金田一「謎はすべて解けた・・・・!!」
これは―――・・・偶然居合わせた名探偵の孫に、謎を暴かれてしまった犯人たちの、
綿密な計画と、実行の記録である。
「
オペラ座館殺人事件」・・・・・・!!『オペラ座の怪人』に見立てて行われるはずの3つの殺人だったが、事件は犯人である怪人の思惑から外れていく・・・・
リゾートホテル『オペラ座館』。
?(大丈夫・・・・完璧なトリックも考えた・・・!!一先ず、最初の問題は・・・・)
(果たしてこの状態でチェックインできるのか・・・それに尽きる・・・・!!)
!?
そんな心配をしていたのは、コートを着て、包帯で顔を隠した男―――オペラ座館殺人事件の犯人、有森祐二だった。
有森(演劇部の連中が島に入る前日に「歌月」の名前でホテルにチェックインし、
‘こっそり島を抜け出した後、皆と一緒にもう一度島を訪れる‘というう算段・・故に顔を見られるわけにはいかないのだ)
有森が『オペラ座館』の中に入った。
『オペラ座館』オーナー黒沢和馬「!」
「ようこそオペラ座館、へ・・・・・」
!?
黒沢(あ・・・怪しさがすごい・・・・!!)
有森(わかっている・・・自分の怪しさがすごいことは・・・)
黒沢「泊めたいという機持が・・1ミリも起こらん・・・!!」
有森(だが・・・勝機はある・・・!!本来、ヘルメットやサングラスは着用したままの入店を断られる場合が多い・・・しかし包帯は・・・デリケートな空気が出る・・・・!!)
黒沢(言えない・・・包帯を・・・・とってくれとは流石に・・・!!)
有森(成るか・・・・?チェックイン・・・・!!)
黒沢「お部屋に・・・ご案内します・・・・!!」
有森(イン・・・・!)
黒沢(いや・・・イカンな・・・私としたことが見た目で判断するなんて。顔をケガした普通のお客様だよ、うん・・・)
有森「あの・・・たまってる仕事を片づけたいので部屋には誰も近づけないでくれ。食事も全て部屋で済ます」
黒沢(怪しい―――!!)
有森は部屋に通された。
有森「よし!まずはお風呂の壁に・・・」
(怪人らしい恨みのこもったメッセージを・・・!!)
有森が風呂の壁に「地獄の業火に焼かれよ」の文字を書いた。
有森(なんか・・・・あんまり怖くないな・・・)
「上手く書きすぎちゃダメなのか・・・・?」
有森はメモ帳での練習をした後で、「地獄の業火に焼かれよ」の字を書いた。
有森「・・・・・・」
(怖い・・・よな・・・?うん・・いや・・・・うん・・・多分・・・・書きすぎて正直よく分からなくなってきた・・・!!もう少し演出を加えとくか・・・)
黒沢「・・・・・部屋で変なことしてないかな・・・・」
!?
有森は部屋中の壁に傷を付けていた。
有森「よしっ!部屋をズタズタに切り裂いたぞ!」
有森はコートと包帯を脱ぎ、窓から外に出た。
有森(窓からそっと部屋を出・・・海へ!)
有森はゴムボードを出した。
有森(モーター付きゴムボート!!ちなみに10万した・・・高校生にとってはなかなかの額だ・・・金がかかる。トリックって金がかかる・・・・!!)
有森がゴムボートで本土へ帰っていった。
翌日――――
有森(よし・・・・計画通りだ・・・何週間もかけて練り上げたトリックだ・・・バレる訳がない・・・!!)
(名探偵でも現れない限り・・・な)
美雪「待ってよ、はじめちゃ~ん」
有森「?」
!?
『オペラ館』に向かう演劇部の中には、美雪がいた。
有森「あれは七瀬美雪・・・か」
そして・・・・
!?
金田一 一がいた。
有森(あいつは・・・金田一 一・・・)
金田一「荷物ばっかり持たせやがって」
美雪「ごめんってば」
有森「・・・・・」
(なぜだ・・・?嫌な予感が・・・)
電車の中、金田一と有森のターゲットの1人である織絵が話していた。
織絵「へえ、金田一君のおじーさんって手品師だったの?」
金田一「はは、違うって!」
「俺のじっちゃん、名探偵なんだ」
有森(名探偵の・・・孫・・・!?なんでだよ!!なんで・・・!!なんで名探偵の孫がついて来るんだよ・・・)
沸き上がる憤怒と忍び寄る絶望・・・!!
有森(さすがに断念・・・すべきか・・・・!?)
しかし差す―――――・・・・一筋の光明――――・・!!」
有森(はっ、孫!確かに祖父は名探偵・・・!!しかし奴は孫・・・・!!2親等・・・・!!ギリか・・・!?孫なら・・・・ギリいけるか!?)
そして舞台は・・・・オペラ座館へ・・・・!!
(続く)
最終更新:2019年11月16日 20:28