パワーレンジャーS.P.D.の第2話

※ ここまでのあらすじはパワーレンジャーS.P.D.の第1話をご覧ください。



BEGINNINGS PART 2
新生Bスクワッド誕生〈後編〉




下町に出動したスカイたちの前に突如、謎のロボット兵・クライボットたちが現れた。

クライボット「突っかかれぇ!」


一方で泥棒のジャックとジーは、騒ぎに乗じてその場から逃げ出したものの、ジャックは途中で足を止める。

ジー「ちょっと、なんで止まんのよ!?」
ジャック「あの3人、やられちまう」
ジー「私たちを逮捕しに来た連中だよ。巻き込まれることないって」

ジャックが引き返し、スカイたちのもとへ駆け出す。

ジー「……もう!」


スカイたち3人は、クライボットたちにすっかり取り込まれている。

ブリッジ「一つ聞いていいかな?」
シドニー「あなたの質問って、いつも長ったらしいばかりで、聞いてるうちに頭こんがらがっちゃうだけど」
ブリッジ「え、僕の質問って、そんなに長ったらしい? ……じゃなくて、今こそ変身するときなんじゃない?」
スカイたち「そうだ!」「そうよ!」「行くぞ!」
一同「ロジャー! S.P.D.! エマージェンシー!!

変身スーツが3人の体を包み込み、パワーレンジャーへと変身を遂げる。

一同「S.P.D.ブルー!」「S.P.D.ピンク!」「S.P.D.グリーン!」

シドニーはピンクレンジャーに、ブリッジはグリーンレンジャーに。
そしてスカイは念願のレッドレンジャーではなく、ブルーレンジャーとなる。

ピンク「よく似合ってるじゃない!」
グリーン「格好いい~!」
ピンク「見て、ピンクよ! 私の好きな色!」
ブルー「……ブ、ブルー!? なんで、俺がレッドじゃないんだ!?」
クライボット「こっちの欲しいものを渡してもらおうか」
ブルー「戦いたいのか? 相手してやる。行くぞ!」
クライボット「やってしまえぇ!」

襲い来るクライボットたち。ブルーの攻撃が1体のクライボットに決まり、傷跡から機械類が覗く。

ブルー「こいつら、ロボットか!?」

グリーンとピンクも、次々にクライボットたちを蹴散らす。

ピンク「決まった!」
グリーン「いい感じっ!」
ピンク「すっごいパワーじゃない!」
グリーン「本当!」
クライボット「本物のパワーを見せてやる!」

クライボットたちが反撃でブルーたち3人を吹っ飛ばし、なおも3人に群がってゆく。
そこへ、クレーンからぶら下がったジャックとジーンが突進。

ピンク「何!?」
グリーン「嘘っ!?」
ジャック「どけどけぇぇっ! 邪魔だぁ!」

ジャックたちがターザンアクションで、クライボットたちにキックを見舞う。

ピンク「やるじゃない!」
グリーン「すごい!」
ブルー「待った、また仕事は終わってないぞ!」「一気に片づけるぞ! デルタマックスストライカー!」
一同「デルタマックスストライカー!」
ブルー「行くぞ!」
一同「ロジャー!」
ブルー「撃てぇ!」

