魔術師ガイアスが、巨大な龍と相対していた。
ガイアス(3つの国を滅ぼした世界最強と謳われる龍。神さえも滅ぼす力を持ついう「神滅の巨龍」・・・だが・・・)
ガイアスはその巨龍をあっさりと倒したが・・・
ガイアス「27秒42――――ダメだな。――――遅い、遅すぎる」
(やはりこの紋章ではダメだ。これ以上の成長は望めない)
ガイアス「空より遙か上、学者達が「宇宙」と呼ぶ領域には、こいつを遙かに超える魔物が複数存在するらしい。それも二倍や三倍の強さではない、体力、防御力だけでも数百倍。攻撃力でいえば数千倍にも上るといわれる強さだ」
「この程度の魔物に27秒もかけているようでは到底太刀打ちできない。たとえ永遠に鍛錬し続けたとしても、宇宙の魔物には届かない」
「その理由の一つは、俺の持つ「紋章」だ。俺の持つ第一紋は他の紋章に比べて戦闘には向かない。それでも俺は今、世界最強の魔法使いと呼ばれている。賢者だの戦神だのと呼ばれたことさえあった」
「最弱の紋章からたゆまぬ鍛錬によってここまで来たのだ。しかし今、自分にはもはや成長の余地がないことを知ってしまった」
「人間の紋章は生まれた時点ですでに決定しており、後天的な変更は不可能。
ならばどうすればいいのか?その答えが転生だ。今こそ転生魔術で生まれ変わろう!」
ガイアスが空に魔法陣を浮かべ、その体が光に包まれた。
ガイアス「いつかきっと、あの宇宙に挑戦する。誰も到達したことのない遠いところまでいくのだ」
「・・・ちなみに俺が強くなれなかったもう一つの理由は、共に戦える仲間がいないせいで集団戦術が取れなかったことだ。要するにぼっちだったのだーーー来世ではそこも克服せねば・・・」
とある村の屋敷。
ガイアスはその屋敷で暮らす子供に転生していた。
その手に刻まれた紋章は・・・
ガイアス?「第四紋!よし!当たりだ!」
マティ(現世の俺の名前は、マティアス=ヒルデスハイマー。名前の通りヒルデスハイマー
準男爵家の三男だ。前世の記憶が戻るのに時間がかかったが、転生はおおむね成功だ。
今マティアスは6歳、勉強も鍛錬もしがいがあるというもの。まずは情報収集だ)
(この家は貴族だけああて書斎がある。役に立つ本があればいいが・・・)
本を取ったマティに、上の兄のレイクが話しかけてきた。
レイク「やあマティ、書斎に何か用かい?」
マティ「レイク兄さん!本を読もうと思って、魔法の本!」
レイク「じゃあ僕が読んであげるよ」
マティ「いや自分で読むよ」
マティは本を開いたが・・・・
マティ(よ、読めない!?何百年も世界中を戦い歩いているうち、いつの間のか二十七ヵ国語をマスターしていた俺だが、この本の文字は見たことがないぞ)
(いったいどのくらい先の時代に転生してしまったんだ!?)
「お願いします、兄さん」
レイク「はは、まかせて」
「魔法か・・・マティには剣の方がいいんだろうけど・・・」
マティ(?、何でだ?)
