獣装機攻ダンクーガノヴァの最終回

月面。
断空剣が地面に突き刺ささっていた。
葵「くっ!」
そこに熱線を撃たれ、ダンクーガマックスゴッドの左腕が破壊された。

ダンクーガマックスゴッドと相対する超巨大ロボットは更に熱線を撃ち、ダンクーガマックスゴッドと中の葵たちを焼いていく。
エイーダ「ああ!」
ジョニー「くわぁ
くらら「うう!」
朔哉「くぅぅ!」
葵「っ!」

超巨大ロボットは胴体から複数の触手を伸ばし、
ダンクーガマックスゴッドの両腕、胸のノヴァエレファントのコックピット、そして頭のノヴァイーグルのコックピットを貫いた。
触手は葵の体をかすり、傷つけていた。
更に両足のノヴァライガーとノヴァライノスのコックピットも触手で貫かれた。

葵「くらら!朔哉!ジョニー!エイーダ!」
超巨大ロボットは触手で貫いたままのダンクーガマックスゴッドを持ち上げた。
葵「死なないで!みんなぁ!!」


FINAL MISSION 未来への飛翔

地球。
世界各地にムーンWILLの放ったジェネシス衛星が浮かんでいた。

キャスター「月より飛来した正体不明の物体は各主要都上空で待機しており、
内部にエネルギーの蓄えを感知されております。
その影響で大気が乱れ、気象異変を起こしているとみられ、各国の軍が共同でミサイル攻撃を行う運びとなりました」
軍によるミサイル攻撃が行われたが・・・
キャスター「ミサイルの爆発は確認されたものの、何らかのシールドで阻まれ、
効果を与えられない模様です!」

かってダンクーガノヴァが介入した都市でも、大人達が逃げようとしていた。
男「逃げた方がいいみたいだぜ!」
女「逃げるってどこへ!?」
男「とにかく遠くさ!」

ドラゴンスハイブ。
朔哉「はあ!解雇!?今更何言ってんだよ!訳分かんねえよ!」
ジョニー「あの衛星を破壊しないと、月のWILLを殲滅しないと、地球上の生命は死滅してしまう!」
田中「はい・・・お気持ちはお察しますが・・・ああ、いえ、これはF・SとWILLさんの考えでして、私の口を挟む所では・・・
葵「私達これまで戦ってきてもう腹は決まってるわ、ねっ、みんな」
くらら「うん」
ジョニー「はい」
朔哉「ああ!月のWILLの本拠地を叩いてやるぜ!」
くらら「ダンクーガだってパワーアップしてるし、エイーダさんだってRダイガンで来てくれるわよね」
エイーダ「・・・はい!」
田中の後ろのモニターにF・Sが映った。
F・S「みんな聞いて貰いたい。君達を月に行かせる訳にはいかない。月には行ってはならない理由があるのだ」

WILL「そのことについては、私から話をさせてもらおう。
ダンクーガの強さはあくまでも、宇宙に飛び出した時、外敵から身を守るためのもの。
それに以前話した様にダンクーガは今までの戦闘データを蓄え、パイロットが乗らなくても自律して戦闘できる能力を持つことが出来た。
葵「何が言いたいの?」
WILL「月には、我々のダンクーガのベースとなった、私の創造主が
作りだしたオリジナルダンクーガと言うべきものが存在しているのだ」
ジョニー「オリジナル、ダンクーガ」
くらら「そんなものが月に」

F・S「分かってほしい。みすみす君達を負けると分かっている戦いに送り出すことなど、出来ない」
葵「戦って生き残る道は、そのチャンスはくれないの!無理矢理誘っといてこれでお終いだなんて・・・」
田中「すみません。月への攻撃は無謀と言えます。勝算の無い戦いを我々は避けるべきだと考えます」
朔哉「ちっ、行こうぜみんな。こんな奴らと話したって無駄だ」
朔哉がその場を離れた。
ジョニー「おい朔哉!待てよ」
ジョニーやエイーダ達も離れていった。
ウラジール「エイーダ・・・」
ルゥ「ああ・・・」

葵とくららは、木々が生い茂り、虫や鳥が飛び交う野原にいた。
葵「この中には絶滅した種もかなりいるんだよね」
くらら「人間もそうならなきゃ良いだけどね・・・準備出来たみたい、行きましょ」
2人が部屋を出ると、木々や動物たちの映像が消えて、元の部屋に戻った。

2人はセイミー達の待つ格納庫に行った。
朔哉「遅かったな、葵」
セイミー「シャトルの操縦は私に任せて。発進経路は確保してあるけど、3分で各セキュリティが復帰するわ。さっ、乗って。急いで急いで!」
くらら「しっ!待って」