3人の必殺の一斉射撃で、クライボットの残党たちが一掃される。

ブルー「やったぞ!」

その騒ぎの最中、一団を率いる上級クライボットが、ジャックたちの車の荷物を漁っている。

クライボット「捜し物はここにはない……!」

あっという間にクライボットが逃げ去る。

ブルー「よし、パワーダウン」

変身を解くスカイたち3人。

ブリッジ「助かったよ」
ジャック「いいってこった」
スカイ「いいや、良くない! 逮捕する」
シドニー「命の恩人よ!?」
スカイ「この2人は、犯罪者だ」

そこへクルーガー司令官*1が駆けつける。

クルーガー「スカイ・テート、離してやれ」


結局ジャックとジーは、S.P.D.地球署の留置所に閉じ込められる。

ジー「わざわざ助けに戻るなんて……」

そこにクルーガーが現れる。

クルーガー「オープン」

音声認識で鉄格子が開き、クルーガーが2人の前に進み出る。

クルーガー「ようこそ。ここはスペース・パトロール・デルタ本部。最先端の設備が揃っている」
ジャック「オマワリか?」
クルーガー「宇宙のな。スペース・パトロール・デルタ。我々は、地球に害を及ぼすエイリアン犯罪を取り締まっている」
ジー「そっか。ごめんなさいね。貧しい人々を助けるのが地球の害とは知らなくって」
クルーガー「聞きたまえ。このアカデミーで育てているのは、悪と戦うエリート戦士、パワーレンジャーだ。我々は、宇宙の犯罪者から地球を守っているんだ」
ジャック「今の、メモっとけよ。SF映画にしたら売れそうだ」
クルーガー「世界は変った。この先も、想像を絶するほどの変化を迎えるだろう…… 君たちには才能がある。服役して刑務所で過ごすか、それとも、より大いなる力に属し、世の中を変えるか?」
ジー「……考える時間、もらえる?」
クルーガー「もちろんだ。3、2、1、時間切れだ。結論を聞こう」


特訓に励むスカイたち3人のもとへ、クルーガーがジーを連れて来る。

クルーガー「レンジャー諸君、エリザベス・デルガドだ」
ジー「ハァイ、憶えてる? ジーって呼んで」
クルーガー「ミス・デルガドは、S.P.D.に残ることを選んだ。Bスクワッドに配属する」
スカイ「ボス…… 犯罪者ですよ?」
クルーガー「知っている」
スカイ「特殊訓練を積んできたチームに、素人を入れると?」
クルーガー「スカイ・テート! 訓練を積み、数で勝っている諸君を相手に、彼女が互角に戦ったのを忘れたのか? 彼女は新しいチームメイトだ。メンバーにふさわしい対応をしろ」
ジー「それで、何して遊ぶ?」
スカイ「……泥棒の逮捕」


一方、クライボットはグラムの宇宙船へ帰還する。

グラム「失敗など── 断じて許さん! お前を地球に送ったのは、プロトン・アクセラレーターを手に入れるためだ」
クライボット「オ、オ、オ……!?」
グラム「手ぶらでノコノコ帰って来おって! お前など、こうしてくれる! 消えろ!」

クライボットが鉄クズと化す。

グラム「次の者、出て来い」

新手のクライボットが現れる。

クライボット「お呼びですか、皇帝陛下? 何なりとお申し付けを」


留置所のジャックは、部屋の窓をこじ開けようと奮闘している。

ジャック「いいぞ、あとちょっとだ…… やった! ほんじゃ、さいなら」

ようやく開いた窓からジャックが逃げ出そうとするが、警察犬ロボットのリック*2がレーザーを見舞う。

ジャック「熱っ! 痛ってぇ~!」
ジー「オープン」

S.P.D.の制服姿のジーが、食事を持って現れる。

ジー「音声認識システムよ。超クールじゃない? おなかすいた?」
ジャック「いいコスプレじゃん? 速攻、飛び付いたわけか」
ジー「コスプレじゃないわよ。正式な制服。いい加減、意地張るのやめたら? チームに入りたいんなら、まだ間に合うから」
ジャック「ゴメンだね! 俺ら、いいコンビだったろ? なんで、いきなりブチ壊すんだよ!?」
ジー「言っとくけど、ブチ壊したんじゃない。私たち、逮捕されたのよ? それに、ちゃんと理由だってある。大きな力を使って、やっと自分を生かせる気がするの」
ジャック「そりゃ、おめでとさん」
ジー「……オープン。いつまでも、減らず口叩いてれば?」

ジーが立ち去る。

ジャック「『減らず口叩いてれば』、か。 ……オープン?」

閉じた鉄格子に声をかけるが、ジャックの声ではビクともしない。


クルーガーのもとに、新メンバーのジーを加え、スカイたち4人が集合する。

クルーガー「規律、制御、チームワーク。パワーレンジャーにとって重要な、3つの要素だ。これらはアカデミーで教わることではない。諸君が自らの力で学び取るのだ。質問は?」
スカイ「あの、ボス。手違いがあったみたいで、自分はブルーレンジャーでした。レッドレンジャーに……」
クルーガー「手違いではない」
シドニー「もう、いいじゃない?」
スカイ「ですが、クズどもとの戦いに影響が……」
ジー「誰がクズよ!?」
シドニー「違うって。ロボット団のこと」
ブリッジ「変な奴らだったね。サッカーボールみたいな頭しちゃって。こうだ。ウィン、ウィン」
クルーガー「クライボットか!? トゥルービアンの歩兵ロボットだ。連中は痛みを感じることがなく、慈悲の心もない。ただ相手を破壊するようプログラムされている」
シドニー「青いバッテン頭も1人いました」
クルーガー「ブルーヘッド!? さらに強力なアドバンス・ロボットだ…… 事態は思ったより深刻だな。奴らの狙いはなんだった?」
ジー「金目のものもなかったし、盗んだもの、じゃなくて、手に入れたものは全部、貧しい人たちに」
クルーガー「何かあるはずだ」

