第3幕

(地中のドーム。舞台を斜めに横切る厚い壁で、二つの部屋に仕切られている。右の部屋にはバラクが、暗い物思いにふけりつつ固い石の上に座っているのが見える。左手には髪を乱したバラクの妻が、涙にかきくれている。
二人は互いのことに気付いていないし、互いの声も聞こえない。バラクの妻は、びくっと身震いする)

(オーケストラは、第1幕における「生まれていない子供たちの声」の音楽を演奏する)

<バラクの妻>
そんな声を、立てないで!
あたしは、しなかったのよ!

バラク、あなた、
ああ、あたしの声を聞いて!
死ぬ前に一度でいいから、
あたしを信じてほしいの!

あたしは、あなたを捨てようとした。
ああ、ほんとうは今まで一度も
あなたを見たことがなかったの!
あなたを忘れようとしたわ。
あなたの目の前から去ろうとした・・・
でも、あなたの目は
やっぱり戻って来たわ・・・
ああ、あたしの声を聞いて!
ああ、あたしを信じて・・・
不幸せな私が
永遠に失ってしまった
あなたの目・・・戻って来て。
あなたを忘れようとしたの。
なのに、思い出さずにはいられなかった・・・
行ってはならない道を
どんなに進もうとも、
どんなにそこから
逃れようとしても、
あなたの目は、また戻ってきて、
あたしを見つけようとするの。
心が、事をなす前に!
見知らぬ男を
あたしは部屋に入れ、
その男は、あたしのすぐそばにいた・・・
でも、すべてが終わったわけではない・・・
バラク、バラク、
あなたを目覚ますことはできないの?
知らないの?このことを・・・

<バラク>
(独り言で)
今、俺の手に委ねられたこと・・・
それは、あの人を抱きしめることだ・・・
あの人を
両手にとらえ、
あの人のことを思い、
その若い心を
やわらげることだ!

<バラクの妻>
(一部バラクと声を合わせて)
あなたへの愛に尽くすことができれば・・・
あなたに会いたい!
呼吸したいの、生きたいの!
良い子供たちをあなたに授けたいの・・・!

<バラク>
今、俺の手に委ねられたこと・・・
(地面によろめき倒れる)
俺の手にかかると思って死ぬほど怖がっていた!
俺はいったい何てことを!
ああ、もう一度だけ会って、こう言えれば・・・
怖がらないでくれって。

(静寂)

<声>
(天上から、バラクへと)
さあ、天に来なさい!道は開かれています!

(声と同時に、一条の光線が天井からバラクの地下牢に落ちて来る。すると、らせん階段の踏み段が岩山に穿たれているのが見えて来る)
(バラクは立ち上がり、その階段を登りはじめる)

<バラクの妻>
バラク、あなた!
厳しい裁き手、
尊敬する夫よ!
剣をあたしに
振り下ろすとしても、
その閃光の中で
死にながら、もう一度だけ
あなたに会いたい!

(天から一条の光がバラクの妻の地下牢に落ちる。バラクの空っぽの部屋の光は消えてしまっている)

<声>
(舞台左手で)
あなたも、天に来なさい!
道が開かれたのですから。

(バラクの妻も急いで上に登っていく)


舞台転換

(地中のドームは沈む。雲が湧き出し、千切れると、岩山のテラスが見えて来るが、これは「皇妃の夢の場面(第2幕)」で見えていた風景と同じである。水の湧きだしている所から、石段が上につながっており、大きな寺院の門につながるが、この門は山の内部に続いている。黒い水が、岩山の地面を切り取るようにして、こちらに流れ込んでくる)


(舞台中央寄りにある入口の扉が開く。その最上段には、「使者」が待ち構えている。左右には、手下の精霊たちが控えている)

(小舟が水の上を流れて来るが、漕ぎ手はいない。皇妃はその中でまどろみ、乳母はその脇にひざまずき、皇妃に腕を巻き付け、小舟がどこに行くのか気にしながら辺りを見渡している)


(使者は小舟が近付くのを待ち構えていたが、小舟は止まる)


<手下の精霊たち>
来ましたぞ!

<使者>
去れ!

(使者は、精霊たちと一緒に山中に引っ込み、金属製の扉が背後で閉じる)
(皇妃は目を覚ます)
(乳母は皇妃を押しとどめようとし、空いている方の手で小舟を岸から突き放そうとするが、うまくいかない)
(一帯は明るくなってくる)
(皇妃は立ち上がり、辺りを見渡し、陸に上がろうとする)

<乳母>
(あわてて興奮して、皇妃を押さえつけようとする)
早くここから去りましょう!
この岩山から舟を発たせますから、
手を貸してください!
(小声で)
超自然の力が
働いておりますわ!
こんなぞっとするような所には・・・
(強情に)
木偶(でく)の坊しか
やってまいりません!
私をないがしろにするお積り?
どうしようというのです!?

<皇妃>
舟はずっとここに置いておくのよ・・・
わからないの?
あの階段は、何なの!?

<乳母>
(舟を岸から離すのを諦め、熱に浮かされたようにせわしなく、あちこち歩き回る)
じゃあ、舟はいいですよ!
さっさとここから
行きましょう!
道なら分かっておりますとも。
七つの月の峰が
ございますが、
この山は、その最高峰でございます。
一番ひどい所ですよ!
着物をはしょって、
足を早めてくださいませ・・・
下界にお連れ申し上げます。
早く行きましょう!

<皇妃>
(階段のほうに向かいながら)
この扉は!
(考えこみ、探りを入れながら)
前に一度、
この扉を見たわ!
(ラッパの響きが、山の中から聞こえて来る)
この音が聞こえて?
裁きのお触れよ!
(小声で、やや不安げに)
お父さんなの?
カイコバート?ねえ?
久しく、お父様を見なかったけど、
あたしには分かるわ・・・
お父様は、
ソロモンのように玉座に座り、
闇を払うのが
お好きだった。
玉座は高く、
想いは底知れぬほど深い・・・
そして、清らかで気高い方。
そうよ、あたしは、その子だもの・・・
おそれはしないわ。

(乳母は不安げに脇の方を見やり、出口が見つからないか探す)
(ラッパが、先ほどより大きな音で、また鳴る)

<皇妃>
(両手を上げて、恐怖にみちて)
あたしの愛するお父さま!
あなたは、あの人を
裁くのですか・・・
この、あたしゆえに!
でも、あの人を縛り付けているもの・・・
それは、あたしをも縛っています。
あの人の苦しみ。それを、あたしも苦しんでいます。
あたしは、あの人の中にいて、
あの人は、あたしの中にいます!
あたしたちは、ひとつです。
あの方のもとに参ります。
(上に行こうと、向きを変える)