マティ「魔法の因子「紋章」―――、それは機能によって4つに分けられる」
「レイク兄さんは第二紋か・・・・」
「第一紋 生産系に特化した紋章。戦闘以外の場合かなり活躍、前世の俺が持つ紋章であった」
「第二紋 威力特化型の紋章。最初は大した特徴のない性能を持つ紋章だが、鍛錬すると高火力の魔法が放てるようになる」
「第三紋 連射特化型の紋章。最初は威力の低い魔法を放つことしかできない紋章だが、鍛錬すると魔法の威力と連射性能が上がるため、掃討戦などにおいては高い力を発揮する」
「第四紋 近接戦に特化した紋章。射程が短い、第二紋と第三紋の連射性能を持っている。単独での魔法戦闘に最も向いた紋章だ」
「もう何回か転生しなければいけないと覚悟していたが、最初の転生で第四紋を手に入れられるとはすばらしい!」
マティは感涙していた。
レイク「マティ!?そんなにこの物語に感動したのかい!?」
マティ(結局この本はただのフィクションの冒険物語であまり役に立たなかった。だが読み聞かせのおかげで多少は文字を理解することができた)
レイク「じゃあ僕はそろそろ畑の仕事に戻るよ。マティは一人で大丈夫かな?」
マティ(子ども扱いされるのにも慣れないとだな・・・)
(文字が読めないのなら情報収集は後回しにせざるを得ない。まずは鍛錬から始めよう。体力や魔力は毎日の積み重ねが大切だからな)
マティが外に出た。
村人たち「お、あれは領主様の・・・」
「こんにちは―――――」
マティ「こんにちは―――――」
(そういえば、前の世界と違うところがある。生活に必要不可欠と言われていた魔道具が一つも見当たらないのだ。魔法が普及していない地域なのだろうか?飛行型農業用人造妖精もなければ、調理用分子運動加速装置も建築用魔導重機もない。魔導歴一万二千七百年代には考えられかった光景だ)
(・・・・まあ今の環境に文句を付けても仕方がない。今は第四紋が手に入ったことを喜ぼう!)
そう考えながら道を歩くマティの前に立ちふさがったのは・・・
マティ「!」
ビフケル「こら!マティアス!なぜ外に出ている!」
マティの下の兄のビフケルだった。
マティ「・・・ビフケル兄さん、出ちゃダメなのか?」
ビフケル「ダメに決まっているだろう!家の恥さらしだからだ!お前のような失格紋は、俺が家を継いだらすぐに追放してやる!」
マティ「しっかくもん・・・・・?」
ビフケル(14歳)「そんなことも知らんのか、これだから失格紋は!」
マティ(6歳?)(6歳児に向かってそんなことを言われましても・・・)
(というか、この馬鹿は本当に自分が家を継げると思っているのだろうか、お前次男だぞ)
ビフケル「仕方ないな、栄光紋の俺が教えてやろう。見てみろ!」
「これが魔法の神に選ばれし者の証、栄光紋だ!」
そう言ってビフケルが見せつけたのは、前世のガイアスと同じ第一紋だった。
マティ「・・・・・は!?」
(魔法の神に選ばれし・・・・?第一紋だろ、どう見ても?名門はもちろん、中堅と呼ばれる魔法学校の全てが入試の条件として、「第一紋でないこと」を提示している。試験さえ受けさせてもらえない、俺が転生してまで捨てたかった紋章だぞ?)
ビフケル「そしてお前のそれは失格紋!魔法をロクに使えないクズの証だ!」
マティ(・・・・うわぁ、痛々しい。きっとこいつは自分の紋章に絶望するあまり、人格を歪めてしまったに違いない)
ビフケル「?」
「何だその目は!舐めているのか!オイコラ」
マティ(違うぞ、哀れんでいるんだ。相手をするのも馬鹿馬鹿しい・・・)
【身体強化】-脚力アップ!
マティが身体強化魔法を使い、ビフケルの横を抜けて走り出した。
ビフケル「!?くそ待て!」
「・・・・何で追いつけねえんだ!」
マティ(ふふふ、それは魔法の神に選ばれし者さんが、魔法をろくに扱えないクズでも使えるような身体強化を扱えていないからじゃないかな)
(現世の記憶の全てが俺に告げている、ビフケルを相手にするのは完全に時間の無駄だ。とりあえず逃げておこう)
マティは森の奥まで来た。
マティ「さすが第四紋!」
(身体や魔力への負担が思ったよりも軽い、元々第四紋は身体強化に向いた紋章だが効果は思った以上のようだ)
「転生してよかった――――」
(力試しだ、とりあえず何か狩ってみよう)
マティが【受動探知】を発動させた。
マティ(【受動探知】、魔道具や生物が発する魔力を識別する、もっともよく使われる魔法の一つだ。前世であれば半径数百キロはいけたが・・・今は1キロがせいぜいか)
(いた!鳥だ!!)
