特捜エクシードラフトの第48話


レスキューポリスの創設者・ウインスペクター、ソルブレインの前本部長・正木俊介が帰ってきた。
だが、それも束の間。現代の悪魔・大門の爪が神の子を宿した愛に向けられようとしていた

5人の紳士が正木警視監と愛に近づいている。
紳士の放つエネルギーが警視監を襲う。
警視監が倒れる。

愛「警視監……」
紳士「お嬢さんの番だ…… いや、もうすぐお母さんかな?」
警視監「やめろ……」

すると銃撃が紳士に炸裂。
エクシードラフトが駆けつけ、紳士の攻撃の盾となる。
シンクレッダーはリボルバックを撃つが、通り抜けてしまう。

シンクレッダー「何!?」
警視監「シンクレッダー、実体があるのは1つだけのはずだ。そいつを探せ!」

シンクレッダーがスキャン。
右端の紳士と大門が重なる。

シンクレッダー「大門! エンブレード装填! サイクロンノバ!!」

サイクロンノバが右端の紳士に炸裂。
他の紳士も消える。

キース「警視監!」

すると今度は少年の紳士が現れる。
その少年には大門が浮かぶ。

愛「大門…… 悪魔!」
大門「さすがに神の子を宿したお前には見えるのだな、私が…… 地獄へ堕ちろ!! 神の子と一緒に」

少年紳士は傘を閉じる。

愛「嫌!」
シンクレッダー「愛!」
愛「嫌ぁ……」
少年紳士「えい!」

すると美香が愛の前に現れ、代わりに刺された後、少年紳士を消し、倒れてしまう。
シンクレッダーたちがヘルメットを取る。

隼人「美香ちゃん! 美香ちゃん……」

美香「神の子を、守って…… お願い」

うなずく警視監。
愛は必死に腹部を抑える。

美香「主の、身元に帰ります」

美香は光となって空に去っていく。

隼人「美香ちゃん…… ミカエル……」


決戦! 最後の審判


大門「もはや猶予はない。我らが攻勢に出るときが来た! 闇よ、暗黒よ、その力を見せよ!!」

地球が暗黒に包まれていく。


特捜エクシードラフト本部。

隼人「もう1度パリに? インターポールで…… 再度会議を招集するんですか!?」
警視監「ああ。神と悪魔の戦いは、聖書の中の作り事ではなく、現実のこの世界で我々人間を巻き込んで行われている、紛れもない事実なんだ。早急に、国際的な対策を講じなくてはならん。私は、全世界に向けてアピールするつもりだ」
本部長「世界各地にある、大門コンツェルンの関連組織をフォロー。新たな犠牲者の発生を阻止するには、ぜひとも国際間の連携と協力が必要というわけだ」
隼人たち「はいっ!」
警視監「日向君…… 惑わされるな…… 君が神の子を宿していようといまいと、まず人間である君自身の命の方が大事なんだ! それを、くれぐれも忘れんでほしい……」
愛「はいっ!」

警視艦がうなずく。

警視監「頼むぞ。エクシードラフト!」
3人「はいっ!」

敬礼を取る4人。

本部長「気をつけて……」
警視監「お願いします」


警視監は本部を去った後、空港に到着。

警視監「暑い……」

車から出ると、外は暑かった。

警視監「どうしたんだ? やけに太陽の日射しが強いが……」

他の人々も暑がっていた。

人々「暑い。どうなってんだ?」「暑いわ」「暑いわね……」「どうしちゃったのかした!?」

警視監の飛行機が飛び立つ。


エクシードラフト本部。

愛「本部長! 悪魔の、大門の新しい別のアジトがわかりました」
本部長「本当か!?」
愛「世界各地にある大門コンツェルンの関連組織の電話やFAXなどの通信記録を徹底的に洗い直した結果です」

