第一幕

前奏曲と第一場
(ジークムント、ジークリンデ)

(ある館の内部。中央には非常に大きなトネリコの木がそびえ、その力強い根はいくつにも分かれて、遠く地面へ消えて行く。家の屋根が遮っているので木の上のほうは見えないが、屋根にはところどころ正確な切り込みが施され、その穴を通してトネリコの大枝があちこちに伸びている。屋根の上を見れば、きっとトネリコの葉がこの家の屋根を完全に覆い尽くしているのであろう。このトネリコの大木を中心にして広間がしつらえてあり、 壁は荒削りな板でできていて、あちこちに編んだり、織ったりしたカーテンが下がっている。右手前に暖炉があり、煙突が屋根のほうに伸びている。暖炉の後ろには食料棚として使われているらしい小さな部屋があり、数段の木の階段がその部屋へと通じる。その部屋の前には半分開いた状態で、毛糸編みのカーテンが下がっている。舞台奥中央には、簡素な木のかんぬきがついた館の扉。左手には部屋に通じるドアがあり、こちらにもやはり階段を上がって入るようになっている。同じく左側のもっと手前のほうには食卓があり、その向こうに壁に作りつけられた横長のベンチ、手前にはさらに木造のスツールがいくつか置いてある。)







(短いが激しい嵐のような序奏が終わると幕が開き、ジークムントが外から館の扉を押し開けて、慌ただしく飛び込んでくる。戸口から覗ったところでは夜で、激しい嵐が収まりかけている様子だ。ジークムントはちょっとの間、かんぬきに手をかけたまま、広間を見渡す。彼はひどく追い詰められ、疲れ切っているように見える。彼の服や態度から見たところ、何かに追われて逃げてきたらしい。誰もいないとわかると、彼は後ろ手に戸を閉め、暖炉の前まで歩いて行って、クマの敷物の上にどっと倒れこむ。)



ジークムント
ここが…誰の家でも…休まずには…いられない…。

(仰向けに倒れ、しばらくの間身動き一つしない。ジークリンデが左手の部屋から出てくる。彼女は夫が帰ってきたとばかり思ってこわばった表情をしているが、暖炉の前に見知らぬ男が横たわっているのを見ると、不思議そうな表情に変わる。)

ジークリンデ
(まだ後方にいて)
知らない人だわ。聞いてみなくては。
(何歩かそっと近寄る。)
家にいらして、暖炉に横たわっておいでなのはどなた?
(ジークムントが動かないので、さらに近寄り、様子を見る。)
きっと道中で疲れ切ってしまったのね。
気を失っているのかしら?もしかして病気かもしれないわ。
(ジークムントにかがみ込み、息を窺う。)
まだ息はあるわ。目を閉じているだけなのね。
とても勇敢そうだけれど、
それにしてもこの方の疲れはひどそうだわ。

ジークムント
(急に頭をもたげて)
泉があったら!水が…!

ジークリンデ
お水ね。お持ちするわ。
(彼女は急いで角杯を取って外に出て行くが、すぐに戻ってきて水で満たした杯をジークムントに差し出す。)

さあ、渇ききった喉を潤してくださいな。
お望みのお水をどうぞ。
(ジークムントは飲んでから角杯を返す。彼はうなずいて感謝の意を表すが、その時ふとジークリンデの表情に眼差しを奪われ、興味深げな様子になる。)

ジークムント
冷たい水をありがとう。
疲れが取れて、体が軽くなりました。
また勇気も出てきて、
じっと見つめる喜びにも浸れます。
僕を元気づけてくれたあなたは誰ですか?

ジークリンデ
この家も私も、フンディングの所有物よ。
主人の帰りを待ってくださいな。
あなたをお客様として迎えるはずですから。

ジークムント
僕は武器も持たず、傷を負ってるけど、
ご主人は嫌がりはなさらないでしょうか?

ジークリンデ
(あわてて、心配そうに)
傷ですって!どこなの?

ジークムント
(身震いして飛び上がり、座りなおす。)

ほんのかすり傷です。どうということはありません。
手足はまだしっかりしていますから。
楯と槍が僕の腕の半分でも
強かったらよかったのに。
そうしたら、絶対に敵から逃げはしませんでした。
なのに、どっちも壊れてしまったんです。
敵の猟犬に追い回され、
嵐に打たれて、僕は疲れてしまいました。
だけど、猟犬から逃げ切るよりも
疲れが取れたほうが早かった。
僕のまぶたを覆ったのは夜だけど、
今はまた太陽が新たに輝きだした気分です。

ジークリンデ
(食料棚に行き、角杯に蜜酒を満たしてから、親しげなしぐさでジークムントに差し出す。)
はちみつ入りの飲み物よ。
せっかくだから、どうかお飲みになって。

ジークムント
先に味見していただけますか?

(ジークリンデは角杯に少し口をつけ、それからもう一度差し出す。ジークムントはゆっくりと飲み干しながら、ジークリンデをじっと見つめるが、その眼差しは次第に温かい表情を帯びていく。やがて角杯を口から離し、ゆっくりと下ろすと、深く心を打たれた様子になる。彼は深くため息をつき、暗いまなざしを地面に落とす。)

ジークムント
(声を震わせながら)
あなたは不幸な男を元気づけてくれた。
あなたにまで不幸な目に遭わせたくありません。
(彼は急いで跳ね起き、出て行こうとする。)
充分に休んだし、すっかり気分もよくなりましたから、
先を行こうと思います。
(後方に行く。)

ジークリンデ
(勢いよく振り返って)
そんなに急いで、いったい誰に追われているの?

ジークムント
(彼女の呼び声に動けなくなり、振り返る。ゆっくりと暗い声で)
僕がどこに行こうと不運が追ってくるのです。
僕がいるところ、どこにでも不幸がついてまわる。
でも、あなたには幸せであってほしいんだ。
だから、僕はすべてを忘れてここを去ったほうがいい。
(急いで扉まで歩いて行き、かんぬきを持ち上げる。)

ジークリンデ
(我を忘れるほど必死になって呼びかけ)
それならここにとどまって!
あなたのせいで不幸になることはないわ。
ここには初めから不幸が住んでいるのよ!

(ジークムントはひどくショックを受け、立ち尽くしたまま。彼はジークリンデの表情を探るが、彼女はちょっとはにかんだように、そして悲しそうに目を伏せる。長い沈黙。)

ジークムント
(戻ってきて)
僕は自分のことをヴェーヴァルトと呼んでいる。
フンディングを待とう。

(彼は暖炉に寄りかかり、物静かでありながらも決然とした眼差しをジークリンデに向けて、共感を示す。ジークリンデはゆっくりと再び目を上げ、彼を見つめる。二人は無言のままじっと互いを見つめ合い、深く心を動かされている。)



第二場
(前場の二人、フンディング)

(ジークリンデは突然びくっとし、耳を澄ましてフンディングが自分の馬を厩に導いて行く音を聞きとる。彼女はせかせかと扉のほうに向かい、開く。フンディングは楯と槍で武装した姿で入ってくるが、ジークムントに気づいて敷居で立ち止まる。フンディングはまじめに問いただすようにジークリンデのほうを向く。)

ジークリンデ
(フンディングの眼差しに応えて)
疲れ切って、暖炉の前に倒れていらしたの。
切羽詰まってここに飛び込んできたんですって。

フンディング
で、おまえが元気づけてやったというわけか?