『Aスクワッド・パワーレンジャーがダウンタウン地区で巨大ロボットと交戦。Bスクワッド、応援に出動せよ』

スカイ「俺たちの出番だ!」


街に出たスカイたち。巨大ロボットの残骸が散乱している。

ジー「なぁにが『俺たちの出番』よ。ロボットの残骸の後片付けじゃん?」
スカイ「派手なドンパチだけがレンジャーの仕事だと思ってたか? 地味な任務だってある。黙って仕事しろ」
シドニー「悪い人じゃないのよ。長い目で付き合ってみれば。って、それが難しいんだけどね」
ブリッジ「みんな。ちょっと、こっち来て」
ジー「どうしたの、ブリッジ?」
ブリッジ「巨大なエネルギーが通過した痕跡を感じるんだ」
スカイ「トゥルービアンの歩兵ロボットだろ? 大量の」
ブリッジ「それだけじゃないよ。幾何学パターンで移動してる。銀河系間捜索隊の動きと一緒だ」
シドニー「クルーガーの言ったとおり、何かを捜してたのね。よく思い出して。あいつらが欲しがりそうなもの、なかった?」
ジー「ないわ。あのとき残ってたのは、ジャックが変な男から渡されたガラクタだけだもん」


依然、留置所の中のジャック。鉄格子の前のリックが、次第に煙に包まれる。

ジャック「おい! お前、ちょっと煙吹いてるぜ!?」

よく見ると煙は留置所の正面、廊下の奥から流れてくる。

ジャック「ヤバイ、火事だ! オープン! 早くオープンだってば!」

リックがビームを放つと、鉄格子が開く。

ジャック「ハハッ! なんだ、お前、やればできるんじゃん!」

廊下の奥では、全身を銀色の服に包んだ者が煙にまかれている。

ジャック「おい、大丈夫か!? どうしよう!?」

リックの頭部に消火のマークが表示される。

ジャック「よし、それだ!」

リックの消火機能で、火が消し止まる。銀色の服の中身は、ブーム。

ブーム「ハ──っ、ふぅ、ふぅ……」
ジャック「おい、大丈夫か!?」
ブーム「はぁ、はぁ…… 今ちょうど、キャットの新型防火服を試してて…… 性能抜群。自分が燃えてんの、気づかなかった。ありがと。俺、ブーム」
ジャック「ジャックだ」
ブーム「あぁっ! 新しいパワーレンジャーか!」
ジャック「違う! 俺はパワーレンジャーなんかじゃない。その話は断ったよ」
ブーム「ハァ? 今、なんかおっしゃいました? 断ったぁ~!? 俺なら、レンジャーになれるなら何だってするよ。俺、アカデミーを落第しちゃってさ。それもたった3日で。5年前の話さ。でも、ラッキーだったよ! デッカイ青い犬が俺を見込んでくれてさ、装備の主任検査官に任命された!」
ジャック「責任重大だな」
ブーム「俺もそう思う。みんな責任がある! 努力すれば、自分を変えられるんだよ! ほら、このリックだって!」


ジーは、昨晩ジャックが投げ捨てた機械部品のもとへ、一同を案内する。

ジー「あった。これがそうよ。ね、ガラクタでしょ?」
シドニー「奴らの狙いはこれね」
スカイ「あぁ、クルーガーに見せよう」
ブリッジ「そう、それがいい。クルーガーに見せよう。……それか、持って帰るのはやめて、って、今はって意味だよ、クルーガーには後で見せればいいだろ、その前に僕らでチェックして……」
スカイ「それは規則に反する」
ジー「S.P.D.ハンドブックは違う。S.P.D.規則473のB、現場で遂行中のレンジャーは、捜査の手掛かりとなる可能性があれば、それを調査する権限を持つものとする」
スカイ「……は?」
ジー「何よ? 憶えるの得意なの。賛成の人は?」


続いてスカイたち一同は、下町の情報屋エイリアン・ピギーのもとを訪れる。

ジー「ピギー、いるんでしょ? ジーよ」
ピギー「わぁっ!? S.P.D.だぁ!」
ジー「大丈夫よ、ピギー。私の仲間だから」
シドニー「ねぇ。私、外で待ってる。そのほうが……」
スカイ「『安全』か?」
シドニー「違う。『清潔』」

