登場人物
カニオ(一座の座長、劇中劇ではパリアッチォ):テノール

ネッダ(女優、カニオの妻、劇中劇ではコロンビーナ):ソプラノ
トニオ(せむしの喜劇役者、劇中劇ではタデオ):バリトン

ペッペ(喜劇役者、劇中劇ではアーレキン):テノール

シルヴィオ(村の若者):バリトン
合唱(村の男女、子供たち)

場所:カラブリア州モンタルトの小村
時:1865~1870年の聖母昇天祭の祝日(8月15日)


前口上
(トニオが、劇中劇のタデオの服装をしてカーテンの間から、頭を突き出す)

トニオ
これは、(ト書:前へ出て来る)皆さん
(お辞儀をする)
ようこそ、お揃いで御越しを、
憚りながら、
(ト書:堂々と)先ず口上から。

出し物はおなじみの
道化芝居、皆様の
御好みによりまして
私めが、まかり出まして
御座りまする。

昔の芝居では、
舞台で流しまする涙は、
空涙、ほんの見せかけの
お笑い草。だが、ここに
ご覧に
入れまするは、
皆浮世の
生きた話。
演じまする
役者もまた
人の子、
人の子のまことの姿、

作者は我が
来し方を振返り、
悲しい思い出
まざまざと胸に浮べ、
その日の涙、
今更に袖ぬらす。

過ぎし日の出来事、
さてうたかたの人の心、恋の姿。
恋するものは我と我が身を
悲しきさだめに
駆り立てゆくを、
止むすべなし。

これぞ、まことの
迷える人の悲しき姿ぞ。
かりそめの夢にあらで、
あゝ我等とて
血潮たぎり
悩み知る身なるを、
なべてそら事にあらじ。

かゝる次第でござれば、
どうぞごゆるり御覧下され。
(内へ向って)
さあ、幕を開けろ。
(退場)



第一幕
(とある村の入口、二筋道の岐路で、上手には芝居小屋がある。幕が上ると、調子外れのトランペットと太鼓の音が聞えて来る。人々の笑い声や叫び声が段々近づいて来る。村人達が晴着を着て出て来る。トニオが下手から出て来るが、群衆に妨げられて、上手で小屋の前の階段を下す。)







第一景

子供たち
おうい!

合唱
来たよ。あそこへ
やって来た、
来たぞ。
パリアッチが、
さあ皆(みんな)早く、
見に行(ゆ)こうよ。
手をたたいて
やりましょう。
やって来た、ざあ早く、
行(ゆ)こうぜ。
難しい
顔して、
来たぞ。
あの顔つき
見てごらんよ。
御辞儀して
通るぞ。
太鼓をたたきなが
ら来るわ。
来たぞ。
あの騒ぎを聞け。

少年
(裏で)
おい、アーレキンがやって来るぞ。

合唱
帽子を投げて、

合唱
愉快そうに笑って

カニオ
(裏で)
さあ、さあ、おいで。

ペッペ
(裏で)
東西、東西。

合唱
面白そうだな。

合唱
帽子を投げて。

合唱
口笛を吹いて。

(少年達が下手から走り出て来る)

男達
車だよ。

合唱
いやよ、来たわよ。
おしては嫌よ。
押さないで。

男達
押すな…
押したら痛いな。
これはたまらぬ、たまらない。

(ペッペが、アーレキンの服装で、ネッダを乗せた派手な色の馬車をひいた、驢馬をひいて出て来る。後からカニオが、パリアッチォの服装で出て来る。群集は車のまわりに集る)

合唱
やあ、パリアッチォ、やあ、パリアッチォ、
道化の王様、我がパリアッチ!
万才、万才、万才、万才!
道化の王様、我がパリアッチ!
笑え、躍れ、我がパリアッチ!
万才、万才(別訳:来たぞ、来たぞ)!
皆(みんな)で愉快に!

合唱(女達、子供達)
笑え、笑え、皆(みんな)来て笑え。
御覧、あれを、すましたお辞儀
あの様子、皆(みんな)来て笑え。
御覧、あれを、すましたお辞儀。

合唱(男達)
騒げ、騒げ、皆(みんな)来て笑え。
何、あれを、すましたお辞儀
あの様子、皆(みんな)来て笑え。
何、あれを、すましたお辞儀。

合唱
ヴィヴァ、ヴィヴァ、さあパリアッチョ!

男達
皆(みんな)愉快に笑え、
皆(みんな)揃って、身にゆこう。
さあ早くゆこうよ、
笑いにゆこう。
ゆこう。さあ、パリアッチョ!

女達、子供達
おいで、ゆこう
さあ早くゆこうよ、
笑いにゆこう。
そら、パリアッチョ!
さあ、ゆこう、パリアッチョ!

合唱
ブラヴォ、ブラヴォ、ブラヴォ!
皆(みんな)でパリアッチォを見にゆこう。
早く、ブラヴォ!

カニオ
どうも、有難う。
では、

合唱
聞きましょうよ、聞きましょうよ。

カニオ
(太鼓をくり返し叩きながら)

さあ御立合。

合唱
わあ、たまらん! 始まるよ。静かに。

カニオ
(滑稽な身振りで挨拶する。)

東西、東西

合唱
アハハハ、
さあ、お黙りよ、
静にお聞きよ。

カニオ
お待ち兼ねのお芝居は、
八時半から始めまする。(ト書:滑稽なお辞儀をする)
演じまするは憐れなパリアッチォの
悲しい物語り、心(別訳:思い)乱れて
年老いたトニオの苦しみと
はかないネッダの幸せ
東西、東西、今夜は見逃さぬように
今夜八時半には、皆さんお揃いで。

合唱
今夜は皆(みんな)して、
出かけましょうよ。
八時半だよ。

カニオ
八時半に。

合唱
八時半だよ。
ゆこうぜ。

(カニオは車から飛降りる。トニオはネッダが車から降りるのを助けに前へ出て来る。カニオはそれを見て、トニオの耳の傍をなぐる)

カニオ
ほらよ。
(ネッダをの手をとって助け下す)

合唱
アハハ!

