特別編~倫敦の若大将!~その1 若きロビンの恋の物語 |
万太郎たちの後ろに、命を落とし、大黒骨柱の一部になっていたアイドル超人軍の五人が元の体で落ちてきた。
イリューヒン「グウウ・・・」
万太郎「ハ・・・ハンゾウ!バリアフリーマン、イリューヒン!ス・・・スカーフェイス!ケビンマスク!」
スグル「デーモンシードとの死闘によって息絶え・・・な・・・亡骸になったんじゃなかったのか―――っ!?」
万太郎「そ・・・そうか―――っ、悪魔将軍のバラバラに砕け散ったダイアモンドボディが5人に降り注ぎ生命を復活させたんだぁ――――っ!」
ミート「ン?わぁぁ~~~~っ、‘悪魔の胎内‘の壁にヒビがぁ~~~っ」
万太郎「ウワアアアッ」
実況「あー――っとデーモンシード軍が全滅したことによって悪魔将軍の容姿をした最後の闘技場・・・邪悪のオブジェ‘悪魔の胎内‘が崩壊し始めた―――――っ!」
キッド「みんな下がるんだ―――っ!安全な所に避難しろ――――っ」
万太郎「いかぁ―――ん、いくぞミート―――ッ」
ハンゾウ「ウオオッ」
イリューヒン「ワアア!」
ケビン「カッグウッ」
アイドル超人達は逃げようとするも、さっきまでデモリションズと戦っていたケビンマスクは起き上がれずにいた。
スグル「ケ・・・ケビン!」
スカーフェイス「キ・・・キン肉マンⅠ世―――っ、うわっ」
万太郎たちが脱出した後、`悪魔の胎内‘が崩壊した。
万太郎「ち・・・父上!」
崩壊した`悪魔の胎内‘からケビンマスクを連れたスグルが出て来た。
ミート「スグルさま――-っ」
万太郎「ケビンマスク!」
スグル「こ・・・こやつをに・・・二度死させては父であるロビンマスクに申し訳が立たんからのう・・・」
ケビン「ロ・・・ロビン・・・」
スグル「!」
ケビン「ダ・・・ダディ・・・こ・・・この霧・・・オ・・・オレは故郷のイングランドに戻ってきているのか・・・ダ・・・ダディ!」
ケビンマスクはロンドンの街と父ロビンマスクの幻影を見た。
ケビン「そ・・・そういえばダディにも長い間合っていないな・・・」
42年前―――オックスフォード大学。
ここでラグビーの試合が行われていた。
ボールを持ったロビンマスクが相手の選手を蹴散らしていく。
選手「あきらめな、ロビンマスク主将がボールを持ったら誰もタックルできやしない!」
ロビンマスクがトライを決めた。
レフェリー「トラ――イ!試合終了―――ッ!
観客「勝ったぞ――っ」
「やれやれ、また全得点がロビンマスクか!」
観客たち「ロビン!」「ロビン!」「ロビン!」
アリサ「おめでとう、‘仮面の得点王‘」
ロビン「アリサ・・・」
アリサ「まだまだ得点記録をのばしそうね」
ラグビー部主将、ロビンマスクとラグビー部マネージャー、アリサ・マッキントッシュ。
この二人は恋人同士であった。
アリサ「あらもうこんな時間、パパが乗馬から帰ってくる頃だわ。主将・・・こんなこと言いたくないんだけど、スーツに着替えてくれる?ウチのパパってそういうとこうるさいのよ」
ロビン「そ・・・そうだったな。今日はアリサのお父上に初めてお会いする大事な日だ!ウムムム~~~~~~ッ、せっかくお父さんに会うんだ・・・」
アリサ「??????」
ロビンがユニフォームを脱ぎ、筋肉トレーニングを始めた。
ロビン「自慢の上腕二頭筋を締めておかないと」
アリサ「いらな―――い」
ロビン「だ・・・大胸筋の張りも見てもらわねば―――っ」
アリサ「だからそんなことしなくていいわよ、主将!」
ロビン「おいおいアリサ、その主将て呼び方はもうやめてくれ」
アリサ「そ・・・それじゃあ」
ロビン「ラグビーでは全てやり尽くした。もう思い残すことはない!」
ロビンがユニフォームを放り投げた。
アリサ「そ・・・それじゃあ・・・やっぱり」
ロビン「・・・ああ」
ロビンのカバンの中には鎧が入っていた。
アリサ「・・・出るのね。第19回超人オリンピック・イギリス予選に!?」
ロビン「ああ・・・いよいよ本格的に超人レスリング界にデビューだ!」
ロビンが鎧を着けた。
アリサ(す・・・素敵・・・ラグビージャージ姿のロビンも素敵だけど、超人レスラーとしてのロビンマスクは光り輝いているわ!)