ジーが例の機械部品をちらつかせる。

ピギー「お、おい!?」
ジー「好物の宇宙ゴミよぉ~」
ピギー「おい、それを先に言えよ! 宇宙のガラクタだな? なんか知らんが、処分してやるよ」
スカイ「行こう、時間の無駄だ」
ジー「ブリッジ」

ブリッジの差し出した紙包みを、ジーがピギーの前に差し出す。

ジー「ん~、これは食べかけのサンドイッチね。それも何週間もゴミ箱の中にあった」

舌なめずりするピギー。すかさずジーが紙包みを引っ込める。

ピギー「……わかったよ! 教えてやる。そいつは、ごくありふれたプロトン・アクセラレーターだ」
一同「!?」
ピギー「地球には一つしかない。それがたぶん、そいつだ」

そこに、クライボットが現れる。

ピギー「なんだよぉ!? そいつも、それ欲しがってるぜぇ!」
クライボット「死にたくなければ、それを渡してもらおうか」
スカイ「行くぞ!」
一同「ロジャー! S.P.D.! エマージェンシー!!」

4人がパワーレンジャーに変身。ジーは黄色のスーツのイエローレンジャーとなる。

一同「スペース・パトロール・デルタ!!」
イエロー「こういうのを待ってたのよ!」
ブルー「行くぞ!」
一同「ロジャー!」

4人がクライボットに立ち向かう。その隙にピギーは機械部品をくすね、逃げ去る。

ピギー「頂きっ、と」

ブルー「こちらブルーレンジャー、応援を要請します!」
クルーガー「指示した場所から27ブロックも離れているではないか!? 応援を出すことはできない、自力で何とかしろ!」


ジャックが司令室に顔を出すと、モニターに戦いの模様が映っている。

ジャック「ジーが大変だ……!」


クライボットは4対1のハンデをものともせず、イエローが吹き飛ばされる。

ピンク「ジー!?」
ブルー「かなり手強いぞ」
クライボット「今のはほんの小手調べだ!」
ブルー「こっちもそうだ! みんな、行くぞ!」
一同「ロジャー!」
ブルー「S.P.D.ブルー!」
グリーン「S.P.D.グリーン!」
イエロー「S.P.D.イエロー!」
ピンク「S.P.D.ピンク!」
一同「レンジャー・レディ!! スペース・パトロール・デルタ!!」

4人が揃い踏みし、名乗りを決める。

クライボット「そこまでだぁ!」

4人は苦戦しつつも、連携プレイでクライボットを追い詰める。

イエロー「多勢に無勢よ!」
クライボット「こっちの台詞だぁ!」

手下の下級クライボットが無数に出現し、たちまち一同を取り囲む。

グリーン「まずい、形勢逆転だ!」
ピンク「あの服、センス最低!」
クライボット「やれぇ!」

クライボットのあまりの多さに、ブルーたち4人は再び劣勢に追い込まれる。

一同「え!?」「あれ!?」「何!?」「誰か来るわ!」「敵? 味方?」

もうもうと立ち昇る煙の中から、ジャックが駆けて来る。

イエロー「ジャックぅ!?」
ジャック「よぉ! 手、貸そうか?」
ブルー「そいつを頼む!」

ジャック「S──! P──! D──!! エマージェンシー!!

真紅のスーツが体を包み込み、ジャックはレッドレンジャーへと変身を遂げる。

レッド「S.P.D.レッドレンジャー!! そんじゃ、パーティを始めようぜ!」
クライボット「おのれぇ!」
レッド「S.P.D.レッド!!」
ブルー「冗談だろ!? あいつがレッドレンジャーなのか!?」

