ついに悪魔の勝利は宣言された。 この地球に、人間に希望は、明日はないのか!? |
チンピラたちが屋台を荒らしていた。
チンピラ「おい、明るくなる前にもらえるもんもらっとけ!」「急ごうぜ」
主人「おい、何だお前たちは!?」
チンピラ「どけ親父!!」
チンピラたちが屋台の主人に暴行を加える。
主人「やめろ…… やめてくれ!!」
チンピラ「食い物あったか!?」「取れるだけ取っとけよ!」「生きるためだ!!」「おお、あったあった」
チンピラは金と食料をもらっていこうとする。
主人「勘弁してくれよ、そればっかりは……」
チンピラ「うるせぇ!!」
主人「うわあああ!!」
チンピラがパイプを振ると、謎の男がパイプを受け止める。
チンピラ「誰だてめぇは!?」「邪魔すんな!!」
男はチンピラに挑んで倒す。
チンピラ「このぉ…… おい、日が昇るぞ!!」「日陰に入れ!!」「暑くなるぞ!!」
チンピラたちは姿を消す。
金を倒れている主人に渡す男。
主人「自業自得だな…… 夜が明けるこんな時間まで欲張って、商売していた俺の……」
主人が息絶える。
男がその場を去ろうとすると、新聞の記事を見つける。
その記事には「エクシードラフト隊長叶隼人 全国指名手配!」と書かれており、叶隼人の写真も載っていた。
もう1枚の記事には「紫外線率上昇止まらず!」「オゾン層完全消滅か!」とも書かれていた。
男はマンホールを開け、その中に潜って地下を進む。
そこに勝の姿があった。
勝「お帰りなさい、隼人さん!」
男がマントとゴーグルを取ると、それは隼人だった。
隼人、愛、勝の3人は食事を取っていた。
愛「上の様子は、どうですか!?」
隼人「都市の機能は、ほぼストップしてる…… 向き出しの紫外線のために、みんな昼間は外には出られず、ただひたすら、息を殺して夜を待っている。その鬱積が徐々に高まりつつある。多分今、世界中の街という街で、自分は手を汚さず、人間同士殺し合いをさせる。大門らしい、悪魔らしいやり方だよ全く……!! 俺に本部爆破の容疑を着せて、動きを取れなくしたのも、多分奴が……」
愛「ひどい!! もしも本当に神がいるのなら…… なぜこのような悪魔の振る舞いをそのままに!? どうして? わかってるわ。神も人間なんかどうでもいいのよ…… ただただ悪魔を倒したい、それだけなのよ!! 神の子だって、そのためだけの物なんだわ!!」
勝「大丈夫だよ、お姉ちゃん。お姉ちゃんも隼人さんも、詳しいことを教えてくれないから、何が起こってるかよくわかんないけど…… でも、僕は……お姉ちゃんを守る!!」
勝が愛に抱きつく。
勝「だから、大丈夫だよ……」
隼人(思えば、あの天使ミカエルが現れてから3ヶ月、時計のように正確に…… 地球は破局に向かって。所詮は、所詮は避けられない運命なのか!? いや、そんなことがあってはならない……!!)
