登場人物
マルグリート(メゾソプラノ)
ファウスト(テノール)
メフィストフェレス(バスまたはバリトン)
ブランデル(バス)
合唱




第Ⅰ部

第1景
ハンガリーの平原

ファウスト
(平原でひとり日の出に向かって)
去り行く冬に代わり、
甘き春の香り。
空、果てしなき空に
満ちわたる輝きは。
梢流れる朝のそよ風、
熱い胸に高まる思い。
我をめぐる鳥の目覚め、
水の流れ、木々のざわめき。
あ!煩わしきこの世を離れ、
静かに生きるこの愉しさよ!


第2景
農夫の踊りの合唱

合唱
出て来い、お祭りだ、
野良も休みだ。
晴れ着を着込んで集まれ、
菩提樹の周りに、集まれ、
踊れ跳ねろ、踊れ跳ね回れ。

Ha! ha! ha! ha! Landerira!
手拍子そろえて!

Ha! ha! ha! ha! Landerira!
Tra la la la la la la la! Ha! ha!

ファウスト
あの音は?何の騒ぎだ?

合唱
Tra la la la la la la la! Ha! ha!

ファウスト
村人らが、朝早くから、
芝生に出て、楽しく踊る。
私はひとり、孤独だ(別訳:寂しく)。

合唱
ヒラヒラ、キラキラ、
踊りは広がる。
やがて疲れて、疲れて暑さに
顔も赤くなる、一人二人。
手を取り踊りながら輪に入る。

Ha! ha! ha! ha! Landerira!
まるい輪になり、
Ha! ha! ha! ha! Landerira!
“触るのはやめて!”
(小声で)
“女房は見てないよ!”
さあ今のうちに娘を輪
の外に連れ出せ、外に連れ出せ、
そのまま続けろ、うまくやれよ。

Ha! ha! ha! ha! Landerira!
踊りだ歌だ!
Ha! ha! ha! ha! Landerira!
Tra la la la la la la la! Ha! ha!


第3景
(平原の別の場所。軍隊がやって来る)

ファウスト
戦いの叫び、静けさを破る。
あ!若者は戦いの庭に向かう!
喜びに満ちて
誇り高き姿!その眼を見よ(別訳:鋭い眼差し)!
勝利の歌には誰もがうたれる。
だがこの心は冷たくひえる。


ハンガリー行進曲
(兵士たちが出征して行く。ファウストは立ち去る)


第Ⅱ部

第4景
北ドイツ

ファウスト
(書斎にひとり)
悔いもなく田舎を離れた、
ただ物憂く(て)。
何を見るもただ憂い深く、
またこの町へ帰り来れば。
侘びしく悲し光なき夜、
闇のとばり、深い静けさ、
我が悩み、この絶望。

おお大地よ、我に微笑まずや!
我が求むる幸はいずこに?
その望みも、すでに空しく!

今は消えるか!…でも何故か…地獄
を前に恐れ震えるのか?
あ!我が狂おしい欲望の杯よ、
さあ我がもとへ、毒を満たせ、
我が理性を明晰にするかまたは殺すか。

(彼は杯を口元に運ぶ。鐘の音。近くの教会から聖歌が聞こえる)

復活祭の合唱

合唱
主は蘇りたもう!

ファウスト
あれは?

合唱
墓場より
出で給いて、
美空高く
昇り給う。
栄光に向かいて
気高く歩み給う。
御(み)弟子らは御(み)跡
慕いまつる。
ああ!残されし者
深く悲しみて、
お、我が主よ、我が主よ、その
栄光は我が悲しみ。
お、我が主よ、我らは
深く悲しみて。

ファウスト
ああ、思い出よ!

合唱
主は蘇りたもう!
オザンナ!

ファウストと合唱
(一緒に)

ファウスト
(合唱とともに)
お、我が魂よ!
歌の翼、天(別訳:空)かけるのか?
我が迷いも
さめて、安らぎ我が心に、
幼き日の、
祈る幸せ。

合唱
墓場より
出で給いて、
美空高く
昇り給う。
栄光に向かいて
高く歩み給う。

ファウスト
(合唱とともに)
夢に彷徨う
清き喜び
緑の野辺に、
春の太陽は
降り注いで!

合唱
御(み)弟子らは御(み)跡
慕いまつる。

ファウスト
(合唱ともに)
お、清き口づけは
この心を優しく満たし
欲望の雲を吹き払う!

合唱
主の御(み)言葉に従い、
その日を待てば
我が主の御(み)声
我に語る。
Hosanna! Hosanna! Hosanna!