<乳母>
(不安に満ちて)
こんな所は去りましょう!
あたしが影を手配します!
そう約束し、
誓ったはずじゃありませんか!
あなたは、今も昔のまま。
大事なお嬢様・・・
今でも、あなたの体の中は
光が突き抜けて行く・・・
でも、あの女の
悲しい影は、
あなたに貼りつき、
かかとにくっついている!
だから今、
あなたは、あの女のようであって、
しかも、そうではないのです・・・
まだ、あなたは、定められたことを
果たすことができるのですよ!
(皇妃に取り入るように)
さあ、愛するお人を
胸に抱きしめて下さい!
あたしが手伝って差し上げますよ。
あたしも、きっと辛抱しますわ・・・
あなたが、あの男の
腕に抱かれるのを目にし、
何年間も
雌犬のように
あの家にとどまろうとも!
(諦めて、ため息をつくと、もはや熱を込めずに)
なんてこった!
(きわめて力強く)
ここからは去りましょう!
この戸口からは。
こんな戸口をまたぐなんて
死より辛いこと!

<皇妃>
ならば、この戸口を知っているのね?
この扉がどこに向かっているかも
知っているんでしょう?
答えなさい!

<乳母>
(低い声で)
命の水へと。

<皇妃>
答えなさい!
(突然ぱっとひらめいて)
死の戸口へ!
叫び声はそう言ってたわ。
話しなさい!
お前は、秘められた
事情を知っているはず。
答えなさい!

(乳母は黙ったまま)

<皇妃>
意地悪をして黙っていようというの?
そんなにも、あたしの心を
くもらせようとと言うの?
あたし、わかっているのよ!
見えているのよ!
(情熱を込めて)
あたしは、あの人のもとへ行かねばならない!
命の水を
感じ取り、
あの人に降り注がねばならない・・・
命の水・・・?
それは、もしや、この血管を
流れる血のことかしら?
血よ、流れゆけ!
あの人を目覚めさせるために!
(決然と、入口の方へ向かって行く)

<乳母>
(皇妃の前に身を投げ、服をつかんで)
後生ですから!
つかまっちゃいますよ・・・
幾千ものクモの巣と
ひどいぺてんと
まやかしだらけです!
命の水なぞ、
ひどいまやかしなのです・・・
あたしの血をみんな
差し出さねばなりません・・・
あなた様の
こころも魂も
あきらめねばなりません!
たしかに、山中には
水が湧き出ています。
きらめく噴水が
地中から吹き上げ、
金の柱となっています・・・
命の水ですって!?
我らが、それに
口をつけると・・・
霊界の住人たる
我らは・・・
死ぬよりもひどいことになります。
言いようもない
ひどい災いを
我らの中に吸い込むことになり、
もはや救われることはないのです。

(しかし、皇妃は最上段に足を踏み入れる)

<乳母>
(この上ない恐怖にみちて)
聞こえないの?
カイコバート様は
怖ろしい方ですよ!
あの方のことを知っておいでですか!
あなたは、あの方の子供なのに、
人間の手に
自分を引き渡し、
死に行く定めの人間の一人に
こころを無駄に捧げようとは!
あなたは、あの方から
怖ろしい罰を受けますよ・・・
あの方の手に落ちた暁には。
なぜなら、あの方にとって、
こんな怖ろしいことは前代未聞なのだから。
一族の誰かが
醜い者たちと交わって、
呪われた者の
一員になるなんてことは!
ああ、呪われよ!
あなたを産んだ人・・・
そして、あなたの血を流れる
人間への憧れ!
ああ、呪われろ!

<皇妃>
(浄化された面持ちで、きっぱりと)
我らの行いゆえに
裁きは下るの!
我らの心ゆえに
ラッパが鳴ったの。
出廷を求められているんだわ!
(決然と乳母に手を差し伸ばし、命令する)

乳母よ、もう永久に
会うことは無いわ。
人間の求めるものを
あなたは余りに知らなさすぎた。
心に抱く秘密が
どの方向を指していたか、
あなたにはまるで分からなかった。
(きわめて荘厳に、威厳を込めて)
いかなる代償を
払っても、
重き罪から
よみがえり、
不死鳥のように、
永久の死から、
永久の生へと、
どんどん高みを指して登って行くのよ・・・
夢にも見たことのない高みを指して・・・
あなたには決してわからないわ。
あたしは、もはや彼ら人間の一族。
(力強く)
あなたなど、もはや役には立たない!
(皇妃が扉に進むと、扉は音も無く開き、中に入ると、扉が閉まる)

<乳母>
(後を追おうとするが、どうしてもその場所に踏み込めず、階段の上で絶望する)
人間の求めるものですって?
あいつらの欲するものは
騙し合いじゃないか。
詐欺ばっかりだ!
人間どもよ、呪われろ!
果てしない探索、
虚無への前進、
不安混じりの
欲望じみた狂気・・・
そんなものが、あたしの可愛いお嬢さまの
水晶のように透き通った心に
入るとは!
人間どもよ、呪われよ!

(暗くなり、赤い霧が立ち込めてくる)

<バラクの声>
(風の中で)
ああ!

<バラクの妻の声>
(反対側から)
ああ!

<バラクの声>
会いたいのに!

<バラクの妻の声>
(泣きながら)
ああ、大好きなひと!

<バラクの声>
おそれないで!
こっちだよ、こっちだ!

<バラクの妻の声>
(声を合わせて)
見つけて。
殺して!

<二人>
ああ、ダメだ、ああ!

<乳母>
人間め!人間め!
憎ったらしい!
うなぎのようにうようよし、
鷲のように、つんざき声を上げ、
大地を我が物のようにしやがって!
みんな死んじまえ!

<バラク>
(霧の中を、舞台の右側から入って来る)
いくら探しても、逃げて行ってしまう。
(乳母に気付き、恐怖に満ち、抑えた声で、ほとんど呻き声のように)妻を見なかったか・・・
おお、女中よ?

<乳母>
(左上を指しながら)
あっちに行ったわ!
あの上のほうよ!
あんたのことを、死ねと
ののしっていたわ!
罰を与えなさい・・・
報復しなさい・・・
早く!

<バラク>
(舞台左手の上のほうへ退場)
あの人のもとへ!

<バラクの妻>
(舞台左手の、ずっと下の方から現れて)
ああ・・・あなた・・・どこなの?・・・あなた・・・
あなたのもとに行きたい!

<乳母>
(舞台右手を指し)
あっちだよ!
夫の手で
殺されるわよ。
逃げなさい、
さあ!