ジークリンデ
お飲み物を差し上げて、お客様としてお世話したわ。

ジークムント
(静かにしっかりとフンディングを観察して)
休み場所を提供していただいて感謝しています。
たったそれだけで奥さまをお咎めになるのですか?

フンディング
わしの暖炉は神聖なのだ。
おまえがわが屋敷を汚すとは思っておらぬぞよ。
(彼は武器を外してジークリンデに渡し、彼女に)

我々男のために食事を用意しろ!
(ジークリンデは武器をトネリコの枝に掛け、食料部屋から料理と飲料を持ってきて夕食の用意を整える。無意識のうちに彼女はふたたびジークムントを見つめてしまう。フンディングはうさんくさそうに、厳しい目つきでジークムントの顔と妻のそれとを見比べて、独白。)

やつは何とあの女に似てることか!
あの幼子みたいな目の輝きをこいつも持ってるんだな。
(不審の念を隠し、公平な様子でジークムントのほうを向き)

さてと、かなり大変な道を来られたようだな。
馬にも乗らず、ここで倒れ込むとは
よほど困難なことがあったと見えるが?

ジークムント
森や野原を駆けて、林や荒野を過ぎても、
まだ嵐は止まず、危機は近づいてきたのです。
どの道を来たかなど、もう思い出しもできません。
せめてどこに迷い込んだかだけでも、分かれば…
ここがどこか教えていただけますか?

フンディング
(食卓に着き、ジークムントに席を指し示しながら)
おまえを守り、匿った家の主は
フンディングだ。
ここから西のほうへ行けば、
我が一族が集まる地域があってな、
皆、立派な屋敷を構えてわしの名誉を守ってくれておる。
さてはおまえも名を名乗っていただけるなら、
誠に光栄に存じるのだが。

(ジークムントは食卓に向かって腰掛け、考え込むような目つきである。ジークリンデはフンディングのそばに、ジークムントと向かい合って座り、目に見えて興味深そうな面持ちでジークムントを見つめている。)

フンディング
(二人の様子を観察して)
わしを信用できんのなら、
せめて妻には話してやってくれ。
見ろ、好奇心まるだしで聞きたげだぞ!

ジークリンデ
(無邪気に興味をあらわにし)
お客様、あなたのことをぜひお聞きしたいですわ。

ジークムント
(目を上げ、彼女の眼差しに応えてまじめに語りだす。)
フリートムントとは名乗れません。
せめてフローヴァルトであればいいのですが。
でも、僕はヴェーヴァルトと名乗る定めです。
父はヴォルフェといい、
僕は双子として、
妹と共に生まれました。
母と妹とは早くに別れ別れになってしまったので、
僕を産んでくれた母と、ともに生を享けた妹のことは
ほとんど覚えていません。
ヴォルフェは喧嘩っ早い上に強くて、
敵がたくさんいました。
ある時、父は少年の僕を連れて狩りをし、
途中で敵との戦いになって、やっとの思いで帰宅すると、
僕らの家は空っぽでした。
きらびやかな大広間は焼け崩れて瓦礫の山となり、
花咲くオークの木も、わずかに株を残すだけの姿。
勇敢だった母は打ち殺されていて、
妹の足跡は焼け跡の中に消えていました。
これほど残酷な仕打ちを加えたのは、
ナイディングの冷酷な一族だったのです。
父は迫害される身になって僕と逃亡しました。
長い間僕はヴォルフェといっしょに
野生の森で暮らしました。
僕らは何度も襲われそうになり、
その度に親子は勇気をもって身を守ったのです。
(フンディングのほうを向いて)
こうお話しするのは、ヴェルフィング族の一人。
ヴェルフィングという名は聞いたことがおありでしょう。

フンディング
おまえは勇敢そうだが、とんでもない大嘘つきと見える。
ヴェルフィング族のヴェーヴァルトだと?
なるほど、戦術に長けた二人組のうわさは
聞いた覚えもないではないがね、
ヴォルフェだのヴェルフィングだのは架空としか思えんのだ。

ジークリンデ
とにかく、お話の続きをなさって。
お父さまは今どこにいらっしゃるの?

ジークムント
ある時ナイディングが激しい戦いを挑んできました。
僕らを殺そうとした人々は次々とヴェルフィングに倒され、
他の人々はこぞって森から
退却していきました。
敵は散り散りに吹き飛ばされたけれども、
僕は追われるうちに父とはぐれてしまっていました。
どこに尋ねても父の居場所は分からず、
森の中でやっと見つけたのは
ただ狼の毛皮だけ。
父の姿はそこになく、結局見つかないままだったのです。
僕は森にいるのが嫌になり、
男たちや女たちのいるところへ出て行きました。
行く先々でいろいろな人に会い、
僕は友と恋人を求めましたが、
いつも僕はのけ者にされ、
悲しい思いをしました。
僕が何か良いことを勧めると皆は嫌がり、
僕が恥ずべきこととして嫌悪するものを
他の人たちは大いに持ち上げるのです。
誰かに会うと不和に巻き込まれ、
僕が行くと必ず怒りを引き起こしてしまう。
喜びを求めているのに、僕が手にするのはいつも悲しみだけ。
だから僕はヴェーヴァルトと名乗るしかなくなったのです。
僕が操れるのは悲しみだけなのですから。

(彼はジークリンデのほうを向き、彼女が同情してくれていることに気がつく。)

フンディング
そこまでひどい運命になるのはだな、
すなわちノルンに愛されていないというわけじゃ。
このわしだって、おまえが勝手にうちの客になったりして
歓迎してるわけじゃないからな。

ジークリンデ
武器も持たない旅人を怖がるなんて、臆病な証拠だわ!
さあ、もっとお話しになって。
いったいどうして、武器をなくすはめになったの?

ジークムント
(だんだん熱がこもり)
あるかわいそうな娘が僕に助けを求めたんだ。
彼女は愛の心も解さない男と結婚するよう、
家族から無理強いされていた。
彼女をこの結婚から救うべく、僕はとんでいった。
彼女を強制する者たちと戦い、
やがて僕が勝利をおさめた。
だが兄弟たちが死んでしまうと、
娘はその亡骸をかき抱き、
悲しみのあまり憎しみを忘れてしまったんだ。
泣き叫び、戦場を涙の海に変えて、
かわいそうな花嫁は
兄弟たちが殺されたことを嘆き続けた。
殺された男たちの親族が押し寄せてきて、
復讐を叫びながら戦いを仕掛けてきた。
僕は四方から敵に取り囲まれたけれど、
それでも娘は戦場を動こうとしない。
僕は楯と槍で必死に彼女を守ったが、
やがて武器はもろくも砕け去った。
傷を負い、武器もないまま僕は立ち尽くし、
彼女が死んでいくのを見ているしかなかった。
怒り狂う軍勢は僕に飛びかかり、
彼女は亡骸の山の上で息を引き取ってしまった。
(苦痛を帯びた情熱の眼差しをジークリンデに向け)
これでおわかりでしょう、奥さま。
だから僕はフリートムントとは名乗れないのです。

(彼は立ち上がり、暖炉のほうへ行く。ジークリンデは青ざめ、深く衝撃を受けて地面に視線を落とす。)

フンディング
(立ち上がり、陰険に)
わしは乱暴な一族を一つ知っている。
そいつらには一般の意味での道徳が通用せず、
わしからも誰からも恨まれておる。
一族の血を贖う復讐のために
わしも呼ばれていた。
わしは遅れて間に合わんかったが、帰ってみれば
まさにその不埒な逃亡者が家におったわけか。
(下りてきて)
ヴェルフィング、今日のところはおまえを守ってやろう。
今晩はゆっくり眠るがいいさ。
だが、明日はしっかりした武器で身を守ることだな。
わしは昼に戦うほうがいいからな。
おまえには死の償いをしてもらうから覚悟しておれ。

(ジークリンデは心配そうな表情で二人の男たちの間に割って入る。)

フンディング
(つっけんどんに)
とっとと出て行け!いつまでここにいる気だ!
夜酒を用意してな、わしが行くのを待っておけ!