ファウスト
(ひとり)
ああ!清き歌声よ、何故また
汚れを求めるか?祈りの歌声は、
何故俄かに我が決意を揺るがすのか?
快き調べ、我を蘇らす。
妙なる甘き調べよ
も一度響き渡れ、
神は再び、我を捉え給う。


第5景

メフィストフェレス
(突然現れる)
お、汚れなき心!聖なる天の御子(みこ)よ!
偉大なる先生!信心深い殿様
銀の鐘の音が
その魂をひどく
引き付けたものだ!

ファウスト
誰だ、その鋭い眼は
心を突き刺す刃(やいば)、
何もかもみな、
焼き尽くす火か?

メフィストフェレス
確かに、いやほんのつまらぬお願いです!
私は生命の霊、慰めの泉、
何もかもすべて、富、快楽、
その他誰もが夢見るすべてのものを!

ファウスト
よろしい!ではお前の魔法を見せてもらおう!

メフィストフェレス
では眼や耳をお楽しませしましょう。
書物の虫のように、こんな所に
閉じこもっていないで、さあ、気分を変えましょう!

ファウスト
すぐに。

メフィストフェレス
外へ広い世界を、
すべて知るのだ、さらば哲学!

(二人は宙に消える)


第6景
(ライプツィヒのアウエルバッハの酒場)

酔っぱらいたち
も一度、かん
ぱい!

メフィストフェレス
いかが、先生、ここが馬鹿騒ぎの連中の住処(すみか)だ。
ここでは酒と歌がすべてだ。

酔っぱらいの合唱

酔っぱらいたち
あ、愉快、雷が
鳴る夜、雷だ、
おい皆集まれ、さ、これにつげ、
おいみんな大きな器につげ、
さあみんな、酒樽のように、
さあみんな、みんな樽のように、
楽しいこの酒場で、
楽しい酒場、愉快な仲間と
黄金の水を飲めば
憂いも忘れる、みな忘れる。
生まれ落ちた時から
大酒飲みなのさ。

あ、愉快、雷が鳴る夜、
おお、雷だ、
おいみんな集まれ、さ、これにつげ、
おいみんな大きな器につげ、
今夜は飲み明かせ、樽のように、
楽しい酒場で、夜明かしだ、さあ乾杯!
杯をあけろ!朝まで!

酔っぱらい数人
面白い話はないか?
酒のさかなに。

別の数人
どうだ、ブランデル!

酔っぱらい数人
あいつはもう駄目さ!

ブランデル
(酔って)
ひとつあるぞ、俺の歌だ。

酔っぱらいたち
いいぞ、早く!

ブランデル
御所望に
答え、では一番。

酔っぱらいたち
Bravo! bravo!

ブランデルの歌(ねずみの歌)

ブランデル
台所(だいどこ)に鼠が
一匹、巣を構えた、
ご馳走を食べすぎて
ルターのように太った。
ある日哀れなどぶ鼠、
毒を盛られて
可哀そうに悲しそうに
振られでもしたように!

酔っぱらいたち
恋患いかな!

ブランデル
あちこち所構わず
噛みつき齧る、
家中走り回るが、
痛みは治らぬ、
苦し紛れに飛び上がっても
無駄な骨折り、
気の毒だがどうやら
恋患いかなあ!

酔っぱらいたち
恋患いかなあ!

ブランデル
やっとのことで奴め
かまどに隠れたが、
悪いことには火が燃えて、
こんがりと丸焼け、
それを見つけた意地悪な
女中は、馬鹿な鼠!
何だか知らないが、こいつめ!
恋患いかなあ!

酔っぱらいたち
恋患いかなあ!
Requiescat in pace. Amen.

ブランデル
アーメンの節で、フーガを作ろう!
厳粛な即興曲を!

メフィストフェレス
(小声でファウストに)
よくお聞きなさい!これが彼らの
ありのままの獣性です。

フーガ
(ブランデルの歌の主題による)

ブランデルと酔っぱらいたち
Amen, amen, amen etc.

メフィストフェレス
では諸君、素晴らしい歌だ、
まるで
教会にいると思うようだ!
申してよければ、
円熟したスタイル、宗教性も見事だ。
敬虔な心を
これ以上深く
表現することは何人(なんびと)
にも不可能だ。ところで、
その歌に対して
歌い返しても
よろしいかな?

酔っぱらいたち
僕らをからかうのか?
あれは誰?
お!青白い顔だ、赤い
髪の毛!
よかろう!よし!その歌を!やれ!