<バラクの妻>
(舞台右手の風と霧の中に駆け去って行き、荒々しく、きっぱりと)
バラク!ここよ!
剣を振るって。
あたしを殺して。
さあ、早く!
(舞台右手に消えると、舞台は暗くなる)

<乳母>
おお、お嬢さま、
敵の手中に引き渡されて、
眼の前にあるものは、
まやかしばかり。
足の前には、
落し穴と罠ばかり!
行ってしまった!
飲むのですか!?
金色の災いの液が
唇に跳ね、
体内深く落ちて行きますよ!
すると、お嬢さまの顔は、
ピクリとふるえ、
傷ついた喉からは
人間の叫び声が
あふれ出て来ますよ!
お嬢さまを助けねば!
私も死なねば!
カイコバート様!
(乳母自身も扉に行こうとする)

<使者>
(扉の中から出て来て、冷たく)
主の名を呼ぶのか?
雌犬め!誰に向かって
物を言うのだ?
この戸口から
去るがいい!
永久に消え失せろ!

<乳母>
(興奮のあまり狂ったように)
あたしの役目は・・・
おお、使者よ!
この3日間!
あたしは、お嬢さまをお守りしたわ。
そして言い争った・・・
ですが、お嬢さまは、あたしを拒み、
もう言うことを聞いてくれない・・・
カイコバート様!
あたしの言うことをお聞きください!
(使者の脇を通り過ぎようとする)

<使者>
(行く手をさえぎって、冷たく)
お嬢さまは、もう御前に立っているのだ!
誰が、お前なぞ必要だと言うのだ?
いらぬわ。
自分の道を見つけるがいい!

<乳母>
カイコバート様!
下女が
叫んでおるのです・・・
罰するというのならともかく、
こんな前代未聞の
追放はしないでください!
あなたの手に委ねられれば、
申し開きをいたします!
カイコバート様!

(霧が入って来て、厚い雷雲と嵐はますます激しくなって行く。辺りはどんどん暗くなって行く。
嵐の中に、染物師たちの声が響いて来て、むだに互いに呼び掛け合っている。使者は、その声と合わせるようにして)

<使者>
(力を込めて、嘲りの色を込めて)
何様のつもりだ、お前は?
あの方に呼びかけるとは?
いったい何を知っていると言うのだ?
あの方の意図と、
お嬢さまを試した
真意について・・・。
あの方が、お前に
お嬢さまを守るよう命じた時、
誰がお前に言っただろうか?
お嬢さまがお前の手から離れることを
望んでいないなどと・・・。
(ますます恐ろしさを増していき)
もはやお前は
永久に追放の身・・・
もう、お嬢さまを
守る事もできない!

<バラク>
(目には見えない)
ああ、お前!

<バラクの妻>
(目には見えない)
ああ、あなた!

<バラク>
どこにいるの?

<バラクの妻>
どこにいるの?

<バラク>
逃げないで!

<バラクの妻>
見つけてよ!

<バラク>
ここにお出で!

<バラクの妻>
ここに来て!

<バラク>
会いたい・・・呼吸をして、生きたいんだ!

<バラクの妻>
かわいい子供を、あなたにあげたい!

<バラク>
ああ、おしまいだ!

<バラクの妻>
ああ、もうダメだわ!

<バラク>
この両手を・・・!

<バラクの妻>
ああ、こんな若いのに!

<バラク>
自分をゆるし、元気になってくれ!

<バラクの妻>
この身をあなたへの愛に尽くせれば!

<バラク>
ああ、おしまいだ!

<バラクの妻>
お願いよ!

<バラク>
死ぬのか!死ぬ!

<バラクの妻>
ああ、みじめな!

<バラク>
私の役目は、
あなたを抱きしめ、
あなたを両手に
かき抱くことだ。

<乳母>
あの方の怒りが
あたしに向かうとは!
お嬢さまの所に行くわよ!

<使者>
あの方の怒りは
お前に向けられている。
お前は、お嬢さまのお顔を
もう二度と見られまい!

<乳母>
ああ、お嬢さま!
あたしは、もうだめだ!
呪われよ、破滅せよ、
人間ども・・・
お前らの体よ、
炎に食いつくされよ!

<使者>
(嘲りを込めて)
その人間どもの間を
うろつくことが、
お前の運命だ!
お前の憎しみの相手達と
いっしょに住まい、
そいつらの息に
まざりあうのさ。
毎日、新たにな!

<乳母>
(我を失ったかのように)
憎しんでやまない奴らと
いっしょに住まい、
そいつらの吐く息に
まざりあうですって?
毎日、新たに!
(乳母は使者の方に迫り、その脇をすり抜けようとする)

<使者>
(荒々しく乳母をつかまえると、階段から突き落とす)
さあ、舟よ。
この女を乗せて
月の峰を下り、
人間達のもとへ向かえ!

<乳母>
お前らの体よ、
炎に食いつくされよ!

(乳母が小舟に倒れ込むと、小舟は岸を離れて激しく川を下って行く。乳母の叫び声は突き抜けるように響いてくるが、それも次第にやむ)

<使者>
(冷たく)
滅びるがいい!
お前は、
掟に逆らったのだから!

(稲妻、雷鳴、ラッパの響き)

舞台転換

(幕が開いたままの舞台転換。寺院風の舞台は、次第に明るくなって来るが、まだ完全には明るくならない。舞台中央の壁の穴にはカーテンがかかっている。皇妃は、ただ一人、下から登って来る。部下の霊たちが、松明を持って、皇妃を迎えるが、その姿はまだ闇の中にある)

<第一の霊>
うやまえ!

<第二の霊>
勇気を出して!

<第三の霊>
運命を成就せよ!

(霊たちは消えてしまう)

<人間達の声>
(外から響いてくるが、その声は、あたかも扉が閉まったかのように、どんどん弱くなって行く)

<皇妃>
(カーテンのかかった壁の穴へと向かう)
お父様、あなたなの?
暗闇から
脅しつけるつもりね?
さあ、あなたの子供が参りました!
献身を
学ぶことはできたけど、
影を
手に入れることは
できませんでした。
あたしの居場所を教えて下さい。
影を投げる者達の間で、
あたしにふさわしい
場所はどこ?

(黄金の噴水が、きらきらと輝きながら、地面から水を吹き上げる)

<皇妃>
(一歩、後じさりしながら)
金色の水、
命の水で
この身を強める
必要はない!
あたしの中には、愛があり、
愛は、どんなものにも勝るのだから。

<一人の声>
(天上から)
愛する者よ、この水を飲みなさい!
飲めば、あの女のものだった影は、お前のもの。
お前は、あの女のようになるのです。

<皇妃>
ですが、あの女はどうなるのです?