女達
(トニオに)
どうしたの。お馬鹿さん。

(ペッペは車を小屋の後へ引込む)

少年
(面白がってトニオに)
よう、色男。

(トニオは少年達に向って拳を振りまわすので、少年達は逃げてしまう。彼はぶつぶつ言いながら小屋の方へ行く。)


トニオ
(傍白)
今に見(て)ろ畜生め!(ト書:小屋の中へ入る)

(村人達が四五人カニオの方へ近づく)

村人一
(カニオに)
おい、すぐそこの
角でちょいと一杯やらないか。
どうだね。

カニオ
よし、行(ゆ)こう。

ペッペ
(現れる)

俺も行(ゆ)く、
待ってくれ。
(手にした鞭を小屋の前へほり出し、衣裳をかえる為に小屋へ入る)

カニオ
(小屋へ近づき呼ぶ)
おい、トニオ、行(ゆ)かないか。

トニオ
(裏から)
驢馬の手入れだ、
後から行(ゆ)く。

村人二
(ふざけて)
おい、パリアッチォ、
気をつけろ、あいつは
ネッダを口説くつもりだ。

カニオ
(苦笑いして)
え、そう思うかね。
(半ば真面目に、半ば皮肉に)
今の(別訳:その)様な冗談は、
ここではしない(別訳:言わない)で貰いたいな。
これは云(ゆ)うまでもないが、
あれは芝居のこしらえ事さ、
いや、全くこしらえ事さ。

芝居(別訳:舞台)では、パリアッチォが、
大事なその妻(別訳:女房)が
浮気するのを
見つけて痴話喧嘩
だがすぐに
逆に自分がなぐられて
客は腹をかゝえて、手をたゝく。

もしネッダが本当に俺を
裏切る様な事があれば
話はかわるぞ
今の(別訳:この)様な冗談は、
止めようじゃないか。

ネッダ
(傍白)
知って居るのかしら(別訳:どうしよう)。

村人達
お前は本気にして(い)るのかい、

カニオ
いや(別訳:え)、これはお恥しい、
大事な俺の女房だ。
(ネッダの所に行き、額に接吻する)

少年
(大声で)
楽隊だ。(ト書:下手へ走って行く)

村人達
楽隊だ、
賑かな事だな
さあ、もうそろそろ夕方の
お祈りの時間だぞ
鐘が鳴る。あゝ、行(ゆ)こう、
鐘が鳴る。御詣りに行(ゆ)こう。

カニオ
今夜八時半だ(よ)、
忘れないよう(に)。

(笑いながら居酒屋へ誘った村人に一寸待ってくれと合図して、小屋の裏へ入る)(バグパイプ吹きが村人達と入って来る)

村人(入って来た者に)
行(ゆ)こう、行こう、さあ、行こう、行こう。
ドン、ディン、ドン、ディン、…

女達
ディン、ドン、鐘が鳴る。
早く行(ゆ)こう、ドン、ディン。
皆(みんな)揃って行(ゆ)くよ、
ディン、ドン、とてもきれいな
夕焼よ。
お母さんに見つからぬ
ようにして。

男達
ディン、ドン、俺達の
季節だよ、
年寄は皆(みんな)
ひがんでるぞ。

女達
母さんが見てるよ
気をおつけ、
皆(みんな)が見てるよ
気をおつけ。

男達
皆(みんな)が見てるぞ
気をつけろ、
年寄のひがみだよ、
気にするな。

女達
ディン、ドン、鐘が鳴るよ、
今は私らの楽しい時よ、あゝ。

男達
今はおいらの時だ、
お袋に気をつけろ(別訳:お袋達が見てるぞ)、あゝ。

女達
ディン、ドン、鐘が鳴る。
早く行(ゆ)こう、ディン、ドン、あゝ。

(村人達退場、裏から)

(この間に、カニオは着物を着かえ、ネッダに微笑みかけて、ペッペや村人達と去る。ネッダ一人残る)


第二景

ネッダ
(考え込んで)
あの人の目を(別訳:さっきの目つきは)、
私はまともに見られな
かった。何故か(別訳:何だか)こわくて
あゝ、もし知ったら
どうなる事だろう、
馬鹿な事だわ、
私(あたし)今日はどうかしてるわ、
まあ、何てきれいな朝でしょう。
生きている事は、
すばらしい事だわ、だのに私(あたし)は
どうしてこんなに。

(空を見あげて)
おゝ、小鳥が唱いながら
飛んでいるわ、
あんなに高く、何を
あんなに楽しそうにうたえる(別訳:うたう)のかしら、
ママが何時(で)も
歌ってくれたわ、小鳥の様に、
あゝ、あゝ!

