手裏剣戦隊ニンニンジャーの最終回

牙鬼九右衛門新月の終わりの手裏剣によって妖怪が復活。天晴(たかはる)たちも変身不能に陥ってしまう。

九衛門「終わりの手裏剣は世界を終わらせ、新しい世界を生み出す。我ら牙鬼家の世界が始まる…… 天下は恐怖によって統一され、古き世界は滅びるんだ!」
天晴「そんな事させるかよ!」
九衛門「お前たち伊賀崎の力はなくなった。全て終わりだ……」
天晴「終わりなんかじゃない…… 俺も、他の皆も、こんくらいで屈する訳ないだろ!」

シュリケンジンとキンジ、霞、八雲が妖怪たちと戦う。

凪「変化できないくらいで怯んでられるか!」
風花(ふうか)「行くっきゃない!」

九衛門の猛攻が天晴を襲う。

天晴「うわああっ!」
九衛門「力がなくなったというのになんて無謀なんだ。ここで散るがいい、アカニンジャー!」


ラストニンジャを超える為、覚悟を抱いた孫と弟子!倒す相手は恐るべき牙鬼幻月、新月親子。
試練乗り越えし強き忍者は、忍びなれども忍ばない!



忍びの最終章 忍ばず未来へワッショイ!


天晴が九衛門に苦戦する。

天晴「もう一丁!」

九衛門の蹴りが天晴を吹き飛ばす。

九衛門「牙凌道孤月!」

九衛門の斬撃を交わす天晴。
ついには倒れてしまう。

九衛門「どうだい。伊賀崎流シュリケン忍法といった所で、力を奪われれば何もできやしない…… 結局お前らが尽くしてきたのは、そんな程度のものだったのさ!」
天晴「何だと? お前だって、じいちゃんの弟子だろう?」
久右衛門「元弟子だ。それも終わりの手裏剣を手に入れる為だけのね…… 奴だって僕を、自分の息子の踏み台程度にしか考えていなかったのさ」
天晴「それは違う!」
九衛門「お前に何が分かる?」
天晴「じいちゃんは、お前を踏み台にしてないって事ぐらい、俺でも簡単に分かる! じいちゃんは……きっと願ってたんだ。競い合って、互いに高め合って、支え合える俺達みたいな仲間! お前と親父も、そういう風になれることを願ってたんだよ!」
九衛門「何を馬鹿な事を! そんな下らんお喋りに付き合うつもりはない。消えろ!!」

九衛門が剣を振るうと、キンジと霞がそれを受け止めて交わす。

天晴「霞、キンちゃん……」
霞「お待たせしました。天晴君……」

シュリケンジンから降りた凪と風花も現れる。

風花「お兄ちゃん!」
凪「遅れてごめん」
久右衛門「何人で来ようが力を失ったお前達が僕に勝てると思っているのか!」

九衛門が紫の炎を繰り出そうとするも、八雲の弓に怯んでしまう。

八雲「勝つさ。俺たちは6人だからな……」

(好天(よしたか)『6人が共にいたからこそ、どんな困難も打ち勝ってこられた……』)

天晴「俺達6人がいれば、忍タリティーは湧き上がってくるんだ!」
八雲「ああ!」
凪「うん!」
風花「うん!」
一同「はぁ———っ!!」

6人に忍タリティーが湧き上がる。

九衛門「何だと? 馬鹿な……」

6人は力を取り戻し、ニンニンジャーとなる。

アカ「暴れて天晴れ! アカニンジャー!」
アオ「轟け八雲! アオニンジャー!」
キ「煌めきの凪! キニンジャー!」
シロ「ひとひら風花(かざはな)! シロニンジャー!」
モモ「揺らめく霞! モモニンジャー!」
スター「彩りの星! スターニンジャー!」
アカ「忍びなれども忍ばない!」
スター「忍びなれどもパーリナイ!」
一同「手裏剣戦隊ニンニンジャー!!」
アカ「忍ぶどころか、暴れるぜ!」
一同「はぁっ!!」
九衛門「おのれ…… 本当に腹立たしい奴らだ!!」