<バラクの妻の声>
バラク!

<バラクの声>
どこなんだ?

<バラクの妻の声>
ああ、どこなの?

<バラクの声>
お出で、ここへ!

<バラクの妻の声>
ああ、ダメだわ!

<バラクの声>
ああ!おしまいだ!

<皇妃>
バラクの声!
バラクの眼差し!
あたしの罪よ、
ここも、かしこも、
かしこも、ここも!
(水は、ゆっくりと沈んで行く)
(身ぶるいしながら)
星たちの名を
あたしは呼んで願うわ。
人間の罪から
きれいなままでいさせてほしいと!
あの水には血が付いている。
だから、あたしは飲まないの!
(水は完全に沈み切ってしまう)
でも、あたしは逃げたりしない!
あたしの居場所は、この世界。
ここに、あたしは罪があり、
あたしは、ここの一員だもの。
あなたがどんな暗闇に
隠れていても、
あたしの胸には
光があって、
あなたの闇を掃います!
あたしのことを裁いてちょうだい!
出て来て、お父様!
裁き手よ、現れて!

(カーテンの後ろの光はどんどん強まっていき、ついにその明るさが最高潮に達した時、カーテンは透明なヴェールに変わる。 光を放っている穴の中には、石造りの玉座があり、そこに皇帝が座っている。 皇帝は固まって、石になっており、両眼だけが生きているように見える)

<皇妃>
(語り)
ああ!つらいわ!
あの人が、固まってしまった!
自分の体の中に
生き埋めにされている!
呪いが現実のものに!
あたしという存在が
知らずに犯した罪が
あの人に下されたのだわ。
なぜなら、あの人は
あたしの秘密をことのほか愛し、あたしを
その秘密のゆえに妻に選んだのだから・・・
無慈悲に、
そして夢中になって、
あの人は、あたしの秘密に
恋の心を捧げてしまった!
でも、あたしの心の結び目は、
人の手なんかじゃ
ほどけない・・・
今や、その手も固まっている・・・
心をほどけなかった手は。
心臓も石になったのね、
あたしの心の冷たさゆえに!
あたしの運命こそ、
あの人の罪!
あたしの罪こそ、
あの人の運命!
ああ、星たちよ。
この人をこうしたのは、
あなたたちよ!
(絶望したまま、石になった皇帝に近寄って行く)
あなたと死ぬわ。
起きて!起きてよ!
目には目、
口には口、
あなたと一緒に
死なせて下さい!
(石になった皇帝を抱きしめるために出て来るが、そうする勇気が出ない。自分に向けられる視線から恐怖のあまり目を背けても、皇帝の両眼は皇妃をずっと追いかけて来る)

(この上ない苦しみを感じつつ)
その眼差しはやめて!
あたしには助けられないの。
どうしようもないの!

(崩れ落ちるように倒れ、手で目を覆う)
(石像は強い光を受けて赤々と輝き、その両眼は物言わぬまま哀願するように王妃に向けられている)

<この世ならざる声>
(深淵からのように、こもった音でどよめいて来る)
女は、影を地に投げず、
ミカドは、石にされるとは!

(石像は鉛のように黒くなっていく。王妃の足下から、以前と同様に、金色の水がきらきら輝きながら高く吹き上がる)


<声>
(天上から)
言えばいいのです・・・そうします!と。
そうすれば、あの女の影は、お前のものです!
この男は立ち上がって生き返り、
お前とともに帰れるのです!
そのしるしとして、身を投げ出して、飲むのです!

<皇妃>
(恐ろしい内心の葛藤の中で地面に横たわっている。語りで)

あたしを試さないでください。
カイコバートよ!
あたしは、あなたの子供です!
あたしを死なせて・・・
あたしが屈服する前に!

<バラクの声>
もう助けられないのか!

<バラクの妻の声>
ああ、死ぬんだわ!

<皇妃>
(ひざまずいて上体を起こすと、その口元からは、苦しみに満ちた、呻くような叫び声がこぼれ出て、その合間に言葉が出る・・・)
そうは・・・しない・・・わ・・・!

(この言葉が聞こえると、すぐに水は下に沈み、舞台はいったん暗闇になった後で、上から明るくなってくる。気を失いながら床から身をもたげた皇妃からは、輪郭のくっきりした「影」が、舞台を横切って伸びて行く・・・。皇帝は玉座から立ち上がり、階段を降りていく)



<皇帝>
「水晶の、心が壊れて
叫び出し、
生まれていない者たちが、
星の光のように落ちて来る時・・・
夫を見つめる妻の
腰まわりと頭と毛髪から、
この世の影が落ちてくる時・・・
その時、死者は、
肉の墓場から起き上がり、
天の御使い達すらも
空の上から飛んでくる!」
私には、そんな歌が聞こえていたのだ・・・
死んでいた間じゅう、ずっと。
今や、私は、生き返ったのだ!
聖霊たちも、すぐに来る。
歌を歌いつつ、ただよってくる・・・

(丸天井から落ちる光は、どんどん強まって行く。天上からは、「生まれていない者達」の声が落ちて来る)


<生まれていない者達の声>
(数人)
さあ、みんなで言おう・・・お父さん!

(別の数人)
さあ、みんなで呼ぼう・・・お母さん!

(さらに数人)
登っておいで!

(また別の数人)
やだよ、降りてこいよ!
どの階段も、ぼくらの所につながっているから!

<皇妃>
(上を指して)
声を上げているのは、
天使たちかしら?

<皇帝>
(階段の最下段から)
まだ生まれていない者達だ。
今や、彼らも生を得て、
日の出のような赤い翼で、危うく破滅しかけた
私たちのもとに降りて来るのだ・・・
この強き子供たちも、星の光に乗って
私たちのもとにやって来る。
あなたは自分に打ち勝った。
天の御使いが授けてくれたのだ・・・
子供達と、その父親とを。
生まれていない者達は、いまや自由になったのだ!
彼らは、我らを見出だして、
今や勇んで降りて来る!

(皇帝は、階段の最後の段からも降りる。皇妃は、それを迎えに行こうとし、天を指し示すと、そこからはますます明るい光が降り注いで来て、銀色の鈴の音が「生まれていない者達の歌」の前奏となる。皇妃はひざまずく。皇帝は皇妃と向かい合い、同じようにひざまずく。生まれていない者達が歌い始める。皇妃と皇帝は、お互いに顔を手にうずめ合う)



<生まれていない者達の声>
(天上から)
さあ、あなた方に命じるよ・・・
輪になって踊って、抱きしめ合おう。
ぼくらの生が
楽しいものになるように!
試練をけなげに
耐えたから
きらきら光る冠が
ぼくらのために造られたんだ!

