勇者ヨシヒコと導かれし七人の第1話

ここは まおうバルザスのしろ▼

バルザス「ここまで きたことは ほめてやる!
_____しかし わたしに はむかおうなどと
_____100ねん はやいのだ!
_____ただ 100ねんごっていうと きみたち
_____なんさいに なっちゃう?
_____さすがに そんなに いきられない?
_____そんなことを しんぱいして やらんぞっ!!
_____いますぐに まおうバルザスの まえから
_____その いまいましい すがたを
_____けしさってやろうぞ!」▼

まおうバルザスが あらわれた!▼

メレブ「ヨシヒコ、あいつの言ってることは正しいぞ。ここに来るの、100パー早かったと思うぞ」
ヨシヒコ「何を弱気なことを言ってるんですか、メレブさん。私たちにはこんなにも強い味方があるじゃないですか」
メレブ「うん…… 薬草な? これ、かなり初期の段階で手に入るやつな?」

どうぐ やくそう 99こ

ダンジョー「バカめ。俺のカゴには、毒消し草も入っておる!」

どうぐ どくけしそう 99こ

メレブ「うん…… いらないと思うんだ。彼との戦いにおいて、毒消し草はいらないと思うんだ」
ムラサキ「いちいちうっせーぞ、ハゲ!」
ヨシヒコ「ヨシヒコ、行きまーす!!!」

ヨシヒコの こうげき!▼

メレブ「やめてヨシヒコ、ストップ! ストップ・ザ・ヨシヒコ!」

しかし ヨシヒコの こうげきは
メレブに あわてて とめられた!▼

メレブ「もうヨシヒコやめて、薬草がいっぱい落ちちゃうから…… 『アムロ行きます』みたいなテイストで、気軽に攻撃しないで?」
ヨシヒコ「先手必勝ですよ!」
メレブ「いや、違う。これ、システム的に、こっちが攻撃しない限り、あっちは何もしてこない」
ムラサキ「システムってなんだよ」
メレブ「もう、わかれ~! シーズン3なんだからもう、わかれ~! システムと言えば、『ドラ●●●●スト』のシステムだよ!」

メレブの ことばは
ふしぎな おとに かきけされた!▼

ヨシヒコ「途中、『ピー』の音でなんのことかわかりませんでした」
メレブ「聞こえたはず! ピーは後付けだから、聞こえたはず。私が発し、君の耳を通った後に、その、『ピーって入れようかな、入れるのやめようかな?』って審査し、入れる人が…… もう、いい! その話はいいから、もう。見てみ? あいつ、『今すぐ消し去る』って言った割には、ガッガッて動いてるだけだろ? 魔王バルザス」
ダンジョー「おぉ…… 確かにな」
メレブ「な? ガッガッて動いてる間に、逃げよう」
ダンジョー「馬鹿者! ヨシヒコは勇者だ。魔王を前に、戦いもせず逃げるはずないだろう!」
ヨシヒコ「逃げますか」

ヨシヒコは そくとうした。▼

メレブ「ナイス判断」
ムラサキ「でもさ、逃げたら逆に攻撃されるってことないの?」
メレブ「それもシステム的にはある。が、逃げられる場合もある。ということは、逃げられる可能性に賭けたいと思う」
ヨシヒコ「逃げられますか?」
メレブ「私が占って進ぜよう」

メレブは うらないを はじめた。▼

メレブ「……逃げられる」
ヨシヒコ「よし、逃げましょう!」

ヨシヒコたちは にげだした!
しかし まわりこまれて しまった!
まおうバルザスの こうげき!
ヨシヒコたちは
かなりの ダメージを うけた!▼

魔王バルザス「え~~? 俺、魔王だよ? ボスキャラだよ? なんで逃げられると思ったのよ。そもそもボスキャラとの戦いで逃げるとか、ホントありえないよ!」
ヨシヒコ「大丈夫ですか、皆さん。薬草を…… 薬草を使ってください!」
メレブ「うーん…… 使いたいとは、思うのだが…… シーズン3にして初めて具現化し出てきたこの薬草を、どう使えばいいのかわからん」
ムラサキ「お前の言ってる『システム』ではどうやって使ってんだよ?」
メレブ「知らん!」

メレブは そくとうした。▼

ヨシヒコ「なんだとっ!?」
メレブ「薬草を▶つかうというコマンドが出てくるだけで、果たして飲んでいるのか、はたまた擦り込んでいるのか、はたまた鍋にして、鶏肉と一緒に煮込んでおいしくいただいているのか…… 見当もつかん」
ヨシヒコ「……鍋は…… 鍋は!?」
メレブ「探すな、ヨシヒコ! なんだ、おいしくいただきたいのか?」
ヨシヒコ「はい!」
メレブ「残念。鍋のくだりは、メレブジョークだ」
ムラサキ「てめぇ、この期に及んでジョークとか言ってんじゃねーぞ、ホクロ」
ダンジョー「よーし、俺は食う! 食うぞっ!」

ダンジョーは
やくそうを つかった。▼

ヨシヒコ「どうですか、ダンジョーさん」
ダンジョー「うーん…… 何も変わった気がせんな。体も痛いまんまだ」
ムラサキ「おっさん食ったの、毒消し草じゃね?」
ダンジョー「……そうだ」
メレブ「うっかりだな」

