ホープ"は、破壊できねえ!」
アストラル「私の狙いはそこではない」
遊馬「何!?」
アストラル「破壊されるのは、"ビヨンド・ザ・ホープ"! そして、破壊したモンスターの攻撃力分ダメージが君に行く!」
遊馬「……!」
小鳥「そんな!」
Ⅲ「破壊された"ビヨンド・ザ・ホープ"の攻撃力は3000。これを受けたら遊馬は!」
遊馬「うわあああああっ!!」
小鳥「駄目ええっ!!」
遊馬「ぐっ、俺は"未来皇ホープ"のもう一つの効果発動! がっ……オーバーレイユニットを一つ使い、俺が食らう効果ダメージを、無効にする! ──ふぅー……」
アストラル「私はこれでターンエンドだ」
起き上がる遊馬
アストラル「やるな、遊馬」
遊馬「こんなもんで、お前との最高のデュエル、終わらせてたまっかよ!」
ゴーシュ「何だか羨ましいぜ」
ドロワ「ああ、心の底からデュエルを楽しんで」
Ⅳ「へっ、言葉なんかいらねえ」
Ⅲ「ええ、心と心をぶつけ合い、語り合っている」
Ⅴ「これこそがデュエル」
アンナ「お似合いの二人だぜ」
鉄男「ああ」
キャッシー「二人共、輝いてるキャット」
遊馬「(恐らくこれが最後のターン、俺は……アストラル……)よっしゃ、行くぜ! 俺のターン! ──かっとビングだ、俺ぇぇ! ドロォォーーー! アストラル、俺の全力、受け止めて見ろ!」
アストラル「来い、遊馬!」
遊馬「俺は"未来皇ホープ"で"ホープ・ドラグーン"を攻撃! お前のモンスターのコントロールを貰うぜ!」
アストラル「無駄だ! "ホープ・ドラグーン"の効果発動! 自分フィールドを離れる効果を無効とし、"未来皇ホープ"を破壊する!」
遊馬「俺は"未来皇ホープ"の効果発動! オーバーレイユニットを使い、破壊を無効にする! へっ、勝負はこっからだ! 罠発動、"かっとビング・チャレンジ"! 自分のターンのバトル中、攻撃したモンスターエクシーズの効果を無効にして──もう一度攻撃ができる!」
鉄男「馬鹿な! "ホープ"の効果を無効にしたら……」
キャッシー「バトルで破壊されちゃう」
遊馬「さらに俺は罠発動、"ブレイビング・メモリー"! "ナンバーズ"同士でバトルする時、互いの墓地にある"ナンバーズ"1枚につき500ポイント、バトルする"未来皇ホープ"の攻撃力に加える! よって攻撃力は4000だ!」
アストラル「ふっ……」
小鳥「凄い、"ホープ"、それにカイトやシャークのナンバーズが!」
アンナ「だが攻撃力は"ホープ・ドラグーン"と同じ!」
ロビン「相打ち狙いか!?」
遊馬「"ブレイビング・メモリー"のさらなる効果発動! 自分のモンスターはこのターン、バトルでは破壊されない! さらに! 相手モンスターを破壊して、ダメージを与えられなかった時、もう一度バトルができる!」
遊馬「(アストラル……次の攻撃が決まったら、俺は……)俺は"未来皇ホープ"でダイレクトアタックゥゥ!!」
アストラル「まだ終わらない! 永続罠、"運命の扉"発動!」
遊馬「"運命の扉"?」
遊馬「……! こ、ここは?」
アストラル「永続罠、"運命の扉"。ダイレクトアタックを無効にし、このカードを特殊召喚する。 さらに次のターン、墓地から"ナンバーズ"を除外し、1枚につき、500ポイントのダメージを相手に与える。この扉を破壊せねば、君の負けだ」
遊馬「この扉は、お前と出会った……。俺達はここから始まった。──そうだ! 俺はここであの扉と……」
運命の扉「この扉を開く者は、新たなる力を得る。しかしその者は代償として、一番大事なものを失う」
遊馬「アストラル。そうだ……俺にとって一番大事なもの、それは……それはお前しかいねえ。だが俺はお前を……」
アストラル「恐れるな!」
遊馬「っ……アストラル?」
アストラル「君の手に残っている1枚は何かは分かっている。その手で切り拓くんだ! 未来を! 未来を恐れるな、遊馬」
遊馬「アストラル、まさかお前……俺に別れる勇気をくれる為に……?」
アストラル「君が私にデュエルを挑むなど、百年早い!」
遊馬「アストラル──行くぜ! 俺は速攻魔法"ダブルアップ・チャンス"発動! モンスターの攻撃が無効になった時、攻撃力を2倍にして、もう一度──攻撃する! 来い、"未来皇ホープ"!」
遊馬(これが、本当の、最後の攻撃!)