(皇帝と皇妃は、感極まって上の方を見つめながら、立ち上がる)

<皇妃>
(皇帝の手と自分の手とを触れ合わせながら)
天使たちが、自分たちのことを歌っているわ!
歌の力が、あたし達をとらえるわ!
錨も持たず、行くあてもなく、
生まれずに捨てられていた子供たち・・・
あの子たちが、呼びかけながら、二人の周りを
飛び交えば、あたしは、あたしは、あなたのものよ!

<皇帝>
どこにも休む場所は無く、
錨も無ければ、港も無くて、
どこにも休めず・・・ただ飛んでいく。
一つの場所から、別の場所へと。
あの子たちが、呼びかけながら、二人の周りを
飛び交えば、あなたは、あなたは、私のものだ!

(二人はしっかと抱きしめ合ったままでいる。明るい雲が二人を取り巻く)


舞台転換

(険しい登り坂になっている綺麗な風景が出現する。中央には、金色の滝が、大地の裂け目を流れ落ちている。皇帝と皇妃が滝の上にいて、その高い所から降りて来るのが見える)


<バラクの妻>
(舞台左手の細い歩道を通って)
あの人の愛が与えられないなら、
あたしに裁きをくだしてください・・・
そうよ、あの人の剣で!
(谷の脇のところまで舞台前方に走って来る)

<バラク>
(舞台の反対側にいて)
待つんだ。見つけたよ。
ずっと、あなたを守るから。
永遠の伴侶よ!

(バラクの妻がバラクを見つけ、手を差し出すと、谷を横切って、バラクの妻の影が射す)


<バラク>
(歓喜して)
影だよ、あなたの影だ。
影が、あなたのもとへと連れて行ってくれる。

<バラクの妻>
妻があなたのもとへ参ります!
あたしの大切な人!

<生まれていない者達の声>
お母さん、あなたの影だ!
ああ、何て美しい!
あなたの夫が
あなたのもとへ!

(その瞬間、影のある場所には、谷を横切って金色の橋が掛けられる)

(バラクとバラクの妻は橋の上を通り、互いの腕と腕を重ね合わせる)

(皇帝と皇妃は、上のほうで、断崖の縁まで進み出て来る。彼らは下の方に目をやり、別のもう二人は、上の方に目をやる)


<バラク>
今、私は誰も味わったことの無い歓喜を味わおうとしている。誰もしたことのない事をしようとしている。
私の中に、両手が伸びていく。
かがやく両眼、子供のような口、
聖なる力のおかげで、
私は戸口を踏み破ったのだ!

<皇帝>
(下の二人を指差し、さらに下の人間界をも指差して)

遠くから響いてくるのは、
不安と混乱・・・
だが、良く耳を傾けるのだ・・・
この音の、なんと人間的なことか!
なんと心を揺さぶる音か・・・
この音を、お前の中に受け入れるのだ、
兄弟たちよ、親しき友よ!

<合唱>
(見えないところから、舞台に歓声を上げて)
兄弟たちよ、親しき友よ!

<皇妃とバラクの妻>
影を投げることが
あたしたち二人に許されたわ・・・
試練の炎に
鍛えられたわ。
死の瀬戸際にまで行き、あやうく
殺し殺されるところだったけれど、
いまや、幸せな子供たちの
母親になったのです!

(ヴェールが舞台前方に垂れ、登場人物と風景を覆い隠す)


<生まれていない者達の声>
(オーケストラの中で)
とうさま、怖れはしないでね。
かあさま、悩みはもうないよ。
二人を、怖がらせていたものは、
ほうら、もうすぐ消えて行く。
いつか、祭りがあるときは、
きっと、ひそかに、こうなるよ・・・
招待客のぼくたちこそが、
ほんとは祭りの主催者なのさ!
DRITTER AUFZUG

Unterirdische Gewölbe, durch eine querlaufende dicke Mauer in zwei Kammern geteilt. In der rechten wird Barak sichtbar in düsterem Brüten auf dem harten Stein sitzend, zur Linken die Frau, in Tränen, mit aufgelöstem Haar. Sie wissen nicht voneinander, hören einander nicht. Die Frau zuckt zusammen.

Im Orchester ertönen die Stimmen der ungeborenen Kinder wie im ersten Aufzug.

FRAU
Schweiget doch, ihr Stimmen!
Ich hab' es nicht getan!
– – – – – – – –
Barak, mein Mann,
oh, dass du mich hörtest,
dass du mir glaubtest
vor meinem Tode!
– – – – – – – –
Dich wollt' ich verlassen,
o du, den zuvor
niemals ich sah!
Dich wollt' ich vergessen
und meinte zu fliehen dein Angesicht:
dein Angesicht,
es kam zu mir –
O dass du mich hörtest,
o dass du mir glaubtest. –
dein Angesicht,
daß ich Unselge
für immer verlor.
Dich wollt' ich vergessen –
da musste ich dich denken:
und wo ich ging
verbotene Wege,
und meinte zu fliehen
dein Angesicht...
es kam zu mir
und suchte mich
zuvor die Seele die Tat getan!
Ein fremder Mann,
ich zog ihn her,
er war mir nah –
aber nicht völlig –
Barak, Barak,
dich weckt' ich doch,
weisst du es nicht?

BARAK
für sich
Mir anvertraut,
dass ich sie hege,
dass ich sie trage
auf diesen Händen
und ihrer achte
und ihrer schone
um ihres jungen Herzens willen!

FRAU
teilweise zusammen mit ihm
Dienend, liebend dir mich bücken:
dich zu sehen!
atmen, leben!
Kinder, Guter, dir zu geben! –

BARAK
Mir anvertraut –
und taumelt zur Erde
in Todesangst vor meiner Hand!
Weh mir! Dass ich sie einmal noch sähe
und zu ihr spräche:
Fürchte dich nicht.

Stille.

EINE STIMME
von oben, auf Baraks Seite
Auf, geh nach oben, Mann, der Weg ist frei!

Es fällt zugleich mit der Stimme ein Lichtstrahl von oben in Baraks Verlies; die Stufen einer Wendeltreppe, in den Fels gehauen, werden sichtbar.
Barak richtet sich auf und beginnt hinaufzusteigen.

FRAU
Barak, mein Mann!
Strenger Richter,
hoher Gatte!
Schwängest du auch
dein Schwert über mir,
in seinem Blitzen
sterbend noch
sähe ich dich!