メフィストフェレスの歌(蚤の歌)

メフィストフェレス
昔、王様
蚤を飼い、
我が子(別訳:娘)のように
可愛がる。
王様ある日、
服屋を召し、
蚤の衣装を仕立てろ、
大急ぎだぞ。

蚤はよく似合って、
大喜び、
金の縫い取りに、
勲章もつけて、
親兄弟も
召し出されて、
誰もかも高い位に
ありついた。

だが辛いのは
家来たちさ、
蚤に食われて(別訳:口では言えないが)
痒くてたまらぬ。
お偉方には!
あ!お気の毒、
もし俺たちを刺したら、
すぐひねり潰す!

酔っぱらいたち
Bravo! bravo! bravo!
Ha! ha! bravo! bravissimo!
僕ならすぐに捕まえて
ひねり潰すぞ!

ファウスト
よせ!下劣なこの場はもう結構、
卑しい喜び、野蛮な態度!
まだほかに静かな別の
楽しみはないのか?

メフィストフェレス
お気に召さねば、あちらへ!

(二人は宙に飛び立つ)


第7景
エルベのほとりの森と草原

メフィストフェレスのアリア

メフィストフェレス
今宵開く、
かぐわしのバラ(別訳:バラの花々)。
我が良き友よ、
かぐわしき褥(しとね)に
眠れ!
悦楽の(別訳:甘い)夢の中に
バラ色の口づけ受け給え、
君を包みて花は開く、
耳に聞こゆ聖なる言葉。
聞けよ!聞けよ!天と地の霊は
甘き調べを、君がために。

精霊の合唱ーファウストの夢

精霊たち
お休み、お休み、
黄金(こがね)色のヴェールに
青いヴェールに
包まれ、お休み、
静かにお休みなさい、
安らかにお休みなさい、
広い空に星は光り、
甘い恋の夢結ぶ。

飽かぬ眺め、森の姿
野山は広く、
あなたの目には
花と森と、
茂る木の葉と、
恋人たち
愛を囁く。

この目を奪う、星の光
野山は広く、
大空に星は輝く、
あなたの目には
花と森と、
葉陰に、人目はばかる
恋人たち。
花や木の陰に人目
はばかる恋人たち。

メフィストフェレス
(合唱とともに)
お休み、
黄金(こがね)色と
青いヴェールに包まれて。

精霊たち
その彼方に
からむ小枝の
青い葉陰に、
赤い実の房。

ファウスト
(合唱とともに)
あ!我が目を
覆う春がすみ…

メフィストフェレス
(合唱とともに)
大空に
星は輝く。

精霊たち
恋人らは、
谷間の陰に、
陽射しを避け、
陽射しを避け、
時を忘れる!
娘ひとり
思い沈む、
そのまつ毛に
涙が光る。
その彼方に
からむ青い
葉陰に
赤い実の房。
野辺は広く、
飽かぬ眺め、
見ゆる限り、
緑の大地、
森に野に、
語らう、
恋人たち。

彼らは、
谷間の陰に、
しばしの時
を忘れる。
あの娘は(あれは君に)
あ、気があるわ(よ)。

時を忘れ
抱(いだ)きあう。
あれはあんたに
気があるよ。

メフィストフェレス
(合唱とともに)
あの娘は
あ、気があるぞ。

ファウスト
(まどろみつつ)
マルガリータ!

メフィストフェレス、精霊たち
山の裾を
巡る湖、
緑の野辺を
流れる小川。

精霊たち
春の歌声
水に響く。
ほかの歌声
絶えず起こり、
踊りの輪は
緑の丘を
広がりゆく。あ!
我も我もと
踊りの輪に。

ファウスト
(夢見ながら)
マルガリータ!お、マルガリータ!

メフィストフェレス、精霊たち
山の裾を
巡る湖、
緑の野辺を
流れる小川。

精霊たち
そこかしこに、小鳥たち、
涼しく暗い、木陰を、
求めてさっと、飛んでいく
沼の中へ行(ゆ)こう。

メフィストフェレス
(合唱とともに)
魔法が効いてきた、しめたぞ!

精霊たち
人生を知るために、
高い空に
輝く星
我が光よ。
愛の神の、
給えるもの。
眠れ、眠れ、眠れ、お休み、さあ、お休み!

ファウスト
(合唱とともに)
マルガリータ!

メフィストフェレス
(合唱とともに)
よしよし、精霊よ、
うまくやったぞ。
よく眠れ、甘い夢を!

精霊の踊り

(精霊たちはしばらくの間、眠っているファウストの周りに静かに浮かび、やがてひとつまたひとつと消える)


ファウスト
(はっと目を覚ます)
マルガリータ!
何を、見たのか。
何と美しい清い
幻想であったか!
あの娘を?また見る
ことができるのだろうか?