バリアス7とスクラムヘッドが走行中。
隼人たちが大門のアジトを聞きつける。

隼人「マルチポイント7!?」
耕作「そこに大門の、悪魔のアジトが!?」
拳「今度こそ叩き潰してやる!!」
隼人「実装!!」

バリアス7がエマージェンシーモードに変形。
3人はバトルジャケット と強化トライジャケットを実装。
2台はようやくアジトに到着。
エクシードラフトはそれぞれの車から降りて乗り込む。

ブルース「やなムードだな……」
キース「ひょっとして、また罠!? シンクレッダー!」

前のアジトが爆発したときの記憶が蘇る。
シンクレッダーは特捜手帳で調べるが、何の反応もない。

シンクレッダー「爆弾の反応はない。だがほかにどんな罠が仕掛けられているかわからない…… 手分けして慎重に調べろ」
ブルース、キース「はい!」

階段を上る3人。

シンクレッダー「ブルース……」

ブルースは2階に残り、シンクレッダー、キースは3階に上がる。
ブルースが部屋に入り、銃口を構えるとそれは鏡だった。

ブルース「鏡か……」

すると鏡のブルースが消える。

ブルース「あっ!?」

鏡に大門が写される。

大門「私なら、ここにいるよ…… 村岡くん」


キースもプールで調査している。
すると水面からも大門が姿を現す。

大門「私ならここにいるよ。大熊くん……」


シンクレッダーが大広間を探していると、タバコの煙を見つける。


一方、ブルース。

大門「悪魔は何でも知っている。君が本当は隊長を、叶隼人を憎んでいることもね……」
ブルース「バ、バカな!」

大門の目が光ると、ブルースとキースのヘルメットが自動的に開く。

キース「俺は、隊長をそんな風には……」
大門「いいや。憎んでいる…… 彼に代わって自分がエクシードラフトの隊長の座につくべきだとさえ、思っている……」

キースに異変が起き始める。

大門「いつもいつも命令され続けて、これからもずっとずっと命令され続けて…… 君の気持ちは当然だよ……」

ブルースにも異変が起き始める。

大門「大熊拳! お前はもう、私のものだ…… フハハハハ! 村岡耕作! おまえはもう、私のものだ。フハハハハ!」


一方、シンクレッダーは煙に一歩一歩近づく。
椅子を裏向けると誰もいなかった。


プール。

キース「違う…… 違う、違う! 違う!!」

キースがリボルバックを発砲。

大門「ハハハハ!!」

プールの大門が消える。

ブルース「俺は、そんなこと考えちゃいない!!」

ブルースも発砲するともう1人の大門も消える。
銃声が響く。
シンクレッダーが急いで降りる。

シンクレッダー「どうした!? 今の銃声はいったい?」

一同がヘルメットを取る。

耕作「な、何でもありません!」
拳「錯覚でした……」

隼人のアクセスロックから通信が入る。

隼人「こちら叶!」
愛「日向です。隊長、悪魔の、大門の目的がわかりました!」
隼人「何!?」


エクシードラフト本部。
モニターには地球の悪い環境が映し出されていた。

愛「世界全域、ほぼ地球規模で、大気中の紫外線率が上昇。特に赤道直下の国々では、通常の10倍もの紫外線率を記録しています!」
隼人「ひょっとして…… オゾン層が!?」
愛「これまでに考えられなかった早さで消滅しかけています!」

地球から紫外線が広がっている。

隼人「これは大門が、悪魔が!?」
本部長「オゾン層が消滅し、太陽の紫外線をそのままじかに浴びれば人間は生きられない! いや、我々だけじゃない。この地球上の…… 生きとし生きる者のほとんどが、死滅する!」
耕作「なんてことを…… なんてことを!」
拳「人類が滅びるなんて…… そんな……」