上で物音が響く。
隼人「ここを動くな!」
隼人が上に上る。
リボルバックG-3を構える。
少女「パパ、怖い!」
父親「ここまで来ればもう大丈夫だ。しっかりするんだ……」
母親「あっ! あなた、ピストル……!!」
父親「この野郎! 何だ貴様!!」
父親が隼人に襲い掛かる。
隼人「やめろ!!」
すると熱気が父親に触れる。
父親「あちち……」
隼人「危ない!!」
父親が持っていたゴルフクラブが燃え始める。
父親「まったくわけがわからんのです。あんなに仲のよかったお隣の山本さん一家が夜中、突然襲ってきたんです…… 旦那さんや奥さんたちはもちろん、息子の満君までもが、包丁やスコップを振り上げて……」
隼人「同じだ。あの時と……」
本部で耕作と拳が大門に操られてリボルバックを乱射した時の記憶が甦る。
愛「ひょっとして、大門が…… 動いた!?」
隼人が立ち上がる。
隼人(いよいよなのか!? 悪魔の勝利がいよいよ…… いや、まだだ。まだ俺たちがいる限り……)
すると少女が勝の腕に噛み付く。
勝「痛い、痛い!!」
愛「何するの!?」
隼人「どうした!? 何だ?」
勝「痛いよお姉ちゃん……」
隼人「大丈夫か勝!?」
愛が布で応急処置をする。
隼人「いったいどうしたって……!?」
一家が立ち上がり、隼人たちに襲い掛かる。
隼人「愛、勝、逃げろ!!」
愛「はい!!」
隼人「この人たちも大門に操られて…… 俺たちを襲うためにここへ!! 逃げるんだ!」
3人は上に逃げ込むが、前にも操られた人々が集まる。
隼人「やめろ!!」
隼人が食い止める。
愛「ああっ!!」
勝「お姉ちゃん!!」
隼人「さあ早く!!」
隼人たちは通路を通って逃げる。
しかし、前は行き止まりだった。
勝「隼人さん、行き止まりだよ!!」
大門に操られた人々が集まる。
隼人「大門に操られているだけの、あの人たちと戦うわけにはいかない……」
今度は床に煙が広がり、3人は落ちてしまう。
隼人「勝、愛……」
部屋中が明るくなる。
階段で下に降りると、地球が燃えていた。
隼人「ここはいったい……」
振り向くと桂木本部長、耕作、拳の遺体が横たわっていた。
そのそばにバリアス7やスクラムヘッドも停まっていた。
隼人「本部長、耕作、拳!!」
隼人たちの前に謎の影が現れる。
それはなんと、大門だった。
大門「ようこそ諸君。わが懐へ……」
隼人「大門…… 悪魔……」
大門「もう神の子も私のだ……」
隼人「愛、勝!!」
隼人がバリアス7に乗り込む。
隼人「実装!!」
隼人がバトルジャケットを実装。
シンクレッダーとなり、外に出る。
大門の攻撃がシンクレッダーを襲う。
シンクレッダー「バルカンカートリッジ!!」
シンクレッダーがヘビーサイクロンを乱射。
しかし、効いていない。
シンクレッダー「効かない……」
大門の攻撃によりシンクレッダーのヘルメットが吹き飛んでしまう。
それを拾う勝。
愛「勝……」
隼人「ぐあああ……」
隼人が倒れる。
大門が降り立つ。
大門「叶隼人…… ここまで抵抗した貴様に、チャンスを与えてやろう。戦え! 私を倒せ!!」
隼人「……」
睨み合う2人。
隼人「でやああっ!!」
2人のパンチがぶつかり合う。
大門が隼人の腹部に殴りかかる。
大門の猛攻に反撃の素手もない隼人。
さらに今度は大門は隼人の首を持ち上げ、殴る。
大門「隼人よ…… なぜ意地を張る!? 私の物になれ、隼人!!」
隼人「でやああ!!」
大門の膝蹴りと肘打ちが炸裂。
バトルジャケットから火花が飛び散る。
大門「もはや、地球も人間も全てが私のものだ。叶隼人…… お前の取るべき道は1つしかないのだ」
大門の猛攻は激しく続く。
大門「神と悪魔…… 善と悪…… 光と闇…… どちらでもいいではないか……」
大門は猛攻を続ける。
大門「生きろ!! 隼人、死んでどうなる? 私とともに生きろ!! 隼人」
愛と勝はただじっと見続けるしかなかった。
ふらつきながら立つ隼人。
隼人「いやあああ―――っ!!」
だが、大門の方が早く隼人にパンチを繰り出す。
大門の頬には血がついていた。
隼人のパンチが炸裂。