マティの近くに、木の枝に留まる鳥がいた。
マティ(距離は・・・およそ5メートル。第四紋の魔法は射程が短い、今の俺では届かない。ならば・・・)
マティが小石を拾った。
マティ「まずは今の体、今の魔力量を考えて・・・【身体強化】を最大限に小石に伝えるための動き・・・」
(まずは脚・・・・)
(そして、肩・・・さらに腕へ・・・!)
鳥「!!」
マティが振りかぶって投げた小石は、鳥の頭に当たり、鳥が落ちた。
マティ「よし!やった!きたきた!」
落ちた鳥の体から光の球が出てきて、マティの体に入っていった。
マティ(魔物や動物の魔力には特殊な性質があり、それらを倒した際に魔力を取り込んで自らを強化できるのだ。初めての戦闘だからか?成長が実感できる!)
(倒した鳥は魔法で首を切って血抜きをしておく。貴重な栄養源だ、筋力増強のためにタンパク質は必須だからな)
その夜。マティが倒した鳥を使った料理が、ヒルデスハイマー家の夕食となった。
カストル「今日の夕食は豪勢だな!何かあったのか?」
レイク「今日はマティの6歳の誕生日だけど、それを祝うためって訳じゃないよね?」
マティ(たしかにこれまで豪勢な食事が出たのはレイクの成人の時だけだ。ちなみに15歳で成人らしい)
ビフケル「そうだ!こいつの誕生日を祝うなどとんでもない!むしろ悲しみ、運命を呪うべき日だ!」
カストル「ビフケル、お前は黙っていろ」
父であるカストルに諫められても、ビフケルは平然としていた。
母カミラ「ビフケル、このお肉はマティが持ってきました。文句があるなら食べなくてよろしい」
カストル「マティがこれを?いったいどうやって手に入れたんだ?」
マティ(この領地が魔法的に未発達なのを差し引いても俺の魔法は6歳としては優秀なのだ。正直に答えると面倒なことになる可能性があるな。この領地に縛り付けられるパターンは避けたい・・・だから正解の答えは・・・)
「たまたま、鳥が木にぶつかって落ちてきたんだよ♫ははは♡」
カミラ「綺麗に首を切って、血抜きまでされて落ちてきたんですか♫ホホホ♡」
マティ(お母さん――――――!!)
「・・・血抜きは尖った石を見つけて自分でやったんだ」
カミラ「5羽も?」
マティ「え?うん」
(誤魔化せたか?6歳児の平均がわからん・・・)
カミラ「・・・・確かに攻撃で倒したにしては、それらしい傷が見当たりませんでしたね。珍しいことですが、あり得なくはないのかもしれません」
カストル「鳥の異常行動か、妙なことの予兆じゃなきゃいいんだがな」
マティ「えへへへ」
(よし、誤魔化せた!)
カストル「・・・そういえばマティ、お前6歳になったんだったな」
マティ「うん、今日で6歳だよ」
カストル「じゃあマティも明日から剣術を教えてやろう。特にマティは領地を出ることになるから剣は大事になるぞ」
マティ「!!、僕は領地を出るの?」
カストル「・・・マティには早い話かもしれないが、マティは三男だからな。領地で畑を耕してもいいが、魔法か――――いや、剣ができれば外に出るという選択肢が生まれる。そっちのほうがきっと楽しいぞ」
マティ(何と、最高じゃないか!三男バンザイ!いや、だが・・・)
「魔法だとダメなの?」
カストル「も・・・もちろん、魔法でもいいぞ。でも俺は剣の方がいいと思うけどな!」
マティ(歯切れが悪いのが気になるが・・・剣が使えれば領地から出て行けるようだな。早く成長して思い切りこの第四紋を使ってみたいところだ!)