ダンジョーは
どくけしそうを つかっていた。▼

メレブ「今ダンジョーは、ちょっとしたデトックスをした状態になってるな」
ヨシヒコ「では私は、薬草を食べてみます」
メレブ「うむ」

ヨシヒコは
やくそうを つかった。▼

メレブ「どうだ?」
ヨシヒコ「少しずつ…… 少しずつですが、傷が癒えてる感じがします」
メレブ「そうなんだよな。これ、少しずつしか癒えないやつなんだよな」
ヨシヒコ「たくさん…… とにかく(たくさん食べれば元の体力に戻るってことですよね)」
メレブ「うーん、後半何言ってるかわかんなかったな、お口の中、草いっぱいで。何言ってるかわかんなかったわ」
ムラサキ「どれくらい食えばいいんだよ」
メレブ「そうだなー、ひょっとしたらこれ全部食べないと完全には癒えないかもなー」
ムラサキ「そんなことしたら次やられた時食べる分なくなるだろ!」
ヨシヒコ「ゲホッ」
メレブ「そういう草なんだよ! お前…… そもそもね、ボスキャラと戦う時にね、持ち込むような草じゃないんだから!」
ムラサキ「そもそもこんなに食えっかよ! オカピか? わしゃオカピか!」
メレブ「ムラサキ、もうちょっとわかりやすい草食動物で例えてくれ。ダンジョー、いつまでそれ食ってんだ! 毒消し草を!」
ダンジョー「最近、歳のせいか、毒素が溜まってるような気がしてな」
メレブ「デトックスしてる場合ではない。目の前、魔王」
ダンジョー「あっ」

ダンジョーは
いまさら きがついた!▼

ヨシヒコ「メレブさん、私はもう◎$♪△¥○&Ψ☆×■*@!!!」
メレブ「な、何? 何つった?」
ヨシヒコ「うおぉーっ!!!」

ヨシヒコは クチから やくそうを
はげしく こぼしながら
まおうバルザスに きりかかった!
ヨシヒコの こうげき!
ミス!
ダメージを 1ミリも あたえられない!▼

魔王バルザス「今度は私の番だな」

まおうバルザスの こうげき!
はげしい ほのおの なみが
ヨシヒコたちを のみこんだ!▼

ヨシヒコ「………」

ヨシヒコは めをさました。▼

神父「おお、勇者ヨシヒコよ。全滅してしまうとは情けない」
ヨシヒコ「全滅……?」

ダンジョー ムラサキ メレブは
しんでしまっていた。
ヨシヒコは
きょうかいの なかに いた。▼

神父「つか、オメーよ、今レベル18なんだよね」
ヨシヒコ「レベル?」
神父「レベル18でボスキャラと戦うとか、ありえねーからさ」
ヨシヒコ「……どういうわけか、いろんなことがうまく行ってしまって、スムーズにたどり着いてしまったんです」
神父「……バグかな?」
ヨシヒコ「そうですね……」
神父「バグ知ってんの?」
ヨシヒコ「いえ……」
神父「なんで知ってるふりしたの? そういうとこだよ」
ヨシヒコ「……どういうところですか?」
神父「……ま、とりあえず…… なんの用ですか?」
ヨシヒコ「どういうところですか?」
神父「お祈りをする? お告げを聞く? 毒の治療?」
ヨシヒコ「どういうところですか?」
神父「しつこいよ!」

ヨシヒコは おこられて しまった。▼

神父「しつこいよ」
ヨシヒコ「悪いところがあったら治しますから!」
神父「悪いところがあるから全員死んだんでしょうよ!」
ヨシヒコ「……そうなのか……」
神父「生き返らせる?」
ヨシヒコ「……生き返らせます」
神父「それならば、ダンジョーさんを生き返らせるには、100ゴールド。ムラサキさんは、80ゴールド。メレブは…… 3ゴールド必要ですが、どうするよ」
ヨシヒコ「……お金がない……」
神父「金もないの!? 金も力もないのに魔王んとこ行ってきたの? バカなの? マジでバカなの?」
ヨシヒコ「………」

ヨシヒコは なにも いいかえせず
くやしさに からだを ふるわせた。▼

ヨシヒコ「……倒してきます! 魔物たちを倒しまくってきます!!」

ヨシヒコは すてぜりふを はくと
なかまの かんおけを ひきずりながら
きょうかいを とびだしていった。▼

神父「おい! お前まだ、キメラとかドラキーとかが精いっぱいだからな!」
+ 【オンエア時にカットされたシーン】
ヨシヒコは きょうかいの とびらに
ひっかかった なかまの かんおけを
むりやり うごかして きょうかいを
とびだした。▼

神父「いや、もっと丁寧に…… もういうとこ! そういうとこだよ!」
ヨシヒコ「これは…… 違います!」
神父「そういうとこだよ! それもだよ!」

まもののむれが あらわれた!
ヨシヒコの こうげき!
キメラに そこそこの ダメージ!
マタンゴは あまい いきを はいた!
ヨシヒコを ねむらせた!
キメラは ほのおを はいた!
ヨシヒコは
まあまあの ダメージを うけた!▼

スライムたちが あらわれた!
ヨシヒコの こうげき!
スライムDを やっつけた!
スライムAは にげだした!
スライムBは にげだした!
スライムCは にげだした!
スライムたちを やっつけた!
ヨシヒコの レベルが あがった!▼

