イースIV The Dawn of Ysのオープニング


YsIV



The Dawn of Ys


【OPデモ】

魔物の追撃から逃れるため天空を彷徨っていたイースは、700年の時を経て、今はエステリアと名を変えたその地に再び帰還を果たした。
そして、赤毛の冒険家・アドル=クリスティンと、魔の元凶・ダームの最後の戦いが幕を開ける。

「我々魔物は、魔法から生まれた生き物。貴様らの魔法など私の足元にも及ばぬ。貴様に魔物の本当の恐ろしさを思い知られてくれるわ!!」

双子の女神・フィーナとレアがアドルの勝利を祈る。
6神官トバとジェンマの末裔・ゴーバンとルタもそれを見届けている。
熾烈を極めた戦いの末、アドルの手にしたクレリアソードがダームの本体=黒真珠を打ち砕く。
魔は魔法と共に永久に葬られ、エステリアに平和が戻った──。


【ゲーム本編開始】

…あれから2年。
エステリアへ向かう船の上。

ドギ「もうすぐだな、アドル。もうすぐエステリアだ。
 しかし早いものだな。あれから2年も経つのか・・・きっとどこも変わっちまってるんだろうな。
 何よりも、あのゴーバンのおかしらが、ミネアで店を始めたってんだから、変わってねえ訳がねえよな。早くこの目で見てえぜ。
 ・・・お、そろそろバルバドの港へ入るぜ。」

そして、船は港に着いた。
船員達が下船の準備をし、アドルとドギは船を降りる。
すろとそこにゴーバンが通りかかる。

ゴーバン「ドギ! ドギじゃねえか!! ・・・それにそっちは・・・アドルか!」
ドギ「ゴーバンのおかしら!」
ゴーバン「久しぶりじゃねえかこの野郎!!」

体当たりを食らわす。

ゴーバン「黙って出ていったきり、2年間もどこほっつき歩いてやがった!?」

更にもう一度体当たり。

ドギ「・・・何するんだよおかしら! おかしらが店を始めたって聞いて、会いに来たって言うのに!!」
ゴーバン「・・・へへ。そうか。だったら許してやるぜ。アドルも、よく来てくれたな・・・ついて来いよ! みんな驚くぜ!!」

そして3人は、ミネアの街へと足を急がせる。

ゴーバン「2人とも、元気そうじゃねえか。エステリアはすっかり、変わっちまったぜ。」
ドギ「それにしちゃあおかしらは、昔のままじゃねえか。それで本当に盗賊から足を洗ったのかね? ま、少し安心したけどな!」



YsIV


ゴーバン「ナマ言うんじゃねえ。盗賊からは足を洗っても、お前が俺の子分だってことは、変わらねえんだからな。」
ドギ「くっ、調子いいなおかしらは。もう勝手にしてくれや。」



The Dawn of Ys


ゴーバン「その『おかしら』ってのは止めろよ。今は『取引所のゴーバンさん』だぜ?」
ドギ「ははは・・・似合わねえな・・・」
ゴーバン「うるせえ、この野郎・・・」

ミネアの街のゲートを開く。

ゴーバン「・・・みんな聞けぇーい!! アドル達が戻って来たぞー!!」
「戻って来たんだね、アドルさん! 君の噂は、今でも絶えないよ。」
「お兄ちゃんがあの、アドルさん? ・・・かっこいい!」
「もう会えないと思ってましたよ。何か良いことがありそうね!」
「よく来たな、アドル君! 憶えているかね? 医者のクラーゼだよ! 元気そうで何よりだ。・・・んっ、そうだ! 君が戻った事を、リリアさんにも伝えないとな。今から、呼びに行って来よう!」

アドルが来た途端に人だかりができ、街の人々も上機嫌だ。

ゴーバン「それじゃあ、俺たちはオーマンの酒場にいるからな。みんなに挨拶したら、お前も来いよ。」

ゴーバンとドギが揃って酒場へ。

(外にいる住人1人1人に話しかける。)

「この先は、バルバドの港です。せっかく来たのに、もう帰るとは言わせませんよ!」
「きゃっ! アドルさんに話しかけられちゃった・・・」
「行方不明だった占い師のサラさんも、この前突然帰って来たのよ。」
「地上に降りてきたイースの人たちとは、みんな仲良くやっているわ。」
「おかげで、平和に暮らしているよ。何とお礼を言ったら良いのか・・・」
「サラさんが、お兄ちゃんに会いたがってたわ。サラさんの家は、町の隅にあるのよ。」
「僕たち、大きくなったでしょ? これからも、ずーっと一緒にいるんだ!」
「ランスの村のフレア先生を憶えてるかい? あの人は「万能の薬の材料を探す」と言って大陸に渡ったよ。今頃どうしてるかなぁ?」
「ゴーバンさんて、怖い顔してるけど、本当はとっても優しい人なのよ。」

