アシュラマン「ウ・・・ウアア~~~ッ」
実況「どうしたぁ~~~っアシュラマン?突如我を忘れ取り乱す~~~~~っ!」
アシュラマンが悪魔将軍の思念体からリボーンダイヤモンドを授かった時のことを回想する。
アシュラマン「こ・・・こんな老いさらばえた体では悪魔超人として、も・・・もうひと花咲かせることもで・・・できん~~~~っ。わ・・・わたしに溢れる力をくだされィ~~~~ッ、将軍様~~~~っ」
悪魔将軍「アシュラマンよ~~~っ、おまえは35年前悪魔超人の同志をふり切り、‘悪魔道精神‘を捨て去り正義超人軍入りしたのではなかったのか~~~^っ?そんな裏切り者のおまえがよく悪魔の長であるこのワシに虫のいい頼み事ができたもんだのう」
アシュラマン「わ・・・わたしは正義超人軍にいても、なぜかいつも魚の骨がノドにひっかかるような違和感・・・疎外感を感じていた・・・」
悪魔将軍「それがどうしたあ~~~っ」
アシュラマン「そ・・・それで悟ったんじゃ。いくら正義超人軍精神に則った闘い方をし、元・同志である悪魔超人たちを試合で倒してもそ・・・それはあくまで正義超人の外面だけを模倣しているに過ぎないことを~~~~っ!これがわたしの実体だ―――――っ!」
アシュラマンが右上段の手でしがみついていた岩壁を殴り砕き、その欠片を左上段の手に突き刺した。その手から血が流れ落ちていく。
アシュラマン「・・・・・」
悪魔将軍「ウオオ~~~~ッ」
アシュラマン「い・・・いくら正義の衣を纏おうともっその体の中には無秩序、無軌道、無慈悲なドス黒い性悪の血が流れてやがるんだ~~~っ!ど・・・どんなに清い行いをしたって、こ・・・この濁った血はか・・・変えられはしない~~~~~っ!ウグワアッ!」
岩壁が砕け、アシュラマンが落ちて行く。
そこへ、悪魔将軍がリボーンダイヤモンドをアシュラマンの体内に送った。
悪魔将軍「よおしアシュラよ、おまえに今一度悪魔超人としてのチャンスを与えてやる~~~~っ!はち切れんばかりに若く魔界の王子として震え上がらせた34年前、いやそれ以上の悪魔に再生させてやる―――っ!」
アシュラマン「ア・・・アア~~~ッ!」
悪魔将軍「お・・・おまえが悪魔超人最盛期のわ・・・若い肉体を欲しいとね・・・願うのと・・・オ・・・オレがせ・・・正義超人一の叡智をぶん取りたいと欲する思いのど・・・どこに違いがあるんだぁ―――っ。ど・・・どちらも己が気持ちを満たすための・・・き・・・汚え心にか・・・変わりないではないか~~~~っ」
悪魔将軍の体から、体を構成するダイヤモンドが落ちだした。
母親「ア・・・アシュラマンさん・・・」
凜子「お・・・おばさん!」
悪魔将軍「し・・・しかしオレは好きだぜ・・・そういうわがまま、ご・・・強欲さが・・・」
アシュラマン「ウ・・・ウアァ・・・」
悪魔将軍「ア・・・アシュラよ・・・オ・・・オレがもう少しでミートの叡智を強奪できるところを・・・お・・・おまえが邪魔したのはな・・・何かの間違いだよな・・・?」
悪魔将軍が膝を付いた。
スグル「!」
悪魔将軍「に・・・二度も我ら悪魔超人軍をう・・・裏切ることはないよな・・・に・・・肉体をぜ・・・全盛期以上に瑞々しく、き・・・強力に再生させてやったお・・・恩をよもや忘れてはいまいなァ」
アシュラマン「・・・・・」
悪魔将軍「お・・・おぬしのま・・・魔界のプ・・・王子‘という異名とあ・・・悪魔超人の闘いの精神、悪魔道をオ・・・オレは信じているぞ・・・さ・・・さあ、おまえの口からも言ってくれ・・・これはま・・・間違い・・・ほ・・・ほんの戯れであ・・・あったことを・・・」
バッファローマン「アシュラ・・・」
母親「ア・・・アシュラマンさん・・・」
アシュラマン「わ・・・わたしは‘悪魔道精神‘をも・・・持っている・・・」
万太郎「ア・・・アシュラマン・・・」
スグル「おまえ!」
悪魔将軍「お・・おお~~~っ、アシュラ~~~~っ」
アシュラマン「しかし将軍、あなたの信じる悪魔道とわたしの信じる悪魔道は違う!」
悪魔将軍「バ、バゴア~~~バゴア~~~~~~~ッ!」
悪魔将軍の頭の無い首から血が噴き出した。
アシュラマン「我ら悪魔超人は人間どもを征服し支配することを最大の目的としているが、
それも正義超人とのルールある闘いに勝った暁にもたらされるもの!