翌朝。
カストル「マティか、早起きだな。剣術が楽しみだったのか?」
マティ(身体強化などはかかっていないが、父の剣筋は綺麗だし剣速も悪くない)
「早く領地を出て冒険者になりたい!」
カストル「そうかそうか、普通は騎士を目指すもんだが冒険者も悪くないな!よし」
カストルがマティに剣を投げ渡した。
カストル「かかってこい!俺に剣を当てれば勝ちだ!」
マティ(!?いきなり模擬戦?6歳を相手にやる内容か?)
カストル「どうした!どんな手を使ってもいい、一撃入れてみろ!」
マティ(ヒルデスハイマー家の剣術教育はなかなか先進的だな。素振りを見ただけで父カストルが舐めてかかれる実力ではないことはわかる、技量はもちろんだが根本的な身体能力が違いすぎる。だがやるからには、今できる限りのことをしよう)
「いきます!」
カストル「おう!」
マティがゆっくりと歩いて、カストルに近づいていく。
マティ「えい!」
カストル「ふ」
マティの大ぶりの一撃を、カストルは余裕で弾こうとしたが、
そこでマティが踏み出した。
マティ(【身体強化】-脚力!!)
身体強化をかけて、マティはカストルに突っ込んだが、
カストルはマティの一撃を剣で防いだ。
マティ(やっぱりこれだけで勝つのは無理か。ならば・・・・)
(【縮地】)
マティがカストルの前から消え失せた。
カストル「!!むっ・・・消えた!?」
マティはカストルの背後に回っていた。
マティ(【縮地】は相手の意識に死角を作り、そこに潜り込むことによって一瞬だけ相手の認識をかいくぐるための魔法。かっての第一紋であれば、今の十倍の魔力が必要だが、さすが近接特化型の第四紋、伊達ではないようだ)
(転生して正解だ。前世の俺など百年もたたずに越えられてしまう)
(・・・いや!感慨にふけっている暇はない。ここで一気に勝負を掴む!!【魔力撃】!)
マティの一撃は、カストルの剣を弾き、脇腹に当たった。
レイク「マティが父上に勝った・・・?」
カストル「剣の才能があるかもしれんとは思っっていたが、化け物か・・・?」
マティ「不意をついただけだし、当てただけだよ」
(なにやら驚かれてしまったようだ。今のが実戦であれば俺の攻撃は父カストルに軽い傷を与えた程度だろう。さらに戦闘の結果を大きく左右する初撃で父カストルは手加減をしていた。俺はそこを突いただけだ)
カストル「今の攻撃はなんだ?俺に姿を見失わせた・・・」
マティ「うん?普通に【身体強化】と【縮地】を使っただけだけど・・・・」
カストル「・・・・・」
マティ「あと【魔力撃】を・・・」
カストル・レイク「「それは普通じゃない!!」」
マティ「え!?」
レイク「なぜマティが魔法を使えるんだ?」
マティ「・・・練習したから?」
レイク「いやその理屈はおかしい」
マティ(なぜ!?)
「でも練習すれば誰だってこのくらいは・・・」
カストル「よし!お前がおかしいことはよく分かった!」
レイク「僕の九年間の訓練は一体何だったんだろう・・・」
マティ(???)
カストル「お前に常識というものを教えてやろう」
マティ「常識?」
カストル「・・・でも教えるのは俺じゃない。あいつだ!」
ビフケルが、欠伸しながらやって来た。
カストル「おいビフケル!遅いぞ、ここが軍なら処罰の対象になっているところだぞ」
ビフケル「少しくらい遅れたって別にいいだろ」
カストル「まったくこの子は・・・・」
マティ(やれやれ、相変わらずのダメっぷりだな・・・)
カストルがマティに視線を移した。
カストル「本来なら今日は特別厳しい鍛錬を科すところだが・・・お前は運がいい。腕立て二千回かマティとの模擬戦、どちらか選ばせてやろう」
ビフケル「マティと・・・」
ビフケルもマティに視線を移した。
ビフケル「マティアスとの模擬戦だ!」
カストル「よろしい。勝敗条件はどちらかが降伏を宣言するまで。審判は俺でいいな?」
ビフケル「待ってくれ父上。審判には限界がある、誤審が起きないとも言い切れない」
マティ(―――なるほど。父カストルが俺に有利な審判を下さないかどうかを心配しているのだ。ビフケルは父にもよく思われていないようだからな。それを自覚しているとすればこういう発言が出るのも無理はないな)
カストル「分かった、審判はなしにしよう」
マティ(審判なし・・・・?それでは模擬戦の勝敗が付けられないのでは・・・?父上は一体何を考えているんだ・・・?)