(ジークリンデはしばらく心を決めかね、考え込んだまま立ち尽くす。やがて彼女はゆっくりと向きを変え、ぐずぐずした足取りで食料部屋に歩いて行くが、そこでまた立ち止まり、半ば顔をそむけたまま考えにふける。それから静かに決意を固めて戸棚を開け、角杯を酒で満たしてから香料を振りかける。彼女はジークムントに目をやり、彼の視線を求めるが、ジークムントはすでに彼女を見つめたままだった。彼女はフンディングが探りを入れていることに気がつき、急いで寝室に向かう。階段のところで彼女はもう一度振り返り、憧れを込めた眼差しをジークムントに向け、意味ありげに何か伝えたそうにトネリコの幹のある一点を視線で指し示す。フンディングは飛び上がり、乱暴な身振りで彼女を追い立てる。ジークリンデは最後にもう一度ジークムントに視線を向け、寝室に入って後ろ手にドアを閉める。)




フンディング
(自分の武器をトネリコの木から下ろし)
男は武器で身を守るものだ。
(去り際にジークムントのほうを向き)
明日、ヴェルフィングのおまえと一戦交えるからな。
よく聞け。自分を守れるものならよく守るがいい!

(武器を持って部屋に入る。中から掛け金を下ろすのが聞こえてくる。)


第三場
(ジークムント、ジークリンデ)

(ジークムント一人。完全に夜になった。広間は暖炉の弱い光で照らされているだけである。ジークムントは火に近い長椅子に座りこみ、激しい興奮を感じながらしばらくの間無言のまま考え込む。)


ジークムント
最高の危機の時には一本の剣をあげようと、
お父さんは約束してくれたのに。
僕は武器もないまま敵の家に転がり込んでしまった。
ここで休んでいるのも、やつの復讐のためなんだ。
でもあの女性は喜ばしく、気高い人だった。
あの人に魅惑されて、胸が苦しい。
僕は彼女を愛してしまったんだ。
甘い魔法が僕を引き裂いてしまいそう。
彼女はあの男に無理強いされていて、
そいつがまさに武器のない僕を嘲ったんだ!
ヴェルゼ!ヴェルゼ!あの剣はどこにあるの?
その強い剣があれば、
嵐の中でそれを振るい、
激しく胸にこみ上げてくる感情を
ぜんぶぶちまけてやれるのに!
(火が崩れ、飛び散る炎の中から突然まぶしいほどの光がトネリコの幹を照らし出す。そこはまさに先ほどジークリンデが眼差しで指し示していた箇所である。今そこを見ると、剣の柄が刺さっているのがはっきりと見える。)

あそこでいったい何が光ってるんだろう?
トネリコの幹できらきらしているのは何だろう?
あれを見ると、絶望のどん底の僕も希望が湧いてくる。
あの輝きは楽しそうに笑っているようだ。
あのきらめきを見ると、また心が高鳴ってくる。
あれはきっとあの素敵な女性が
ここを出ていく時に見つめていた
その視線が残っているんだ。
(このあたりから暖炉の火は弱くなりはじめる。)
僕は暗い闇に突き落とされていたが、
その時、彼女の輝く目に出会って
昼の光と温かさを手にできた。
あれこそ僕に輝いた幸福の兆しなんだ。
彼女の光が僕を包み込み、
その姿が消えるまで光の抱擁は続いた。
(炎の明かりはますます弱くなる。)
彼女は去っていく時に
もう一度僕に光を投げかけてくれた。
あの古びたトネリコの幹は
彼女の黄金色の光を思い出させてくれたんだ。
もう光も消えて、暗くなっている。
夜の闇が僕の眼差しを覆い、
ただ胸の奥深くで暗い炎が燃えるのを感じるだけ。

(火は完全に消えてしまう。真っ暗な夜である。脇の寝室の戸がそっと開き、白いドレスに身を包んだジークリンデが出てくる。彼女は足音を忍ばせながらも大急ぎで暖炉のほうに駆け寄る。)

ジークリンデ
お客様、もうお眠りになっていらして?

ジークムント
(喜びにどきどきしながら飛び起きて)
どなたですか?

ジークリンデ
(小声でせかせかと)
私よ。聞いてくださいな。
フンディングは起こしても覚めない眠りに落ちているわ。
私がお酒に眠り薬を混ぜておいたのよ。
さあ、今夜をあなたのために役立てましょう!

ジークムント
(情熱をほとばしらせて)
きみが来てくれるなんて、僕は最高の幸せ者だ!

ジークリンデ
一つ武器がある場所を知っているの。
ああ、あれをあなたが手にできたら!
そうしたらあなたは世界最高の英雄になるのよ。
だって、あの武器は最強の人しか手にできないんですもの。
私の話を聞いていただけて?
フンディングの結婚式に招かれて、
一族の男たちはこの広間に集まっていたの。
盗賊たちがある女を彼に贈ったのだけれど、
フンディングは彼女の意も聞かずに結婚を強要したのよ。
みんながお酒を飲んでいる間、私は悲しく座っていたわ。
その時見知らぬ男が入ってきたの。
青い(灰色の)マントを着た老人で、
帽子を目深に被り、
片目は帽子に隠れていたわ。
でももう一方の目の輝きは人に恐れをもたらしたようで、
誰もがその威嚇するような視線に縮み上がっていた。
ただ、私にだけはとても優しくて、
眼差しには同情と悲しみ、
涙と慰めが浮かんでいたわ。
私を見つめてから彼はじろりと他の者をにらみ、
持っていた剣を振るって、
それをあのトネリコの木の幹に
柄まで突き刺したの。
「これを幹から引き抜くことができた者こそ
剣の輝きにふさわしい」と、言って。
男たちは誰もが挑戦したけれど、
武器を手にできた者はいなかった。
客が来ては帰り、
最も力のある者が引き抜こうとしても、
剣はびくとも動かないの。
そうしてあの剣は今も無言のまま刺さっているわ。
そこで私には分かったの、
悲しむ私を慰めてくださったのがどなたか、
そして誰のためにあの剣を刺して行ったのか!
ああ、今日ここでその方にお会いできたのだったら!
あなたが哀れな私のために遠くから来てくださったのなら!
かつて私が身を切られる思いで耐えたことも、
私を辱めた侮辱と恥も、
ついに甘い復讐が果たしてくれるんだわ!
私が失ったものすべてが戻ってくるようよ!
私の涙もようやく渇く時が来るの。
もしあなたが聖なる友で、
私がその英雄を腕に抱くことができるなら!

ジークムント
(情熱を込めてジークリンデを抱きしめ)
さあ、聖なる妻として僕の腕においで。
この武器と愛する人は僕のもの!
僕をきみに結びつける気高い誓いが
胸の中で熱く燃えている。
きみは僕が憧れたものすべてを備えた人だよ。
僕にないものがきみの中にはあるんだ!
きみは辱められ、
僕は苦しみに追いやられた。
僕は迫害され、きみは名誉を砕かれたけど、
とうとう報復できる時が来たんだ!
僕は嬉しくてうれしくてたまらない!
愛するきみを抱きしめて、
きみの鼓動を感じることができるなんて!