メフィストフェレス
では、私についてどうぞ
愛する人の眠る
かぐわしい寝屋まで。
それは今あなたのものだ!
楽しそうにあの人の窓の下を通る
学生たちをご覧なさい。
あの騒がしい歌声の中を、通り抜けて、
あの娘の傍へ。
さあ、ではしっかりと、私について。


第8景

終曲

(学生と兵士の合唱が町を行進して行く)

兵士の合唱

兵士たち
守りの固い
敵の城、
すました娘、
攻め落とすのは、
朝飯前さ
手のかかるほど。
戦果もでかい、
手をやくほど、
戦果もでかい。
ラッパが鳴れば
兵士たち
敵目指して
突撃だ。
娘も城も
すぐ落ちる、
わけないさ、
わけなく落ちる、
朝飯前さ。
手をやくほど、
戦果もでかい。

守りの固い
敵の城、
さあ攻めろ敵の城、
すましたおぼこ
娘でも、
攻め落とすのは、
朝飯前さ、
手のかかるほど。
手をやくほど、
戦果もでかい。



学生の歌

学生たち
Jam nox stellata velamina pandit;
Nunc, nunc bibendum et amandum est!
Vita brevis fugaxque voluptas.
Gaudeamus igitur, gaudeamus!
Nobis subridente luna, per urbem quaerentes puellas eamus!
Ut cras, fortunati Caesares, dicamus:
Veni, vidi, vici!
Gaudeamus igitur!

兵士の合唱と学生の歌

兵士たち
守りの固い
敵の城、
すました娘、
攻め落とすのは、
朝飯前さ
手のかかるほど。
戦果もでかい、
手をやくほど、
戦果もでかい。
ラッパが鳴れば
兵士たち
敵目指して
突撃だ。
娘も城も
すぐ落ちる、
わけないさ、
攻め落とすのは、
朝飯前さ。
手をやくほど、
戦果もでかい。

守りの固い
敵の城、
さあ攻めろ敵の城、
すましたおぼこ
娘でも、
攻め落とすのは、
朝飯前さ、
手のかかるほど。
戦果はでかいぞ、
手のかかる
戦(いくさ)ほど、
その後が、
楽しみさ。
骨の折れる
戦(いくさ)ほど、
その後が、
楽しみさ、後が
楽しみさ。

学生たち、ファウスト、メフィストフェレス
(学生たちとともに)
Jam nox stellata, etc.
Personnages:
MARGUERITE (mezzo-soprano)
FAUST (ténor)
MÉPHISTOPHÉLÈS (basse ou baryton)
BRANDER (basse)
Chœurs




PREMIÈRE PARTIE

SCÈNE I
Plaines de Hongrie

FAUST
seul dans les champs au lever du soleil
Le vieil hiver a fait place au printemps;
La nature s'est rajeunie;
Des cieux la coupole infinie
Laisse pleuvoir mille feux éclatants.
Je sens glisser dans l'air la brise matinale;
De ma poitrine ardente un souffle pur s'exhale.
J'entends autour de moi le réveil des oiseaux,
Le long bruissement des plantes et des eaux.
Oh! qu'il est doux de vivre au fond des solitudes,
Loin de la lutte humaine et loin des multitudes!


SCÈNE II
Ronde des paysans

CHŒUR
Les bergers laissent leurs troupeaux;
Pour la fête ils se rendent beaux;
Fleurs des champs et rubans sont leur parure;
Sous les tilleuls, les voilà tous, les voilà tous,
Dansant, sautant comme des fous, sautant comme des fous.
Ha! ha! ha! ha! Landerira!
Suivez donc la mesure!

Ha! ha! ha! ha! Landerira!
Tra la la la la la la la! Ha! ha!

FAUST
Quels sont ces cris? quel est ce bruit lointain?

CHŒUR
Tra la la la la la la la! Ha! ha!

FAUST
Ce sont des villageois, au lever du matin,
Qui dansent en chantant sur la verte pelouse.
De leurs plaisirs ma misère est jalouse.

CHŒUR
Ils passaient tous comme l'éclair,
Et les robes volaient en l'air;
Mais bientôt, bientôt on fut moins agile:
Le rouge leur montait au front, leur montait au front;
Et l'un sur l'autre dans le rond, l'un sur l'autre dans le rond.
Ha! ha! ha! ha! Landerira!
Tous tombaient à la file.
Ha! ha! ha! ha! Landerira!
"Ne me touchez donc pas ainsi!"
à demi-voix
"– Paix! ma femme n'est point ici!
Profitons, profitons de la circonstance!"
Dehors il l'emmena soudain, il l'emmena soudain,
Et tout pourtant allait son train, et tout pourtant allait son train.
Ha! ha! ha! ha! Landerira!
La musique et la danse.
Ha! ha! ha! ha! Landerira!
Tra la la la la la la la! Ha! ha!