ニンニンジャーが久右衛門に挑む。

アカ「おりゃあっ! はぁっ!!」
九衛門「うわっ! あり得ん! 究極体になった僕に対して、こいつらが…… 伊賀崎好天でもないこいつらが!!」
アオ「言っただろ。俺たちは爺さんを超えるとな!」

『ザ・技』

アカ「新シュリケン忍法奥義!」
一同「超絶衝撃爆裂斬!!」
九衛門「牙凌道究極奥義孤月乱舞!」

2つの技が激突。

一同「はぁ———っ!!」

ニンニンジャーがジャンプ。
上空から刀を振り下ろす。

『忍者一閃』

とどめの一撃が炸裂。

九衛門「うわああっ!!」

九衛門が元の姿に戻る。

九衛門「奴を…… 伊賀崎好天を超えるのは、この僕の筈だったのに!」

アカが変化を解除。天晴に戻る。

天晴「お前さ、じいちゃんのこと、憧れてるんじゃないのか?」
九衛門「……! 僕が、奴に憧れているだと? 馬鹿か! 何を言い出す!?」

他の5人も変身前の状態に戻っている。

天晴「お前もラストニンジャになりたくて、じいちゃんを超えたいと思ってるなら、俺と同じじゃんか……」
九衛門「お前と……同じ?」
天晴「俺が頑張れたのは、じいちゃんに憧れてるからだ。お前もそうなんじゃないのか?」
九衛門「僕が、奴に?」
キンジ「確かにお前ぇさんは、牙鬼家の宿命のために、好天様に弟子入りしやした。でも本当は、家族を取り戻したかったのではございやせんか?」
九衛門「何だと?」
凪「そういうことだったんだね……」
キンジ「あっしとお前ぇさんは似た者同士。孤独の道を歩んで来たあっしらは、いつしか好天様に、伊賀崎家に…… 居場所を求めていた訳でございやしょう……」
九衛門「僕は…… 奴に憧れていたのか……」

すると九衛門の持っていた封印の手裏剣が反応。

凪「あれ? 封印の手裏剣……」
霞「それは、あの時お爺様が……」

忍シュリケンへと変わる。

八雲「ひょっとして、九衛門のために用意していた、手裏剣?」
一同「かもしれない……」
天晴「じいちゃんは、お前を弟子に戻したかったんだな」
九衛門「そんな筈……ある訳がない!」
幻月「宿命から逃れることなどできぬ!」

幻月が地上に降り立ち、天晴達を襲う。

幻月「愚かなせがれよ、お前とて我が野望のための道具に過ぎぬ…… それがお前の宿命だ!」
九衛門「父上、お待ちください。うわあっ!」

九衛門が幻月の体内に吸収される。

幻月「力だ。力が溢れる! 見よ!」

幻月が巨大化。

幻月「これだ。これが真実なる姿…… 今こそこの世を、恐怖によって支配せん!」
キンジ「奥方の次は、九衛門まで利用しやした……」
風花「酷すぎる!」
霞「家族を軽んじるなんて、許せません!」
八雲「奴は俺達がぶっ倒す」

九衛門の手裏剣を拾う天晴。

天晴「よし、これが最後の決戦だ」
凪「みんなで行こう!」

『ザ・召喚』

一同「シュリケン忍法召喚の術!」

『ゲ・キ・ア・ツ・ダイオー!』

ゲキアツダイオーが幻月に挑む。

幻月「貴様ら忍びは、我が力で全て根絶やしにしてくれる!」

幻月は薙刀を振るう。

一同「うわああっ!」
幻月「牙凌道阿修羅!!」

幻月の技がゲキアツダイオーを襲う。

スター「やはり、強敵でございやすね……」
モモ「ゲキアツダイオーも限界点に迫ってます!」
アオ「ここまできたら限界の先まで行ってやる!」
シロ「うん!」
キ「そっか。相手が強いなら、今も強くなるだけだね!」
スター「ここも、いけいけどんどんで行きやしょうか!」
アオ「そうだな」
モモ「最後まで、忍ばず突っ込みましょう!」
アカ「おう!」
一同「はぁっ!!」