まもののむれが あらわれた!
ヨシヒコの こうげき!
ドロヌーバを やっつけた!
ゴーストは メダパニを となえた!
ヨシヒコは こんらんした!
ヨシヒコは こんらんしている。
ヨシヒコは
へんてこなおどりを おどった!
しかし なにも おこらなかった!
ヨシヒコは こんらんしている。
ヨシヒコの こうげき!
ヨシヒコは
あしもとの くさを なぎはらった!
ヨシヒコは こんらんしている。
ヨシヒコは いきなり わらいだした!
ヨシヒコは こんらんしている。
ヨシヒコは
スライムナイトが のっている
スライムに こしかけた!
ヨシヒコは こんらんしている。
ヨシヒコは
へんてこなおどりを おどった!
しかし なにも おこらなかった!▼

ゴースト「混乱しすぎ」

ダンジョーは いきかえった!
ムラサキは いきかえった!
メレブは いきかえった!▼

+ 【オンエア時にカットされたシーン】
メレブ「そもそも俺たち、結構冒険してきたでしょ? いわゆる魔王的なボスをさ、何度か倒してきたよね、ここまで。ちゃんとさ、冒険のプロセスを踏んできたよね? 魔物倒したりだとか、装備をそろえたりだとか……」
ムラサキ「お前がろくでもない呪文しか覚えないのは、いつものことだけどな」
メレブ「そんな我々がさ? どうしてレベル18で魔王に立ち向かったかな……」
ダンジョー「『今回の冒険、楽に進んでよかったね』って、お前も言っていたじゃないか」
メレブ「あー、言ったなー。あ、魔王の罠だったんだな、やっぱりな」
ヨシヒコ「やはり楽な冒険などないのです、戦いを積まなければ」
メレブ「なぁ、教会でさ、俺たちのレベルいくつって言ってた?」
ヨシヒコ「27と言われました」
メレブ「まぁ、ボスキャラ倒すには最低50は必要だよね……」
ヨシヒコ「まだまだ長い道のりですね」
盗賊「ちょっと止まってもらおうか!」

とうぞくが あらわれた!▼

ヨシヒコ「なんの用だ!」
盗賊「貴様らの持っている金と食糧をもらいてぇんだけど」
ダンジョー「1人で挑んでくるとは、いい度胸だ」
盗賊「だって強えぇから俺。たとえ10人いても1人で十分だから!」
ヨシヒコ「金も食糧もこれからの旅に必要なのだ。あきらめてくれ」
盗賊「はい、わかりました…… って言うとでも思ったかぁ!」
忍者「………」

とうぞくの うしろに
にんじゃが あらわれた!▼

メレブ「ん? ん? ん? ん? ん……? なんか後ろにいるね」
ムラサキ「あ、いるね……」
盗賊「さぁー、かかってこいやぁ!! まずはどいつだ~!?」
メレブ「『まずはどいつだ』もいいんだけど、まずはあいつなんじゃないかな」
盗賊「何?」
メレブ「ああ、いやいや、後ろにね…… あなたの命を狙ってる方だと思う」
盗賊「ん……? 後ろ?」
メレブ「後ろ、後ろ」

とうぞくは うしろを むいた。
にんじゃは すばやく みをかくした!▼

盗賊「ハハハ、誰もいねぇじゃねーか! さては俺の目をそらそうって魂胆か? ふっ、子供じみた真似を!」

とうぞくが まえを むいた とたん
にんじゃが また かおを だした!
にんじゃは とうぞくを ねらって
しゅりけんを なげつけた!
しかし しゅりけんは とうぞくに
まったく あたらない!▼

盗賊「さぁ、来い!!」
メレブ「いや、後ろ!」
盗賊「え?」
メレブ「後ろ」
盗賊「もうその手には引っかからんわ!」

にんじゃは とうぞくを ねらって
しゅりけんを なげつけた!
しかし しゅりけんは とうぞくに
まったく あたらない!▼

メレブ「あーあーあー、ダメだ。あいつもあいつでダメな忍者なんだな、あれな……」
盗賊「ハハハ、恐れをなしたか」
メレブ「いや、恐れるも恐れないもさ、後ろの奴が今も…… 今もなお後ろの奴が……」

にんじゃは ついに
とうぞくの まうしろに たって
しゅりけんを なげはじめた!
しかし なお しゅりけんは
かすりも しないまま
じめんに おちていく!▼

盗賊「もうその手には引っかからんわ!」
メレブ「いや、気になっちゃって君とも戦えないよ。ほら、ずっと俺あっち見ちゃうもん」
ダンジョー「おい、おい!」
盗賊「あ?」
ダンジョー「まずは後ろの敵を倒してから、俺たちと戦え!」
盗賊「何? なんなの?」

とうぞくは うしろを むいた。
にんじゃは あわてて
きの かげに かくれた!▼

メレブ「な? 今見えただろ、忍者風の人」
盗賊「……いや」
ムラサキ「絶対見えたよ?」
メレブ「え、え? じゃあわかった、こっち向いててみ?」
盗賊「あ、うん」
メレブ「俺の方向いててみ?」
盗賊「はい」
メレブ「ちょっと待って。ちょっと待ってて」
盗賊「はい」