Ein Lichtstrahl fällt von oben in ihr Verlies, der Schein in Baraks leerer Kammer ist erloschen.

EINE STIMME
auf der Linken
Frau, geh nach oben,
denn der Weg ist frei.

Die Frau eilt nach oben.


Verwandlung

Das Gewölbe versinkt. Wolken treten vor, teilen sich, enthüllen eine Felsterrasse, jener gleich, die während des Schlafes der Kaiserin sichtbar wurde. Steinerne Stufen führen vom Wasser aufwärts zu einem mächtigen tempelartigen Eingang ins Berginnere. Ein dunkles Wasser, in den Felsgrund eingeschnitten, fliessend gegenüber.

Die Tür zum mittleren Eingang offen. Auf der obersten Stufe der Bote, wartend. Dienende Geister rechts und links.

Ein Kahn kommt auf dem Wasser geschwommen, ohne Lenker. Die Kaiserin liegt darin, schlummernd, die Amme kniet neben ihr hält sie umschlungen, bewegt um sich schauend, wohin der Kahn treibe.

Der Bote hat das Herankommen des Kahnes abgewartet. Der Kahn hält an.

DIENENDE GEISTER
Sie kommen!

BOTE
Hinweg!

Er tritt ins Innere zurück, die Geister zugleich, die eherne Tür schliesst sich hinter ihnen.
Die Kaiserin erwacht.
Die Amme sucht sie zurückzuhalten, mit dem freien Arm den Kahn vom Ufer wegzustossen, vergeblich.
Die Gegend erhellt sich.
Die Kaiserin erhebt sich, blickt um sich, will ans Land.

AMME
drückt sie nieder hastig, aufgeregt
Fort von hier!
Hilf mir vom Fels
lösen den Kahn!
leise
Übermächte
spielen mit uns!
Zum greulichsten Ort
eigenwillig
strebt das Gemächte
aus bösem Holz!
Wär' ich nicht gewitzigt,
was würde aus dir!

KAISERIN
Der Kahn will bleiben –
siehst du denn nicht?
Die Treppe, schau!

AMME
gibt's auf den Kahn vom Ufer zu stossen, treibend, mit fieberhafter Ungeduld
So lass den Kahn!
Nun fort
von hier!
Ich weiss den Weg,
Mondberge sieben
sind gelagert,
dies ist der höchste:
ein böser Bereich!
Geschürzt dein Kleid
und hurtig die Füsse:
ich führ' dich hinunter,
ich finde hinaus!

KAISERIN
ist auf die Treppe hinausgetreten
Hier ist ein Tor!
sinnend, suchend
Einmal vordem
sah ich dies Tor!
Posaunenruf wie aus dem Innern des Berges
Hörst du den Ton?
Der läd't zu Gericht!
leise, etwas beklommen
Mein Vater, ja?
Keikobad? Sag?
Lang sah ich ihn nicht,
doch weiss ich wohl:
er liebt es zu thronen
wie Salomo
und aufzulösen,
was dunkel ist.
Hoch ist sein Stuhl
und abgründig sein Sinn –
rein und mutig
doch, ich bin sein Kind:
ich fürchte mich nicht.

Amme ängstlich, späht nach der Seite, ob sich ein Ausweg finden liesse.
Die Posaune ruft abermals, stärker.

KAISERIN
die Hände erhoben, angstvoll
Mein Herr und Geliebter!
Sie halten Gericht
über ihn
um meinetwillen!
Was ihn bindet,
bindet mich.
Was er leidet, will ich leiden,
ich bin in ihm,
er ist in mir!
Wir sind eins.
Ich will zu ihm.
wendet sich, hinaufzuschreiten

AMME
angstvoll
Fort mit uns!
Ich schaff' dir den Schatten!
So ist es gesetzt
und so beschworen!
Du bleibst die gleiche,
Töchterchen, liebes,
und durch deinen Leib
gleitet das Licht –
allein des Weibes
trauriger Schatten,
dir verfallen,
haftet der Ferse!
Ihresgleichen
scheinst du dann
und bist es nicht:
doch du erfüllst,
was bedungen war!
schmeichelnd
So hab' deinen Liebsten
und herze ihn!
Ich helf' dir ihn finden,
ich will es tragen,
dass ich ihn sehe
in deinen Armen
auf Jahr und Tag
und bleibe die Hündin
in seinem Hause!
resigniert seufzend, nicht heftig
Wehe mir!
sehr stark
Nur fort von hier!
Fort von der Schwelle,
sie zu betreten,
ist mehr als Tod!

KAISERIN
So kennst du die Schwelle?
So weisst du, wohin
dies Tor sich öffnet?
Antworte mir!

AMME
dumpf
Zum Wasser des Lebens.

KAISERIN
Antworte mir!
plötzlich erleuchtet
Zur Schwelle des Todes!
So scholl der Ruf.
Steh mir Rede!
Du weisst das Geheime
und kennst die Bewandtnis.
Antworte mir!

Die Amme schweigt.

KAISERIN
Schweigst du tückisch?
Willst du mit Fleiss
den Sinn mir verdunkeln?
Hell ist in mir!
Hell ist vor mir!
leidenschaftlich
Ich muss zu ihm!
Wasser des Lebens,
ich muss es erspüren,
ihn besprengen –
Wasser des Lebens –
ist es das Blut
aus diesen Adern?
Fliesse es hin,
dass ich ihn wecke!
Sie wendet sich entschieden dem Eingang zu.

AMME
wirft sich vor sie hin, fasst sie am Gewand
Hab' Erbarmen!
Du verfängst dich:
tausend Netze,
Gaukelspiel,
greulicher Trug!
Wasser des Lebens,
greuliches Blendwerk –
müsst' ich darüber
mein Blut hingeben –,
halte ich ab
von deiner Seele
und deinem Herzen!
Ein Wasser springt
wirklich im Berge.
Leuchtend steigt es,
goldene Säule,
aus dem Grund:
Wasser des Lebens!
Wer daran
die Lippen legte –
einer der unsern,
von Geistern stammend –
mehr als Tod,
greulich unsagbar
teuflisches Unheil
schlürft er in sich
rettungslos.

Die Kaiserin ist auf die oberste Stufe getreten.

AMME
in höchster Angst
Hörst du mich nicht?
Fürchterlich
ist Keikobad!
Was weisst du von ihm!
Du bist sein Kind
und hast dich gegeben
in Menschenhand
und dein Herz vergeudet
an einen von den Verwesenden!
Fürchterlich
straft er dich,
wenn du fällst in seine Hand.
Denn er kennt kein Greuel
über diesem,
dass eines spiele
mit den Verhassten
und sich mische
mit den Verfluchten!
Weh über sie,
die dich gebar,
und Menschensehnsucht
dir flösste ins Blut!
Weh über dich!

