吹雪の中に、タイガトロンは座り込んでいた。
タイガトロン「エアラザー・・・拙者がこの手で・・・殺してしまった・・・・」
「う・・・う・・・拙者もせばに行くぞ!エアラザー!!」
タイガトロンは愛刀「虎鉄」を掲げ――――
タイガトロン「武士道とは・・・死ぬことと見つけたり!!」
自らの腹に突き立てたーーーー
その頃、ブラックウィドーが見つけたものとは・・・
機能停止した初代コンボイであった。
ブラックウィドー「見つけたっシャ・・・」
(でも初代コンボイがなぜここに?)
メガトロン「く・・くふふ、よくやったブラックウィドー。わしの命尽きる前に・・・`神殿`を・・・・よくぞ見つけてくれたな。く・・・くく」
ブラックウィドー「メガトロン!!」
頭だけとなったメガトロンが、ワスピーターに抱えられてきた。
ワスピーター「メガトロン様はジャガーに襲撃されてこんな姿になっちゃったけど、なんとか最後の力ふりしのって生きのびてこられたんだ、ブーン」
メガトロン「ワスピーター、`神殿`の船内迎撃システムを起動させろ。初代コンボイの処刑準備だ」
メガトロン「太古の昔よりサイバトロンとデストロンは激しい戦いをくりひろげていた。長期化する戦いで不足するエネルゴアを求めて初代コンボイは、宇宙船`神殿`で旅立ったが・・・・」
「我らが初代メガトロンたちの急襲をうけて`神殿`は惑星、地球に墜落。そのまま両軍は四百万年間眠りにつくことになる・・・・」
「その後、眠りから覚めた両軍はグレートウォーで再び激突、サイバトロンが勝利をおさめる・・・」
「そこでわしは初代コンボイが覚醒する前の四百万年前の地球、つまりこの惑星エネルゴアにトランスワープしてきたのだ・・・・」
「ここで初代コンボイの命を断てば・・・・歴史は変わる・・・メガトロンの勝利となるのだ!!船内迎撃システム作動!」
初代コンボイに無数の兵器が向けられた。
ブラックウィドー「ちょっと待つっシャ、メガトロン。じゃ、アタシはどうなるっシャ。元はサイバトロンのアタシは?」
メガトロン「消えてしまうだろうな。サイバトロンに生まれたことをうらむしかあるまい」
ブラックウィドー「ふ・・・ふざけるんじゃないっシャーッ!」
メガトロン「やかましいわ!」
ブラックウィドーが飛びかかろうとしたが、メガトロンの目からの光線に撃たれ、倒れた。
ブラックウィドー「ぐっ・・」
メガトロン「どうせそのキズでは長くない命だ。生きながらえたところでなんになる」
「!?」
メガトロンにブラックウィドーの糸が絡まっていた。
メガトロン「こ・・・これは!?」
ブラックウィドー「アタシも往生際がいいほうでもないっシャ。どうせ死ぬなら・・アンタも道連れっシャ、メガトロン!」
メガトロン「おっ・・」
ブラックウィドーが糸を引き、メガトロンが床に開いた穴の下の溶岩に落ちていった。
メガトロン「ああああ・・・」
ブラックウィドー「下の溶岩でおのれと野望とともに燃えつきるがいいっシャ・・」
メガトロン(ぐおお・・・わしの命もこまでか・・いや・・まだ死なぬ・・まだ死なぬ~~~っ)
「ム!」
溶岩の中に、初代メガトロンがいた。
メガトロン(あ・・・あれは・・・初代メガトロン大始祖様のお姿!おお大始祖様!どうか我に力を貸して下さいませ!)