(大きな扉がいきなり開く。)

ジークリンデ
(ぎょっとして跳び上がり、身をもぎ放して)
まあ、誰が出て行ったの? 誰か来た?

(ドアは大きく開け放たれたまま。外は目もまばゆい春の夜。満月が輝き、その明るい光が恋人たちに降り注ぐ。彼らは突然互いの姿をはっきりと認識できるようになる。)


ジークムント
(静かな感動を覚えて)
誰も出て行ってはないよ。でも一人入ってきた。
ごらん、春が広間に笑いかけているよ。
(ジークムントは優しくジークリンデをソファーに引き寄せるので、彼女はジークムントの隣に座る。月光は明るさを増していく。)
冬の嵐は喜びの月に
追い払われて、
貼るがやわらかな光の中で輝いているよ。
リンデの花に満ちた大気の中で、
春は軽やかに愛らしく奇跡のゆりかごに揺られる。
春の息吹は森や野原にも届き、
はるか遠くの者にも目を覚まさせるんだ。
幸せそうな小鳥たちの歌を通して春は語りかけ、
やわらかな空気をもたらしている。
春の暖かな血から幸福の花が芽吹き、
春の力は若芽を育ててくれる。
美しさを武器に世界を手に収め、
冬と嵐は春の前には去らなくてはならないんだ。
たぶんあの頑固な扉も春の前に
屈して開いたんだね。
あの扉こそ僕たちを残酷に隔てていたものなんだ。
春は妹のもとに飛んできて、
愛が春を招く。
僕たちの心の奥底に愛は隠れていたけど、
いまや愛は春に笑いかける。
兄は妹を花嫁に選び、救いだした。
二人を引き離していたあらゆるものが崩れ落ちた。
若い恋人たちは喜びあふれてあいさつを交わし、
愛と春に結ばれる!

ジークリンデ
あなたが春なのよ。あなたは私が厳しい冬の間
望んでいた春の姿そのままだわ。
あなたの眼差しに初めて出会った時から
私は神聖なおののきを感じながらあいさつしたの。
これまで私が目にしたのは馴染みがないものばかり。
喜び/友なんてどこにもいなかったわ。
私に訪れるものは何もかも知らないものばかりだった。
でも、あなたを見た時、
私はまるで知っている人のように感じたの。
あなたは最初にお会いした時から私のもの。
これまで私の中に隠れていた自分らしさが、
明るい昼のように現れてきて、
まるで音楽のように私の耳に響くわ。
これまで寒々とした異境にいたのに
初めて友を見出すなんて!

(彼女はうっとりと彼の首にかじりつき、間近で顔をのぞき込む。)

ジークムント
(うっとりして)
ああ、こんなに幸せだなんて夢みたいだ!
僕の大切な人!

ジークリンデ
(彼の目のすぐ前まで寄って)
あなたのそばに寄らせてちょうだい。
あなたの高貴な輝きを私に見せて。
あなたの目、それにそのお顔は
何と光に満ちて私を包むのでしょう!

ジークムント
春の月光の中できみは明るく輝いているよ。
波打つ髪がきみをすっぽりと包んでいる。
僕はもうきみに夢中なんだ。
僕の目が輝いているからわかるだろう?

ジークリンデ
(ジークムントの巻き毛を額から上げて、驚いたように観察する。)
あなた、額が広いのね。
こめかみに血管が枝分かれして絡み合っているわ。
もしかして…そうだったら嬉しくて仕方ないわ!
奇跡でも起きたのかしら。
あなたのことは初めて見たのに、
会ったことがある気がするのよ。

ジークムント
愛の夢が僕のことも錯覚させたんだ。
憧れてやまない時に、きみの姿を見たことがある。

ジークリンデ
私、小川で自分の姿を映したことがあるの。
いまあなたを見ると、その時の自分を思い出すわ。
いつだったか池に私が映った時の姿、
あなたは私にそっくりだわ。

ジークムント
きみこそ僕が思い描いていた
そのままの女性だ。

ジークリンデ
(すばやく目をそらし)
じっとしていて!あなたの声をしっかり聴きたいの。
あなたの声は
小さい時に聞いた覚えがあるわ。
(はっとして)
いいえ、それだけではないわ。最近耳にしたのよ。
私が森に向かって声をかけ、
そのこだまが帰ってきた時よ。

ジークムント
きみの声はほんとうに
愛くるしい響きだよ!

ジークリンデ
(彼の目をまたのぞき込んで)
あなたの目の輝きには覚えがあるの。
あのご老人が私を慰めてくださった時も、
この輝きが目にあったわ。
あの眼差しを見た時、父を思い出して、
もう少しでお父さまと呼ぶところだった!
(ちょっと考え、それからそっとつづける。)
ねえあなた、ほんとうにヴェーヴァルトっていうの?

ジークムント
今はもう違うよ。きみが愛してくれるから。
僕は最高の喜びを司っているんだ。

ジークリンデ
それならフリートムントと
名乗ってはどう?

ジークムント
きみが名まえをつけてくれ。
きみの好きな名まえを名乗るから。
僕、きみに名づけてほしいんだ。

ジークリンデ
でも、お父さまはヴォルフェって言ったのよね?

ジークムント
確かに狼だったさ、臆病な狐どもにはね!
でも父の目は誇り高く輝いていたよ。
きみも父の目によく似ているんだね。
僕の父はヴェルゼという名だったんだ。

ジークリンデ
(夢中になって)
お父さまがヴェルゼだったなら、あなたはヴェルズングよ!
お父さまはあなたのために剣を刺して行ったんだわ。
あなたを私の好きなように名づけさせて。
ジークムント!それがあなたの名よ!

ジークムント
(トネリコの幹に飛びつき、剣の柄をつかんで)
僕はジークムント、ジークムントが僕の名まえなんだ!
僕が向こう見ずにも手をかけたこの剣に証明してもらうぞ。
ヴェルゼは約束してくれたんだ、僕がとても困った時に
剣を見つけるって。それがこれなんだ!
聖なる愛の危機、
身を焦がすような激しい愛情が
僕の胸に燃えて、
死も恐れない行動へ駆り立てる。
ノートゥング!ノートゥング!これが剣の名まえだ。
ノートゥング!ノートゥング!誰もがこれを欲しがったんだ。
きみの切れ味をよく見せておくれ。
幹の鞘を離れて、僕のところに来い!
(彼は力強さでもって一瞬で剣を引き抜き、驚き感動するジークリンデに見せる。)

僕は間違いないよ、きみ!ヴェルズングのジークムントだ!
この剣はきみへの花嫁の贈り物にするよ。
こうやってジークムントは
聖なる女性を救ったんだ。
敵の家を出て行こうよ。
ここからずっと遠くに行って、
春が微笑む家で一緒に暮らそう。
ノートゥングはそこできみをしっかり守るんだ、
ジークムントがきみを愛して倒れ込んだ時も!

(彼は彼女を抱いて、一緒に連れて行こうとする。)

ジークリンデ
(陶酔しきったようすで身を放し、彼に向かい合って立つ。)

私がこうして見つめるあなたがジークムント、
そしてあなたを愛する私はジークリンデよ。
あなたは自分の妹といっしょに
その剣を手にしたんだわ!