ゲキアツダイオーがゆっくり進む。

幻月「懲りずに来るか。よかろう…… 伊賀崎に生まれ、忍者として我が一族に刃向かった宿命を、悔やむがいい!!」

幻月はゲキアツダイオーに衝撃波を浴びせる。

モモ「悔やんだりする訳ないです!」
シロ「たとえ違う家に生まれても、忍者になるんだから!」
キ「僕らが今いるのは、誰の意志でもない!」
アオ「俺達自身の意志で、忍者になったんだ!」
スター「宿命なんて、関係ありやせん!」
アカ「九衛門だって、俺達と同じなんだ! 俺達は……」
一同「忍者だ!!」
九衛門「あっ!?」

幻月の胴が緑色に光る。
さらに、ゲキアツダイオーのパンチが幻月を吹き飛ばす。

幻月「な、何だ? せがれ! なぜ父に抗う!?」

九衛門が幻月の体内から脱出。

一同「ゲキアツ大フィーバー!!」

ゲキアツダイオーから6人が飛び出し、幻月に斬りかかる。

幻月「ふふふ…… たとえ倒されても、古き世界を滅ぼすため蘇るのだ…… 楽しみにしておれ……」

幻月が大爆発。牙鬼軍団は滅んだのだ。

九衛門「伊賀崎の者達…… 悔しいが、僕の負けだ…… あっ?」

九衛門の前に現れたのは、好天の幻だった。

九衛門「お師匠……」

九衛門は手を伸ばし、終極忍シュリケンを残して消えていった。
一方、天晴たちは破壊された街を眺めていた。

霞「幻月を倒しても、この世界を滅ぼしにまた妖怪が来るようですね……」
風花「どうしよう……」

すると6人の元に終極忍シュリケンが現れる。

凪「終わりのシュリケン!」
八雲「なるほど。俺達6人合わせてラストニンジャという事か……」
霞「では回しましょう…… 平和な世界を願って」
天晴「いや。終わりの手裏剣がない世界……だな」
一同「えっ!?」
天晴「だって、終わりの手裏剣がなければ、世界を滅ぼすなんて事できなくなるだろ? だから……」
霞「それは、終わりの手裏剣を所持してこそ初めて存在する。ラストニンジャが消えるという事になります」
凪「そうだよ。ラストニンジャになる夢がなくなっちゃうんだよ。それでもいいの?」
天晴「分かってるよ。でも、やらなきゃどうにもならないだろう!?」
八雲「ラストニンジャの歴史を変え、じいさんとは違う道を行くと決めた以上、覚悟はできている……」
一同「……」
天晴「行くぞ……」

忍者一番刀に終極忍シュリケンをセット。
6人はそれに手を添える。

一同「終わりの手裏剣のない世界に変えよ!」

終極忍シュリケンの力が街を修復、消滅。

八雲「終わったな……」
風花「お兄ちゃん、本当によかったの?」
天晴「大丈夫だ。俺は、ニューラストニンジャになる」
一同「えっ? ええ———っ!?」
キンジ「ニューラストニンジャでございやすか?」
霞「天晴くんらしいです」
八雲「えっ? 霞姉……」
霞「じゃあ私は、ラスト科学ニンジャでしょうかねぇ……」
風花「私は、ラストアイドルニンジャかな?」
凪「そんなの言ったもん勝ちじゃん!」
キンジ「じゃああっしはラストワールドワイドニンジャで」
凪「じゃあ僕は、ラストお膳立てニンジャ!」
風花「じゃあ八くんは、ラスト魔法ニンジャ!」
八雲「だから、なんでもラストをつければいいってもんじゃないだろう。風花……」

