仮面ライダー555の第49話

※ ここまでのあらすじは仮面ライダー555の第48話をご覧ください


巧たちが海岸で、草加を捜す。

巧「草加──!!」
三原「草加──!!」

地面に積もった灰の中に、幼い真理の写真が埋もれている。

三原「間違いない、草加のだ…… そんな、奴が……!?」
海堂「どした? そこで何やってんだよ、おい」
巧「草加……」
三原「草加ああぁぁ──っっ!!」


三原が街中で、里奈と落ち合う。

里奈「草加くんが……!? 本当なの!?」
三原「たぶん、オルフェノクにやられたんだと思う」
里奈「そんな…… 嘘でしょ!? 何かの間違いに決まってる! そんなことあるはずない!」
三原「真理には言うな…… 悲しませたくない (草加…… 俺の中で生きてくれ。君の強さを、俺にくれ……)」


巧と海堂はスマートブレイン社へ向かい、新社長となった木場に詰め寄る。

木場「草加雅人が、死んだ?」
巧「あぁ、そうだよ。お前、なんか知ってんじゃねぇのか?」
木場「……」
巧「まさか、お前が草加を?」
木場「あぁ、俺が倒した」
巧「何ぃ……!? お前ぇぇ!!」

巧が繰り出したパンチを、木場はたやすく受け止める。

海堂「よせ、よせ。そいつぁもう、人間じゃねぇんだ。殴るだけ無駄だぜ」
巧「なぜだ…… なぜ草加を!?」
木場「彼はすべてのオルフェノクを憎んでいた。それに、オルフェノクの王を倒そうとしていたからね」
海堂「何だそれ? お前だって、王を倒そうなんつってたじゃねぇか?」
木場「あぁ。俺たちオルフェノクの、死の運命を知るまではね」
海堂「はぁ? 死の運命?」
木場「君たちも知っておいた方がいい。俺たちオルフェノクは、人類の進化形だ。だが、あまりに急激な進化に、体がついていけないんだ。放っておけば、俺たちは近い内に死ぬだろう」
海堂「死ぬ? 俺たちが……!?」
木場「そう。だがオルフェノクの王が覚醒すれば、我々はその力で、死の運命から逃れられる」
海堂「え? それ、本当? じゃあ、俺たちみんなでオルフェノクの王、守ろうじゃねぇか! な、な?」
木場「王が覚醒すれば人類は滅びる……!」
海堂「……!?」
木場「この世にはオルフェノクだけが残るだろう」

その会話を、密かにラッキークローバーの冴子が耳にしている。


西洋洗濯舗・菊地。

啓太郎「大丈夫だって! 草加さんのことだもん、そう簡単にやられるはずがないじゃない」
真理「うん…… それはそうだけど、何だか嫌な予感がして……」
啓太郎「それよりさ、知ってた? 真理ちゃん。うちの店、もうすぐ開店百周年記念なんだよね!」

巧が帰って来る。

真理「巧! 草加くんは?」
巧「わからない…… 会えなかった」


冴子がオーナーを務めるバー、クローバー。
木場と、ラッキークローバーの一同。

琢磨「すべて聞きましたよ、冴子さんから。我々オルフェノクの、死の運命について…… 本当なんですか!?」
木場「えぇ。前社長の村上さんも、花形さんも知っていたことです」
琢磨「でも、王が目覚めれば我々は救われる。そうなんでしょう? ね、ね!?」
北崎「バッカだなぁ~、琢磨くん。駄目だよ、そんな話を信じちゃ。だいたい、この僕が死ぬはずがないよ。僕は世界一強いんだからね」
琢磨「それはそうかもしれませんが……!」
北崎「そうだ。新しいゲームをしようよ。オルフェノクの王を最初に倒した人が、新しい王になる。どう? 面白そうでしょ?」


西洋洗濯舗・菊地。
真理が照夫も含め、5人分の夕食を用意している。

巧「何だよ? これは」
真理「何って、草加くんの分じゃない。いつ帰ってくるか、わかんないから」
巧「よせ……」
啓太郎「どうしたの? タッくん」
巧「わかんないのか? 死んだんだよ、草加は」

真理が言葉を失い、手にしていた食器が床に転がる。

真理「死ん……だ……? 草加くんが……?」
啓太郎「そんな……? 嘘でしょ? ねぇ、嘘だよね、タッくん!? ねぇ、何とか……」
巧「嘘じゃなぁい!! オルフェノクにやられたんだよ。俺と同じオルフェノクにな…… おい、見ろよ」

