特捜ロボ ジャンパーソンの第49話


ジャンパーソン基地が壊滅した。帯刀の、ビルゴルディの最終作戦がいよいよその幕を開けたのだ……
かおるの裏切りは、やはり本当だったのか!? 悪夢は現実だったのか?
そして今、ガンギブソンの前にも悪夢がその姿を現そうとしていた。ブラックキャロルという名の悪夢が……



炎に消えたGG(ガンギブソン)


ガンギブソンがGGスレイヤーでどこかに向かっている。

ガンギブソン「まさか…… あのブラックキャロルは……」

GGスレイヤーが森林に到着。
大きなが穴が開いていた。
そこはキャロルの墓だった。

ガンギブソン「こ、これは…… キャロルの墓が荒らされてる!」

ガンギブソンは添えてあった黒バラを折る。

ガンギブソン「なんてことしやがったんだ!!」

ジャンパーソンが現れる。

ジャンパーソン「ガンギブソン! 何をするつもりだ!?」
ガンギブソン「ジャンパーソン…… あのブラックキャロルは、間違いなくキャロルから再生したロボットだ! キャロルがここで眠っていたことを知っているのは、俺とお前を除けば…… かおるしかいねぇんだ! 俺はあいつを…… かおるを許さねぇっ! 絶対にな!!」
ジャンパーソン「ガンギブソン……」
ガンギブソン「ブラックキャロルを抑えて、かおるの居場所を突き止める。そしてきっちり落とし前をつけさせる! ジャンパーソン。お前だろうと邪魔はさせねぇっ!!」
ジャンパーソン「待つんだ!!」

GGスレイヤーを走らせるガンギブソン。

ジャンパーソン「ガンギブソン……」


帯刀(たてわき)コンツェルン。

帯刀「なるほど…… 全てあのガンギブソンをおびき寄せ、倒すためか」
かおる「ええ…… キャロルというえさを見せれば、ガンギブソンは必ず動く。ジャンパーソンとさえ対立して」
帯刀「う―ん…… 2人を引き離し、孤立させる。そして1人ずつ倒す…… なかなかの作戦だ」
かおる「最高の作戦と言って欲しいわね…… 失敗続きのどこかの誰かさんたちの作戦とは違うのよ」
シンディ「何ですって!?」
マヤ「もう1度言ってごらん!!」
帯刀「やめろ……」

マヤはかおるの袖を放す。

帯刀「大したもんだ。我々もバラバラに引き離して、仲間割れさせるつもりか!?」
かおる「かもね……」
帯刀「やっぱり大したもんだ…… 味方に引き入れた甲斐があった」


警備会社の車が走行中。
すると前方から火花が散る。
車を止めて警備員2人が外に出るとブラックキャロルが警備員に襲い掛かる。
そこへガンギブソンがやってくる。

ガンギブソン「キャロル!!」

ブラックキャロルが剣を振るう。
さらにバイクに乗って逃走。
ガンギブソンは後を追う。

ガンギブソン「止まれ! 止まるんだ!!」
キャロル「やーよ。ここまでおいでガンギブソン!!」


一方、走行中のダークジェイカー。
ジャンパーソンはガンギブソンの居場所をキャッチ。

ジャンパーソン「ガンギブソンのコンピューター信号をキャッチ! エリアC、ポイント7だ!!」


ブラックキャロルが工場に入る。
しかし、ガンギブソンが着いた頃にはバイクしかなかった。

ガンギブソン「どこへ隠れた!? 出て来い! キャロル!! いや、ブラックキャロル!!」

ガンギブソンの前にかおるが姿を見せる。

ガンギブソン「かおる…… やっぱりお前が!!」

するとガンギブソンの顔に刃が向けられる。

キャロル「動くとブスリよ。ガンギブソン!」
ガンギブソン「どういうつもりだかおる! 俺を…… 周平を…… ジャンパーソンを裏切った上に、なぜこんなことを!?」
かおる「アハハハ!! 簡単よ。もはやビルゴルディには敵わない…… 勝負はついた。だったら勝つほうに回る…… 当然じゃない!?」
ガンギブソン「かおる…… お前、本気でそんなことを!?」