SCÈNE III
Une autre partie de la plaine. Une armée qui s'avance

FAUST
Mais d'un éclat guerrier les campagnes se parent.
Ah! les fils du Danube aux combats se préparent!
Avec quel air fier et joyeux
Ils portent leur armure! et quel feu dans leurs yeux!
Tout cœur frémit à leur chant de victoire;
Le mien seul reste froid, insensible à la gloire.


Marche hongroise
Les troupes passent. Faust s'éloigne


DEUXIÈME PARTIE

SCÈNE IV
Nord de l'Allemagne

FAUST
seul dans son cabinet de travail
Sans regrets j'ai quitté les riantes campagnes
Où m'a suivi l'ennui;
Sans plaisirs je revois nos altières montagnes;
Dans ma vieille cité je reviens avec lui.
Oh! je souffre! je souffre! et la nuit sans étoiles,
Qui vient d'étendre au loin son silence et ses voiles,
Ajoute encore à mes sombres douleurs.

Ô terre! pour moi seul tu n'as donc pas de fleurs!
Par le monde, où trouver ce qui manque à ma vie?
Je chercherais en vain, tout fuit mon âpre envie!

Allons! il faut finir!… Mais je tremble… Pourquoi
Trembler devant l'abîme entr'ouvert devant moi?
Ô coupe trop longtemps à mes désirs ravie,
Viens, viens, noble cristal, verse-moi le poison
Qui doit illuminer ou tuer ma raison.

Il porte la coupe à ses lèvres. Sons des cloches. Chants religieux dans l'église voisine

Chant de la Fête de Pâques

CHŒUR
Christ vient de ressusciter!

FAUST
Qu'entends-je?

CHŒUR
Quittant du tombeau
Le séjour funeste,
Au parvis céleste
Il monte plus beau.
Vers les gloires immortelles
Tandis qu'il s'élance à grands pas,
Ses disciples fidèles
Languissent ici-bas.
Hélas! c'est ici qu'il nous laisse
Sous les traits brûlants du malheur.
Ô divin Maître! ton bonheur, ton bonheur
Est cause de notre tristesse.
Ô divin Maître! tu nous laisses
Sous les traits brûlants du malheur.

FAUST
Ô souvenirs!

CHŒUR
Christ vient de ressusciter!
Hosanna!

FAUST et CHŒUR
ensemble

FAUST
avec le chœur
Ô mon âme tremblante!
Sur l'aile de ces chants vas-tu voler aux cieux?
La foi chancelante
Revient, me ramenant la paix des jours pieux,
Mon heureuse enfance,
La douceur de prier,

CHŒUR
Quittant du tombeau
Le séjour funeste,
Au parvis céleste
Il monte plus beau.
Vers les gloires immortelles
Tandis qu'il s'élance à grands pas,

FAUST
avec le chœur
La pure jouissance
D'errer et de rêver
Par les vertes prairies,
Aux clartés infinies
D'un soleil de printemps!

CHŒUR
Ses disciples fidèles
Languissent ici-bas.

FAUST
avec le chœur
Ô baiser de l'amour céleste
Qui remplissais mon cœur de doux pressentiments
Et chassais tout désir, tout désir funeste!

CHŒUR
Mais croyons en sa parole éternelle,
Nous le suivrons un jour
Au céleste séjour
Où sa voix nous appelle.
Hosanna! Hosanna! Hosanna!

FAUST
seul
Hélas! doux chants du ciel, pourquoi dans sa poussière
Réveiller le maudit? Hymnes de la prière,
Pourquoi soudain venir ébranler mon dessein?
Vos suaves accords rafraîchissent mon sein.
Chants plus doux que l'aurore
Retentissez encore,
Mes larmes ont coulé, le ciel m'a reconquis.


SCÈNE V

MÉPHISTOPHÉLÈS
apparaissant brusquement
Ô pure émotion! Enfant du saint parvis!
Je t'admire, docteur! Les pieuses volées
Des ces cloches d'argent
Ont charmé grandement
Tes oreilles troublées!

FAUST
Qui donc es-tu, toi dont l'ardent regard
Pénètre ainsi que l'éclat d'un poignard,
Et qui, comme la flamme,
Brûle et dévore l'âme?

MÉPHISTOPHÉLÈS
Vraiment pour un docteur, la demande est frivole!
Je suis l'esprit de vie, et c'est moi qui console.
Je te donnerai tout, le bonheur, le plaisir,
Tout ce que peut rêver le plus ardent désir!

FAUST
Eh bien! pauvre démon, fais-moi voir tes merveilles!