ジークムント
兄である僕にとって、きみは花嫁にして妹なんだ。
ヴェルズングの血は僕たちで栄えるといい!

(彼は激しい情熱を込めてジークリンデを引き寄せる。彼女は一声上げ、ジークムントの胸に飛び込む。すばやく幕が下りる。)
ERSTER AUFZUG

VORSPIEL UND ERSTE SZENE
Siegmund, Sieglinde

Das Innere eines Wohnraumes. In der Mitte steht der Stamm einer mächtigen Esche, dessen stark erhabene Wurzeln sich weithin in den Erdboden verlieren; von seinem Wipfel ist der Baum durch ein gezimmertes Dach geschieden, welches so durchschnitten ist, dass der Stamm und die nach allen Seiten hin sich ausstreckenden Äste durch genau entsprechende Öffnungen hindurchgehen; von dem belaubten Wipfel wird angenommen, dass er sich über dieses Dach ausbreite. Um den Eschenstamm, als Mittelpunkt, ist nun ein Saal gezimmert; die Wände sind aus roh behauenem Holzwerk, hier und da mit geflochtenen und gewebten Decken behangen. Rechts im Vordergrunde steht der Herd, dessen Rauchfang seitwärts zum Dache hinausführt: hinter dem Herde befindet sich ein innerer Raum, gleich einem Vorratsspeicher, zu dem man auf einigen hölzernen Stufen hinaufsteigt: davor hängt, halb zurückgeschlagen, eine geflochtene Decke. Im Hintergrunde eine Eingangstür mit schlichtem Holzriegel. Links die Tür zu einem inneren Gemache, zu dem gleichfalls Stufen hinaufführen; weiter vornen auf derselben Seite ein Tisch mit einer breiten, an der Wand angezimmerten Bank dahinter und hölzernen Schemeln davor

Ein kurzes Orchestervorspiel von heftiger, stürmischer Bewegung leitet ein. Als der Vorhang aufgeht, öffnet Siegmund von aussen hastig die Eingangstür und tritt ein: es ist gegen Abend, starkes Gewitter, im Begriff, sich zu legen. Siegmund hält einen Augenblick den Riegel in der Hand und überblickt den Wohnraum: er scheint von übermässiger Anstrengung erschöpft; sein Gewand und Aussehen zeigen, dass er sich auf der Flucht befinde. Da er niemand gewahrt, schliesst er die Tür hinter sich, schreitet auf den Herd zu und wirft sich dort ermattet auf eine Decke von Bärenfell

SIEGMUND
Wes Herd dies auch sei, hier muss ich rasten.
Er sinkt zurück und bleibt einige Zeit regungslos ausgestreckt. Sieglinde tritt aus der Tür des inneren Gemaches; sie glaubte ihren Mann heimgekehrt: ihre ernste Miene zeigt sich dann verwundert, als sie einen Fremden am Herde ausgestreckt sieht

SIEGLINDE
noch im Hintergrunde
Ein fremder Mann? Ihn muss ich fragen.
Sie tritt ruhig einige Schritte näher
Wer kam ins Haus und liegt dort am Herd?
Da Siegmund sich nicht regt, tritt sie noch etwas näher und betrachtet ihn
Müde liegt er, von Weges Müh'n.
Schwanden die Sinne ihm? Wäre er siech?
Sie neigt sich zu ihm herab und lauscht
Noch schwillt ihm der Atem; das Auge nur schloss er. -
Mutig dünkt mich der Mann,
sank er müd' auch hin.

SIEGMUND
fährt jäh mit dem Haupt in die Höhe
Ein Quell! Ein Quell!

SIEGLINDE
Erquickung schaff' ich.
Sie nimmt schnell ein Trinkhorn und geht damit aus dem Hause. Sie kommt zurück und reicht das gefüllte Trinkhorn Siegmund
Labung biet' ich dem lechzenden Gaumen:
Wasser, wie du gewollt.
Siegmund trinkt und reicht ihr das Horn zurück. Als er ihr mit dem Haupte Dank zuwinkt, haftet sein Blick mit steigender Teilnahme an ihren Mienen

SIEGMUND
Kühlende Labung gab mir der Quell,
des Müden Last machte er leicht:
erfrischt ist der Mut,
das Aug' erfreut des Sehens selige Lust.
Wer ist's, der so mir es labt?

SIEGLINDE
Dies Haus und dies Weib sind Hundings Eigen;
gastlich gönn' er dir Rast:
harre, bis heim er kehrt!

SIEGMUND
Waffenlos bin ich:
dem wunden Gast wird dein Gatte nicht wehren.

SIEGLINDE
mit besorgter Hast
Die Wunden weise mir schnell!

SIEGMUND
schüttelt sich und springt lebhaft vom Lager zum Sitz auf
Gering sind sie, der Rede nicht wert;
noch fügen des Leibes Glieder sich fest.
Hätten halb so stark wie mein Arm
Schild und Speer mir gehalten,
nimmer floh ich dem Feind,
doch zerschellten mir Speer und Schild.
Der Feinde Meute hetzte mich müd',
Gewitterbrunst brach meinen Leib;
doch schneller, als ich der Meute,
schwand die Müdigkeit mir:
sank auf die Lider mir Nacht;
die Sonne lacht mir nun neu.

SIEGLINDE
geht nach dem Speicher, füllt ein Horn mit Met und reicht es Siegmund mit freundlicher Bewegtheit
Des seimigen Metes süssen Trank
mög'st du mir nicht verschmähn.

SIEGMUND
Schmecktest du mir ihn zu?

Sieglinde nippt am Horne und reicht es ihm wieder. Siegmund tut einen langen Zug, indem er den Blick mit wachsender Wärme auf sie heftet. Er setzt so das Horn ab und lässt es langsam sinken, während der Ausdruck seiner Miene in starke Ergriffenheit übergeht. Er seufzt tief auf und senkt den Blick düster zu Boden

SIEGMUND
mit bebender Stimme
Einen Unseligen labtest du:
Unheil wende der Wunsch von dir!
Er bricht schnell auf, um fortzugehen
Gerastet hab' ich und süss geruht.
Weiter wend' ich den Schritt.
er geht nach hinten

SIEGLINDE
lebhaft sich umwendend
Wer verfolgt dich, dass du schon fliehst?

SIEGMUND
von ihrem Rufe gefesselt, wendet sich wieder; langsam und düster
Misswende folgt mir, wohin ich fliehe;
Misswende naht mir, wo ich mich neige. -
Dir, Frau, doch bleibe sie fern!
Fort wend' ich Fuss und Blick.
Er schreitet schnell bis zur Tür und hebt den Riegel

SIEGLINDE
in heftigem Selbstvergessen ihm nachrufend
So bleibe hier!
Nicht bringst du Unheil dahin,
wo Unheil im Hause wohnt!

Siegmund bleibt tief erschüttert stehen; er forscht in Sieglindes Mienen; diese schlägt verschämt und traurig die Augen nieder. Langes Schweigen

SIEGMUND
kehrt zurück
Wehwalt hiess ich mich selbst:
Hunding will ich erwarten.