KAISERIN
verklärt, entschlossen
Aus unsern Taten
steigt ein Gericht!
Aus unserm Herzen
ruft die Posaune,
die uns lädt. –
entschieden, die Hand gegen sie ausstreckend, gebietend
Amme, auf immer
scheid' ich mich von dir.
Was Menschen bedürfen,
du weisst es zu wenig,
worauf ihrer Herzen
Geheimnis zielet,
dir ist es verborgen.
sehr feierlich und gross
Mit welchem Preis
sie alles zahlen,
aus schwerer Schuld
sich wieder erneuern,
dem Phönix gleich,
aus ewigem Tode
zu ewigem Leben
sich immer erhöhen –
kaum ahnen sie's selber –
dir kommt es nicht nah.
Ich gehöre zu ihnen,
mächtig
du taugst nicht zu mir!
Sie tritt ans Tor das sich lautlos öffnet, sie tritt hinein, das Tor schliesst sich.

AMME
will ihr nach, wagt sich nicht in den Bereich, verzweifelnd auf der Treppe
Was Menschen bedürfen?
Betrug ist die Speise,
nach der sie gieren.
Betrüger sie selber!
Fluch über sie!
Das ewige Trachten,
Vorwärts ins Leere,
der angstvermischte
gierige Wahnsinn –
hinübergeträufelt
in meines Kindes
kristallene Seele!
Fluch über sie!

Es dunkelt, rötlicher Nebel tritt herein.

DIE STIMME BARAKS
im Wind
Ah!

DIE STIMME DER FRAU
von der anderen Seite
Ah!

DIE STIMME BARAKS
Dass ich dich fände!

DIE STIMME DER FRAU
klagend
O mein Geliebter!

DIE STIMME BARAKS
Fürchte nichts!
Sieh, o sieh!

DIE STIMME DER FRAU
zugleich
Finde mich,
töte mich!

BEIDE
Weh, weh, o weh!

AMME
Menschen! Menschen!
Wie ich sie hasse!
Wimmelnd wie Aale,
schreiend wie Adler,
schindend die Erde!
Tod über sie!

BARAK
im Nebel herein, von rechts
Ich suche meine Frau, die vor mir flieht.
erkennt die Amme, angstvoll, gepresst, fast stöhnend
Hast du sie nicht gesehn –
O meine Muhme?

AMME
zeigt nach links aufwärts
Dort hinüber!
Dort hinauf!
Sie verflucht dich
in den Tod!
Strafe sie –
räche dich –
schnell!

BARAK
ab nach links aufwärts
Zu ihr! Zu ihr!

FRAU
erscheint von links weiter unten
O du – o du – wo ist mein Mann? O du –
ich will zu ihm!

AMME
zeigt nach rechts
Dort hinüber!
Dich zu töten
mit seinen Händen.
Rette dich,
flieh!

FRAU
eilt nach rechts in den Wind und Nebel, wild entschlossen
Barak! Hier!
Schwinge dein Schwert.
Töte mich
schnell!
verschwindet rechts; es dunkelt

AMME
Wehe, mein Kind,
ausgeliefert,
Gaukelspiel
vor ihren Augen,
Fallen und Stricke
vor ihrem Fuss!
Sie ist hinein!
Sie trinkt! Das goldne,
flüssige Unheil
springt auf die Lippen,
wühlt sich hinab!
Ihr Gesicht
greulich zuckt,
ein menschlicher Schrei
ringt sich aus
der wunden Kehle!
Ihr zu Hilfe!
Müsste ich sterben!
Keikobad!
Sie will ans Tor

BOTE
tritt aus dem Tor, ehern
Den Namen des Herrn?
Hündin, zu wem
hebst du die Stimme?
Fort mit dir
von der Schwelle!
Pack dich, für immer!

AMME
wie wahnsinnig vor Erregung
Mir anvertraut –
du selber, Bote!
Drei Tage lang!
Ich hab' sie gehütet,
ich rang mit ihr –
sie stiess mich von sich –
sie kennt mich nicht mehr –
Keikobad!
Er muss mich hören!
will an ihm vorbei

BOTE
vertritt ihr den Weg; ehern
Sie ist vor ihm!
Wer bedarf deiner?
Niemand.
Such dir den Weg!

AMME
Keikobad!
Deine Dienerin
schreit zu dir –
Strafe sie, aber
verwirf sie nicht
ungehört!
Mir übergeben,
ich steh' dir Rede!
Keikobad!

Der Nebel tritt herein, wird immer dichter Gewitter und Sturm nehmen zu an Heftigkeit. Es dunkelt mehr und mehr. Im Sturm tönen die Stimmen der Färbersleute, die einander vergeblich rufen und suchen. Zugleich.

BOTE
gewaltig, mit einem Anflug von Hohn
Wer bist du,
dass du ihn rufest?
Was weisst du
von seinem Willen
und wie er verhängt
hat ihr die Prüfung?
Wenn er dich hiess
des Kindes hüten,
wer heisst dich raten,
ob er nicht wollte,
dass sie dir entliefe?
immer schrecklicher
Und trotzdem dich
verwirft auf ewig:
dass du nicht vermochtest,
ihrer zu hüten!

BARAK
unsichtbar
O du!

FRAU
unsichtbar
O du!

BARAK
Wo bist du?

FRAU
Wo bist du?

BARAK
Fliehe nicht!

FRAU
Finde mich!

BARAK
Komm zu mir!

FRAU
Komm zu mir!

BARAK
Dich zu sehen – atmen, leben!

FRAU
Kinder, Guter, dir zu geben!

BARAK
Weh, verloren!

FRAU
Weh, vertan!

BARAK
Diese Hände –!

FRAU
Weh, so jung!

BARAK
Dir vergeben, dich erquicken!

FRAU
Liebend, dienend dir mich bücken!

BARAK
Weh, verloren!

FRAU
Hab' Erbarmen!

BARAK
Sterben! Sterben!

FRAU
Weh, uns Armen!

BARAK
Mir anvertraut,
dass ich dich hege
und dich trage
auf diesen Händen.

AMME
Schlage er mich
mit seinem Zorn!
Ich will zu ihr!

BOTE
Mit seinem Zorn
schlägt er dich,
dass du ihr Antlitz
nicht wiedersiehst!

AMME
Weh, mein Kind!
Mir verloren!
Fluch und Verderben
über die Menschen –
fressendes Feuer
in ihr Gebein!