MÉPHISTOPHÉLÈS
Certes! j'enchanterai tes yeux et tes oreilles.
Au lieu de t'enfermer, triste comme le ver
Qui ronge tes bouquins, viens! suis-moi! change d'air!

FAUST
J'y consens.

MÉPHISTOPHÉLÈS
Partons donc pour connaître la vie.
Et laisse le fatras de la philosophie!

Ils disparaissent dans les airs


SCÈNE VI
La cave d'Auerbach à Leipzig

BUVEURS
À boire encor! du vin
Du Rhin!

MÉPHISTOPHÉLÈS
Voici, Faust, un séjour de folle compagnie.
Ici vins et chansons réjouissent la vie.

Chœur de buveurs

BUVEURS
Oh! qu'il fait bon, oh! qu'il fait bon,
quand le ciel tonne, quand le ciel tonne,
Rester près d'un bol enflammé, près d'un bol enflammé,
Rester près d'un bol, rester près d'un bol enflammé,
Et se remplir comme une tonne,
Et se remplir, se remplir comme une tonne,
Dans un cabaret enfumé!
Dans un cabaret, dans un cabaret enfumé!
J'aime le vin et cette eau blonde
Qui fait oublier le chagrin, oublier le chagrin.
Quand ma mère me mit au monde
J'eus un ivrogne pour parrain.

Oh! qu'il fait bon, oh! qu'il fait bon, quand le ciel tonne,
Oui, oui, quand le ciel tonne,
Rester près d'un bol enflammé, près d'un bol enflammé,
Rester près d'un bol, rester près d'un bol enflammé,
Et se remplir comme une tonne, comme une tonne,
Dans un cabaret enfumé, dans un cabaret enfumé!
dans un cabaret enfumé! oh! qu'il fait bon!

QUELQUES BUVEURS
Qui sait quelque plaisante histoire?
En riant le vin est meilleur.

AUTRES BUVEURS
À toi, Brander!

QUELQUES BUVEURS
Il n'a plus de mémoire!

BRANDER
ivre
J'en sais une, et j'en suis l'auteur.

BUVEURS
Eh bien donc! vite!

BRANDER
Puis qu'on m'invite,
Je vais vous chanter du nouveau.

BUVEURS
Bravo! bravo!

Chanson de Brander

BRANDER
Certain rat, dans une cuisine
Établi, comme un vrai frater,
S'y traitait si bien que sa mine
Eût fait envie au gros Luther.
Mais un beau jour le pauvre diable,
Empoisonné, sauta dehors
Aussi triste, aussi misérable
Que s'il eût eu l'amour au corps!

BUVEURS
Que s'il eût eu l'amour au corps!

BRANDER
Il courait devant et derrière;
Il grattait, reniflait, mordait,
Parcourait la maison entière;
La rage à ses maux ajoutait,
Au point qu'à l'aspect du délire
Qui consumait ses vains efforts,
Les mauvais plaisants pouvaient dire:
Ce rat a bien l'amour au corps!

BUVEURS
Ce rat a bien l'amour au corps!

BRANDER
Dans le fourneau le pauvre sire
Crut pourtant se cacher très bien;
Mais il se trompait, et le pire,
C'est qu'on l'y fit rôtir enfin.
La servante, méchante fille,
De son malheur rit bien alors!
Ah! disait-elle, comme il grille!
Il a vraiment l'amour au corps!

BUVEURS
Il a vraiment l'amour au corps!
Requiescat in pace. Amen.

BRANDER
Pour l'Amen une fugue! une fugue, un choral!
Improvisons un morceau magistral!

MÉPHISTOPHÉLÈS
bas à Faust
Écoute bien ceci! nous allons voir, docteur,
La bestialité dans toute sa candeur.

Fugue
sur le thème de la chanson de Brander

BRANDER et BUVEURS
Amen, amen, amen etc.

MÉPHISTOPHÉLÈS
Vrai Dieu, messieurs, votre fugue est fort belle,
Et telle
Qu'à l'entendre on se croit aux saints lieux!
Souffrez qu'on vous le dise:
Le style en est savant, vraiment religieux;
On ne saurait exprimer mieux
Les sentiments pieux
Qu'en terminant ses prières l'Église
En un seul mot résume. Maintenant,
Puis-je à mon tour riposter par un chant
Sur un sujet non moins touchant
Que le vôtre?

BUVEURS
Ah ça! mais se moque-t-il de nous?
Quel est cet homme?
Oh! qu'il est pâle, et comme
Son poil est roux!
N'importe! Volontiers! Autre chanson! À vous!

Chanson de Méphistophélès

MÉPHISTOPHÉLÈS
Une puce gentille
Chez un prince logeait.
Comme sa propre fille,
Le brave homme l'aimait,
Et, l'histoire l'assure,
À son tailleur, un jour,
Lui fit prendre mesure
Pour un habit de cour.

