ユイは、キリトへのサプライズ作戦のことを、(フェイタル・バレットの)主人公達に相談していた。
主人公「え?まだ作戦うまくいってなかったのか」
ユイ「はい、そうなんです・・・」
クレハ「身体に当てたら一定時間麻痺・・・と、目に当てたら暗転効果のあるスライム弾で視界を奪って、暗転解除と同時にサプライズプレゼントするんだよね?」
ユイ「はい、そういう計画なのですが」
「昨夜はパパが光剣で対戦相手のスカートをめくってしまうトラブルがありまして・・・」
主人公「!?え・・・?キリトって自分のアイデンティティで意外なことするんだな」
ユイ「ですから今夜はみなさんにも手伝ってほしいのです!!」
クレハ「えっ!?スカートめくられる可能性がある中で!?」
主人公「いやスカートはたぶん偶然だろ。俺は構わないぞ」
レイ「ふふふ・・・私のマスターはすごいですからね!!先日の大型アップデートの目玉にして銭湯から資産管理まで総合的にマスターを補助するサポートAI――――アファシス。そのなかでも自発的に思考・行動する貴重なType-xたる私を得て、さらに実装前のレア中のレア!「UFG」を手にした幸運のニュ-ビ-!!さまざまなクエストを攻略した今となっては実力も兼ね備えた〈〈GGO〉〉随一の新鋭と言っても過言ではないでしょう」
主人公「いやそんな・・・」
レイ「だからお役立ち間違いなしなのです!ぜひ私のマスターをリーダーにしてキリトに挑みましょう!」
クレハ「ムッ・・・コイツがリーダーで大丈夫?まぁたしかに最近実力はついてきたみたいだけど・・」
ユイ「クレハさんにも手伝ってもらえたら助かります!」
主人公「クレハは強いからな」
クレハ「えっ?ま、まぁね」
主人公「〈〈GGO〉〉に誘ってくれたのもクレハで、いつもレベル上げを手伝ってくれたからここまで強くなれたし、クレハもいてくれたら安心だな・・・」
クレハ「え・・・・」
レイ「クレハはマスターにとって大事な「相棒」ですからね!」
クレハ「う・・・・」
「まったく・・・まだまだあんたはあたしがいないとダメなんだから!即やられて戦闘終了・・・なんてことにならないよう手伝ってあげるわ!」
ユイ「ありがとうございます!」
クレハ(それに・・・このイベントでトップランカーのキリトさんを倒せば私の評価も上がるはず!!)
(あいつ・・・小さい頃からあたしの後ろをついてくるばかりだったはずなのに、どんどん強くなって不思議と人も集めて、トッププレイヤーをまとめたスコードロンのリーダーにまで・・・)
ユイ「衣装はこれでどうですか?」
主人公「おっいいな!!」
レイ「マスターにはさらに私が最適のアイテムをご用意します!」
ユイ「それでは今夜、パパをフィールドに呼びますね!」
クレハ(今回も結局あいつがリーダーで主人公みたいになっちゃてるけど、今夜は絶対あいつより主役になってみせるんだから・・・・!)
キリトがフィールドで待っていた。
キリト「今日はどのメンバーが――――」
主人公「ようキリト!」
キリト「その声は・・・」
黒シャツに、「本日の主人公」と書かれた襷をかけた主人公と、パンダTシャツのクレハとレイが来た。
キリト「って本日の主人公!?」
レイ「優秀なアファシスの私によるおこづかいシステムで、リーダーにふさわしいコーデにしてみました!」
「私はマスターからもらったおこづかいでマスターの個性に応じて最適なアイテムを購入できるのです!!さぁどうですかマスター!いえ本日の主役!リーダー!!主人公!!」
キリト「よろしくな主人公」
クレハ「ガンバってね主人公。今日は主役を譲ってあげるわ」
主人公「そうかありがとうな」
アスナ「私も見学していいかな?」
主人公「アスナ!?」
アスナ「今日は午前中に用事があって参加登録に間に合わなかったんだけど見届けたくて・・・」
ユイ「えへへ!ママに見守られながら頑張ります♪」
クレハ(トップランカーのアスナも見てる・・・頑張らなきゃ・・・!)
ユイ「それでは本日もスタートです~!!」
主人公(いきなり顔に当てるのは難しそうだな・・・どこか一部を麻痺させて動きを奪わないと)
キリトがクレハの銃撃をかわしている間に主人公は後ろに回り、
キリトにスライム銃を突きつけた。
キリト「うっ・・・・このっ・・・!」
キリトも振り返り、スライム銃を主人公に向ける。
主人公「え、うわっ!!」
キリトと主人公が互いにスライム銃を撃ち・・・・
キリトを主人公が抱きかかえるような体勢になった所で、二人がパラライズした。
アスナ「なんでそんな体勢に・・・?」
キリト「なんでだろうな・・・・」
クレハ「どうする?ユイちゃん。今ならキリトさんの顔面狙えるけど・・・」
ユイ「パパが抱っこされた状態でのプレゼントはちょっと・・・・麻痺の解除を待って、しきり直ししましょう」
ユイ「仕切り直して再スタートです!」
レイがコンテナの上に立っていた。
レイ「ふふふ、私もがんばりますよ!!」
「上からガンガン、キリトを狙って・・・!えっ」
レイが足を滑らせ、コンテナから落ちていく。
レイ「わっわっ」
主人公「アファシス!?」
レイ(ハッ、マスターが下に!!)