クライボットたちが群がり、レッドを取り囲む。

レッド「マジかよ、またお前らか!? よぉし、かかってきな!」

襲い来るクライボットたちを、レッドが次々に蹴散らす。

レッド「パーティを盛り上げるグッズを持ってきたぜ! デルタブラスター!*3

腰の二丁拳銃を抜いたレッドが、格闘技と銃撃をまじえた戦法で、敵を次々に射抜いてゆく。

レッド「これ最高っ! やあっ!」「新人にしちゃ上出来だよなっ!」
ピンク「ちょっと調子に乗りすぎじゃない!?」
イエロー「まだ、やりたりないみたいよ」

レッドは大ジャンプで一同の頭上へ。

ピンク「ちょっとぉ!?」

レッドが上空から飛び降りつつ銃撃を放ち、クライボットたちが一掃される。

ブルー「アイツ、アカデミーの規則を無視してる!」
レッド「デルタブラスター・コンボモード!*4 チャージ完了、発射ぁ!!」

合体させた二丁拳銃から放たれる必殺の砲撃で、最後のクライボットが大爆発、木っ端微塵となる。

レッド「一丁あがりぃ!」
ブルー「それ、どこで手に入れた?」
レッド「スーツに付いてた」

何者かが密かに、その様子を見ている。

「本当のお楽しみはこれからだ── パーティは終わってないぞ、レンジャーども!」

突如、異形の巨大ロボットが出現する。

一同「あぁっ!?」「なんだ、アイツは!?」」

巨大ロボットの攻撃で爆炎があがり、一同が逃げ惑う。

一同「わぁ──っ!?」
ブルー「ボス、スクワッドランナーの出動を要請します! 敵の巨大ロボットが現れました!」
クルーガー『そっちへAスクワッドを派遣した。諸君の任務はそこまでだ。現地から撤退せよ』
レッド「バケモンと戦わなくていいのか!? サンキュ! 助かったぜ!」

S.P.D.のエリート隊員・Aスクワッドの駆る巨大ロボット、デルタスクワッドメガゾード*5が登場。

グリーン「見ろ! Aスクワッドのメガゾードだ!」
Aスクワッドたち「発射!」

デルタスクワッドメガゾードの銃撃で、敵の巨大ロボットが大爆発。

ブルー「やったぞ!」


宇宙のグラム皇帝のもとには、ピギーがプロトン・アクセラレーターを携えてやって来ていた。

グラム「貴様はなんと惨めで、汚らわしく、おぞましい生き物なのだ…… 何度となく俺様を失望させた。だが、今回は褒めてやろう」
ピギー「えぇっ?」
グラム「このプロトン・アクセラレーターを手に入れてくれたのだからな」
ピギー「ダンナのためにやったんですぜ、陛下~ あぁ、グラム様ぁ!」
グラム「ハハハハハハ…… ハハハハハハ!」


任務を終えたジャックたちが、地球署のクルーガーのもとへ帰還する。

クルーガー「君たちの優れた才能とチームワークには満足している」
ブリッジ「やったね!」
クルーガー「だが、命令に背いたことも確かだ。トゥルービアンは望みのものを手に入れ、もはや宇宙の危機は避けられない事態となった」
一同「……」
クルーガー「この先、長く苦しい戦いが待っているだろう。諸君が将来、立派なレンジャーになるためには、まだまだ経験不足だということを忘れるな。解散!」

去ろうとするジャックとジーを、クルーガーが呼び止める。

クルーガー「ジャック、ジー。君たちをBスクワッドの新メンバーとして歓迎する。だが、君らが犯罪にかかわっていたという事実に変りはない。それは償ってもらうぞ」
ジャック「……ちょっと待てよ。食べ物と古着を配ってただけだ! それが犯罪だってのかよ!?」
ジー「ねぇ、もう謝ったじゃない? これ以上、何をしろっての?」


高層ビルの前に立つジャックとジー。

ジャック「いったい、いくつ窓があるんだ?」
ジー「さぁね、見当もつかない……」

傍らにいるリックの顔に、そのビルの窓の枚数が表示される。

ジー「1273!?」
ジャック「知らないままでいたかったよ……」

2人の前のビルには数え切れないほどの窓。足元にはバケツとモップ。

ジャック「半分ずつやろうぜ!」
ジー「それでいいよ」

ジーの分身たちが、左右から顔を出す。

分身たち「私も」「競争ね。負けたらオゴリ」
ジャック「ジー、そんなのズルイぞ!?」
ジー「アハハハハハ!」

2人水をかけ合って、はしゃぎまわる。

その様子を、一同に巨大ロボを差し向けた謎のエイリアンが見ている。

「今の内に笑っておれ、レンジャーども── フフフフフフ!!」


(続く)

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最終更新:2016年12月12日 06:31

*1 本作は『特捜戦隊デカレンジャー』の映像と設定を流用したアメリカ作品。クルーガーは『デカレンジャー』のドギー・クルーガー

*2 『デカレンジャー』のマーフィーK9

*3 『デカレンジャー』のデカレッドの武器、ディーマグナム

*4 『デカレンジャー』のデカレッドの必殺銃、ハイブリッドマグナム

*5 『デカレンジャー』のデカレンジャーロボ