くららが扉の側に行って注意を向けるが、入ってきたのは田中だった。
くららは銃を下ろしたが、田中の姿が消えたと思うと、
後ろに回った田中に銃を持つ手を押さえられた。
くらら「私が後ろを取られた!?」

葵たちが田中に銃を向ける。
田中「・・・分かりました。降参します。そう、銃を人に向けるもんではありません。
くららさんの悪い癖が全員に移ったようですね。皆さんの本気度は分かりました。
私、田中も付き合いご一緒させていただきます。いいですね、F・S」

F・S「ああ、もう止めはしない。好きにしたまえ。ただし敵も猛攻撃を仕掛けてくるだろう、心してかかってくれ。ダンクーガ、チームD出撃せよ!」
葵・くらら・朔哉・ジョニー「「「「了解!」」」」」

チームD達を乗せたシャトルが打ち上げられた。

F・S「良く黙って行かせたね」
WILL「ああ、初めは私もダンクーガを地上の生命のカプセルとして宇宙に脱出させるつもりだったが、あのメンバーならあるいは・・・」


シャトルは月の上まで来た。
セイミー「月面の目標確認。月のWILL基地です!進入路表示、このまま行きますか?」
田中「そうですね。敵も気づいているでしょうから、このまま行って出方を見るしかないでしょうね。それに高度なクローキング技術を持ってるので、既に近くにいるかもしれません。小さな反応も見逃さないでくださいね」

朔哉「静かすぎるぜ、くぁ~ムズムズすんな~!」
くらら「ちょっと静かにしてよ。集中出来ないわ」
エイーダ「地球、だいぶ遠くなった」
葵「キレイね、でも世界って結構狭い。あんな所で戦争してたなんて・・・」
ジョニー「葵さん、僕らはこれから地球をかけた戦いに行くんですよ」
葵「そうね、生きて帰れたらこれで最後にしたいね・・・」
その時、アラームが鳴った。
葵たち「「「「「「来た!」」」」」
葵「セイミーさん逆噴射!すぐ左に反転して」
セイミー「了解!」

シャトルの上に、超巨大ロボット、オリジナルダンクーガが出現した。
オリジナルダンクーガは月面に降り立ち、手招きをする。

朔哉「何だありゃ!挑発してやがんのか!」
ジョニー「朔哉落ち着いて!あれがWILLの言ってたオリジナルダンクーガですよ!」
葵「こっちもダンクーガで行くわよ!」
くらら・朔哉・ジョニー・エイーダ「「「「了解!」」」」」

葵「超獣合神!」
葵たちの乗る4体のヴァリアブル・ビースト・マシンが合体し、ダンクーガノヴァとなる。
そして、エイーダのRダイガンが変形し、ダンクーガノヴァの背中に合体し―――
葵・くらら・朔哉・ジョニー・エイーダ「「「「「「ダンクーガマックスゴッド!!」」」」」」
ダンクーガマックスゴッドが完成した。

ダンクーガマックスゴッドがオリジナルダンクーガと相対する。
ジョニー「敵のサイズは我々の2倍、戦闘力は現状では未知数。ダンクーガマックスゴッドもエモーショナルブースターでビーストモード以上のオーバーパワーを引き出せますが、どこまで行けるか分かりません」
葵「ミサイルデトネイター、発射と同時に断空剣!」
ジョニー「行きます!ミサイルデトネイター!」
葵「断空剣!」

ダンクーガマックスゴッドはミサイルデトネイターを撃った直後、
断空剣を持って、オリジナルダンクーガに向うが、
オリジナルダンクーガの触手の一撃で左腕をえぐられながら断空剣を弾き飛ばされ―――

ここで冒頭に時間が戻り、ダンクーガマックスゴッドは瞬く間に追い詰められた。
葵「くらら!朔哉!ジョニー!エイーダ!」

セイミー「田中さんダンクーガが!」
田中「落ち着いて下さい。私達はダンクーガを運ぶのが使命です。攻撃に参加する力は持っていません」

オリジナルダンクーガは触手を納め、落ちて行くダンクーガマックスゴッドの上に回り、
両拳を組んだ。
葵「くっ!」
ダンクーガマックスゴッドはオリジナルダンクーガのパンチを避けた、
そのままプラズマを込めたパンチをオリジナルダンクーガの顔面に叩き込んだ。
しかし、オリジナルダンクーガは左手でダンクーガマックスゴッドを捕らえ、
右手で殴りつける。