L'insecte, plein de joie,
Dès qu'il se vit paré
D'or, de velours, de soie,
Et de croix décoré,
Fit venir de province
Ses frères et ses sœurs
Qui, par ordre du prince,
Devinrent grands seigneurs.

Mais ce qui fut bien pire,
C'est que les gens de cour,
Sans en oser rien dire,
Se grattaient tout le jour.
Cruelle politique!
Ah! plaignons leur destin,
Et, dès qu'une nous pique,
Écrasons-la soudain!

BUVEURS
Bravo! bravo! bravo!
Ha! ha! bravo! bravissimo!
Écrasons-la, écrasons-la, écrasons-la
Oui, écrasons-la soudain!

FAUST
Assez! fuyons ces lieux, où la parole est vile,
La joie ignoble et le geste brutal!
N'as-tu d'autres plaisirs, un séjour plus tranquille
À me donner, toi, mon guide infernal?

MÉPHISTOPHÉLÈS
Ah! ceci te déplaît? suis-moi!

Ils partent dans les airs


SCÈNE VII
Bosquets et prairies du bord de l'Elbe

Air de Méphistophélès

MÉPHISTOPHÉLÈS
Voici des roses,
De cette nuit écloses.
Sur ce lit embaumé,
Ô mon Faust bien-aimé,
Repose!
Dans un voluptueux sommeil
Où glissera sur toi plus d'un baiser vermeil,
Où des fleurs pour ta couche ouvriront leurs corolles,
Ton oreille entendra de divines paroles.
Écoute! écoute! Les esprits de la terre et de l'air
Commencent pour ton rêve un suave concert.

Chœur de gnomes et de sylphes - Songe de Faust

GNOMES ET SYLPHES
Dors, dors, heureux Faust;
Bientôt, oui, bientôt, sous un voile
Bientôt, sous un voile
D'or et d'azur, heureux Faust,
Tes yeux vont se fermer,
Bientôt, sous un voile, Tes yeux vont se fermer.
Au front des cieux va briller ton étoile,
Songes d'amour vont enfin te charmer.

De sites ravissants, de sites ravissants
La campagne se couvre,
Et notre œil y découvre
Des fleurs, des bois, des champs,
Et d'épaisses feuillées,
Où de tendres amants
Promènent leurs pensées.

De sites ravissants, de sites ravissants
La campagne se couvre,
Au front des cieux va briller ton étoile,
Et notre œil y découvre
Des fleurs, des bois, des champs,
Des bois, des champs, Où de tendres amants
Promènent leurs pensées.
D'épaisses feuillées, Des bois où de tendres amants
Promènent leurs pensées.

MÉPHISTOPHÉLÈS
avec le chœur
Heureux Faust,
Bientôt, sous un voile
D'or et d'azur, tes yeux vont se fermer.

GNOMES ET SYLPHES
Mais plus loin sont couverts
Les longs rameaux des treilles
De bourgeons, pampres verts,
Et de grappes vermeilles.

FAUST
avec le chœur
Ah! sur mes yeux
Déjà s'étend un voile…

MÉPHISTOPHÉLÈS
avec le chœur
Au front des cieux
Va briller ton étoile.

GNOMES ET SYLPHES
Vois ces jeunes amants,
Le long de la vallée,
Vois ces jeunes amants,
Oublier les instants
Sous la fraîche feuillée!
Une beauté les suit
Ingénue et pensive;
À sa paupière luit
Une larme furtive.
De grappes vermeilles.
Et de pampres verts,
Les longs rameaux des treilles
Plus loin sont couverts.
De sites ravissants,
La campagne se couvre,
Et notre œil y découvre
Et notre œil y découvre
Des bois, des champs,
Vois ces amants,
Une beauté les suit.

Vois ces amants,
Le long de la vallée,
Oublier les instants
Sous la feuillée!
Une beauté les suit
Faust, elle t'aimera.

Oublier les instants
Sous la feuillée!
Une beauté les suit
Faust, elle t'aimera.

MÉPHISTOPHÉLÈS
avec le chœur
Une beauté les suit.
Faust, elle t'aimera.

FAUST
endormi
Margarita!

MÉPHISTOPHÉLÈS, GNOMES et SYLPHES
Le lac étend ses flots
À l'entour des montagnes;
Dans les vertes campagnes
Il serpente en ruisseaux.

GNOMES ET SYLPHES
Là, de chants d'allégresse
La rive retentit. Ha!
D'autres chœurs là sans cesse
La danse nous ravit,
La danse nous ravit.
Les uns gaiement s'avancent
Autour des coteaux verts! Ha!
De plus hardis s'élancent
Au sein des flots amers.