歌え小鳥、好きなように、
翼をひろげ、舞いうたえ、
黄金(こがね)の光、身に浴びて
青空を 筋違に(別訳:かけてゆけ、かけて歌え)、
行(ゆ)け 空高く、思うまゝに、
青空(を)きり、雲間をかけよ、
そよ風に 翼を浮べて、
いや高く舞い歌え、
風吹けど、嵐猛る(と)も、
恐れるな(別訳:恐れずに)、強き(別訳:たけき)翼
はばたかせ、舞いあがれ(別訳:突き進め)、
突き進め(別訳:舞いあがれ)、行(ゆ)け大空、
行く手は見知らぬ国よ、
憧れの夢の島、
青空の身も軽(かろ)き
さすらい人よ、行(ゆ)け青空高く(別訳:ゆけ青空ゆけ)。

(歌の間にトニオが小屋の裏から出て来て、傍の木に寄かゝって聞いている)
(ネッダは向うへ行きかけて彼を見つける)

ネッダ
おや、皆(みんな)と一緒に行ったんじゃないの。

トニオ
とても綺麗な声だ。
あまり素晴しいのでつい聞いていた。

ネッダ
(冷笑して)
まあ、お世辞がいゝわね。

トニオ
本当だ、ネッダ。

ネッダ
さあ、行っておいで。

トニオ
俺は片輪だ、醜い姿、
皆(みんな)俺を馬鹿にして笑う。
だが俺にも夢もあれば、
悩みもある。
お前は俺を馬鹿にするが、
この苦しみを知りはすまい、
嫌われても俺は一人、
この思いを、胸に抱き
(彼女に近づきながら)
あゝ、聞いてくれ、ネッダ、俺は。

ネッダ
(妨ぎって)
お前が? ハハハ
その話しなら、今夜聞きましょう。

トニオ
ネッダ。

ネッダ
今夜。
今夜舞台の上で(ト書:指さす)
ほらあそこで、

トニオ
待ってくれ。

ネッダ
えゝ、今夜。
きっと受けるわよ、それは、ハハハ

トニオ
お前は知らぬ、
この苦しさを。
笑わないで、おゝネッダ、
俺の胸は破れそうだ。

ネッダ
これは驚いた。

トニオ(悲しそうに)
ネッダ

ネッダ
ハハ、

トニオ
ネッダ!

ネッダ
面白いお芝居だわ。

トニオ
おい、待って、今暫く
話を聞いてくれ、
俺はこんなにお前が
好きだ。お前が欲しい、
お前は俺の物だ。

ネッダ
(真面目に、横柄に)
まあ、これはマエストロ、トニオ、
背中をぶたれたいのかい、
それともその耳を、
撲られたいのかい。

トニオ
これほど言っても、
お前は俺を、
おい、為にならんぞ。

ネッダ
おどかすのかい、あの人を呼ぶよ。

トニオ
(彼女に近づいて)
その唇を。

ネッダ
(後ずさりして)
おやめ。

トニオ
(近寄って抱こうとする)
いや、どうしても

ネッダ
(鞭を見つけて、それでトニオの顔をうつ)


あっちへ行(ゆ)け。

トニオ
(叫び声をあげて逃げて行く)
神かけて俺は誓う、ネッダ、
今に見ていろよ。
(おどかしながら下手へ退場)

ネッダ
(身動きもせず後を見送る)
けだものめ、とうとう
牙を見せたね、
せむしのくせに、
根性も
背中の様に曲って、
いやらしい。


第三景

シルヴィオ
(壁から顔を出して)

ネッダ!

ネッダ
シルヴィオ、人が見るわ、
乱暴ね。

シルヴィオ
(壁の上へ飛び上り、微笑みながら)
何(別訳:大丈夫さ)、
今頃は皆(みんな)御機嫌さ、
カニオもペッペもえらい景気で
聞(きこ)し召していたよ。
それを見て、こっそり
抜け出して来た(の)さ。

ネッダ
ついいままで、
トニオがいたんだよ。

シルヴィオ
(笑いながら)
おゝ、トニオの馬鹿か。

ネッダ
馬鹿でも私(あたし)怖いわ、
あいつ、私(あたし)が好きだと、
いやらしい、けだもの、
私(あた)しを
追いまわして

シルヴィオ
畜生!

ネッダ
でもあたしが、
なぐってやったら、
あいつは逃げて行った。

シルヴィオ(やさしくネッダに近づいて)
今の暮しを続けるつもりか、
ネッダ、ネッダ、
お前次第だ。
ネッダ、ネッダ、明日は(別訳:今夜で)
祭りは終り、
皆(みんな)は出かける。
ネッダ、ネッダ、
どうしてもお前が行(ゆ)くなら、
俺は後一人で
どうしたらいゝのだ。

ネッダ
(心を動かされて)
シルヴィオ!

シルヴィオ
ネッダ、ネッダ、お願いだ。、
もし本当にあの男を(別訳:あの男が)、
愛していないなら(別訳:いやなのならば)、
あの(この)暮しがいやなのなら、
俺と逃げよう、
どこかへ行(ゆ)こう、
ネッダ、今夜(別訳:今夜すぐ)こゝを
抜けだして。

ネッダ
お前は、
私(あたし)をいじめるの、
ねえ、シルヴィオ、もう
言(ゆ)うのは止(や)めて、
私(あたし)は何時も
あなたのものよ、
だけどもうおそいわ、
どうにもならないわ。
<通常カット>














ネッダ
いえ、駄目、出来ない、
それは駄目、私は出来ない(別訳:今ではおそいわ)。

シルヴィオ
<通常カット>



何故、行(ゆ)こう、
あゝ、二人でさあ行こう。
(ネッダ思い切って拒む。トニオが後からのぞく)

シルヴィオ
そうか、分ったぞ。

トニオ(怒って)
あゝ、今に見ていろ。
(退場)

ネッダ
そんな!

シルヴィオ
いやなのか!