にんじゃは また
とうぞくの まうしろに たって
しゅりけんを なげはじめた!
しかし まず しゅりけんを
なげる だんかいで からぶった!▼

ムラサキ「あー…… あいつダメだな」
メレブ「なんだかな、もうちょっと修行してからの方がいいんだよな、ああいう奴…… ハイ後ろ!」

とうぞくは うしろを むいた。
にんじゃは みをかくそうとして
あしを もつれさせた!▼

ムラサキ「完璧見えたろ」
盗賊「……いや……」
メレブ「おい、嘘つけお前! 100パー見えただろ! どういう関係性なんだよ、あの人と!」

にんじゃは またまた
とうぞくの まうしろに たった!▼

メレブ「ハイ後ろ!」

とうぞくは うしろを むいた。
にんじゃは みをかくそうとして すっころんだ!▼

メレブ「1コケしちゃったよ、今1コケしちゃってるよ。1コケ見えた、1コケ」
盗賊「見えてねーよ」
メレブ「嘘だろ!?」
盗賊「見えてねーよ!」
メレブ「なんでだよ!?」
忍者「ハイ! ハイ!」

にんじゃは とうぞくを ねらって
しゅりけんを なげつけた!
しかし しゅりけんは とうぞくに
まったく あたらない!▼

メレブ「ハイ後ろ!」

とうぞくは うしろを むいた。▼

忍者「あっ! おぉ……」

にんじゃは あわてて みをかくした!▼

メレブ「『おぉ』って言った時、目が合ったべ? おい。おい」
盗賊「見えてねーよ!!」

とうぞくは なぜか キレだした!▼

メレブ「なんでキレんだよ? こっちがキレてーんだよ! お前…… いいか? じゃあいいよ、俺と話そう」
盗賊「おう」
メレブ「あ~、今日の髪型いいね~、お前すごく…… ハイ後ろ!」

とうぞくは うしろを むいた。
にんじゃは ちょっと たちどまったあと
あわてて きのかげに みをかくした!▼

メレブ「今迷ったんだ、ほら。迷っ…… お前も笑ってるだろ、おい、こっち見ろ」
盗賊「笑っ…… 見えてねーよ!!」
メレブ「今笑ってただろ、今ちょっと笑ってただろ」
盗賊「笑ってねーよ」
メレブ「え? 笑ったってことは見えてんじゃん?」
盗賊「笑ってねーよ!!!」
メレブ「笑ってないんだな?」
盗賊「笑ってない」
メレブ「OK、OK、じゃあもう1回。ラストチャンスな」

とうぞくは うしろを むいた。▼

忍者「おっ…… オアァ……」

にんじゃは みをかくそうとして
かくしきれていない!▼

メレブ「『オアァ……』だって。ほら見た? おい、今笑ってるべ?」
盗賊「笑ってない」
メレブ「今笑ってたべ? 今笑ってたよ」
盗賊「笑ってない」
メレブ「『オアァ……』のとこ見てるでしょ?」
盗賊「笑ってねーよ」
ヨシヒコ「誰かに狙われてるところ申し訳ないが、こんなところで時間を食ってる場合ではない。私のいざないの剣で眠ってもらうぞ」
盗賊「いざないの剣!?」
ダンジョー「人を殺さずに眠らせる、伝説の剣だ!」
盗賊「殺さずに眠らせる? そんな甘っちょろいことじゃーなぁ、この魔物たちの世界は、生き抜けないぜ~!!」

とうぞくの こうげき!
ヨシヒコは
いざないのつるぎで うけとめた!▼

メレブ「あー、いいよ? いい感じ、いい戦いなんだけど……」

そのあいだにも
にんじゃは とうぞくを ねらって
しゅりけんを なげつづけている!
しかし しゅりけんは とうぞくに
まったく あたらない!▼

メレブ「……ほら、いるいる。あいつ、ダメだなー……」
ダンジョー「ああ。だが、ついつい応援したくなる」
メレブ「ヨシヒコ、気を付けてね…… あれ?」

にんじゃは
しゅりけんを つかいはたした!▼

メレブ「嘘だろ? おい、あいつ手裏剣なくなったよ。手持ち無沙汰になっちゃってんじゃん…… あーあ、なんかしろよ、なんか…… 何かしら狙え、チャンスだよ? 拾えよ、拾え。刀行け、刀……」
ヨシヒコ「眠らせてもらうぞ……!」

にんじゃは モタモタしている!▼

盗賊「うぉああ!!」

ヨシヒコは
つばぜりあいに おしまけた いきおいで
にんじゃに きりかかった!▼

ヨシヒコ「でやぁ!!」

ヨシヒコの こうげき!
にんじゃを ねむらせた!▼

メレブ「あっ…… あっ、そっち? ヨシヒコ……」
盗賊「え? 何……? なんなの、この人?」
ヨシヒコ「あなたをつけ狙っていたようだ」
盗賊「えっ、俺!? え…… 誰だろう、この人……」
メレブ「おい、誰なんだよ!? 気になってるぞ俺はもう。誰?」
盗賊「あっ…… え……!?」

とうぞくは にんじゃの かおを
まじまじと みつめた。▼

盗賊「おい…… まさか、こいつ……!! おい! おい!!」

とうぞくは にんじゃを ゆさぶった。
にんじゃは ねむっている。▼

盗賊「お前、どうしてこんなところにー!!」

とうぞくは なきだした。▼

ムラサキ「誰なの? 劇的な再会なの?」
盗賊「ああ…… 奇跡的な再会だ。実は……」
ヨシヒコ「でやぁ!!」

ヨシヒコの こうげき!
とうぞくを ねむらせた!▼

メレブ「どうして!? なんで今斬ったの!? 『実は……』まだ聞きたかったよ?」
ヨシヒコ「先を急ぎましょう……」
メレブ「え? 何きっかけで斬ったの? 今……」
ムラサキ「聞きたかったー、奇跡的な内容……」
ダンジョー「20年前に生き別れた弟だ……」
メレブ「知らないでしょ、ダンジョー」
ダンジョー「顔が瓜二つだった!」
ムラサキ「似てねーよ。何一つ似てねーよ」