ロビン「アリサ、悪いが先に帰っててくれないか。オレはもうひと汗かいてからお宅に参上するよ!」
「1,2」
ロビンがスクワットを始めた。
アリサ「もうしょうがないな――――っ。じゃあ先に行ってるから、ディナーの時間までには必ずきてね!」
ロビン「アリサ・・・」
ロビンがアリサとの日々を思い返す。
夜。マッキントッシュ邸。
アリサと父のポール・マッキントッシュ、母のバネッサ・マッキントッシュが食卓に着いていたが、ロビンマスクはまだ来てなかった。
アリサ(・・・ロビン・・・)
ポール「おいアリサ。ロビン君とやらはこんなに時間にルーズな男なのかね?おまえと結婚した暁には、まずウチの銀行の副頭取に就任してもらう手筈になっている。だがなアリサ、時間にルーズな男はダウニング街では通用せんぞ」
そこへ鎧の上にTシャツを着て汗だくになったロビンマスクが入ってきた。
ロビン「お・・・遅れまして申し訳ございません。タクシーが捕まらなかったものでトレーニングがてら走ってきましたァ~~~~ッ!」
アリサ「ロビ―――ン!」
ポール「ウッ」
バネッサ「くさっ」
アリサ(ロビンったらあれほどスーツできてねって言ったのに・・・)
ロビン「ああっ、これは失礼!」
ロビンマスクがTシャツを脱いで、食卓の上に置いた。
それから体にスプレーを噴き出した。
ポール「デ・・・デオドラント」
バネッサ「・・・スプレ―――ッ!」
アリサ「パパ、ママ、紹介するわ・・・わたしのボーイフレンド、ロビンマスクよ!」
ロビン「は・・・はじめまして。お父さま、お母さま、オ・・・オレがいや・・・わたしが・・・・」
ポール「ま・・・まあよい、堅苦しい挨拶は抜きだ。ロビン君、とりあえず座りたまえ。ロンドンから走ってきたんじゃ、さぞや腹も減ったことだろう」
「おい、彼のために食事を温め直してあげなさい」
ロビン「いえお父さま結構です。オレにはこの・・・」
ポール「ウップ・・・」
バネッサ「ヒィィ」
ロビンがカバンからプロテインを出した。
ロビン「・・・プロテインがあります!」
ロビンがごぼしながら、プロテインを飲みだした。
バネッサ「ウ~~~ン」
アリサ「ロ・・・ロビン!」
ポール「グムムム~~~ッ。と・・・時にロビン君、ひとつキミにお尋ねしたいことがある。わたしがキミくらいの歳の頃には銀行員として金融界の頂点に立つことを夢見ていたものだが・・・ロビンマスク・・・キミの夢は一体なんだね?」
ロビン「ハイッ、わたしの夢は超人オリンピック優勝ですっ!」
ポール「ち・・・ちょうじん・・・」
ロビン「世界に冠たるわが大英帝国の正義超人の代表として、超人オリンピックで優勝することです!」
(つづく)
最終更新:2018年08月11日 23:50