Er lehnt sich an den Herd; sein Blick haftet mit ruhiger und entschlossener Teilnahme an Sieglinde; diese hebt langsam das Auge wieder zu ihm auf. Beide blicken sich in langem Schweigen mit dem Ausdruck tiefster Ergriffenheit in die Augen


ZWEITE SZENE
Die Vorigen, Hunding

Sieglinde fährt plötzlich auf, lauscht und hört Hunding, der sein Ross aussen zum Stall führt. Sie geht hastig zur Tür und öffnet; Hunding, gewaffnet mit Schild und Speer, tritt ein und hält unter der Tür, als er Siegmund gewahrt. Hunding wendet sich mit einem ernst fragenden Blick an Sieglinde

SIEGLINDE
dem Blicke Hundings entgegnend
Müd am Herd fand ich den Mann:
Not führt' ihn ins Haus.

HUNDING
Du labtest ihn?

SIEGLINDE
Den Gaumen letzt' ich ihm, gastlich sorgt' ich sein!

SIEGMUND
der ruhig und fest Hunding beobachtet
Dach und Trank dank' ich ihr:
willst du dein Weib drum schelten?

HUNDING
Heilig ist mein Herd: -
heilig sei dir mein Haus!
er legt seine Waffen ab und übergibt sie Sieglinde. Zu Sieglinde
Rüst' uns Männern das Mahl!
Sieglinde hängt die Waffen an Ästen des Eschenstammes auf, dann holt sie Speise und Trank aus dem Speicher und rüstet auf dem Tische das Nachtmahl. Unwillkürlich heftet sie wieder den Blick auf Siegmund. Hunding misst scharf und verwundert Siegmunds Züge, die er mit denen seiner Frau vergleicht; für sich
Wie gleicht er dem Weibe!
Der gleissende Wurm glänzt auch ihm aus dem Auge.
er birgt sein Befremden und wendet sich wie unbefangen zu Siegmund
Weit her, traun, kamst du des Wegs;
ein Ross nicht ritt, der Rast hier fand:
welch schlimme Pfade schufen dir Pein?

SIEGMUND
Durch Wald und Wiese, Heide und Hain,
jagte mich Sturm und starke Not:
nicht kenn' ich den Weg, den ich kam.
Wohin ich irrte, weiss ich noch minder:
Kunde gewänn' ich des gern.

HUNDING
am Tische und Siegmund den Sitz bietend
Des Dach dich deckt, des Haus dich hegt,
Hunding heisst der Wirt;
wendest von hier du nach West den Schritt,
in Höfen reich hausen dort Sippen,
die Hundings Ehre behüten.
Gönnt mir Ehre mein Gast,
wird sein Name nun mir gennant.

Siegmund, der sich am Tisch niedergesetzt, blickt nachdenklich vor sich hin. Sieglinde, die sich neben Hunding, Siegmund gegenüber, gesetzt, heftet ihr Auge mit auffallender Teilnahme und Spannung auf diesen

HUNDING
der beide beobachtet
Trägst du Sorge, mir zu vertraun,
der Frau hier gib doch Kunde:
sieh, wie gierig sie dich frägt!

SIEGLINDE
unbefangen und teilnahmsvoll
Gast, wer du bist, wüsst' ich gern.

SIEGMUND
blickt auf, sieht ihr in das Auge und beginnt ernst
Friedmund darf ich nicht heissen;
Frohwalt möcht' ich wohl sein:
doch Wehwalt musst ich mich nennen.
Wolfe, der war mein Vater;
zu zwei kam ich zur Welt,
eine Zwillingsschwester und ich.
Früh schwanden mir Mutter und Maid.
Die mich gebar und die mit mir sie barg,
kaum hab' ich je sie gekannt.
Wehrlich und stark war Wolfe;
der Feinde wuchsen ihm viel.
Zum Jagen zog mit dem Jungen der Alte:
Von Hetze und Harst einst kehrten wir heim:
da lag das Wolfsnest leer.
Zu Schutt gebrannt der prangende Saal,
zum Stumpf der Eiche blühender Stamm;
erschlagen der Mutter mutiger Leib,
verschwunden in Gluten der Schwester Spur:
uns schuf die herbe Not
der Neidinge harte Schar.
Geächtet floh der Alte mit mir;
lange Jahre lebte der Junge
mit Wolfe im wilden Wald:
manche Jagd ward auf sie gemacht;
doch mutig wehrte das Wolfspaar sich.
zu Hunding gewandt
Ein Wölfing kündet dir das,
den als "Wölfing" mancher wohl kennt.

HUNDING
Wunder und wilde Märe kündest du, kühner Gast,
Wehwalt - der Wölfing!
Mich dünkt, von dem wehrlichen Paar
vernahm ich dunkle Sage,
kannt' ich auch Wolfe und Wölfing nicht.

SIEGLINDE
Doch weiter künde, Fremder:
wo weilt dein Vater jetzt?

SIEGMUND
Ein starkes Jagen auf uns stellten die Neidinge an:
der Jäger viele fielen den Wölfen,
in Flucht durch den Wald
trieb sie das Wild.
Wie Spreu zerstob uns der Feind.
Doch ward ich vom Vater versprengt;
seine Spur verlor ich, je länger ich forschte:
eines Wolfes Fell nur
traf ich im Forst;
leer lag das vor mir, den Vater fand ich nicht.
Aus dem Wald trieb es mich fort;
mich drängt' es zu Männern und Frauen.
Wieviel ich traf, wo ich sie fand,
ob ich um Freund', um Frauen warb,
immer doch war ich geächtet:
Unheil lag auf mir.
Was Rechtes je ich riet, andern dünkte es arg,
was schlimm immer mir schien,
andre gaben ihm Gunst.
In Fehde fiel ich, wo ich mich fand,
Zorn traf mich, wohin ich zog;
gehrt' ich nach Wonne, weckt' ich nur Weh':
drum musst' ich mich Wehwalt nennen;
des Wehes waltet' ich nur.

Er sieht zu Sieglinde auf und gewahrt ihren teilnehmenden Blick

HUNDING
Die so leidig Los dir beschied,
nicht liebte dich die Norn':
froh nicht grüsst dich der Mann,
dem fremd als Gast du nahst.

SIEGLINDE
Feige nur fürchten den, der waffenlos einsam fährt! -
Künde noch, Gast,
wie du im Kampf zuletzt die Waffe verlorst!

SIEGMUND
immer lebhafter
Ein trauriges Kind rief mich zum Trutz:
vermählen wollte der Magen Sippe
dem Mann ohne Minne die Maid.
Wider den Zwang zog ich zum Schutz,
der Dränger Tross traf ich im Kampf:
dem Sieger sank der Feind.
Erschlagen lagen die Brüder:
die Leichen umschlang da die Maid,
den Grimm verjagt' ihr der Gram.
Mit wilder Tränen Flut betroff sie weinend die Wal:
um des Mordes der eignen Brüder
klagte die unsel'ge Braut.
Der Erschlagnen Sippen stürmten daher;
übermächtig ächzten nach Rache sie;
rings um die Stätte ragten mir Feinde.
Doch von der Wal wich nicht die Maid;
mit Schild und Speer schirmt' ich sie lang',
bis Speer und Schild im Harst mir zerhaun.
Wund und waffenlos stand ich -
sterben sah ich die Maid:
mich hetzte das wütende Heer -
auf den Leichen lag sie tot.
mit einem Blicke voll schmerzlichen Feuers auf Sieglinde
Nun weisst du, fragende Frau,
warum ich Friedmund nicht heisse!