電話が鳴り響く。
本部長が出る。

本部長「エクシードラフト本部。何!? 正木警視監の乗った飛行機から救難信号が?」
隼人「愛、大至急シムで探査を!」
愛「はい!」

シムが飛行機を探査。

声「メイデー! メイデー! こちら13便!! 急激に機内温度が上昇。操縦不能に陥って…… メイデー、メイデー!」

隼人「正木警視監!」

飛行機が消える。

愛「そんな!」
耕作「まさか……」
拳「これも大門が!?」
本部長「そうだ、間違いはいない。あの便には正木警視監の他にもインターボールの会議に出席する、政府や警察関係者が乗っていたんだ!」
声「フハハハ!!」

モニターに大門が映る。

隼人「大門! 悪魔……」
大門「どうやらオゾン層の消滅が相当のショックだったようだが、人間どもよ、よーく考えろ…… お前たちがお前たち自身の歴史の中で、あそこまでオゾン層を破壊してくれていなければ、いかな私とてここまでの力はなかったのだ。そのことをよく考えろ…… もはや、手遅れでもある。聞け、おろかな人間ども…… そして、神と称する思い上がった者よ。すでにこの地上は制した! お前たちが、悪魔と呼ぶこの私が、この手で…… はははは!」
耕作「ふざけるな! まだ俺たちがいるぞ!!」
拳「エクシードラフトは降伏しないぞ!」
大門「言ったはずだ。お前も、お前も…… 私のものだと……」

大門の能力により、耕作と拳が懐からリボルバックを取り出し、愛に向ける。

大門「逆らうものは息の根を止める…… お前たちも、神の子も……」

銃口は愛の腹部に向けられる。

隼人「やめろ!」

隼人と本部長が止めに入る。

拳「何をする……」

リボルバックが発砲され、本部内のコンピューターに当たる。

隼人「耕作、やめろ!」

本部内が炎上し始める。

本部長「大門だ。2人とも悪魔に操られてるんだ……」
隼人「拳!」
大門「フハハハ……」
本部長「隼人、日向君! 2人は私に任せろ」
隼人「本部長!」

2人を取り押さえる本部長。

隼人「本部長!!」
本部長「行け! 隼人、日向君…… この地球のために、人類のために生き抜いてくれ。2人とも生き抜いてくれ!!」
愛「本部長……」
本部長「隼人、日向君を、生きてくれ。行け!!」
愛「本部長!!」
隼人「愛!」
愛「本部長……」

隼人は愛を連れて逃げる。

本部長「耕作、拳、目を覚ますんだ目を……」
大門「フハハハハ!!」

ようやく本部を脱出した隼人と愛。
しかし、本部内は崩壊。

耕作、拳「うわああ―――ッ!!」

本部は大爆発してしまう。

愛「もう嫌! 嫌よ―――っ!!」
隼人「愛!」

隼人が愛にビンタ。

隼人「忘れたのか!? 正木警視監と本部長の言葉を……」

(警視監『惑わされるな。日向くん! 君が神の子を宿していようといまいと、まず人間である君自身の命の方が大事だ。それをくれぐれも忘れんでほしい……』)
(本部長『行け…… 隼人、日向君! この地球のために、人類のために生きてくれ。2人とも生き抜いてくれ!!』)

愛から涙が溢れる。

愛「警視監…… 本部長…… 耕作さん…… 拳さん……」

太陽の陽射しが強くなる。

隼人「悪魔……」

地球が大門の手により危機に陥り始める。
地割れが発生。
火山も噴火する。

隼人「俺は命を…… 人間を、そしてこの地球を守る! そのために生きる。生き抜いてみせる!!」

愛が立ち上がる。

愛「隊長……」
隼人「愛! 行くぞ」

隼人と愛が去る。


隼人よ、愛よ…… 君たちに今慰めの言葉は要らない。
悲しみと絶望の縁で、そこで甦ってくれ、立ってくれ。
地球のために、人間のためにもう1度、もう1度戦ってくれ。エクシードラフトよ……



つづく


※この続きは特捜エクシードラフトの最終回をご覧ください。

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最終更新:2019年04月17日 18:02