ビフケル「それと一回戦じゃマティアスも物足りないだろう。五回ぐらいでどうだ?」
カストル「分かった、では五回にしよう」
ビフケル「それと確認だが、手加減はいらないんだよな?」
カストル「ああ、「お互い」手加減は不要だ」
マティ「?、?、?」
マティとビフケルが互いに剣を構えて、向き合った。
カストル「準備はいいな?」
ビフケル「安心しろ失格紋!手加減してやるよ」
マティ「・・・・・」
カストル「模擬戦―――はじめ!」
ビフケル「おらああああああ、死ねやあああああああ」
ビフケルがマティに突っ込んでいき、剣を振り下ろした。
だが、マティに剣で防がれた。
ビフケル「!!」
マティ(ビフケルの力は父カストルほど強くないし、剣筋も酷いものだ。これなら正攻法で倒せるだろう。まずはバランスを崩して・・・・とはいえ、そんなにあっさり行くものでは無いだろうが・・・)
マティに剣で弾かれ、ビフケルが後ろに倒れていく。
ビフケル「え」
マティ「!」
(こんなに容易くバランスが崩れる・・・・?待て、これはもしや・・・・)
(罠だ。あからさまな隙を作って俺の油断を誘い、魔法からのカウンターか何かで沈める作戦だ。いいだろう、敢えて乗ってやる。奇策は読まれた時点で愚策に成り下がるのだ)
(さあ、お前の策を見せてみろ―――――)
マティがビフケルに剣を振り下ろした。
命中まで0,3秒。
マティ(まだ動きはない、魔法を使うにしてもそろそろ使わないと間に合わないはずなのだが・・・・?)
残り0,2秒、ビフケルは目をつむった。
残り0,1秒。
マティ(!?目をつむった・・・・・?まるで迫る剣に対して恐れを抱いたとでもいうかのように、なぜだ?)
そして、マティの剣がビフケルの顔面に当たった。
マティ(罠が・・・・不発?)
ビフケル「ぎゃあ、あ、あああああ」
ビフケルは涙を流して、痛がった。
マティ(この痛がりよう、明らかに異常だ。訓練を受けた者のする行動ではない、ダメだ!策が読めない!・・・いや待てよ)
(この戦闘の勝敗条件は「どちらかの降参」だ。つまりビフケルはまだ敗北していない、魔法の準備のために痛がるふりをして時間を稼いでいるのだ!)
(ならば俺のするべきことは追撃だ!ビフケルが魔法を完成さえるのが早いか、俺がビフケルを降参させるのが早いか)
(これはそういう勝負だ!)
マティがビフケルの喉を狙って、剣を突き―――――
カストル「マティその辺でやめてやれ!!」
マティ「!?」
マティが剣を止めるとビフケルはそのまま倒れ、泡を吹いて気絶した。
マティ「・・・・え?・・・・え?ビフケルは何をしようとしていたんだ?」
カストル「マティを倒そうとしていたんだ」
マティ「わざと隙を見せたのは?」
カストル「あれはわざとじゃない。普通にバランスを崩しただけだ」
マティ「・・・・ビフケルはそこまで弱かったのか」
カストル「それは違う。ビフケルは別に弱くないぞ、同年代から見ればむしろ強めの部類に入る」
マティ「!?」
カストル「マティの強さが異常なだけだ。少なくとも15歳未満でお前に勝てる奴はまずいないだろうな」
マティ(マジか・・・・いくら知識があるとはいえ、訓練もしていない6歳の体だぞ)
(この時代、魔法だけではなく剣術まで衰退してしまったのか・・・・?)
最終更新:2019年09月06日 23:24