Er steht auf und schreitet auf den Herd zu. Sieglinde blickt erbleichend und tief erschüttert zu Boden

HUNDING
erhebt sich, sehr finster
Ich weiss ein wildes Geschlecht,
nicht heilig ist ihm, was andern hehr:
verhasst ist es allen und mir.
Zur Rache ward ich gerufen,
Sühne zu nehmen für Sippenblut:
zu spät kam ich, und kehrte nun heim,
des flücht'gen Frevlers Spur im eignen Haus zu erspähn.
Er geht herab
Mein Haus hütet, Wölfing, dich heut';
für die Nacht nahm ich dich auf;
mit starker Waffe doch wehre dich morgen;
zum Kampfe kies' ich den Tag:
für Tote zahlst du mir Zoll.

Sieglinde schreitet mit besorgter Gebärde zwischen die beiden Männer vor

HUNDING
barsch
Fort aus dem Saal! Säume hier nicht!
Den Nachttrunk rüste mir drin und harre mein' zur Ruh'.

Sieglinde steht eine Weile unentschieden und sinnend. Sie wendet sich langsam und zögernden Schrittes nach dem Speicher. Dort hält sie wieder an und bleibt, in Sinnen verloren, mit halb abgewandtem Gesicht stehen. Mit ruhigem Entschluss öffnet sie den Schrein, füllt ein Trinkhorn und schüttet aus einer Büchse Würze hinein. Dann wendet sie das Auge auf Siegmund, um seinem Blicke zu begegnen, den dieser fortwährend auf sie heftet. Sie gewahrt Hundings Spähen und wendet sich sogleich zum Schlafgemach. Auf den Stufen kehrt sie sich noch einmal um, heftet das Auge sehnsuchtsvoll auf Siegmund und deutet mit dem Blicke andauernd und mit sprechender Bestimmtheit auf eine Stelle am Eschenstamme. Hunding fährt auf und treibt sie mit einer heftigen Gebärde zum Fortgehen an. Mit einem letzten Blick auf Siegmund geht sie in das Schlafgemach und schliesst hinter sich die Türe

HUNDING
nimmt seine Waffen vom Stamme herab
Mit Waffen wehrt sich der Mann.
Im Abgehen sich zu Siegmund wendend
Dich Wölfing treffe ich morgen;
mein Wort hörtest du, hüte dich wohl!

Er geht mit den Waffen in das Gemach; man hört ihn von innen den Riegel schliessen


DRITTE SZENE
Siegmund, Sieglinde

Siegmund allein. Es ist vollständig Nacht geworden; der Saal ist nur noch von einem schwachen Feuer im Herde erhellt. Siegmund lässt sich, nah beim Feuer, auf dem Lager nieder und brütet in grosser innerer Aufregung eine Zeitlang schweigend vor sich hin

SIEGMUND
Ein Schwert verhiess mir der Vater,
ich fänd' es in höchster Not.
Waffenlos fiel ich in Feindes Haus;
seiner Rache Pfand, raste ich hier: -
ein Weib sah ich, wonnig und hehr:
entzückend Bangen zehrt mein Herz.
Zu der mich nun Sehnsucht zieht,
die mit süssem Zauber mich sehrt,
im Zwange hält sie der Mann,
der mich Wehrlosen höhnt!
Wälse! Wälse! Wo ist dein Schwert?
Das starke Schwert,
das im Sturm ich schwänge,
bricht mir hervor aus der Brust,
was wütend das Herz noch hegt?
Das Feuer bricht zusammen; es fällt aus der aufsprühenden Glut plötzlich ein greller Schein auf die Stelle des Eschenstammes, welche Sieglindes Blick bezeichnet hatte und an der man jetzt deutlich einen Schwertgriff haften sieht
Was gleisst dort hell im Glimmerschein?
Welch ein Strahl bricht aus der Esche Stamm?
Des Blinden Auge leuchtet ein Blitz:
lustig lacht da der Blick.
Wie der Schein so hehr das Herz mir sengt!
Ist es der Blick der blühenden Frau,
den dort haftend sie hinter sich liess,
als aus dem Saal sie schied?
von hier an verglimmt das Herdfeuer allmählich
Nächtiges Dunkel deckte mein Aug',
ihres Blickes Strahl streifte mich da:
Wärme gewann ich und Tag.
Selig schien mir der Sonne Licht;
den Scheitel umgliss mir ihr wonniger Glanz -
bis hinter Bergen sie sank.
Ein neuer schwacher Aufschein des Feuers
Noch einmal, da sie schied,
traf mich abends ihr Schein;
selbst der alten Esche Stamm
erglänzte in goldner Glut:
da bleicht die Blüte, das Licht verlischt;
nächtiges Dunkel deckt mir das Auge:
tief in des Busens Berge glimmt nur noch lichtlose Glut.

Das Feuer ist gänzlich verloschen: volle Nacht. Das Seitengemach öffnet sich leise: Sieglinde, in weissem Gewande, tritt heraus und schreitet leise, doch rasch, auf den Herd zu

SIEGLINDE
Schläfst du, Gast?

SIEGMUND
freudig überrascht aufspringend
Wer schleicht daher?

SIEGLINDE
mit geheimnisvoller Hast
Ich bin's: höre mich an!
In tiefem Schlaf liegt Hunding;
ich würzt' ihm betäubenden Trank:
nütze die Nacht dir zum Heil!

SIEGMUND
hitzig unterbrechend
Heil macht mich dein Nah'n!

SIEGLINDE
Eine Waffe lass mich dir weisen:
o wenn du sie gewännst!
Den hehrsten Helden dürft' ich dich heissen:
dem Stärksten allein ward sie bestimmt.
O merke wohl, was ich dir melde!
Der Männer Sippe sass hier im Saal,
von Hunding zur Hochzeit geladen:
er freite ein Weib,
das ungefragt Schächer ihm schenkten zur Frau.
Traurig sass ich, während sie tranken;
ein Fremder trat da herein:
ein Greis in blauem/grauem Gewand;
tief hing ihm der Hut,
der deckt' ihm der Augen eines;
doch des andren Strahl, Angst schuf es allen,
traf die Männer sein mächtiges Dräu'n:
mir allein weckte das Auge
süss sehnenden Harm,
Tränen und Trost zugleich.
Auf mich blickt' er und blitzte auf jene,
als ein Schwert in Händen er schwang;
das stiess er nun in der Esche Stamm,
bis zum Heft haftet' es drin:
dem sollte der Stahl geziemen,
der aus dem Stamm es zög'.
Der Männer alle, so kühn sie sich mühten,
die Wehr sich keiner gewann;
Gäste kamen und Gäste gingen,
die stärksten zogen am Stahl -
keinen Zoll entwich er dem Stamm:
dort haftet schweigend das Schwert. -
Da wusst' ich, wer der war,
der mich Gramvolle gegrüsst; ich weiss auch,
wem allein im Stamm das Schwert er bestimmt.
O fänd' ich ihn hier und heut', den Freund;
käm' er aus Fremden zur ärmsten Frau.
Was je ich gelitten in grimmigem Leid,
was je mich geschmerzt in Schande und Schmach, -
süsseste Rache sühnte dann alles!
Erjagt hätt' ich, was je ich verlor,
was je ich beweint, wär' mir gewonnen,
fänd' ich den heiligen Freund,
umfing' den Helden mein Arm!

SIEGMUND
mit Glut Sieglinde umfassend
Dich selige Frau hält nun der Freund,
dem Waffe und Weib bestimmt!
Heiss in der Brust brennt mir der Eid,
der mich dir Edlen vermählt.
Was je ich ersehnt, ersah ich in dir;
in dir fand ich, was je mir gefehlt!
Littest du Schmach,
und schmerzte mich Leid;
war ich geächtet, und warst du entehrt:
freudige Rache lacht nun den Frohen!
Auf lach' ich in heiliger Lust,
halt' ich dich Hehre umfangen,
fühl' ich dein schlagendes Herz!