とうぞくたちを やっつけた!▼

ムラサキ「しかし、悪い奴らは何度倒してもなんで次々と出てくるかね?」
ダンジョー「それが世の常だ。善人だけの世界など、この世には絶対、存在せん」
ヨシヒコ「いえ…… 悪は倒し続ければいつか滅びます。そして善だけが残る。それを信じて戦い続けるのです」
ダンジョー「………」
ムラサキ「………」
メレブ「……そんなヨシヒコの言葉に、一瞬しんみりムードの、そんな折も折…… 新しい呪文を覚えた私だよ?」
ヨシヒコ「すごい……! 今度はなんなんですか、メレブさん!」
ムラサキ「なんでそんな毎回期待できんの? いっつもガッカリさせられるだけじゃんか」
メレブ「ガッカリするのはお前だけだムラサキ! ムラサキお前だけだ」
ムラサキ「この間の呪文だって、なんだよ、アレ」
メレブ「んー、なんだろう? 『スモーデ』のことかな~?」
ムラサキ「気に入らないことがあったら『よし、相撲で決着つけようぜ』って言いたくなる呪文、って意味わかります? ねぇ? ねぇ?」
メレブ「……スモーデ!」

メレブは スモーデを となえた!▼

ムラサキ「……お前のホクロってホント、ムカつくとこにあんな? よーし、相撲で決着つけようぜ? トントンストトントントントントトン……」

ムラサキは どひょういりを はじめた!
ムラサキは どうどうと シコを ふんだ!▼

メレブ「よいしょー」
ヨシヒコ「すごい!! 相撲で決着をつけようとしている……!」
ダンジョー「おい、ここまでやらせたんだ。相撲取ってやらんか」
メレブ「うーん…… デースモ!」

メレブは デースモを となえた!
ムラサキの スモーデが とけた!
ムラサキは もとに もどった!▼

ムラサキ「あたし何してんの?」
ダンジョー「相撲を取る気満々だった」
ヨシヒコ「すごい!! 新しい呪文はなんですか!?」
メレブ「よく聞け! この呪文は先ほどレベルが上がった瞬間に手に入った、最・強・呪・文」
ヨシヒコ「これで魔王が倒せますね……!!」
メレブ「かもな?」
ダンジョー「早く言え!」
メレブ「この呪文をかけられた者は…… 脇の下が恐ろしく臭くなる、それはそれは臭くなる! そうして、魔物(モンスター)が匂いに耐えられなくなったところで攻撃!」
ヨシヒコ「すごい……!!」
メレブ「私はこの攻撃呪文を、『ワキガンテ』…… そう名付けたよ」

メレブは
ワキガンテの じゅもんを おぼえた!▼

ムラサキ「ってことは味方の誰かにかけて戦うってことでしょ……? え、絶対やだよ、あたし!! 女の子だからね!?」
ヨシヒコ「かけてください、メレブさん!! 私にワキガンテをかけてください!!」
メレブ「うむ、よかろう! ……ヨシヒコ、脇閉じなさい。危ないよ」

ヨシヒコは すなおに
ワキを かたく とじた。▼

メレブ「行くぞヨシヒコ、ワキガンテ!」

メレブは ワキガンテを となえた!▼

ヨシヒコ「…………ゆ、ゆっくり行きますか? 一気に行きますか?」
メレブ「ノーノーノー、ゆっくりだ! ゆっくりだ、ヨシヒコ、ゆっくり開けてみろ」

ヨシヒコは おそるおそる
とじた ワキを ひらいてみた・・・。
すさまじい あくしゅうが
あたりに じゅうまんした!▼

ヨシヒコ「あ゛っ゛!!!」
メレブ「う゛わ゛ぁ゛ー!!!」
ムラサキ「くっっさ~~~~!!!」

ヨシヒコたちは
かなりの ダメージを うけた!▼

メレブ「ヨシヒコ、MAXが知りたい、MAXが知りたい。一気に、一気にやって!」
ヨシヒコ「………」

ヨシヒコは とじた りょうワキを
おもいきり ひらいてみた!
さらに すさまじい あくしゅうが
あたりに じゅうまんした!
ヨシヒコたちは
ちめいてきな ダメージを うけた!▼

ヨシヒコ「目…… 目が……!!」
ダンジョー「ゲホッ、ゲホ…… ヴォエェ!!」
ヨシヒコ「すごい…… すごいですよメレブさ、ォ゛エ゛エ゛……!!」

ヨシヒコは ちからつきた!▼

メレブ「あっ、ヨシヒコが! 気絶した!」
ダンジョー「おい、呪文を…… 呪文を解け!」
メレブ「ガンワキテ!」

メレブは ガンワキテを となえた!
ヨシヒコの ワキガンテが とけた!
ヨシヒコの ワキのにおいが おさまった!
ヨシヒコは われにかえった!▼

ヨシヒコ「すごいですよ…… これで敵を一網打尽ですよ!!」
メレブ「気絶せずに、攻撃する余裕があればの話だがな……」
ムラサキ「ゲロ吐いてるうちにやられるわ……」
メレブ「しかしこの呪文…… 『ワキガンテ』から『ワキガイン』に進化を遂げるよ!」
ダンジョー「遂げるな、馬鹿者!」