わたしの考える‘悪魔道精神‘には闘いのルールを破ってまでの支配略奪は許されない!たとえ極悪非道が売りの悪魔であっても試合に負ければそれを認め、リングを降りる潔さ、公正さ、行動の洗練さがなければダメだ!」
悪魔将軍「ぬ・・・ぬかせぇ~~~~っ、この悪魔将軍の‘悪魔道精神‘以外の悪魔道など存在せん~~~~~~っ!バンゴア―――――ッ!」
アシュラマン「ハアア~~~~~ッ、アアア~~~ッ」
悪魔将軍の放つ光線を受けて、アシュラマンの胸からリボーンダイヤモンドが浮かびあがっていく。
万太郎「ああ~~~っ、アシュラマンの胸からダイアモンドがぁ―――――っ!」
アシュラマン「アアア~~~ッ」
万太郎「ア・・・アシュラマンの顔がどんどん皺クチャになっていく~~~~っ」
アシュラマン「アアア~~~ッ」
アシュラマンの胸からリボーンダイアモンドが飛び出し、アシュラマンが元の年老いた体に戻った。
悪魔将軍「バゴアバゴア、も・・・元のじいさんに逆戻りだな・・・」
悪魔将軍がリボーンダイアモンドを砕いた。
スグル「ア・・・アシュラ・・・」
悪魔将軍「バゴアバゴア、そ・・・そうやって死ぬまでろ・・・老醜を晒して、い・・・生きていくがいい・・・」
実況「あ―――っと悪魔将軍、タイムリミット内にミートの残りひとつのボディパーツを奪えなかったために全身が崩れていく~~~~~っ!」
悪魔将軍「バゴアバゴア、さ・・・騒ぐな凡人ども~~~~っ、オレは不死身の‘恐怖の将‘だぁ~~~っ!ま・・・また何者かに取り憑き、こ・・・この次こそ本当に転生を遂げてやる~~~~~~~っ!!そ・・・それまで万太郎及び正義超人軍よ・・・首を洗って待ってるがいいぜ~~~っ」
悪魔将軍の体がバラバラに砕け散り、身体を構成していたダイアモンドが降り注いでいった。
万太郎「あ・・・悪魔将軍がバラバラにほ・・・崩壊しちゃった!」
スグル「万太郎、おまえたち新世代正義超人軍が悪魔超人35年ぶりの復活を瀬戸際で食い止めたんじゃよ――――っ!」
万太郎「そ・・・そうか~~~~~っ、やったんだねボクたちが~~~~っ!」
ダイアモンドは、悪魔の種子との戦いで命を落とし、大黒柱骨の一部にされていたアイドル超人たちにも降り注いでいき・・・
ハンゾウ「グ・・・グウウ~~~ッ」
ジージョマン「うう~っ」
もげたイリューヒンの頭が胴体に戻っていく。
スカーフェイス「ウ・・・ウウ~~~」
ケビン「ア、アア~~~~ッ・・・」
ケビンの全身を覆っていた砂金がはがれ、サンシャインの下半身に戻っていった。
サンシャイン「・・・?」
万太郎「ま・・・まさに地獄にそぼ降る再生のダイアモンドダストだ・・・ミ・・・ミート!ミ・・・ミートは、ミートは?」
ミートの体は悪魔将軍から解放されていた。
万太郎「・・・ミート――――ッ!」
スグルと万太郎がミートの体に向かう。
アシュラマンが息子、シバを殺めた時のことを思い返す。
アシュラマン「シ・・・シバよ、おまえは間違っていない!もしもおまえが悪魔超人の家に生まれてきたら、立派な極悪非道の能力の備わった悪魔超人一族の跡継ぎとなっていたんだ・・・そ・・・それをわ・・・わたしが自分の体に流れる、無秩序、無軌道、無慈悲な悪魔の血をかえりみず正義超人に宗旨替えなんてするから・・・シバよ、これからの人生はおまえへの贖罪のために生きていくよ・・・」
万太郎「い・・いよいよ最後のひとつのボディパーツ・・・」
万太郎がミートの体にミートの頭をはめた。
その手足が動き、ミートの意識が目覚めた。
ミート「に・・・Ⅱ世・・・スグルさまも」
万太郎「ミ・・・ミート!わかるのか―――っ!」
ミート「ウワアア~~~ン、ゴメンなさい~っ、ご迷惑をおかけして」
ミートが泣きながら万太郎に抱き着いた。
万太郎も涙ぐみながらミートを抱きしめた。
アシュラマン「グオラグオラッ!」
立ち上がろうとするアシュラマンにサンシャインが肩を貸した。
アシュラマン「サ・・・サンシャイン」
サンシャイン「悪魔にも友情はあるんだぜ・・・」
ミート「ウワア~~~ン、でも恐かった~~~~~」
万太郎「もう大丈夫だよミート・・・」
アシュラマン「‘悪魔にも友情はある‘か。そのセリフ、いつぞやも聞いたな。ね、年齢なんて関係ねえ・・・老いてますます正義超人打倒の夢が心の中で大きく猛ってやがる」
サンシャイン「協力するぜ。おまえが声をかけてくれれば、オレはいつだって」
万太郎たちに見送られながら、アシュラマンとサンシャインが何処かへ去っていった。
聞くにつけてもあわれなる~~~~
ふたつ、三つ、四つ五つ~十にも足らぬおさな子が~~~~
賽の河原に集まりて父恋し、母恋し~~
恋し恋しと泣く声は~~~この世の声と事変わり~~~~・・・
最終更新:2019年06月13日 21:15