ネッダ
あんまりだわ。

シルヴィオ
では何故逃げないのか。
(彼女を動かそうとして)
今になって捨てるなら、
何故あんなにしてくれた、
その赤い唇や、
あのやさしい言葉で
俺を喜ばせたのだ。
お前は忘れても、
俺には忘れられぬ、
忘られぬ、どうしても。

ネッダ
(弱々しく)
私(あたし)も忘れられないわ。
あの時のあまい口づけを、
私(あたし)(は)何時でもお前のもの、
お前だけが私(あたし)の生命(いのち)、
あゝ、お前がそういうなら(別訳:望むならば)、
どんな事でも私(あたし)はするわ、
嬉しいわ、私(あたし)は、
この目を見てよ、この目を、
何時迄も
離れないわ(別訳:離さないわ)。

シルヴィオ
嬉しいな(別訳:何時迄も)、何時迄も。
お前を離しは
しないよ、何時迄も。
お前を離さないよ。
おいで。

ネッダ
えゝ、抱いて(ト書:抱擁する)
え、何時もお前
のものよ。

シルヴィオ
何時迄も俺
のものだ。(ト書:また抱く)


第四景
(トニオとカニオが、三叉路から出て来る。)



トニオ
(カニオを手で制して)
静かにしろ、あそこにいるぞ。

(二人は注意深く前に出るが、まだシルヴィオの姿は見えない)

シルヴィオ
(壁へ上りながら)

真夜中にこの下で待ってるぞ。(ト書:飛び越えて)
気をつけてな、もう少しの辛棒だ。(ト書:壁の向うへかくれる)

ネッダ
(シルヴィオに)
今夜から私はお前のものだわ(別訳:ものよ)。

カニオ
(これを聞きつけて、叫び声をあげる)
あゝ!

ネッダ
(振返ってカニオを見つけ塀越しに呼びかける)
来たわ。

(カニオは塀の方へ突進する、ネッダはそれをとめ様として、しばらく揉み合うが、彼はそれをつきのけて塀を飛び越える。ネッダは向う側の様子に耳を傾ける。トニオは下手にそのまゝ残っている)



ネッダ
うまく逃げ(られ)ますように。

カニオ
(裏で)
畜生め、何処へ逃げた。

トニオ
(皮肉に)
ハハハハ。

ネッダ
(トニオの方を向いて)

ブラヴォ(別訳:お前)、やったね、トニオ。

トニオ
まあ待ってくれ。

ネッダ
多分そんな事だろう(と)。

トニオ(遮ぎって)
そのうちにもっとうまくやっつけるよ(別訳:やるよ)。

ネッダ
何ていやなやつ。

トニオ
何とこれは愉快なことだ。
(カニオが塀を飛び越えて帰って来、顔をハンカチでふく)



カニオ
(かんかんに怒って)
鼠野郎め、
何てすばしこい野郎だ、あいつは。
おいネッダ、今の若僧は何処の野郎だ。

ネッダ
(とぼけて)
誰?

カニオ(興奮して)
何、おいとぼけるな。
(腰の短剣を抜き)
その細首を
一突すれば、
貴様はこの世に
おさらばだが、
その前に聞いておくが、
あの男は 誰だ。

ネッダ
いくらわめいても
それは言えないよ。

カニオ
(わめきながら)
売女(ばいた)め、どうでも
言わぬつもりか。

(ペッペが下手から登場)

ネッダ
そうよ、死んでも言わないよ。

カニオ
何、畜生め(別訳:なにぬかした)

(ネッダの方へ行くが、ペッペはこれを引きもどし短剣を奪い取る)


ペッペ
待て、今は俺に委せろ、
もうすぐ皆(みんな)が、
俺達を見にやって来る、
さあ 支度をしよう。

カニオ
(争いながら)
ペッペ、離せ、
誰だあれは。

ペッペ
トニオ、手をかせ。

カニオ
離せ。

ペッペ
もうすぐ皆(みん)が来る、
(トニオはカニオの手を取り、下手の方に連れて行く)


ペッペ
後で話そう。
(ト書:ネッダに)お前もいそいで
着がえをしろ。
いゝな、カニオ、落着いてやれよ。
(彼女を小屋の方へ押しやりながら)

カニオ
(頭をかゝえて)
あんまりだ、あんまりだ。

(ペッペはネッダと小屋へ入る)

トニオ
(カニオに)
親方、何れあいつは
こゝへやって来る。俺が必ず
見つけ出してやるよ。

トニオ
先ず今はとにかく芝居だ。
必ず俺があの野郎を
見つけてやるよ。
さあ今は元気で芝居だ(よ)。
(小屋の方へ行く)

ペッペ
(出て来る)
親方、時間だ。急いで衣裳だ。
(ト書:トニオに)お前は太鼓をうて、トニオ。

(二人で小屋をまわって退場)

カニオ
芝居か、狂気(きちがい)になりそうだ。
俺はどうすれば いゝのだろう。
だが芝居だ(別訳:だが、やるのだ)、さあ やれ、
馬鹿め、お前(は)男か、
お前はパリアッチォ(別訳:道化だ)。(ト書:絶望的に頭を抱える)

衣裳を着ろ(別訳:さあ支度だ)、顔を塗る(別訳:する)のだ。
お前を見て笑いに来るのだ(別訳:お前を見にみんなは来るのだ)。
大事な女房をとられても、
笑え、パリアッチォ、皆(みんな)(別訳:見ろ)笑ってるぞ、
どうせお前はただの道化さ、
泣け笑え、お前は道化だ、
あゝ、笑えパリアッチォ、お前の女房(別訳:妻)が、
逃て行(ゆ)く、さあ笑え、笑え。

(ゆっくり泣きながら小屋の方へ行き、丁度舞台のカーテンの所へ来た時、恰も入り度くないかの様に、急に引き返す。やがて又泣き出して静かに小屋に入る)
Personaggi
CANIO (nella commedia Pagliaccio) capo della compagnia (Tenore)
NEDDA (nella commedia Colombina) attrice da fiera, moglié di Canio (Soprano)
TONIO, lo sceno (nella commedia Taddeo) commediante (Baritono)
PEPPO (nella commedia Arlecchino) commediante (Tenore)
SILVIO, campagnuolo (Baritono)
CORO Contadini, Contadine e Ragazzi, ecc.