エイーダ「くららさん、ファイナル断空砲いけます!」
くらら「ファイナル断空砲ゼロ距離射撃、衝撃に備えよ!」

ダンクーガマックスゴッドがファイナル断空砲をオリジナルダンクーガに打ち込み、
爆発がダンクーガマックスゴッドまで覆った。

セイミー「ああ!」

ジョニー「葵さん」
葵「ジョニー、あたしは無事、みんなは?」
朔哉「俺は大丈夫だ・・・・」
くらら・エイーダ「「あいつは!」」

オリジナルダンクーガは無傷だった。
葵「くっ、うわああ!離せ!倒れろ!」
ダンクーガマックスゴッドは足のブースターの噴射やパンチで抵抗するも、
オリジナルダンクーガは飛び上がり、ダンクーガマックスゴッドを月面に叩き付けた。
葵たち「「「「「うわああ!」」」」」
更にオリジナルダンクーガは上空からビームを打ち込み、
ダンクーガマックスゴッドは断空剣の前まで吹き飛ばされた。
葵「断空・・剣・・・」
断空剣の後ろにはオリジナルダンクーガが立っていた。
葵「くぅ・・・・」
オリジナルダンクーガは無数の触手を伸ばし、ダンクーガマックスゴッドの全身を貫いた。
セイミー「ダン、クーガ・・・・」

ダンクーガマックスゴッドの目から光が消えた。

オリジナルダンクーガが触手を納めると、ダンクーガマックスゴッドが倒れた。

葵(みんなごめん・・・大事な時に何も出来ないなんて・・・悔しい・・・)

?(私はいらない子だったの・・・・?)
葵の姿が消えていく。
葵「は!いや動けない!私、消えちゃう!」

葵(お父さん・・・お母さん・・どこ・・・)
子供の頃の葵が泣きながら河原を歩いていた。

葵「いやあ!消えたくない!」
葵の姿が消えた。

子供の葵は1人、公園にいたが・・・
?「どうして泣いてるの」
葵「ほっといて・・・私、いらない子なの・・・」
?「私も望まれてなかったかな――」
?「俺は望まれすぎて、窮屈だったぜ」
?「私は、もっとみんなと遊びたかったなぁ」
?「さあおいで、今は僕らが一緒だ」
葵に手を差し伸べたのは・・・
葵「あっ・・・」
ジョニー・くらら・朔哉・エイーダ「「「「さあ」」」」

子供の葵がジョニー達の手を取ると、今の葵が笑い、
消えかけていた体も戻っていく――――。

ダンクーガマックスゴッドが立ち上がり、断空剣を取った。
エイーダ「ダンブレードシュート!」
ダンクーガマックスゴッドが肩から打ち出したダンブレードはオリジナルダンクーガの足元を切り裂き、膝を着かせ、更に顔面と肩口に突き刺さった。

ダンクーガマックスゴッドは断空剣からの電撃でダンブレードを引き寄せ、断空剣とダンブレードを合体させた。
葵「断空弾劾剣!」

断空弾劾剣を構えたダンクーガマックスゴッドがオリジナルダンクーガに向う。
くらら・朔哉・ジョニー・エイーダ「「「「行っけええぇぇぇぇ!!」」」」
葵「はああああぁぁぁぁぁ!!」
断空弾劾剣の一撃がオリジナルダンクーガが真っ二つに切り裂き、
オリジナルダンクーガが大爆発した。
その爆発を背にダンクーガマックスゴッドが佇む。

朔哉「やっ・・・たぜ・・・」
ダンクーガマックスゴッドが膝を着いた。
ジョニー「葵さん!」
葵「私は・・・大丈夫・・・ありがとう、みんな・・・」
くらら「凄いわ、葵」
エイーダ「私達、オリジナルに勝ったんですね!」

セイミー・イザベル「「やった―――!!」」
イザベル「すごーい!」
セイミー「流石私のダンクーガ!早く帰ってきて、キレイにしてあげる!」
田中「まだです。月のWILLが残ってます」

葵「来た」
地下から、超巨大要塞が出てきた。
ムーンWILL「ぶるぁぁぁ!