初代メガトロンの目が光り、胸部を開いて露わになったスパークの元へ、メガトロンが入っていき―――――
エネルゴア上空――――
第2劇でコンボイに打ち上げられ、衛星となっていたランページを地上からの光線が粉々に砕き、その魂が、無数の光の球となってエネルゴアに降り注いでいった。
メガトロン?「志半ばで倒れた我がしもべたちよ。我の召喚に答えよ」
「ランページの魂を糧にして、不死身の戦士としてよみがえるのだ!」
テラザウラー、タランスといった戦死したデストロン達が蘇っていく。
サイバトロン基地。
ライノックス「W53地区で強力なエネルギー反応!現地のスパイメカによる映像をモニターに!」
メガトロン「初代コンボイの命を断てば・・・歴史は変わる・・・メガトロンの勝利となるのだ!」
ライノックス「こりゃ大変なんだナ!コンボイ!」
コンボイはビークルモードで森の中を進んでいた。
コンボイ「・・・・わかった、今すぐW53地区に向かう。ライノックス、ラットルも急いで合流ぢてくれ」
(まさか歴史までも変えようとしていたとは。メガトロン、おそろしい男だ・・)
「ム!」
コンボイの前に現れたのは、第1劇でコンボイに倒されたはずのテラザウラーだった。
コンボイ「テラザウラー!」
テラザウラー「キシャ~ッ」
コンボイ「きさまは死んだはず・・・・」
コンボイの一撃がテラザウラーの右腕と頭を抉ったが、それでも尚、テラザウラーはコンボイにまとわりついてきた。
テラザウラー「地獄からの帰還者・・おぬしだけとは思うな・・・・・」
クイックストライク「ギ~~~ッ」
コンボイ「クイックストライク!」
「タランス!」
タランス「ウヒャヒャ」
テラザウラー「フフフ・・・みんな貴様に、うらみを持って死んでいった者たち・・・」
テラザウラー達とデストロン兵士達が、コンボイに群がってきた。
テラザウラー(貴様、我らの痛みを・・苦しみを知っておるか・・・・・・いや・・・・・知るまい・・・知りながらあれほど無慈悲な殺りくができようはずもない・・・・)
(まこと貴様の行いすべて・・・・正義の名を借りた鬼の所行よ・・・いつわりの正義をふりかざす貴様にわれらの手で処刑を・・・)
コンボイ「そんなまやかし私には通じぬ!」
剛雷肘突
コンボイの肘撃ちがデストロン兵士をなぎ払った。
コンボイ「貴様等を抹殺することで受ける悪業ならば・・・・」
剛雷昇膝
コンボイの膝蹴りがテラザウラーの顎に撃ち込まれた。
コンボイ「よろこんで受けよう!」
「悪業背負って悪を断つ・・」
「それが私の正義だ!!」
猩猩剛連撃
コンボイの連続パンチが、タランス、クイックストライク、テラザウラーを粉砕しデストロン兵士をなぎ倒した。
そこへ砲撃が放たれ、コンボイは飛び退いた。
コンボイ「!!」
「ジャガー!!」
宇宙神の名の下に多くの命を奪った末にコンボイに倒されたジャガーが、
左目をスコープに、コンボイにもぎ取られた両腕を銃そのものとして復活していた。
ジャガー「神から新たに与えられた、この両の腕の威力・・・」
「コンボイ・・貴様の体で試すとしよう」
ジャガーに銃を向けられ、コンボイは冷や汗をかく。
ジャガー「ム・・・・」
しかし、ジャガーは左目のスコープでやって来る「誰か」を見つけ、歯を鳴らして震えだした。
コンボイ「タイガトロン!!」
やって来たのは、「虎鉄」で自分の腹を貫いたタイガトロンだった。
コンボイ「どうしたんだ!?」
タイガトロン「愛する者を斬ったむくいか・・この身、刀で貫いても死ぬことあたわず・・」
「そこにおぬしが来た・・見れば急ぐ様子・・そのとき思った。これも天命かと・・」
「コンボイ行けぃ!この死にかけの身でも・・・・この者どもをくい止めるくらいのことはできよう」
「そこな悪鬼ども・・・!!」
タイガトロンは「虎鉄」を引き抜いた。
タイガトロン「サイバトロンきっての剣士とうたわれたこのタイガトロンの、白虎神影流の剣技の冴え・・・冥土の土産に見ておくが良い!!」
ジャガー「この死にぞこないが!!」
ジャガーはタイガトロンへ銃を連射した。
タイガトロン「でやあああ・・・・!!」
タイガトロンは「虎鉄」を振るい、銃弾を切り払った。
そのままジャガーの元へ踏み込み、飛び上がり、両足でジャガーの銃を払い――――
タイガトロン「ちぇいっ!!」
「虎鉄」を振り下ろし、ジャガーを真っ二つに切り裂いた。
ジャガーは倒れ、次に来た敵は・・・・
?「やはり見事な腕ですわ。でも・・・・」
タイガトロン「!」
洗脳されたタイガトロンがその手で殺めてしまったエアラザーだった・・・
エアラザー「私をもう一度斬ることができまして?タイガトロン様・・・」
タイガトロン「!!」
そしてコンボイは`神殿`に、初代コンボイの元に辿り着いた。
コンボイ「初代コンボイ様!良かった・・無事だっ・・・・」
次の瞬間、初代コンボイは大爆発した。
コンボイ「なに!?」
メガトロン「おそかったなコンボイ・・超獣戦争は・・・・」
初代コンボイを破壊したのは、初代メガトロンのスパークの力で強化されたメガトロン―――ドラゴンメガトロンだった。
メガトロン「このメガトロン様の勝ちだ!!貴様は歴史から、消える!!」
(続く)
最終更新:2020年07月26日 20:09