La scena si passa in Calabria presso Montalto
Il giorno della festa di Mezzagosto
Epoca fra il 1865 e il 1870

PROLOGO
Tonio, in costume da Taddeo come nella commedia, passando attraverso al telone

TONIO
Si può?… Si può?…
poi salutando
Signore! Signori!… Scusatemi
se da sol mi presento.
Io sono il Prologo:

Poiché in iscena ancor
le antiche maschere mette l'autore,
in parte ei vuol riprendere
le vecchie usanze, e a voi
di nuovo inviami.

Ma non per dirvi come pria:
«Le lacrime che noi versiam son false!
Degli spasimi e de' nostri martir
non allarmatevi!» No! No:
L'autore ha cercato
invece pingervi
uno squarcio di vita.
Egli ha per massima sol
che l'artista è un uom
e che per gli uomini
scrivere ei deve.
Ed al vero ispiravasi.

Un nido di memorie
in fondo a l'anima
cantava un giorno,
ed ei con vere lacrime scrisse,
e i singhiozzi
il tempo gli battevano!

Dunque, vedrete amar
sì come s'amano gli esseri umani;
vedrete de l'odio i tristi frutti.
Del dolor gli spasimi,
urli di rabbia, udrete,
e risa ciniche!

E voi, piuttosto
che le nostre povere gabbane d'istrioni,
le nostr'anime considerate,
poiché siam uomini
di carne e d'ossa,
e che di quest'orfano mondo
al pari di voi spiriamo l'aere!

Il concetto vi dissi…
Or ascoltate com'egli è svolto.
gridando verso la scena
Andiam. Incominciate!
Rientra e la tela si leva.



ATTO PRIMO
La scena rappresenta un bivio di strada in compagna, all'entrata di un villagio. La destra occupata obliquamente da un teatro di fiera. All'alzarsi della tela si sen ono squilli di tromba stonata alternantisi con dei colpi di cassa, ed insieme risa e, gridaallegre, fischi di monelli e vociare che vanno appressandosi. Attirati dal suono e dal frastuono i contadini di ambo i sessi, in abito accorrono a frotte dal viale, mentre Tonio il gobbo, va a guardare verso la strada da festa,a sinistra, poi, annoiato dalla folla che arriva, si sdraia, dinanzi al teatro.

SCENA I

RAGAZZI
Eh!

CORO di CONTADINI e CONTADINE
Son qua! Ritornano…
Ritornano…
Son qua!
Pagliaccio è là!
Tutti lo seguono,
grandi e ragazzi,
ai motti, ai lazzi
applaude ognun.
Ritornano, ritornano
applaude ognun.
Ed egli serio
Ed egli serio
Son qua!
Ed egli serio
saluta e passa
saluta e passa
saluta e passa
e torna a battere sulla
gran cassa.
Son qua!
Gia fra le strida I monelli.

RAGAZZI
di dentro
Ehi, sferza l'asino, bravo Arlecchino!

CONTADINI
In aria gittano…

CONTADINE
In aria gittano i cappelli!

CANIO
di dentro
Itene al diavolo!

PEPPE
di dentro
To! To! birichino!

CONTADINI
gittano in aria i cappelli!

CONTADINI
I lor cappelli diggià.

CONTADINE
fra strida e sibili diggià.



CONTADINI
Ecco il carreto…

CONTADINE, RAGAZZI
Indietro… Arrivano…
Arrivano…Indietro…
Indietro…Indietro!

CONTADINI
Indietro…
Arrivano…Indietro…
Che diavolerio! Dio benedetto!





LA FOLLA
Viva Pagliaccio, viva Pagliaccio,
Evviva! il principe se' dei pagliacci!
Evviva! Evviva! Evviva! Evviva!
Evviva! il principe se' dei pagliacci!
I guai discacci tu co'l lieto umore!
Evviva! Evviva!
Tu scacci iI guai co'l lieto umor!

CONTADINE, RAGAZZI
Ognun, Ognun applaude a' motti, ai lazzi…
Ed ei, ed ei serio saluta e passa…
Ognun, Ognun applaude a' motti, ai lazzi…
Ed ei, ed ei serio saluta e passa…

CONTADINI
Ognun, Ognun applaude a' motti, ai lazzi…
Ed ei, ed ei serio saluta e passa…
Ognun, Ognun applaude a' motti, ai lazzi…
Ed ei, ed ei serio saluta e passa…

LA FOLLA
Viva! Viva! Viva Pagliaccio!

CONTADINI
Ai motti, ai lazzi applaude ognun.
Che diavolerio! Dio benedetto!
Applaude ognun ai lazzi ,
Applaude ognun, ognun!
Viva! Viva! Evviva!

CONTADINE, RAGAZZI
Ognun, ognun
Applaude ognun ai lazzi ,
Applaude ognun, ognun!
Viva Pagliaccio!
Viva! Viva Pagliaccio!

LA FOLLA
Viva! Viva! Viva!
Evviva Pagliaccio, t'applaude ognun!
Evviva! Bravo!

CANIO
Grazie! Grazie!
Vorrei…

LA FOLLA
E lo spettacolo? E lo spettacolo?

CANIO
picchiando forte e ripetutamente sulla cassa per dominar le voci
Signori miei!

LA FOLLA
Uh! ci assorda! Finiscila! Finiscila!

CANIO
affettando cortesia e togliendosi il berretto con un gesto comico
Mi accordan di parlar?

LA FOLLA
Ah! ah! ah! ah! ah! ah!
Con lui si dee cedere,
tacere ed ascoltar!