かおるは眼鏡を外し、目を右向ける。
ガンギブソンがそこを見ると、監視カメラが設置されていた。

ガンギブソン(監視カメラ…… なぜそれを俺に教えるんだ……!?)
かおる「いくら逆らってもあがいてもビルゴルディの勝利は動かない!! 世界の破滅は避けられないのよ!」
ガンギブソン(どういうこった…… かおるは何を言おうとしてるんだ!? 一体何を……?)

頷くかおる。

ガンギブソン「まさか…… 裏切ってなかったのかかおる? そうなのか!?」
かおる「それはそのキャロルもよーく知っているわ!!」

ガンギブソンが頷く。

ガンギブソン「おーっ、そいつは面白ぇ…… けど間違ってもらっちゃ困るぜ。俺のキャロルは、こんなおかしなじゃじゃ馬ロボットじゃねぇ!!」
キャロル「何ですって? 言ったわね!!」
ガンギブソン「やるかじゃじゃ馬!!」

ブラックキャロルが剣を振るう。
ガンギブソンはブラックキャロルにしがみつき、後ろ向く。

ガンギブソン「何を知ってる? かおるから何を聞かされてるんだ!?」
キャロル「その答えは…… 私の人工知能AIの記憶回路にあるわ。ガンギブソン」
ガンギブソン「キャロル…… お前、本当に甦ったんじゃないのか!?」
キャロル「いいえ…… 私はかおるが作ったブラックキャロル。キャロルではありません」

かおるが頷くとガンギブソンも頷く。
するとどこからか銃撃が繰り出される。

2人「うわっ!!」

懐からビルゴルディ、シンディ、マヤが出てくる。

ガンギブソン「ビルゴルディ!!」
ビルゴルディ「よくやったかおる。ガンギブソンの息の根はこの俺が止める!」

かおるがウインクしてブラックキャロルに合図を送る。

キャロル「冗談!! ガンギブソンは私の獲物よ!!」
ビルゴルディ「お前の役目は終わった。消えろ……」

ゴールドデジックの銃撃がブラックキャロルを襲う。

ガンギブソン「キャロル!!」
キャロル「ガン…… ギブ…… ソン……」
ガンギブソン「キャロル!! バカ野郎! 2度も…… 2度も俺を悲しませる気か!! キャロル…… キャロル!!」

頷くかおる。

ガンギブソン「キャロル……」

ガンギブソンはブラックキャロルからAIを取り出す。

ビルゴルディ「ガンギブソン…… お前もすぐに後を追わしてやる!」
ガンギブソン「ふざけるな! スピンドルキャノン!!」

ガンギブソンがスピンドルキャノンを構えるとビルゴルディが右腕を伸ばし、ブラックキャロルを盾にする。

ガンギブソン「キャロル!!」
ビルゴルディ「どうしたガンギブソン…… こいつはキャロルと似ても似つかないじゃじゃ馬じゃなかったのか!?」
ガンギブソン「ビルゴルディ……」

ガンギブソンはスピンドルキャノンをおろす。

ビルゴルディ「とどめはお前に残してやったと言うのに…… やはりこの手で下すか」
ガンギブソン「やめろ…… やめろぉ!!」

ビルゴルディの光線がブラックキャロルを襲う。

キャロル「きゃあああっ!!」

ブラックキャロルが大爆発。

ガンギブソン「キャロル!!」

ビルゴルディたちがガンギブソンたちに総攻撃をかける。

ガンギブソン「うわああっ!!」

ガンギブソンのボディから煙が立つ。
かおるは懐から銃を取り出そうとするが、ガンギブソンがガンボルバーを発砲。

ガンギブソン「かおる…… よくも俺たちを裏切ったな! 絶対に許さねぇ…… かおる!!」
かおる(ガンギブソン……)
ビルゴルディ「地獄へ堕ちろ! ガンギブソン!!」