隼人「ふざけるな!! 狙いは読めてる。俺がお前の軍門に降ったとき、この地球が…… 完全に悪魔のものになったその時、神の子が生まれる…… 天使ミカエルの、カウントダウンの終点だ。そしてその神の子が、最後の審判を下す…… 一切の終わり。無だ!! お前の狙いはそこにこそある…… 神に人間を巻き込ませ、その神の手で人間を地球を、滅ぼさせる。たとえ自分自身も一緒に滅びようとも、完璧な破壊…… 破壊のための破壊! それがお前の、悪魔の最終目的なんだ!!」
大門が血をふき取る。
大門「さすがだな。その通り…… 今、私が滅びても、神が新たな人間を作り…… その人間の心の中に再び私が、悪魔が生まれる…… 死ね!!」
大門が煙に包まれていく。
煙が消えると、大門の髪型が立っていた。
大門の攻撃が再び隼人を襲う。
愛「うっ…… ううう……」
愛が突然腹部を痛め始める。
大門も腹部を痛める。
大門「おのれ…… 神の子が……」
愛「ああ―――っ!!」
愛の腹部から光の粒が放射され、耕作たちに浴びせられる。
3人の目が開く。
耕作「ここはいったい……」
勝「すごい…… お姉ちゃん! みんな、みんな生き返ったんだ!!」
隼人「本部長…… 耕作、拳!」
本部長「隼人…… 耕作、拳、実装だ!!」
耕作、拳「了解!!」
耕作と拳が強化トライジャケットを実装。
ブルースとキースはリボルバックを乱射。
しかし、全く通用しない。
大門は反撃に向かう。
2人のトライジャケットから火花が散る。
本部長「日向君!」
愛「本部長……」
隼人はバリアス7のコンピューターでシムを操作し始める。
すると大門が隼人の頭を握る。
シムが窓を攻撃。
それが開き、2人を吸い込もうとする。
本部長「隼人!」
ブルース、キース「隊長!!」
その中で2人がもみ合っていると、謎の光が大門を怯ませる。
隼人が落ちる。
その光に死んだはずのデビット秋葉の姿が映される。
隼人「デビット秋葉…… 光の戦士…… 生きていたのか!!」
隼人がエンブレードをヘビーサイクロンに装填。
隼人「サイクロンノバ!!」
大門「だああ―――っ!!」
大門はサイクロンノバによって地球に吸い込まれていった。
それにより地球は元通りとなり、正木警視監の乗る飛行機も戻ってくる。
本部長、キース、ブルース、日向姉弟が起き上がる。
キース「本部長……」
声「悪魔は滅びました!」
美香が姿を現す。
美香「あなたたちのおかげです。人類は救われたのです…… あなたたちの力を…… いえ、心を持ってすれば、神の子は必要ない。そこで、神の子の生命のエネルギーを使い、あなたたちを復活させたのです。もう大丈夫ですね…… 地球の、人間の未来を、あなたたち自身に任せます。永遠に…… フフフ」
美香が消える。
一同が目にしたのは、未だに倒れている隼人だった。
ブルース、キース「隊長!!」
愛「隊長!!」
勝「隼人さん!!」
ブルース「隊長!!」
愛「いや…… いやよそんな!!」
勝「隼人さん!!」
本部長「隼人!!」
ブルースとキースがヘルメットを取る。
耕作「嘘だろ!? 冗談だろ?」
拳「隊長…… 目を開けてください…… 隊長―――っ!!」
耕作「隊長!!」
愛「隊長……」
勝「隼人さん……」
本部長「確かに、確かに世界は救われた。だがこの男を死なせてしまったら…… 地球のために、人類のために、戦ってきたこの男を死なせてしまったら…… いったい何の意味があるというのだ!? これが神か? 神のやり方なのか!?」
これまでの隼人の活躍の記憶が甦る。
愛と勝が泣きじゃくる。
すると隼人の体が輝きだす。
隼人の目が開き、起き上がる。
戦いは終わり、奇跡は起こった。いや、それは奇跡ではない…… 人間が人間自身の手で勝ち取った勝利。未来そのものに違いなかった…… だが人間が再びおごれる存在になったとき、神と悪魔の戦いは、その幕をあげるのだ! また再び…… |
耕作「隊長……」
拳「隊長!」
愛「隊長……」
勝「隼人さん! 隼人さん!!」
愛、耕作「隊長!!」
勝「隼人さん……」
警視監の元に隼人たちが歩む。
警視監と本部長はしっかりと握手する。
ありがとう。僕たちは忘れない…… 君たちの戦いを、君たちの勇気を、君たちの愛を。 いつの日かまた会おう…… さらばエクシードラフト! さらばレスキューポリスたち!! |
最終更新:2023年08月06日 14:15