天晴が九衛門の忍シュリケンを取り出す。

天晴「生まれ変わっても、忍者になって来いよ。よーし、皆! 最後に……」
一同「忍ばずわっしょい!!」


伊賀崎家。
天晴は荷物を持って屋敷を出ようとしていた。

声「どこ行くんでございやすか? 天晴坊ちゃん!?」
天晴「キンちゃん!」

天井からキンジが飛び降りる。

天晴「やっべぇ、見つかっちゃった……」
キンジ「まさか誰にも何も言わず修行の旅に出る。なんて天晴坊ちゃんらしからぬことするとは……」

キンジの荷物が落下。

天晴「そういうキンちゃんだって……」
キンジ「いや、これはね、 何かの間違いでござい……」

隠し扉から八雲が出てくる。

八雲「いや、あの、黙って英吉利に戻ろうとした訳じゃなくてだな……」

凪が手裏剣を投げると隠れていた霞が出てくる。

霞「いや、その、決して黙って研究室に戻ろうとしたのではなくて……」
凪「じゃあその大荷物は何!?」

天晴の隣に旋風と風花が現れる。

風花「つまり、黙って出て行こうとしてたんだ」
旋風「だ……」
天晴「……ニューラストニンジャになるって決めたら、すぐ修行したくなっちゃって…… 悪りぃ」
風花「別に、いいけど…… 出て行く方は気楽でいいよね」
凪「そっか…… ずっと一緒に入られるって思ったけど…… おじいちゃんの修行が終わったってことは、みんなバラバラになるって事なんだね……」
八雲「ずっと離れ離れになる訳じゃない。俺達は、家族だろう?」
霞「そうです。必ず帰ってきます…… この道場に」
旋風「よーし、それじゃあさ、4年後…… いや、2年後に、みんなでここに集まって、誰が1番強くなったか、中間発表すればいい!」
霞「熱いです!」
天晴「熱いな、それ!」
凪「2年後か…… 僕はその前に大学受かんなきゃ!」
風花「仕方ないなぁ…… それじゃあ、誰が出て行くかじゃんけんで決めて!」
天晴「よーし、行くぞ。最初はニン!」
一同「じゃんけんぽい。あいこでニン!」


番組テーマソングとともに一同のエピローグ。天晴たちのそれぞれの日々が始まった。
八雲は魔法の授業をしていた。

八雲「(英語) それでは忍術と魔法を合わせた新しい技をお見せします。(日本語) マジカル忍法、ドラゴンの術!」

しかし、出てきたのは恐竜だった。

八雲「これは、ノットイージーだな……」

オークション会場。
風花がオーディションを受けていた。

風花「3番、ひとひら風花、伊賀崎風花です。特技は忍術です!」

風花が分身。

風花たち「よろしくお願いします!」

図書室。
大学に向けて勉強中の凪。

学生「凪。凪、凪! ちょっと手伝ってくれよ。サッカーやるのに人数足りないんだよ!」
凪「 しょうがないなぁ…… よーし。たまには忍ばずやってみるか!」

海外
キンジがおでん屋を開いていた。

キンジ「 (英語) ニンジャがみなさんにニンジャ料理『ODEN』をお届けに参りました」

皿に一瞬でおでんが盛られる。

外人たち「ニンジャ」「おでん……」
キンジ「そう、ニンジャです。食べてみて」

研究室。
霞は忍シュリケンの研究をしていた。

霞「もう少し実験を続けてみましょう…… 皆でやれば、必ずいい結果が出ます」
研究員たち「はい」
霞「熱いですこれ。燃えてきました!」

そして、ニューラストニンジャに向けて修行中の天晴。

子供たち「師匠! お願いします!!」
天晴「おう!」

天晴が木から飛び降りる。

子供たち「おおっ!」
天晴「よーし、お前ら。今日も熱い修行するぞ!」
子供たち「はい!」
天晴「燃えて来たぁ!! よーし、今日の修行は鬼ごっこだ」
子供たち「イエーイ!」



おわり

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最終更新:2017年02月05日 11:09