まもののむれが あらわれた!
キラーマシンの こうげき!
ヨシヒコは
それなりの ダメージを うけた!
ダンジョーは
けっこうな ダメージを うけた!
ヨシヒコの こうげき!
キラーマシンに まずまずの ダメージ!
ダンジョーの こうげき!
キラーマシンを やっつけた!▼

ムラサキ「メラゾーマ!」

ムラサキは メラゾーマを となえた!
ギガンテスに かなりの ダメージ!
ギガンテスを やっつけた!▼

メレブ「ヨシズミ!」

メレブは ヨシズミを となえた!
ゴーレムの まゆげが
ごくぶとに なった!▼

ムラサキ「眉毛生えただけじゃねーかよ」

ヨシヒコたちは ちゃくちゃくと
けいけんちを ふやしていった。
・・・
ヨシヒコたちは けっせんにむけて
それぞれ そうびを ととのえた。▼

メレブ「あぁ…… 長かったな。レベル18で戦いを挑んだ時が、懐かしく感じる」
ヨシヒコ「今回ばかりは本当に、永遠に命を落としてしまうかもしれない……」
ダンジョー「覚悟は必要だが、希望は持てる」
ヨシヒコ「しかしレベル18の時とはいえ、バルザスの力はとてつもなく強かった」
メレブ「もう、薬草を頼りに戦うわけではない」
ムラサキ「私だって、生き返りの呪文も回復の呪文も覚えたし……」
ヨシヒコ「……ムラサキ」

ヨシヒコは
ムラサキと すごした ひびを
おもいだした。▼

ヨシヒコ「……ダンジョーさん」

ヨシヒコは
ダンジョーと すごした ひびを
おもいだした。▼

ヨシヒコ「……メレブさん」

ヨシヒコは
メレブの くだらない エピソードや
なさけない すがたを おもいだした。▼

メレブ「俺のフラッシュバックにだけ悪意を感じたのは気のせいか?」
ヨシヒコ「……皆さんと戦ってきたこと、決して忘れません」
メレブ「うむ、私もだ」
ダンジョー「俺もだ」
ムラサキ「あたしも」
ダンジョー「ヨシヒコ…… 死ぬ時は、一緒だぜ」
ヨシヒコ「はい!」

ヨシヒコたちは ふたたび
まおうバルザスのしろへ のりこんだ!▼

ヨシヒコたちは まおうバルザスと
そうぜつな たたかいを くりひろげていた。▼

ダンジョー「ヨシヒコ、一緒に行くぞ!」
ヨシヒコ「はい!」

ヨシヒコたちは ちからを あわせて
まおうバルザスを こうげきした!
かいしんの いちげき!▼

メレブ「おお~、会心だ! 会心っぽい音したよ、今!」
ムラサキ「やった!」
メレブ「そこで…… スイーツ!」

メレブは スイーツを となえた!▼

魔王バルザス「ああ、甘いものが…… 甘いものが食べたい……!!」
メレブ「ふっ、炎と電流に包まれながら甘いものを欲しておるわ」
ムラサキ「必要ないよね。普通に苦しめるだけでいいよね?」
ヨシヒコ「バカな、ムラサキ。炎と電流に包まれて苦しい中でさらに甘いものを食べたい状況を想像してみろ」
ムラサキ「……全然想像できねぇ。やっぱ甘いもの余計な気がする」
ヨシヒコ「やりましたね、メレブさん」
メレブ「うむ、スイーツがむしろとどめとなったようだ」*1

バルザス「あぁ あまいものが たべたい!」
・・・
まおうバルザスを やっつけた!▼
まおうバルザスは たおれ
せかいに へいわが もどった。
これで こんかいの おはなしは
おしまい・・・▼

???「待て~い! 待て待て待て待て~~~~い!!」

ヨシヒコたちは とつぜん
へいげんに とばされた。▼

ヨシヒコ「これは……」
仏「はい、こっち注も~~く」

ほとけが あらわれた!▼

メレブ「あ、仏」
仏「はい、どうも、仏でございます」
ヨシヒコ「どこですか、仏?」
仏「……ちょっと待って、え? おい、ちょっと待っ…… おい、ちょっ待っ…… おい、ちょっ待っ、シーズン3になっても見えないの、ねぇ? 私のこと、ねぇ? ヨシヒコ君は、ねぇ?」
メレブ「あっ…… ねぇヨシヒコ、これしてみ」
ヨシヒコ「ありがとうございます」

ヨシヒコは
ヒーローのへんしんグッズを そうびした。▼

仏「!?」
ヨシヒコ「あっ、見えた! 仏!」
仏「……びっくりした、今絶対変身すると思った*2。え、何? ちょっと、ねぇ…… それで私のこと見えるの?」
ヨシヒコ「はい、見えます」
ムラサキ「なんの用だよ?」
仏「『なんの用だ』はねぇでしょうよ、えぇ!? 薄々わかってんでしょ、ねぇ? 大体薄々わかってんでしょ?」
ムラサキ「わかりません」
仏「うそ? ダンジョーは?」
ダンジョー「わからん」
仏「ん~? じゃあ、金髪ホクロは?」
メレブ「なんですかね? とんとわかりませんな」
仏「おお、そうですか。まぁ、ヨシ君はな……」
ヨシヒコ「………」
仏「……ヨシ君、ヨシ君、ちょっと、それでずっと見るの? ちょっと耐えられるかわかんない、おじさん。あの、まぁヨシ君はわかんないわな、少しおバカさんだもんな。うん、じゃあね、正解を言います。正解を言います…… あのね、ただね、ちょっと1つ宣言させてほしいの、ね。1つ宣言させてほしい、大きな声が出ます。かなり、大きな声が出ます。ですから鼓膜が弱い人はね、あの、ちょっとふさいでおいた方が得策かも。いい? いい?」

ほとけは いきを すいこんだ。▼

仏「初回~~!!!!