(「武器屋『ロゼッティ』」に入る。)

ロゼッティ「アドルさんじゃないか! 武器屋のロゼッティだよ。私も鼻が高いよ。うちの店の剣があんたの役に立ったんだからな。何かあったら、いつでも来てくれよな!」

(「防具屋『ディオス』」に入る。)

ディオス「ディオスの防具屋へようこそ。久しぶりだね、アドルさん。もう魔物はいないから、防具もあんまり売れませんよ。ま、平和の方が大事だけどね・・・」

(「クラーゼの病院」に入る。)

看護婦「あら、アドルさん!戻って来たのですね。平和なエステリアを、ゆっくりと楽しんで行って下さいね。」

(「取引所『ピム』」に入る。)

ピム「おっ、英雄さんのお帰りだな・・・久しぶりだね。ピムだよ。ゴーバンの野郎がこの店の隣で、同じ取引所を始めやがってな。おかげで、ちっとも客が来なくなっちまったよ・・・くそっ!」

(「占いの店『サラ』」に入る。)

サラ「アドルさん! 占い師のサラです。お元気でしたか? 私は戻ってきました。あなたにお会いするために・・・ぜひとも、お話ししたい事があるのです。聞いていただけませんか?」

(「はい」を選択。)

サラ「二年前、私はダルク=ファクトの手の者から逃れ、大陸に渡りました。でも、それにはもう一つの理由があったのです。
 この水晶に浮かんだ、邪悪な光の源を探るため・・・その光からは、あのダームすらも及ばぬ、強い波動を感じました。
 水晶が示したのは、深き樹海に覆われた地、セルセタ・・・しかし、いまだに魔物が出没し、結局私には入り込めませんでした。
 アドルさん。あなたなら、セルセタに入ることができるはずです。セルセタ地方は大陸の港町、プロマロックの先にあります。
 戻ったばかりのあなたに、お願いするのは心苦しいのですが・・・セルセタに・・・向かってくれませんか・・・」

(全員に話し終えてから「オーマンの酒場」に入る。)

ゴーバン「・・・それでな、へへ・・・俺は言ってやったんだよ・・・」
ドギ「勘弁してくれよおかしら・・・あれはひょっとして・・・お、やって来たな?」
ゴーバン「よお! アドル!! 遅かったじゃねえか!! ・・・?・・・何難しい顔してるんだよ。さあここに座れよ。旅の話をたっぷりと聞かせてもらうぜ。」

酒盛りが終わって外に出ると、辺りはすっかり暗くなっていた。

ゴーバン「いやーははは・・・今日は楽しかったなあ・・・さあ、俺の店に行こうぜ。」

揃って店に行く途中、3人は足を止める。

ゴーバン「今日はゆっくり休んで、明日は久しぶりのエステリアを見て回るといいぜ。」

ドギはその場で飛び回っている。

ゴーバン「・・・さあ着いたぜ。ここが俺の店だ。遠慮しねえで入ってくれ。」

3人が店に入り、消灯。
翌日の早朝。街にやって来たリリアがゴーバンの店を通り過ぎる。
そして、店を見つけて玄関をノックする。

リリア「ゴーバンさん、開けて下さい。ゴーバンさん!」
ゴーバン「・・・? ふぁぁ・・・誰だ、こんな時間に・・・」

玄関を開ける。

ゴーバン「おお、リリアじゃないか。」
リリア「朝早くにすみません。アドルさん達が戻ったと聞いて・・・」
ゴーバン「ははは・・・アドルさん達じゃなくて、アドルに会いたいんだろ。ああ分かってるって。待ってろ。今起こしてやるよ。おーい! アドル!」

明かりをつけて、大声でアドルを呼ぶ。

ゴーバン「アドル!! おいドギ。アドルはどこだ?」
ドギ「・・・ん・・・何だいおかしら・・・アドルならそこに・・・ん? おいアドル! ・・・どこに行ったんだ!? アドル! アドル!!」

アドルは人知れずセルセタ地方へと向かっていた。
一方その頃──。


洞窟の奥で怪しげな儀式が行われている。
祭壇の中央で蠢く人の形をした物体。やがてその周囲で炎が燃えだす。
おぞましい唸り声をあげると、小指が崩れ落ち、次第に人の形を留められなくなっていく。
そして高台から光の柱が伸び、儀式は失敗に終わる。

「・・・」
「またしても失敗か・・・やはり、あの力なしでは、無理のようだな・・・」

それを見ながら、黒いローブと仮面の者同士が会話している。
光が消えた後に残ったドロドロの肉塊。
ローブの者達が次々に飛び去る。


今、深き樹海の地にて、アドルの新たな冒険が始まろうとしている。

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最終更新:2020年09月16日 00:05