セイミー「おっきい・・・竜牙島ぐらいあるわ・・・」
イザベル「あれをどうやって倒すというの!?」
田中「しばらく持ちこたえてくれれば、勝機が訪れるかもしれません」

朔哉「俺のノヴァナックルで注意を引く。すぐに断空砲をぶちかましてくれ!ブーストノヴァ!ナックル!!」
ダンクーガマックスゴッドが残る右腕を打ち出したが、その直後要塞からの集中砲火に晒され、ノヴァナックルも撃ち落とされた。

ジョニー「ジエネレーターよりのサーキット切断!断空砲アウトです!うわああ!」
ジョニーが爆発に晒された。
くらら「ジョニー!」
ジョニー「僕は・・・まだ、大丈夫・・・です・・・」
葵「もうこれ以上の攻撃には・・・」
ダンクーガマックスゴッドの後ろにドラゴンスハイヴが来た。
F・S「葵、もう少しだ」
葵「F・S」
F・S「もう後戻りは出来ないが、全員覚悟は出来てるな。これからこのドラゴンスハイブのエネルギーで敵のシールドをダングーガごと突破させる!内側からムーンWILL本体を叩くのだ。健闘を祈る・・・」
葵・くらら・朔哉・ジョニー・エイーダ「「「「「やってやるぜ!!」」」」」
F・S「未来は託したぞ、ダンクーガ!」
ドランゴスハイヴが口からエネルギー波を撃ち、ダンクーガマックスゴッドを押し出していくも、ダンクーガマックスゴッドの左足が爆発を起こした。
ジョニー「ダメだ!このままではダンクーガが分解してしまう!合神を強制解除!その反動で葵さんを押し出します!皆さん、いいですね!」
くらら・朔哉・エイーダ「「「了解!」」」
朔哉「ちっ、俺が行けなくて残念だけど、頼んだぜ葵!」
葵「朔哉、ジョニー、くらら、エイーダ・・・生きてたらまた何処かで会いましょう!」
ダンクーガマックスゴッドがバラバラになり、残るノヴァイーグルは光る鳥となり、
要塞のビーム砲をかいくぐり、要塞に突っ込んだ。
しかし、ドラゴンスハイヴはビーム砲の直撃を受けた。

ノヴァイーグルは足を砕かれながらも、要塞を進み、
ドラゴンスハイヴは月面に墜落、大爆発した。


そして、赤い空間で葵が目覚めた時、そこにムーンWILLが現れた。
ムーンWILL「お目覚めかな。それにしても地球の生物の生に対する執着には驚かされる。よくここまで辿り付いたものだ」
葵「お前は・・ムーンWILL!」
ムーンWILL「有機生命体。ちょっとした隙間を見つけては潜り込み生殖を繰り返しては増え続け・・・挙げ句の果てには居場所を奪い、殺し合う。
そうしなくては生きていけない哀れな存在、何と醜い水とタンパク質の塊!
そんな不完全な生物が宇宙にまで影響を及ぼす存在になろうとは、
自らをコントロール出来ないような生物がどおぅしてそんな力を持ってしまうのか!
全く理解できない!本当に恐ろしい事実だ・・・」
葵「言いたい事はそれだけ・・・機械の生き物か何か知らないけどあんたらの好みやお節介で殺されてたらたまんないの!」
ムーンWILL「はっ、愚かな・・・」
葵「戦う!そして、生き抜く!」
立ち上がった葵がスーツの右腕を下ろすと、露わになった右腕にプラズマが輝いていた。
ムーンWILL「待て!それは・・・」
葵「プラズマよ!今解放してあげる!」
ムーンWILL「やめろ!
葵「うわああああ!!」
葵のプラズマを込めたパンチがムーンWILLの顔面を捕らえ、
ムーンWILLは怨霊の様なオーラを出してから爆発。
要塞も崩壊し、大爆発した。
ムーンWILL「ぬわあああぁぁぁ・・・・!!」

ルゥとホージィーの乗る巨大潜水艦ロボ、Dポセイドンが来た。
ルゥ「はいはーい、Dポセイドンスペース仕様です。ジョニーさんとくららさんは位置確認できてまーす。エイーダさん、朔哉さん、葵さんもぜーったい見つけてきますねーーー!」


男の子「早く来いよ!お宝無くなっちまうぜ!」
女の子「待ってよ」
子供達が湖のほとりに落下したジェネシス衛星に向った。

イザベル「ダンクーガによって月のWILLは破壊され、コントロールを失ったジェネシス衛星はごとごとく落下。
大破した衛星は学術調査中で、WILLについて新しい報告が待たれてます。
一方、ダンクーガは月面での戦闘以降、今だその姿を表してない状況です。
ダンクーガの動向とその結果については、また後日まとめて報告したいと思います。イザベル・クロンカイトでした」

ジョニーとエイーダがショッピングを楽しみ、
高原で動物たちを観察するイザベルの側に朔哉もいた。

くららは麻薬捜査官に復帰した。
くらら「お疲れ」
第1話にも出た男性捜査官に声をかけてから、くららがロッカールームを出た。

そして、葵は1人、バイクを走らせていた。いや、その心はもう独りじゃなかった。
葵の口元に微笑が浮かんだ。


END

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最終更新:2018年09月01日 22:58