Die grosse Türe springt auf

SIEGLINDE
fährt erschrocken zusammen und reisst sich los
Ha, wer ging? Wer kam herein?

Die Tür bleibt weit geöffnet: aussen herrliche Frühlingsnacht; der Vollmond leuchtet herein und wirft sein helles Licht auf das Paar, das so sich plötzlich in voller Deutlichkeit wahrnehmen kann

SIEGMUND
in leiser Entzückung
Keiner ging - doch einer kam:
siehe, der Lenz lacht in den Saal!
Siegmund zieht Sieglinde mit sanfter Gewalt zu sich auf das Lager, so dass sie neben ihm zu sitzen kommt, Wachsende Helligkeit des Mondscheines
Winterstürme wichen
dem Wonnemond,
in mildem Lichte leuchtet der Lenz;
auf linden Lüften leicht und lieblich,
Wunder webend er sich wiegt;
durch Wald und Auen weht sein Atem,
weit geöffnet lacht sein Aug': -
aus sel'ger Vöglein Sange süss er tönt,
holde Düfte haucht er aus;
seinem warmen Blut entblühen wonnige Blumen,
Keim und Spross entspringt seiner Kraft.
Mit zarter Waffen Zier bezwingt er die Welt;
Winter und Sturm wichen der starken Wehr:
wohl musste den tapfern Streichen
die strenge Türe auch weichen,
die trotzig und starr uns trennte von ihm. -
Zu seiner Schwester schwang er sich her;
die Liebe lockte den Lenz:
in unsrem Busen barg sie sich tief;
nun lacht sie selig dem Licht.
Die bräutliche Schwester befreite der Bruder;
zertrümmert liegt, was je sie getrennt:
jauchzend grüsst sich das junge Paar:
vereint sind Liebe und Lenz!

SIEGLINDE
Du bist der Lenz, nach dem ich verlangte
in frostigen Winters Frist.
Dich grüsste mein Herz mit heiligem Grau'n,
als dein Blick zuerst mir erblühte.
Fremdes nur sah ich von je,
freudlos/freundlos war mir das Nahe.
Als hätt' ich nie es gekannt, war, was immer mir kam.
Doch dich kannt' ich deutlich und klar:
als mein Auge dich sah,
warst du mein Eigen;
was im Busen ich barg, was ich bin,
hell wie der Tag taucht' es mir auf,
o wie tönender Schall schlug's an mein Ohr,
als in frostig öder Fremde
zuerst ich den Freund ersah.

Sie hängt sich entzückt an seinen Hals und blickt ihm nahe ins Gesicht

SIEGMUND
mit Hingerissenheit
O süsseste Wonne!
O seligstes Weib!

SIEGLINDE
dicht an seinen Augen
O lass in Nähe zu dir mich neigen,
dass hell ich schaue den hehren Schein,
der dir aus Aug' und Antlitz bricht
und so süss die Sinne mir zwingt.

SIEGMUND
Im Lenzesmond leuchtest du hell;
hehr umwebt dich das Wellenhaar:
was mich berückt, errat' ich nun leicht,
denn wonnig weidet mein Blick.

SIEGLINDE
schlägt ihm die Locken von der Stirn zurück und betrachtet ihn staunend
Wie dir die Stirn so offen steht,
der Adern Geäst in den Schläfen sich schlingt!
Mir zagt es vor der Wonne, die mich entzückt!
Ein Wunder will mich gemahnen:
den heut' zuerst ich erschaut,
mein Auge sah dich schon!

SIEGMUND
Ein Minnetraum gemahnt auch mich:
in heissem Sehnen sah ich dich schon!

SIEGLINDE
Im Bach erblickt' ich mein eigen Bild -
und jetzt gewahr' ich es wieder:
wie einst dem Teich es enttaucht,
bietest mein Bild mir nun du!

SIEGMUND
Du bist das Bild,
das ich in mir barg.

SIEGLINDE
den Blick schnell abwendend
O still! Lass mich der Stimme lauschen:
mich dünkt, ihren Klang
hört' ich als Kind.
aufgeregt
Doch nein! Ich hörte sie neulich,
als meiner Stimme Schall
mir widerhallte der Wald.

SIEGMUND
O lieblichste Laute,
denen ich lausche!

SIEGLINDE
ihm wieder in die Augen spähend
Deines Auges Glut erglänzte mir schon:
so blickte der Greis grüssend auf mich,
als der Traurigen Trost er gab.
An dem Blick erkannt' ihn sein Kind -
schon wollt' ich beim Namen ihn nennen!
Sie hält inne und fährt dann leise fort
Wehwalt heisst du fürwahr?

SIEGMUND
Nicht heiss' ich so, seit du mich liebst:
nun walt' ich der hehrsten Wonnen!

SIEGLINDE
Und Friedmund darfst du
froh dich nicht nennen?

SIEGMUND
Nenne mich du,
wie du liebst, dass ich heisse:
den Namen nehm' ich von dir!

SIEGLINDE
Doch nanntest du Wolfe den Vater?

SIEGMUND
Ein Wolf war er feigen Füchsen!
Doch dem so stolz strahlte das Auge,
wie, Herrliche, hehr dir es strahlt,
der war: - Wälse genannt.

SIEGLINDE
ausser sich
War Wälse dein Vater, und bist du ein Wälsung,
stiess er für dich sein Schwert in den Stamm,
so lass mich dich heissen, wie ich dich liebe:
Siegmund - so nenn' ich dich!

SIEGMUND
springt auf den Stamm zu und fasst den Schwertgriff
Siegmund heiss' ich und Siegmund bin ich!
Bezeug' es dies Schwert, das zaglos ich halte!
Wälse verhiess mir, in höchster Not
fänd' ich es einst: ich fass' es nun!
Heiligster Minne höchste Not,
sehnender Liebe sehrende Not
brennt mir hell in der Brust,
drängt zu Tat und Tod:
Notung! Notung! So nenn' ich dich, Schwert -
Notung! Notung! Neidlicher Stahl!
Zeig' deiner Schärfe schneidenden Zahn:
heraus aus der Scheide zu mir!
Er zieht mit einem gewaltigen Zuck das Schwert aus dem Stamme und zeigt es der von Staunen und Entzücken erfassten Sieglinde
Siegmund, den Wälsung, siehst du, Weib!
Als Brautgabe bringt er dies Schwert:
so freit er sich
die seligste Frau;
dem Feindeshaus entführt er dich so.
Fern von hier folge mir nun,
fort in des Lenzes lachendes Haus:
dort schützt dich Notung, das Schwert,
wenn Siegmund dir liebend erlag!

Er hat sie umfasst, um sie mit sich fortzuziehen

SIEGLINDE
reisst sich in höchster Trunkenheit von ihm los und stellt sich ihm gegenüber
Bist du Siegmund, den ich hier sehe,
Sieglinde bin ich, die dich ersehnt:
die eigne Schwester
gewannst du zu eins mit dem Schwert!

SIEGMUND
Braut und Schwester bist du dem Bruder -
so blühe denn, Wälsungen-Blut!

Er zieht sie mit wütender Glut an sich; sie sinkt mit einem Schrei an seine Brust. Der Vorhang fällt schnell


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© Maria Fujioka
最終更新:2019年12月13日 21:11