ビルゴルディの右膝からニーキックミサイルが発射。
しかし、何者かの銃撃でかわされてしまう。
それを繰り出したのはジャンパーソンだった。

ジャンパーソン「Janperson For Justice!!」
ガンギブソン「ジャンパーソン……」
ビルゴルディ「ジャンパーソン! 自分から死にに来たか。望み通りしてやる…… ガンギブソンと一緒に」
ジャンパーソン「ジャスティック!!」

ビルゴルディもジャスティックを構える。
ジャンパーソンとビルゴルディ、ガンギブソンとマヤが激戦を繰り広げる。
ビルゴルディとマヤの銃撃が炸裂。

ジャンパーソン「うわあっ!!」

ガンギブソンがジャンパーソンの盾となる。
ビルゴルディの猛攻が続く。
2人は柱に隠れる。

ガンギブソン「ジャンパーソン! かおるは…… あいつは裏切っちゃいねぇ。見上げたもんだぜ、弟まで裏切り者と思われて…… 基地の壊滅も、ジャンパーソン! お前なら必ず子供たちを救えると信じたからこそ、あえて!」
ビルゴルディ「とどめだ。地獄に堕ちろ!」
ガンギブソン「頼むぞジャンパーソン! ビルゴルディを…… ビルゴルディを倒してくれ!!」

ビルゴルディとマヤの攻撃がガンギブソンを襲う。

ガンギブソン「うわあああっ!!」

大爆発。

ジャンパーソン「ガンギブソン!!」
ビルゴルディ「ジャンパーソン、次はお前だ」
かおる「ビルゴルディ! それは私の役目よ!!」

かおるがスイッチを押すと周辺が大爆発。

ジャンパーソン「うわっ!!」

工場が崩れる。
ビルゴルディたちはすでに脱出していた。
瓦礫からジャンパーソンが出てくる。
手にはガンギブソンから託されたAIを持っていた。

ジャンパーソン「ガンギブソン……」

ジャンパーソンがふらつくと目にしたのはガンギブソンのペンダントだった。


アジトのドアが開く。
ドアに影が写る。
慌てて振り向く周平。
入ってきたのはジャンパーソンだった。

周平「ジャンパーソン!!」
アールジーコ「ジャンパーソン……」
周平「どうしたの? 大丈夫!?」
ジャンパーソン「大丈夫だ……」
周平「……ガンギブソンは!?」

ジャンパーソンは静かに首を横に振る。

周平「そんな…… そんな……」
アールジーコ「ガンギブソンが!?」

ジャンパーソンの心にガンギブソンとの戦いの記憶がよみがえる。
ジャンパーソンはガンギブソンに託されたAIをコンピューターの中に入れる。
テレビにかおるが映る。

周平「お姉ちゃん!」
アールジーコ「マミー!!」

かおる「ごめんなさいジャンパーソン…… あなたを裏切る形をとってでも、ビルゴルディの懐に入らなければ、最終作戦は阻止できない。全てはそう判断した上での行動です…… 私がこのブラックキャロルを作り出したのは、あなたにメッセージを…… この人工知能AIの記憶回路を届けるためです。ビルゴルディの最終作戦…… それはハイパーサブリミナルによる世界同時クーデターよ」