CANIO
Un grande spettacolo a ventitré ore
prepara il vostr'umile e buon servitore!
Vedrete le smanie del bravo Pagliaccio;
e com'ei si vendica e tende un bel laccio…
Vedrete di Tonio tremar la carcassa,
e quale matassa d'intrighi ordirà.
Venite, onorateci signori e signore.
A ventitré ore! A ventitré ore!

LA FOLLA
Verremo, e tu serbaci
il tuo buon umore.
A ventitré ore!

CANIO
A ventitré ore!

LA FOLLA
A ventitré ore!
Verremo!

Tonio si avanza per aiutar Nedda a discendere dal carretto, ma Canio, che è già saltato giù, gli dà un ceffone dicendo.

CANIO
Via di lì!
Poi prende fra le braccia Nedda e la depone a terra.

LA FOLLA
Ah! ah! ah!

CONTADINE
ridendo, a Tonio
Prendi questo, bel galante!



RAGAZZI
fischiando
Con salute!

Tonio mostra il pugno ai monelli che scappano, poi si allontana brontolando e scompare sotto la tenda a destra del teatro.

TONIO
a parte
La pagherai! brigante!



UN CONTADINO
a Canio
Di', con noi vuoi bevere
un buon bicchiere sulla crocevia?
Di', vuoi tu?

CANIO
Con piacere.

PEPPE
ricompare di dietro al teatro; getta la frusta, che ha ancora in mano, dinanzi alla scena e dice
Aspettatemi…
Anch'io ci sto!
Poi entra dall'altro lato del teatro per cambian costume.


CANIO
gridando verso il fondo
Di', Tonio, vieni via?

TONIO
di dentro
Io netto il somarello.
Precedetemi.

UN ALTRO CONTADINO
ridendo
Bada, Pagliaccio,
ei solo vuol restare
per far la corte a Nedda!

CANIO
ghignando, ma con cipiglio
Eh! Eh! Vi pare?

Un tal gioco, credetemi,
è meglio non giocarlo con me, miei cari;
e a Tonio… e un poco a tutti or parlo!
Il teatro e la vita non son la stessa cosa;
no… non son la stessa cosa!!…

E se lassù Pagliaccio
sorprende la sua sposa
col bel galante in camera,
fa un comico sermone,
Poi si calma
od arrendesi ai colpi di bastone!…
Ed il pubblico applaude, ridendo allegramente!

Ma se Nedda sul serio sorprendessi…
altramente finirebbe la storia,
com'è ver che vi parlo!…
Un tal gioco, credetemi,…
è meglio non giocarlo!

NEDDA
a parte
Confusa io son!

CONTADINI
Sul serio pigli dunque la cosa?

CANIO
Io!?… Vi pare!! Scusatemi!…
Adoro la mia sposa!
Va a baciar Nedda in fronte.

MONELLI
gridando
I zampognari!

CONTADINI e CONTADINE
I zampognari!
Verso la chiesa vanno i compari.
Essi accompagnano la comitiva
che a coppie al vespero sen va giuliva.
Le campane… Ah! Andiam.
La campana ci appella al Signore!

CANIO
Ma poi… ricordatevi!
A ventitré ore!





CONTADINI e CONTADINE
Andiam! Andiam! Andiam, andiam, andiam!
Don, din don, din don, etc.


Din don, suona vespero,
ragazze e garzon, din don!
A coppie al tempio ci affrettiam!
Din don, diggià i culmini
il sol vuol baciar.
Le mamme ci adocchiano,
attenti, compar!


Din don, tutto irradiasi
di luce e d'amor!
Ma i vecchi sorvegliano
gli arditi amador!


Le mamme ci adocchiano,
attenti, compar!
Le mamme ci adocchiano,
attenti, compar!


I vecchi sorvegliano
gli arditi amador!
Già tutto s'irradia, s'irradia
di luce e d'amor!


Din don, suona vespero,
e tutto irradiasi di luce e amore e amor! Ah!


già tutto irradiasi di luce e amor!
Le mamme adocchiano già gliamador! Ah!


Din don, suona vespero,
ragazze e garzon, din don, Ah!







SCENA SECONDA

NEDDA
pensierosa
Qual fiamma avea nel guardo!
Gli occhi abbassai per tema ch'ei leggesse
il mio pensier segreto!
Oh! s'ei mi sorprendesse…
bruttale come egli è!
Ma basti, orvia.
Son questi sogni paurosi e fole!
O che bel sole di mezz'agosto!
Io son piena di vita,
e, tutta illanguidita per arcano desìo,
non so che bramo!

guardando in cielo
Oh! che volo d'augelli,
e quante strida!
Che chiedon? dove van? chissà!
La mamma mia, che la buona ventura annunziava,
comprendeva il lor canto
e a me bambina così cantava:
Hui! Hui!

Stridono lassù, liberamente
lanciati a vol, a vol come frecce, gli augel.
Disfidano le nubi e'l sol cocente,
e vanno, e vanno per le vie del ciel.
Lasciateli vagar per l'atmosfera,
questi assetati d'azzurro e di splendor:
seguono anch'essi un sogno, una chimera,
e vanno, e vanno fra le nubi d'or!
Che incalzi il vento e latri la tempesta,
con l'ali aperte san tutto sfidar;
la pioggia i lampi, nulla mai li arresta,
e vanno, e vanno sugli abissi e i mar.
Vanno laggiù verso un paese strano
che sognan forse e che cercano in van.
Ma i boèmi del ciel, seguon l'arcano poter
che li sospinge… e van! e van! e van! e van!

Tonio durante la canzone sarà uscito di dietro al teatro e sarà ito ad appoggiarsi all'albero, ascoltando beato.
Nedda, finito il canto, fa per rientrare e lo scorge.