(いけませんマスター!!これはいわゆるラッキースケベフラグ・・・!このままでは助けようと抱きとめるはずが胸部へのタッチで私にラッキーセクシャルハラスメント・・・!!)
アスナ「危ないレイちゃん!!」
レイ「アスナ!!」
主人公「うわっ!!」
アスナが主人公を押しのけて飛び込み、レイを受け止めた。
主人公「悪い!!誰かぶつかって倒―――――」
主人公が押し倒したのは、キリトだった。
キリト「え・・・・・」
クレハ「ちょっとあんたなにしてんのよ、このスケベ!!」
主人公「いやそういうつもりは・・・」
キリト「どういうつもりだこの変態!!」
主人公「乗るなキリト!!」
クレハ「いい加減にキリトさんから離れ・・・」
クレハがスライム銃を拾ったキリトに右腕を撃たれ、パラライズした。
クレハ「え・・・・?あっ・・・・!!」
クレハ(いけない、倒れる!!しかもこのままじゃあいつにスカ―トの中が見えちゃう!!
でも片手じゃ隠しきれな―――――)
主人公「とにかく違うから!」
キリト「えっ」
主人公がスライム銃を拾って立ち上がったが、スライム銃がキリトのベルトに引っかかっていた。
キリト「のわーっ!?」
キリトが持ち上げられた。
レイ「何をしてるんですかマスタ―!!」
主人公「違っ、偶然・・・!!」
アスナ「キリトくん、なんて格好に・・・・!!」
クレハ「・・・・・・・・」
主人公「誤解・・・」
キリトが主人公のたすきを掴んだ。
主人公「えっ」
キリトが主人公を投げ飛ばし、壁に叩きつけた。
主人公「うわっ」
そこから、スライム銃を撃ってきた。
主人公「うおっ。ハハッ、キリト、なに本気に――――」
「いや本当に怒ってるだろ!!ラッキ―スケベしてごめんな!?」
キリト「別に・・・」
レイ「マスタァ―!!」
レイ「マスタ―のピンチ!これでも食らってください!!」
レイがキリトに何かを投げつけた。
キリト「!?、なんだ!?グレネードか!?」
しかし、投げられたのはクマのぬいぐるみだった。
キリト「ってクマ!?」
レイ「ふっふっふっ!騙し作戦大成功です!!」
クレハ「このっ・・・!はっ」
クレハがキリトの足を払った。
キリト「うわっ!?」
そしてキリトはアスナの方へ倒れ込み―――
アスナ「えっ」
キリトはアスナのスカートの中に顔を突っ込んだ。
アスナ「キャ―――――ッ!!」
レイ「アスナ!スカートをめくってください!その隙に撃ちます!!」
アスナ「え?」
クレハ「麻痺が解除されたわ!!アスナ早くめくって!!その瞬間に私が撃ち込むから!!」
アスナ「え?」
レイ「めくってください!!」
クレハ「スカートをめくって!!早く!!」
キリト「いやめくらなくても自分で出るから!!」
ユイ「いつも通りの展開に戻ってなんだか安心しました!」
キリトがスカートから顔を出した所で、ユイに顔面を撃たれた。
主人公(俺、ラッキ―スケベ以外何もしてない・・)
キリト「うっ・・・!やっとブラインドが解け――――」
ユイ「パパ!プレゼントです!受け取ってください!!」
キリト「!?プレゼント!?俺に!?」
ユイ「はい!びっくりしましたか?パパにぴったりでレアなものをゲットできたのでサプライズプレゼントをしたかったのです♪」
キリト「そうだったのか、これを渡すために今日まで・・・!驚いたぞユイ!めちゃくちゃ嬉しい、いったい何――――」
プレゼントされた光剣は、アイドルのライブで振るサイリウムそのものだった。
キリト「これは・・・・?」
ユイ「とてもレアな光剣だそうです!」
キリト(光剣というか・・・どうみてもサイリウム・・・)
「うわっ!でもこの光剣のステータスすごいな・・・!嬉しいぞ!ありがとうな!ユイ」
キリトに頭を撫でられて、ユイは喜んだ。
ユイ「みなさんご協力ありがとうございました!!」
クレハ「ううん、いいのよ。あっ!そういえばこのイベントの賞金は・・・・!?」
レイ「今日までキリトに挑んだ私たち以外のプレイヤーも含めて、500万クレジットを挑戦者全員の人数で割った数がもらえるので、微々たる額ですね」
クレハ「えぇ~!?」
主人公「そんなに甘くないか」
ユイ「あっ!!そういえばクラインさんに聞いたのですが、この光剣には正装があるんです!」
キリト「せ、正装・・・!?」
ユイ「さっそくご用意しますね!これです♪」
キリト「こ・・・これは・・・」
キリトが着た正装とは、様々なアスナが一面に描かれたシャツだった。
ユイ「わぁ!!ママがいっぱいです!!」
主人公「よく似合ってるぞキリト・・・」
キリト「ありがとうな」
レイ「この光剣、色が選べますよ。カーマイン・レッド、スペクトラム・レッド、フィニクス・レッド、どれにしますか?」
キリト「アスナ色で・・・」
アスナ「もうっ!!キリトくん!?」
主人公・クレハ「「はは・・・」」
ユイ「ふふふ!喜んで貰えてよかったです~!」
最終更新:2019年07月21日 06:29