ジャンパーソン「世界同時クーデター!?」

かおる「衛星放送を利用して全世界の警官、兵士、民間人を問わず武器を持つ全ての人々に、一斉蜂起を促すメッセージを、ハイパーサブリミナルで植えつけるの」

ビルゴルディ「立て! 武器を取れ! 魔王のために!」
人々「武器を取れ!」「魔王のために!」「おう!!」

ジャンパーソン「なんだって!?」

かおる「そのバックアップをするのが…… ビルゴルディ率いるバイオボーグ軍団よ!」

ジャンパーソン「バイオボーグ軍団!?」

かおる「ビルゴルディと同じ、バイオボーグ手術を受けたいと自ら志願した人間たち…… それがバイオボーグ軍団よ。自分の研究がそれに利用されているのを知って、橘順子は慌てたわ…… 試験的なものだとだまされ、プログラミングして一斉蜂起を促す人々へのメッセージは、すでに植え付けを完成してしまっていたから。それで、彼女はビルゴルディに植え付けはまだ万全ではないと報告。なんとかそれを解除する新しいメッセージを、人々に植え付け直そうとしていたの。でも、結局怪しまれ、逃げ出さざるを得なくなった。そして私は再会したの! 橘順子よ。私は誓ったわ。順子が海外に逃がし、その順子の跡を継いでビルゴルディを倒そうと! そして私は順子のロボットを作り、順子の死を偽装したのよ。かつて…… 私がそうしたように」

ジャンパーソン「順子さんは死んでなかった!」

かおる「そして…… 私はビルゴルディの懐に入って、彼が所有する通信衛星から解除プログラムを発信することにしたの。何より時間がなかった…… 一斉蜂起は来月に迫っていたから。解除プログラムが効果を表すのは、人によって時間が異なるわ…… だから発信は早ければ早いほどいいの。このまま私は、一斉蜂起の阻止に全力を上げる。ジャンパーソン! あなたはビルゴルディを倒して。彼の正体は帯刀コンツェルンの総裁・帯刀龍三郎よ! 彼は今、F地区にあるバイオボーグ手術室にいるわ。ジャンパーソン…… くれぐれも気をつけて」

映像が途絶える。

ジャンパーソン「帯刀龍三郎…… ビルゴルディ!!」
アールジーコ「決戦だ×2!!」
ジャンパーソン「周平…… 必ずかおると一緒に帰ってくる」
周平「約束だよ…… ジャンパーソン!」
ジャンパーソン「必ず…… 必ず戻ってみせる」


ジャンパーソンがビルの前に立つ。

ジャンパーソン「行くぞ!」

ジャンパーソンが中に乗り込む。
しかし、人1人いなかった。

ジャンパーソン「まるで人気がない…… 手分けしよう。アールジーコ」
アールジーコ「OK!」

アールジーコが去ると前に進むジャンパーソン。
そこで目にしたのはバイオボーグ手術の志願者たちだった。

ジャンパーソン「あれがバイオボーグ手術の志願者たちか……」
アールジーコ「うわああっ!!」

ジャンパーソンが叫び声を聞いて戻ると、アールジーコが倒れていた。

ジャンパーソン「アールジーコ!」

するとどこからかチェーンが伸び、ジャンパーソンの両腕に巻きつく。
そこへ帯刀とシンディがやってくる。

帯刀「ようこそ地獄へ。ジャンパーソン……」
ジャンパーソン「帯刀龍三郎……」

シンディのレーザーがジャンパーソンを襲う。

ジャンパーソン「うわっ!!」
帯刀「ジャンパーソン…… ここが貴様の墓場だ。泣け、喚け、祈れ! 貴様はもう終わりだ…… 終わりだ!!」

帯刀は頭部にブレインバイスを装着し、ビルゴルディへと変身する。

ジャンパーソン「ビルゴルディ!!」

ビルゴルディのニーキックミサイルとデュアルレーザーがジャンパーソンに炸裂。

ジャンパーソン「うわっ!!」


遂に、魔王ビルゴルディの恐るべき最終作戦が明らかになった。決戦の火蓋が切って落とされたのだ……
だが、世界の破滅までもう時間がない。果たしてジャンパーソンは、ビルゴルディを倒せるのか? 世界を救えるのか!?
最終回。戦慄の大クライマックスが、幕をあげる……



つづく



※この続きは特捜ロボ ジャンパーソンの最終回をご覧ください。

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最終更新:2025年01月01日 21:20