NEDDA
Sei là? credea che te ne fossi andato!

TONIO
È colpa del tuo canto.
Affascinato io mi beava!

NEDDA
ridendo con scherno
Ah! ah! Quanta poesia!…

TONIO
Non rider, Nedda!

NEDDA
Va, va all'osteria!

TONIO
So ben che difforme, contorto son io;
che desto soltanto lo scherno e l'orror.
Eppure ha'l pensiero un sogno, un desio,
e un palpito il cor!
Allor che sdegnosa mi passi d'accanto,
non sai tu che pianto mi spreme il dolor!
Perché, mio malgrado, subito ho l'incanto,
m'ha vinto l'amor! m'ha vinto l'amor!
appressandosi
Oh! lasciami, lasciami or dirti…

NEDDA
interrompendolo e beffeggiandolo
che m'ami? Ah! ah! ah!
Hai tempo a ridirmelo stasera, se brami!

TONIO
Nedda!

NEDDA
Stasera!
Facendo le smorfie colà,
colà, sulla scena!

TONIO
Non rider, Nedda!

NEDDA
Hai tempo
Facendo le smorfie colà! Ah! ah! ah! ah!

TONIO
Non sai tu che pianto
mi spreme il dolore!
Non rider, no! Non rider!
Subito ho l'incanto, m'ha vinto l'amor!

NEDDA
Per ora tal pena…

TONIO
Nedda!

NEDDA
Ah! ah!

TONIO
Nedda!

NEDDA
Tal pena ti puoi risparmiar!

TONIO
No, è qui che voglio dirtelo,
è qui che voglio dirtelo,
e tu m'ascolterai,
che t'amo e ti desidero,
e che tu mia sarai!

NEDDA
seria ed insolente
Eh! dite, mastro Tonio!
La schiena oggi vi prude,
o una tirata d'orecchi
è necessaria al vostro ardor?!

TONIO
Ti beffi?! Sciagurata!
Per la croce di Dio!
Bada che puoi pagarla cara!!

NEDDA
Minacci? Vuoi che vada a chiamar Canio?

TONIO
muovendo verso di lei
Non prima ch'io ti baci!

NEDDA
retrocedendo
Bada!

TONIO
S'avanza ancora aprendo le braccia per ghermirla
Oh, tosto sarai mia!

NEDDA
Sale retrocedendo verso il teatrino, vede la frusta lasciata da Peppe, l'afferra e dà un colpo in faccia a Tonio, dicendo.
Miserabile!

TONIO
Dà un urlo e retrocede.
Per la Vergin pia di mezz'agosto, Nedda,
giuro… me la pagherai!
Esce minacciando dalla sinistra

NEDDA
immobile guardandolo allontanarsi
Aspide! Va!
Ti sei svelato ormai…
Tonio lo scemo!
Hai l'animo
siccome il corpo tuo diforme…
lurido!…


SCENA TERZA

SILVIO
sporgendo la metà dei corpo arrampicandosi dal muretto a destra, e chiama a bassa voce
Nedda!

NEDDA
Silvio! a quest'ora…
che imprudenza!

SILVIO
saltando allegramente e venendo verso di lui
Ah bah!
Sapea ch'io non rischiavo nulla.
Canio e Peppe da lunge a la taverna,
a la taverna ho scorto!…
Ma prudente pe la macchia
a me nota qui ne venni.

NEDDA
E ancora un poco
in Tonio t'imbattevi!

SILVIO
ridendo
Oh! Tonio il gobbo!

NEDDA
Il gobbo è da temersi!
M'ama… Ora qui mel disse…
e nel bestial delirio suo,
baci chiedendo,
ardia correr su me!

SILVIO
Per Dio!

NEDDA
Ma con la frusta
del cane immondo
la foga calmai!

SILVIO
E fra quest'ansie in eterno vivrai?!
Nedda! Nedda!
Decidi il mio destin,
Nedda! Nedda, rimani!
Tu il sai, la festa ha fin
e parte ognun domani.
Nedda! Nedda!
E quando tu di qui sarai partita,
che addiverrà di me…
della mia vita?!

NEDDA
commossa
Silvio!

SILVIO
Nedda, Nedda, rispondimi:
s'è ver che Canio non amasti mai,
S'è ver che t'è in odio
il ramingar e'l mestier che tu fai,
se l'immenso amor tuo
una fola non è
questa notte partiam!
fuggi, fuggi con me!

NEDDA
Non mi tentar!
Vuoi tu perder la vita mia?
Taci Silvio, non più…
È deliro, è follìa!
Io mi confido a te,
a te cui diedi il cor!
Non abusar di me,
del mio febbrile amor!
Non mi tentar! Non mi tentar!
Pietà di me! Non mi tentar, non mi tentar!

Non mi tentar!
E poi… Chissà!… meglio è partir.
Sta il destin contro noi,
è vano il nostro dir!
Eppure dal mio cor
strapparti non poss'io,
vivrò sol de l'amor
ch'hai destato al cor mio!

SILVIO
Ah! Nedda! fuggiam!

NEDDA
Non mi tentar! Non mi tentar!
Pietà di me! Non mi tentar, non mi tentar!

SILVIO
Nedda rimani!…
Che mai sarà per me
quando sarai partita?
Riman! Nedda! Fuggiam!
Deh vien! Deh vien!
Ah! fuggi con me! Deh vien!
Tonio appare dal fondo a sinistra.

SILVIO
No, più non m'ami!

TONIO
Ah! T'ho colta, sgualdrina!
Fugge dal sentiero minacciando.

NEDDA
Che!

SILVIO
Più non m'ami!

NEDDA
Sì, t'amo! t'amo!