巧が、草加の灰にまみれた手を見せる。

巧「草加の血だ…… 憎いだろ、オルフェノクが? えぇ? オルフェノクなんて滅べばいいんだよ!1人残らずッ!! ……この俺もな!」

巧が外へ飛び出す。

啓太郎「タッくぅん!!」


巧が、夜の街はずれに佇む。
真理が現れ、泣きながら、巧の胸に頭を預ける。

真理「巧……」
巧「真理、ごめん…… ごめんな……」

真理「巧。明日、行ってみたい場所があるんだ…… 付き合ってくれない?」
巧「あぁ……」
真理「私と草加くんが、初めて出会った場所。草加くんのこと、忘れないように……」


木場と北崎が去った後の、クローバー。

琢磨「どうします、北崎さんが王を倒したら!? 我々の命は……」
冴子「私は死なない。死んでたまるもんですか…… 絶対に!」


翌日、流星塾の跡地。
巧たちや三原たちが訪れる。

真理「全部、ここから始まったんだよね…… 三原くんや里奈、草加くんとも、ここで知り合って。楽しいこと、いっぱいあったよね。それから、つらいことも……」
三原「……危ない!」

攻撃が地面に炸裂する。
北崎、琢磨、冴子が現れる。

巧「お前たちぃ!」
北崎「さぁ、ゲームの始まりだ」

3人がドラゴンオルフェノク、センチピードオルフェノク、ロブスターオルフェノクに変身する。

ドラゴン「僕の勝ちだぁ!!」
啓太郎「タッくん!!」
三原「変身!」
音声『Standing by』『Complate』
巧「変身!」
音声『Complate』

三原がデルタに、巧がファイズに変身する。

ファイズ「逃げろぉ!」
デルタ「逃げるんだ!」
真理「こっち!」

ファイズとデルタが真理たちを逃がしつつ、ドラゴンオルフェノクを迎え撃つ。
ドラゴンは、2人相手でも動じない。
しかし突如、センチピードとロブスターが、ドラゴンに攻撃を見舞う。

ドラゴン「何をするんだ!?」
ロブスター「悪いわね、北崎くん。私たち、あなたのゲームに付き合うつもりはないの」
センチピード「生きたいんですよ、僕たちは」
ドラゴン「フッ? フフ、ハハハ…… うぅわぁぁ──っっ!!」

ドラゴンが狂気のような叫びと共に龍人態となり、センチピードらに、そしてファイズたちに反撃する。

デルタ「チェック!」
音声『Exceed charge』『Exceed charge』

ファイズのクリムゾンスマッシュ、デルタのルシファーズハンマーの2大必殺キックが同時に炸裂する。
ドラゴンオルフェノクは大ダメージを追いながらも、半狂乱のように逃げ去る。