ヨシヒコたちは ポカンとしている。▼

仏「あっ、なんか虫が…… 虫が今…… 雲の上にもいるんだね、虫がね……」

ほとけは きをとりなおして
もういちど ねんを おした。▼

仏「本日、初回で~~す!!!!

ヨシヒコたちは ポカンとしている。▼

ヨシヒコ「初回?」
仏「あのね、仏ね、ホントにねぇ、ドキドキドキドキしながら見てたよ、雲の上から」
メレブ「ドキドキ土器土?」
仏「ドキドキドキドキだよ。だってさ、その、えーと、何? もう、あの、しょっぱなからいきなり、なんか最終回みたいに始まったじゃん? そうでしょ? ほんで、あの、冒険のくだり、かなり端折ってね? それであの、最後、あの、魔王の館に乗り込む前にさ、あの、シーズン1からのフラッシュバックをぶちこみーのね? んで『死ぬ時は一緒だぜ』的な、『もちろんです』的な? そんで感動的な音楽がファー、流れてさぁ…… おかしいだろ? マジで、テメーら、ぶっ飛ばすぞ? マジで。ホントに。初回としてかなりおかしいだろ?」
ムラサキ「いや…… 初回も何も、あいつ倒せば今回の冒険は終わりでしょ?」
仏「そんなわけはないぜ? ねぇ! あの、世界にさ、そんな簡単に平和は訪れないぜ?」
ヨシヒコ「どういうことですか」
仏「まぁ簡単に言うと、今倒した奴は、ボスじゃないってことだね」
ムラサキ「えっ!?」
ヨシヒコ「何っ!?」
メレブ「えぇ……」
仏「その証拠にさぁ、その辺をさぁ、少しさぁ、歩いてみ? あの、少し歩いてみ? まだまだ魔物がうじゃうじゃいるよ?」
ヨシヒコ「では、バルザスは……」
仏「うーん、まぁ…… 知事……? ……あっ、唾が飛んだ。ごめん。知事、みたいなもんかな…… あの…… まぁ、舛添さんみたいなもんかな? まぁ、これ放送してる時にまだやってるかどうかわかんないけどね」
メレブ「実名を出すな、実名を。もう…… まぁ、名前はあえて言わないけど、その…… アレが知事だとしたら…… え、何、『総理大臣』がいるってこと!?」
仏「その通りだ。いいか、よく聞け。現在、この世界を闇に葬ろうとしている魔王には、弱点がある。しかし、その弱点は1つではない。7つだ! この7つの弱点、すべて攻撃しなければ絶対に倒すことはできない。1つの弱点を突いても、1つでも……」

ほとけは れいによって
せりふを おぼえていないようだ。▼

仏「………」
メレブ「なんだよ。『1つでも』?」
仏「え?」
メレブ「『1つでも』?」
仏「え?」
メレブ「『1つでも』?」
仏「ちょっ、え?」
メレブ「……おい、自分のミスを……」
仏「ちょっ、ちょっとごめん…… えーと、1つでも…… あっ、わかった」
メレブ「自分のミスをさ……」
仏「ミスじゃない! 何? ……1つでも、ちゃく、弱点が、を? が? あの…… ゼゼゼゼゼゼっていう、あの、形をとらなければ…… あの…… あの、絶対にあの、くびれボディを獲得することができない…… 今なんでくびれボディって言ったんだろう、おじさん。魔王はくびれボディの持ち主なの? ねぇ。魔王は果たしてくびれボディの持ち主なの? ねぇ」

ほとけは れいによって
せりふを まちがえた!▼

仏「あの、えーと、大体、言いたいこと…… わかんないか」
メレブ「わかんないよ」
仏「だから、えっと、つまり、1つの弱点を突いても……」

このあと ほとけが
つまらない ボケを くりかえし
ヨシヒコたちが ひたすら
うんざりさせられる ながれが
つづくが むだに ながくて
しょうじき たいくつなので
じゃっかん はぶく。▼

仏「……あ、わかった! 思い出した! 1つの弱点を突いても、1つでもね、1つでも弱点が残っちゃうと、魔王はね、たちまち突かれた弱点をね、あの、修復しゅる…… あ、『修復しゅる』じゃない、修復する能力を持っている。ね? 強いね、魔王ね。やるね、魔王ね? ……で、その7つの弱点はね、それぞれ運命に定められし人間にしか、攻撃しゅる…… あっ! ちょっ…… 聞いた、今? 『しゅる』が2回出た。1日2回『しゅる』。これ結構珍しいこと!」
メレブ「いいよ、もう……」
仏「もう、あの、今頃アレだよ? 『しゅる』が急上昇タレント検索キーワードに……」
メレブ「しないよ……」
仏「だから、7つの弱点があります、と。それが、運命に定められた人間にしか攻撃できないってことですよ。ね? それが、ま、つまり、あの、7人いるわけですよね…… あの…… ちょっとごめん」