アストラル「さあ来い、遊馬!」
遊馬「行くぜ、アストラル! (アストラル、俺は忘れない。共に闘い、泣いたり笑ったり、喧嘩したり仲直りしたり、いつも……いつも俺の傍には……お前がいてくれた。 でも、これからは……)」
アストラル「……」
遊馬「くっ……かっとビングだ、俺! 俺は未来を切り拓く! "ホープ剣フューチャー・スラッシュ"!!」
アストラル「……」
一同「……」
D・ゲイザーを外す小鳥
遊馬「アストラル」
手を差し伸べる遊馬
立ち上がるアストラル
アストラル「見事だったよ、遊馬」
遊馬「ああ」
Ⅳ「あれが……ヌメロンコード」
一同「……!」
アストラル「どうやら、別れの時が来たようだ」
遊馬「アストラル……」
アストラル「遊馬……」
遊馬「分かってる、絶対泣かねえ!」
アストラル「私は君の笑顔が大好きだった。忘れないで欲しい。その笑顔を」
遊馬「……!」
アストラル「かっとビングを」
遊馬「アストラル! ──かっとビング! それは勇気を持って一歩踏み出す事! それは、どんなピンチでも決して諦めない事! それは、あらゆる困難にチャレンジする事!」
小鳥「ありがとう、アストラル」
遊馬「──忘れねえ、お前の事。絶対忘れねえ!」
アストラル「私も決して忘れない。遊馬!」
遊馬「アストラル! アストラルーーーっ!!」
遊馬「やっべえ! やべえよ! 遅刻、遅刻だ!」
鉄男「お先ー!」
デュエル飯を食べる遊馬
遊馬「待て鉄男ー!」
こうして俺の闘いは終わり、いつもの生活が戻って来た。ただ、今まで少し違うのは… |
遊馬「そ、そんな……」
璃緒「残念ながらアウトですわね。罰としてトイレ掃除一週間かしら」
遊馬「妹シャー、そこ何とか!」
璃緒「はい、2週間に決定!」
そうだ、アストラルはヌメロンコードを使ったんだ。そして七皇も人間としてこの世界に戻してくれた。 |
凌牙「相変わらずだな、あの馬鹿。」
それだけじゃねえ、アストラル世界に行ってた俺の父ちゃん、そして母ちゃん。 |
Ⅳが大会でデュエルをしている
カイト「オービタル、このデータを直ぐに解析しろ」
オービタル、オボミ、赤ちゃんの機体が2体並んでいる
オービタル「カシコマリ!」
3人「カシコマリ!」
ハルト「カシコマリ、兄さん」
今はトロン達と共に、異世界の研究を再開した。そう、皆とわいわい騒いだり、デュエルしたり、そんな、いつも通りの生活が戻ったのさ。 ──ただ一つ、あいつがいない事を除けば……全ていつも通りの。 |
遊馬「!」
皇の鍵が光る
遊馬「これは? まさか!」
?「遊馬!」
遊馬「シャーク! カイト! 皆!」
凌牙「いつまでしょぼくれていやがる。さあ、行くぞ!」
カイト「アストラル世界に新たな危機が迫っている」
遊馬「何だって!? アストラルが!?」
エナ「かの地にカオスの力が集結している」
エリファス「ヌメロンコードの力により、アストラル世界はバリアン世界と一体となり、カオスを受け入れた」
エナ「ですが、それはまた新たな闘いを」
エリファス「行くのだな、アストラル」
アストラル「はい」
小鳥「ちょちょ、ちょっと、遊馬、ちょっ、待ってよ!」
凌牙「あいつとは大きな借りがある」
璃緒「今こそ私達の力を合わせる時!」
カイト「異世界に行く準備は既にできている」
オービタル「カットビングデアリマス、カイト様」
Ⅴ「今こそ私達が動くとき」
Ⅳ「たっぷり俺様のファンサービス、見せてやるぜ」
Ⅲ「遊馬と共にどこまでも僕は闘う!」
トロン「我ら家族の絆の力を解放する!」
ドルベ「蘇った我ら七皇の力、アストラルの為に使おう!」
ミザエル「真のドラゴン使いのデュエル、味わわせてやる!」
アリト「へへっ、やったろうじゃねえか。燃えて来たぜ、うおおおおっ!」
ギラグ「おう、久しぶりに暴れてやるよ!」
遊馬「みんな!」
?「ジャンジャジャーン!」
遊馬・小鳥「!」
ベクター「よかれと思って、俺様も手を貸してやるぜ」
遊馬「お前!」
璃緒「あらベクター、今度は大人しくしててね」
ベクター「さあね、だがお前達と暴れるのも悪かねえ」
遊馬「よっしゃあ! これで全員揃ったぜ!」
アストラル「誰でも、いい心と悪い心が闘っている。だが、そこから逃げ出さなければ、誰とでも分かり合える。遊馬、私は闘い続ける! 誰もが分かり合える日が来るまで」
小鳥「ふふっ……遊馬。私も遊馬のその笑顔……大好き!!」
遊馬「……え、へぇっ!?」
小鳥「さあ、取り戻しに行くんでしょ? 一番大事なものを」
遊馬「おう!」
アストラル「これが私の! かっとビングだ!!」
遊馬「待ってろよアストラル! 行くぜ皆!」
一同「かっとビングだ!」
遊馬「俺!!」
最終更新:2020年03月25日 12:37