ギャバン「ディメンションボンバー!」「スパイラルキック!」
敵の猛攻の降り注ぐ中、ギャバンの攻撃が次々に決まる。
ギャバン「レーザーブレード!」
リザード「こうなりゃ、あの設計図を信じるぜ!」
リザードダブラーが小さなスイッチを取り出す。
ギャバン「ギャバン・ハイパーダイナミ──ック!!」
それより先に、ギャバンの必殺剣が決まる。
リザード「ぐぁぁ──っ!! ドン・ホラーに栄光あれ──っ!!」
大爆発──!
火柱が上がり、ギャバンは勝利を収める。
ギャバン「銀色の輝きは、伊達じゃないぜ」
蒸着を解除したギャバン = 十文字 撃が、爆発跡に倒れているリザードダブラーに手錠をかける。
撃 (……なぜだ? なぜまた、マクーの構成員が?)
その模様が、ニュース映像で報道されている。
『かつて銀河連邦警察が壊滅させた宇宙犯罪組織マクー、
マドー、
フーマとの関連が疑われる犯罪が、宇宙の各惑星で相次いでいます。その中でも特に凶悪なのは『ネオマドー』と呼ばれる組織で、最高幹部とされるガイラー将軍には、人間を殺人マシンに変える禁止薬物『ハイパーM』の製造および販売容疑がかけられています。こちらは動画投稿サイトに送られてきたガイラー将軍の映像です』
映像の中、かつての宇宙犯罪組織マドーの幹部と同じ「ガイラー将軍」を名乗る青年。
ハイパーMを投与された者が、銃撃されて血まみれになっても平気な顔で暴れ回る。
『ハイパーMは筋力が増強されると同時に、痛みをまったく感じなくなる一方、短時間で解毒しなければ確実に死に至る危険な薬物です』
ガイラー「こいつを使えば、どんな老人でもガキでも、不死身の兵士に仕立てられる。いいクスリだぜ、ハイパーM……!」
その報道をどこかの部屋で、かつてのマクーの秘書・ホラーガールと同じ姿の怪人が見ている。
「キャハハハハ! ガイラー将軍、悪すぎぃ~! キャハハハハ!」
撃は銀河連邦警察に帰還し、長官ニコラス・ゴードンと秘書官のエリーナに結果を報告する。
銀河連邦警察とは、
宇宙の彼方バード星に本部を置く警察組織である。
宇宙のあらゆる犯罪を撲滅するため、
新任のゴードン長官のもと、
全銀河に宇宙刑事を派遣しているのだ。
ゴードン「マクーやマドーの残党が、事件を引き起こしているのか?」
撃「いえ、どうも不自然です。どこか表面的というか…… それぞれにあるはずの思想性や、大いなる意思の存在といったものが、感じられないんです」
エリーナ「じゃあ、模倣犯の犯行?」
撃「はい。カリスマ犯罪組織のマネをする、模倣犯の可能性があります」
ゴードン「バカな…… 模倣犯がこれほど、同時多発的に出るなど」
撃「何か、共通の要因があるはずです。それを突きとめます!」
撃「おぉ!? シャイダー!」
舟「なんだ、ギャバンか!」
撃「どうしたんだよ? そんなに急いで」
舟「ずっと追っかけてた奴の尻尾、掴んだんだ」
撃「?」
舟が「呑みに行こう」の仕草をして見せる。
舟「また行こうぜ。今度はシャリバンのオゴリだ」
撃「駄目駄目。あいつケチだし、計算高いし」
舟「まぁまぁ、そうだけど、近々長官賞を取るぜ。あいつ」
撃「シャリバンが?」
舟「あぁ。でけぇ声じゃ言えないんだけど…… ネオマドーがらみで何か極秘の任務に就いているらしい!! じゃあな」
撃「声も体もでかいんだよ! シャリバンが極秘任務か……」
その頃、宇宙刑事シャリバン・日向 快と、
宇宙科学捜査官シシーは、地球に向かっていた。
地球でガイラー将軍が
ハイパーMの取引を行なうという情報を、
銀河連邦警察が掴んだのだ。
快「シシー、地球の基本情報は頭に入れたか?」
シシー「オフコース! シャリバン、君の名前のルーツの星だし、こっちもキ~ッチリ!」
シシーがグルメ本を見せるが、快はそれを無造作に放り投げる。
快「くだらん情報は入れなくていい。俺の計算では、そんなところに寄っている時間は一切ない」
シシー「あぁ!? もう…… ゆとりのない子はお姉さん、嫌いだぞぉ!」
快「セット完了、移動する」
快とシシーの2人を乗せ、超次元戦闘母艦グランドバースは一路、地球へ向かう──
最終更新:2014年12月07日 10:46