南米、某国のスラム街でのストリートファイト。
主人公の青年・鎧 武士が、現地の屈強な男と戦っている。
周囲は現地民たちが歓声を上げ、多額の賭け金が振る舞われている。
手に汗握る戦いの末に、武士が相手を倒す。
武士「アイム・タケシ! タケシ・ヨロイ!」
相手「ノロイ?」
武士「いや、呪いじゃねぇよ、鎧だよ。鎧 武士だ!」
相手「オゥ……」
武士「貰ってくぞ」
武士が賭け金の紙幣を掴んで去ろうとするが、数人の男たちが立ち塞がる。
武士「なんだよ、金が惜しくなったのか?」
数人相手のハンデをものともせずに、武士が男たちを次々に叩きのめす。
武士「見せてやるよ…… 破裏拳流の奥義を。破ぁ──裏ぃ──拳──!!」
そして、数年後の日本、東京。
コミュニケーションツールの発達は、
犯罪の組織化、過激化を助長させた。
激増の一途をたどる過激犯罪に対抗すべく
軍や警察の戦力を上回る新たな手段、即ち
重火器の無効化、組織に対する単体での
攻撃力・機動力を備えたシステムの開発が、
我が国で秘密裏に始まっていた。
特殊装甲スーツ、ポリマーシステムである!
どこかの薄暗い部屋。
1人の男が、壁面のスクリーンの映る外国人たちと話している。
スクリーンには特殊装甲スーツ「ポリマーシステム」が映し出される。
「じきにこの力を、実際にお見せしましょう」
路地裏で、若者の窃盗団を、警視庁の来間譲一刑事、同僚の加藤刑事ら、警官たちが追う。
来間たち「待て、待てぇ!」
挟み撃ちにしようとする警官たちを、若者たちは叩きのめし、銃を放ちつつ逃走を続ける。
来間「犯人は6名、宝石店から大量の現金と貴金属を奪い、逃走中!」
警視庁で、上官の刑事部長・土岐田恒が応える。
土岐田「気を付けろ、来間くん! 奴は必ず現れる」
加藤「バカバカ撃ちやがって! 来間、何しとんのや!? 行くぞ!」
やがて若者たちは、行き止まりに追いつめられる。
加藤「動くな! これ以上の抵抗はやめろ、もう逃げられないぞ、このクソガキが!」
若者「どうかな?」
警官の1人が吹っ飛ばされる。
そこに現れたのは、奇妙なヘルメットをかぶった筋肉質の男。
加藤「なんじゃ!? 撃てぇ!」
警官たちが銃を放つが、ヘルメットの男は凄まじいキックで、すべての銃弾をはね返してしまう。
来間「現れた…… 現れました、刑事部長!」
土岐田「ポリマーシステムか!」
ヘルメット男が警官たちを次々に倒し、その隙に若者たちは逃走する。
加藤も地面に叩きつけられ、残るは来間ただ1人。
来間「加藤さん!?」
加藤「撃て! 撃てぇ!」
ヘルメット男が来間に迫る。
来間「加藤さん!?」
来間「撃つ…… 撃つ!」
来間は銃を構えるものの、指が震え、撃つことができない。
ヘルメット男のキック。とっさに加藤が盾となる。
加藤がまともにキックを食らった壁面に叩きつけられ、血を吐いて事切れる。
来間「加藤さぁん!? 待て…… 待てぇ!」
悠々と去ってゆくヘルメット男に、来間が銃を向けるが、やはり撃つことができない。
来間がガックリと崩れ落ちる──
最終更新:2019年07月20日 03:39