息も絶え絶えの北崎の前に、センチピードオルフェノクが現れる。

センチピード「いい姿ですね、北崎さん。僕は待ってたんですよ、このときを……!」

センチピードが今までの怨みを込めて、手負いの北崎を痛めつける。


一方、真理たちのもとでは、いつの間にか照夫がいなくなっている。

真理「あれ? 啓太郎、照夫くんは? ……もう!」
一同「照夫くん!」「照夫くん!」
真理「里奈、そっちをお願い!」
一同「照夫くん!」「照夫くん!」


北崎らのもとに、照夫が姿を現す。
地面に長く伸びた影から、オルフェノクの王、アークオルフェノクが出現する。

センチピード「オルフェノクの…… 王!?」

北崎がフラフラのまま、おぼつかない足取りで逃げ出す。

北崎「僕がやられるはずはないんだ! 僕は…… 王様なんだから!」

アークオルフェノクが無言の迫力を漲らせながら、北崎を追いつめる。

北崎「わぁぁ──っ!」

北崎が青い炎に包まれ、石化する。
アークがその体をむしり取り、バリバリと食らい始める。

センチピード「はぁ、はぁ…… わあぁぁ──っ!?」

センチピードが恐怖にかられて、逃げ出す。

アークオルフェノクが北崎を食らい終え、照夫の体へ戻って行く。
偶然にもその光景を、巧が目撃している。

巧「まさか…… あいつが?」

木場が現れる。

巧「木場!?」
木場「そうだ。あの少年こそ、我々の…… オルフェノクの王だ」
巧「そんな…… 馬鹿なことが?」

真理たちが事情を知らず、照夫を見つける。

啓太郎「照夫くん!」
真理「照夫くん!」
啓太郎「もう、捜しちゃったよ! ほら、行くよ」

巧「そんな…… そんな……!?」
木場「君は知らず知らずのうちに、今までオルフェノクの王を守ってきたというわけだ」
巧「……」
木場「王はまだ完全に覚醒してはいない。でも、君に倒せるかな? あの少年を。それに今、王を倒せば、君は近い内に死ぬことになる…… 悪いことは言わない。オルフェノクとして生きた方がいい」


逃げ惑う琢磨のもとに、冴子が現れる。

冴子「琢磨くん…… 何を怯えてるの?」
琢磨「はぁ、はぁ……」
冴子「良かったじゃない。北崎くんがいなくなって。これでもう、あなたをいじめたりはしないわ」
琢磨「はぁ、はぁ…… わあぁぁ──っっ!」

琢磨が恐怖のさめないまま、逃げ出す。

冴子「何? 変な子……」


飲食店で食事中の、巧と海堂。

海堂「おい、聞いてんのか? 人の話」
巧「……あぁ」
海堂「ていうかな、とにかく俺は決めたんだ。俺の命なんて、どうなったっていい。俺は死んでもオルフェノクの王を倒してみせる。人類のためにな……! そして、真の英雄となるのだ」
巧「……」
海堂「だから聞いてんのかよ、人の話を!?」
巧「あぁ……」
海堂「しっかしよぉ、どこのどいつなんだろうなぁ、オルフェノクの王ってのは」
巧「……さぁな」


西洋洗濯舗・菊地の百周年記念として、野外バーベキューパーティが開かれる。
三原たちや海堂も参加している。

海堂「いや、ちゅうか全然知らなかったぜ。お前んとこのクリーニング屋、百周年記念な」
啓太郎「うん。まぁ、最近つらいことばっかで、パーティっていうのも変かもしれないけどね」
海堂「いやいや、こういうときだからこそ、みんなでパーッとやんのも必要なんだよ。とにかくみなさん、菊池クリーニングに、乾杯だぁ!」

勢い余って、海堂のコップの中身が火にこぼれ、煙が吹き上がる。

一同「わぁ!」「ちょっとぉ!」「水だ、水だ!」「熱、熱!」

大騒ぎしている間に、照夫の姿が消えている。

真理「あれ…… 照夫くんは? 啓太郎、照夫くん知らない?」
啓太郎「え? もう、しょうがないなぁ~。ちょっと目ぇ離しちゃうと、すぐいなくなっちゃうんだから!」


照夫が空き地で、1人の男性を見つける。
照夫の体から、アークオルフェノクが実体化して、男を石化する。
巧がそれを目撃し、思わず飛び出す。

巧「変身!」
音声『Complate』

アークオルフェノクが、照夫の中へと消え去る。
照夫を捜していた海堂が、照夫を攻撃しようとするファイズを目にする。

海堂「おい!?」

海堂がスネークオルフェノクに変身し、ファイズを制する。

スネーク「やめろ! 何やってるんだ、お前!?」
ファイズ「離せぇ! 邪魔するなぁ!」

ファイズがスネークオルフェノクを殴り飛ばし、海堂は人間態に戻る。
そこへ真理たちも駆けつける。

真理「巧!?」

ファイズは戸惑いを見せつつも、意を決したように、照夫を目がけて拳を振るう。
突如として木場が現れて、その拳を止める。

ファイズ「木場……!?」
木場「変身!」
音声『Complate』

木場がカイザに変身し、ファイズに襲いかかる。

真理「木場さん!?」
啓太郎「何!? 何がどうなっちゃってるの!?」

カイザ「君の思い通りには、させない!!」
ファイズ「どけ! 奴は…… 俺が倒す!!」

戦いの末に、ファイズがダメージを負って、変身が解ける。
巧はなおも、変身しようとする。
だが巧の手から、灰がサラサラと零れ落ちる。

真理「巧!」
啓太郎「タッくん!」
真理「大丈夫!?」

真理、啓太郎が巧のもとに駆け寄る。
巧は2人を振り払い、手の灰化を隠すように、どこかへと走り去る。

真理「巧ぃ!?」


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最終更新:2023年08月13日 12:22