ほとけは クシャミを
しそうに なったが ちょくぜんで
おさまった。▼

仏「今、クシャミが出そうで止まった! 見た? 今! クシャミが出そうで止まった~♪」

ヨシヒコたちは しらけている。▼

仏「ねぇ、ちょっと、もうちょっとかかる。もうちょっと待ってくれる? ちょっと、退屈しないで? ね? ……7人いるわけ、その弱点を攻めれる人はね。7人いるわけ。ね? で、その7人っていうのはさ、それぞれ光り輝くオーブを持っている、ね。あの、オーブっていうのは玉です。つまり7人は玉を持っているってことですね…… あの、これ、あの、別にいやらしい意味で言ったわけじゃないよ」
メレブ「わかってるよ、続けなさいよ」
仏「ということで、ヨシヒコよ。お前たちは、この運命に定められし7人を探し出し、そして魔王を倒さなければならんのら…… 最後に『ら』って言っちゃった! 『ならんのだ』!」
ヨシヒコ「魔王の弱点を突く、運命の7人……」
ムラサキ「また長い旅が始まるんだな。いい感じのダイジェストっぽい感じで終われると思ったのに」
仏「ということで、冒険の始まりはやっぱりカボイの村へ。はい、ルーラ!!」

ほとけは ルーラを となえた!
ヨシヒコたちは
カボイのむらに とばされた!▼

ヒサ「……兄様!?」
ヨシヒコ「ヒサ……」
ヒサ「いつ戻られたのですか?」
ヨシヒコ「戻ったのではない。今再び、旅立つところだ」
ヒサ「そんな……」
仏「最後に言っておく…… 初回から、魔王のCGで予算を使いすぎてきた。本物の魔王にたどり着くまで、せいぜい節約に努めよ。よいな」
メレブ「……確かに」
ダンジョー「終わる気満々だったからなぁ」
ムラサキ「しかし相変わらずムカつくな、あの仏」
ヨシヒコ「まだまだ世界は闇に包まれている。行きましょう」
ダンジョー「おう」
ムラサキ「うん」
メレブ「うむ」
ヨシヒコ「ヒサ、私は必ず生きて帰る。村を頼んだぞ」

ヨシヒコたちは ふたたび
カボイのむらを たびだった。▼

ヒサ「兄様!」

ヨシヒコたちの ゆく さきには
じゃあくな かげが たちこめていた・・・。▼


つづく▼


映像ソフト版では……

※各所にある「*」を押すと、以下の場面が挿入される段落に飛ぶことができます。


なんと!
まおうバルザスは ヨシヒコと ダンジョーの
こうげきを たえぬいた!▼

ダンジョー「なんだとっ!?」
ヨシヒコ「魔王は不死身だというのか……」
魔王バルザス「あぁぁぁ…… 甘いものが食べたくてムシャクシャする! 全力ビーム!!」

まおうバルザスの こうげき!
つうこんの いちげき!▼

ヨシヒコ「ぐうぅっ!! ……大丈夫ですか、皆さん!?」

ダンジョーは しんでしまった!
ムラサキは しんでしまった!
メレブは しんでしまった!▼

ヨシヒコ「なんだとっ!? ……みんな…… くぁあああーーーーっ!!」

ヨシヒコの こうげき!
まおうバルザスに そこそこの ダメージ!
まおうバルザスの こうげき!
つうこんの いちげき!
ヨシヒコは しんでしまった!
・・・
しかし そのとき
いままで ヨシヒコが なかまにした
まものたちが ばしゃから とびだした!
くさったしたいの こうげき!
まおうバルザスに やや ダメージ!
ドラキーマの こうげき!
まおうバルザスに やや ダメージ!
ゴーレムの こうげき!
まおうバルザスに やや ダメージ!
おおめだまの こうげき!
まおうバルザスに やや ダメージ!
まおうバルザスの こうげき!
くさったしたいは しんでしまった!
ドラキーマは しんでしまった!
ゴーレムは しんでしまった!
おおめだまは しんでしまった!
まものが ばしゃから とびだした!
おおきづちの こうげき!
まおうバルザスに やや ダメージ!
さまようよろいの こうげき!
まおうバルザスに やや ダメージ!
ギガンテスの こうげき!
まおうバルザスに やや ダメージ!
ゴーストの こうげき!
まおうバルザスに やや ダメージ!
まおうバルザスの こうげき!
おおきづちは しんでしまった!
さまようよろいは しんでしまった!
ギガンテスは しんでしまった!
ゴーストは しんでしまった!
まものが ばしゃから とびだした!
マミーの こうげき!
まおうバルザスに やや ダメージ!
ばくだんいわは メガンテを となえた!
まおうバルザスに それなりの ダメージ!
ばくだんいわは しんでしまった!
マタンゴは あまい いきを はいた!
まおうバルザスには きかなかった!
どろにんぎょうの こうげき!
まおうバルザスに やや ダメージ!
まおうバルザスの こうげき!
マミーは しんでしまった!
マタンゴは しんでしまった!
どろにんぎょうは しんでしまった!
・・・
スライムが ばしゃから とびだした!
スライムの こうげき!
まおうバルザスに たしょうの ダメージ!
まおうバルザスを やっつけた!▼

仏「いや、違うんだよ。倒したのは君らではなくね、スライムのスラリンなんだけど…… だけど! ねぇ、そんなさ、ラストさ、スライムのドアップで終わる冒険活劇ってどうでしょう? いわゆるひとつの、ん~、どうでしょう」
ダンジョー「ともかく、敵を倒したんだ。世の中、これで平和になった」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2023年06月02日 21:13

*1 ※この「*」を押すと、オンエア版とは異なる映像ソフト版の展開を見ることができます。

*2 ※円谷プロダクション公認