SILVIO
E parti domattina?
amorosamente, cercando ammaliarla
E allor perché, di', tu m'hai stregato
se vuoi lasciarmi senza pietà?!
Quel bacio tuo perché me l'hai dato
fra spasmi ardenti di voluttà?!
Se tu scordasti l'ore fugaci,
io non lo posso, e voglio ancor,
que' spasmi ardenti, que' caldi baci,
che tanta febbre m'han messo in cor!

NEDDA
vinta e smarrita
Nulla scordai… sconvolta e turbata
m'ha questo amor che ne'l guardo ti villa!
Viver voglio a te avvinta, affascinata,
una vita d'amor calma e tranquilla!
A te mi dono; su me solo impera.
Ed io ti prendo e m'abbandono intera!
Tutto scordiam! Tutto scordiam!
Negli occhi mi guarda! mi guarda!
Baciami, baciami!
Tutto scordiamo!

SILVIO
Tutto scordiam! Tutto scordiam!
Tutto, tutto scordiam!
Ti guardo, ti bacio!
Tutto, tutto scordiamo!
Verrai?

NEDDA
Si… Baciami!
Si, mi guarda e mi bacia!
T'amo, t'amo.

SILVIO
Si, ti guardo e ti bacio!
T'amo, t'amo.


SCENA QUARTA
Mentre Silvio e Nedda s'avviano parlando verso il muricciuolo, arrivano, camminando furtivamente dalla scorciatoia, Canio e Tonio.

TONIO
ritenendo Canio
Cammina adagio e li sorprenderai!




SILVIO
che ha già la metà del corpo dall'altro lato ritenendosi al muro
Ad alta notte laggiù mi terrò.
Cauta discendi e mi ritroverai.


NEDDA
a Silvio che sarà scomparso di sotto
A stanotte e per sempre tua sarò.

CANIO
che dal punto ove si trova ode queste parole, dà un urlo
Ah!

NEDDA
si volge spaventata e grida verso il muro
Fuggi!

D'un balzo Canio arriva anch'esso al muro; Nedda gli si para dinante, ma dopo breve lotta egli la spinge da un canto, scavalca il muro e scompare. Tonio resta a sinistra guardando Nedda, che come inchiodata presso il muro cerca sentire se si ode rumore di lotta mormorando.

NEDDA
Aitalo, Signor!

CANIO
di dentro
Vile! t'ascondi!

TONIO
ridendo cinicamente
Ah! ah! ah!

NEDDA
al riso di Tonio si è voltata e dice con disprezzo fissandolo
Bravo! Bravo il mio Tonio!

TONIO
Fo quel che posso!

NEDDA
È quello che pensavo!

TONIO
Ma di far assai meglio no dispero!

NEDDA
Mi fai schifo e ribrezzo!

TONIO
Oh non sai come lieto ne son!
Canio, intanta scavalca di nuovo il muro e ritorna in scena pallido, asciugando il sudore con un fazzoletto di colore oscuro.

CANIO
con rabbia concentrata
Derisione e scherno!
Nulla! Ei ben lo conosce quel sentier.
Fa lo stesso; poiché del drudo il nome or mi dirai.

NEDDA
volgendosi turbata
Chi?

CANIO
Tu, pel padre eterno!…
cavando dalla cinta lo stiletto
E se in questo momento
qui scannata non t'ho già
gli è perché pria di lordarla
nel tuo fetido sangue,
o svergognata, codesta lama,
io vo' il suo nome!… Parla!!

NEDDA
Vano è l'insulto.
È muto il labbro mio.

CANIO
urlando
Il nome, il nome,
non tardare, o donna!



NEDDA
No! No, nol dirò giammai!

CANIO
Per la madonna!

Peppe, che sarà entrato dalla sinistra, sulla risposta di Nedda corre a Canio e gli strappa il pugnale che getta via tra gli alberi.

PEPPE
Padron! che fate! Per l'amor di Dio!
La gente esce di chiesa
e a lo spettacolo qui muove!…
Andiamo… via, calmatevi!…

CANIO
dibattendosi
Lasciami Peppe!
Il nome! Il nome!

PEPPE
Tonio, vieni a tenerlo!

CANIO
Il nome!

PEPPE
Andiamo, arriva il pubblico!
Tonio prende Canio per la mano mentre Peppe si volge a Nedda.

PEPPE
Vi spiegherete!
E voi di lì tiratevi
Andatevi a vestir…
Sapete… Canio è violento, ma buon!
Spinge Nedda sotto la tenda e scompare con essa.

CANIO
stringendo il capo fra le mani
Infamia! Infamia!



TONIO
piano a Canio, spingendolo sul davanti della scena
Calmatevi padrone…
È meglio fingere; il ganzo tornerà.
Di me fidatevi!

TONIO
Io la sorveglio. Ora facciam la recita.
Chissà ch'egli non venga a lo spettacolo
e si tradisca!
Or via. Bisogna fingere per riuscir!


PEPPE
uscendo dalle scene
Andiamo, via, vestitevi padrone.
E tu batti la cassa, Tonio!



CANIO
Recitar! Mentre presso dal delirio
non so più quel che dico e quel che faccio!
Eppur è d'uopo… sforzati!
Bah! sei tu forse un uom?
Tu se' Pagliaccio!


Vesti la giubba e la faccia infarina.

La gente paga e rider vuole qua.

E se Arlecchin t'invola Colombina,
ridi, Pagliaccio… e ognun applaudirà!

Tramuta in lazzi lo spasmo ed il pianto;
in una smorfia il singhiozzo e'l dolor…
Ridi, Pagliaccio, sul tuo amore in franto!
Ridi del duol t'avvelena il cor!

Entra commosso sotto la tenda, mentre la tela cade lentamente.


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© Asahina Takashi
最終更新:2022年05月27日 18:03