FAUST
rêvant
Margarita! ô Margarita!

MÉPHISTOPHÉLÈS, GNOMES et SYLPHES
Le lac étend ses flots
À l'entour des montagnes;
Dans les vertes campagnes
Il serpente en ruisseaux.

GNOMES ET SYLPHES
Partout, partout, partout l'oiseau timide,
Cherchant, cherchant, cherchant, l'ombre et le frais,
S'enfuit, s'enfuit, s'enfuit d'un vol rapide
Au milieu des marais.

MÉPHISTOPHÉLÈS
avec le chœur
Le charme opère; il est à nous!

GNOMES ET SYLPHES
Tous, pour goûter la vie,
Tous cherchent dans les cieux
Une étoile chérie
Qui s'alluma pour eux.
C'est elle, si belle,
Qu'Amour te destina.
Dors, dors, dors, heureux Faust, dors, dors!

FAUST
avec le chœur
Margarita!

MÉPHISTOPHÉLÈS
avec le chœur
C'est bien, c'est bien, jeunes esprits,
Je suis content de vous.
Bercez, bercez son sommeil enchanté!

Ballet des sylphes

Les esprits de l'air se balancent quelque temps en silence autour de Faust endormi et disparaissent peu à peu

FAUST
s'éveillant en sursaut
Margarita!
Qu'ai-je vu! qu'ai-je vu!
Quelle céleste image! quel ange
Au front mortel!
Où le trouver? Vers quel autel
Traîner à ses pieds ma louange?

MÉPHISTOPHÉLÈS
Eh bien! il faut me suivre encor
Jusqu'à cette alcôve embaumée
Où repose ta bien-aimée.
À toi seul ce divin trésor!
Des étudiants voici la joyeuse cohorte
Qui va passer devant sa porte;
Parmi ces jeunes fous, au bruit de leurs chansons,
Vers ta beauté nous parviendrons.
Mais contiens tes transports et suis bien mes leçons.


SCÈNE VIII

Final

Chœur d'étudiants et de soldats marchant vers la ville

Chœur de soldats

SOLDATS
Villes entourées
De murs et remparts,
Fillettes sucrées,
Aux malins regards,
Victoire certaine
Près de vous m'attend;
Si grande est la peine,
Le prix est plus grand,
Le prix, le prix est plus grand.
Au son des trompettes,
Les braves soldats
S'élancent aux fêtes
Ou bien aux combats;
Fillettes et villes
Font les difficiles;
Bientôt tout se rend.
Bientôt, bientôt tout se rend,
Bientôt, bientôt tout se rend.
Si grande est la peine,
Le prix est plus grand.

Villes entourées
De murs et remparts,
Villes entourées et remparts,
Fillettes sucrées,
Aux malins regards,
Victoire certaine
Près de vous m'attend;
Si grande est la peine,
Le prix est plus grand,
Le prix est plus grand.



Chanson d'étudiants

ÉTUDIANTS
Jam nox stellata velamina pandit;
Nunc, nunc bibendum et amandum est!
Vita brevis fugaxque voluptas.
Gaudeamus igitur, gaudeamus!
Nobis subridente luna, per urbem quaerentes puellas eamus!
Ut cras, fortunati Caesares, dicamus:
Veni, vidi, vici!
Gaudeamus igitur!

Chœur de soldats et chanson des étudiants ensemble

SOLDATS
Villes entourées
De murs et remparts,
Fillettes sucrées,
Aux malins regards,
Victoire certaine
Près de vous m'attend;
Si grande est la peine,
Le prix est plus grand,
Le prix, le prix est plus grand.
Au son des trompettes,
Les braves soldats
S'élancent aux fêtes
Ou bien aux combats;
Fillettes et villes
Font les difficiles;
Bientôt tout se rend.
Bientôt, bientôt tout se rend,
Bientôt, bientôt tout se rend.
Si grande est la peine,
Le prix est plus grand.

Villes entourées
De murs et remparts,
Villes entourées et remparts,
Fillettes sucrées,
Aux malins regards,
Victoire certaine
Près de vous m'attend;
Si grande est la peine,
Si grande est la peine,
Le prix est plus grand,
Le prix est plus grand,
Le prix est plus grand,
Le prix est plus grand,
Si grande est la peine,
Le prix est plus grand,
Le prix est plus grand,
Oui, le prix est plus grand,
Le prix est plus grand,

ÉTUDIANTS, FAUST et MÉPHISTOPHÉLÈS
avec les étudiants
Jam nox stellata, etc.


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© Asahina Takashi
最終更新:2022年10月14日 19:54