BOTE
mit Hohn
Unter den Menschen
umherzuirren,
ist dein Los!
Die du hassest,
mit ihnen zu hausen,
ihrem Atem
dich zu vermischen
immer aufs neu'!

AMME
wie von Sinnen
Die ich hasse,
mit ihnen zu hausen,
ihrem Atem
mich zu vermischen
immer aufs neu'!
Sie drängt sich dicht an den Boten, will an ihm vorbei.

BOTE
fasst sie gewaltig und stösst sie die Treppe hinab
Auf, du Kahn,
trage dies Weib
Mondberge hinab
den Menschen zu!

AMME
Fressendes Feuer
in ihr Gebein!

Die Amme stürzt im Kahn zusammen, der Kahn löst sich und treibt jäh hinab. Ihr Schrei, durchdringend, verhallt.


BOTE
ehern
Verzehre dich!
Dir widerfährt
nach dem Gesetz!

Blitz, Donner, Posaune

Verwandlung

Offene Verwandlung. Allmählich erhellt sich, aber noch nicht zu völliger Klarheit, das Innere eines tempelartigen Raumes. – Eine Nische, die mittelste, ist verhängt. Die Kaiserin, allein, steigt von unten empor. Dienende Geister, fackeltragend, ihr entgegen, noch im Dunkel.

ERSTER GEIST
Hab' Ehrfurcht!

ZWEITER GEIST
Mut!

DRITTER GEIST
Erfülle dein Geschick!

sie verschwinden

MENSCHENSTIMMEN
tönen von draussen herein, doch schwächer und schwächer, als wären Türen zugefallen

KAISERIN
geht auf die verhängte Nische zu
Vater, bist du's?
Drohest du mir
aus dem Dunkel her?
Hier siehe dein Kind!
Mich hinzugeben,
hab' ich gelernt,
aber Schatten
hab' ich keinen
mir erhandelt.
Nun zeig mir den Platz,
der mir gebührt
inmitten derer,
die Schatten werfen.

Ein Springquell goldenen Wassers steigt leuchtend aus dem Boden auf.

KAISERIN
einen Schritt zurückgehend
Goldenen Trank,
Wasser des Lebens,
mich zu stärken,
bedarf ich nicht!
Liebe ist in mir,
die ist mehr.

EINE STIMME
von oben
So trink, du Liebende, von diesem Wasser!
Trink, und der Schatten, der des Weibes war,
wird deiner sein, und du wirst sein wie sie.

KAISERIN
Jedoch was wird aus ihr?

DIE STIMME DER FRAU
Barak!

DIE STIMME BARAKS
Wo bist du?

DIE STIMME DER FRAU
Wehe, wo?

DIE STIMME BARAKS
Herzu mir!

DIE STIMME DER FRAU
Ach, vergebens!

DIE STIMME BARAKS
Weh! Verloren!

KAISERIN
Baraks Stimme!
Baraks Blick!
Meine Schuld
hier wie dort,
dort wie hier!
{Das Wasser fällt langsam.
schaudernd}
Sternennamen
rief ich an,
rein zu bleiben
von Menschenschuld!
Blut ist in dem Wasser,
ich trinke nicht!
Das Wasser versinkt gänzlich.
Doch weich' ich nicht!
Mein Platz ist hier in dieser Welt.
Hier ward ich schuldig,
hierher gehör' ich.
Wo immer du
dich birgst im Dunkel –
in meinem Herzen
ist ein Licht,
dich zu enthüllen!
Ich will mein Gericht!
Zeige dich, Vater!
Mein Richter, hervor!

Das Licht hinter dem Vorhang wird stärker und stärker, endlich ist seine Kraft so gross, dass der Vorhang zum durchsichtigen Schleier wird. In der strahlend erhellen Nische sitzt auf steinernem Thron der Kaiser. Er ist starr und steinern, nur seine Augen scheinen zu leben.

KAISERIN
gesprochen
Ach! Weh mir!
Mein Liebster starr!
Lebendig begraben
im eigenen Leib!
Erfüllt der Fluch!
Meines Wesens
unschuldige Schuld
an ihm gestraft,
weil er zu sehr
mein Geheimnis geliebt,
um das er mich wählte –
erbarmungslos,
dahingeopfert,
meinem Geheimnis
sein liebendes Herz!
Ungelöst
meiner Seele Knoten
von Menschenhand –
Starr nun die Hand,
die ihn nicht löste –
Versteinert sein Herz
von meiner Härte!
Mein Geschick
seine Schuld!
Meine Schuld
sein Geschick!
Weh, ihr Sterne,
also tut ihr
an den Menschen!
Sie nähert sich in Verzweiflung dem Versteinerten.
Mit dir sterben,
auf, wach auf!
Aug' in Aug',
Mund an Mund
mit dir vereint,
lass mich sterben!
Sie will hervor, den Versteinerten zu umschlingen, und wagt es nicht. Wie sie in Angst vor dem auf sie gerichteten Blick nach der Seite zurückgeht, folgen ihr die Augen des Kaisers nach.
in höchster Qual
Nicht diesen Blick!
Ich kann nicht helfen,
ich kann nicht!

Sie fällt zusammen, bedeckt die Augen mit den Händen.
Die Statue glüht im stärksten Licht, die Augen mit stummer Bitte auf die Kaiserin gerichtet.

UNIRDISCHE STIMMEN
dumpfdröhnend wie aus Abgründen
Die Frau wirft keinen Schatten,
der Kaiser muss versteinen!

Die Statue verdunkelt sich wie Blei. Vor ihren Füssen hebt sich wie früher das goldene Wasser leuchtend empor.

EINE STIMME
von oben
Sprich aus: Ich will! Und jenes Weibes
Schatten wird dein!
Und dieser stehet auf und wird lebendig
und geht mit dir!
Und des zum Zeichen neige dich und trink!

KAISERIN
in furchtbarem Kampfe auf dem Boden liegend, gesprochen
Versuch mich nicht,
Keikobad!
Ich bin dein Kind!
Lass mich sterben,
eh' ich erliege!

DIE STIMME BARAKS
Nirgend Hilfe!

DIE STIMME DER FRAU
Wehe, sterben!

Die KAISERIN
erhebt sich auf die Knie, ihren Lippen entringt sich ein qualvoller, stöhnender Schrei, in dessen Intervallen die Worte –
Ich – will – nicht! –

hörbar sind. – Sogleich, wie diese Worte hörbar werden, sinkt das Wasser hinab, der Raum, nach einer kurzen Dunkelheit, erhellt sich von oben. – Von der Kaiserin, die sich wie unbewusst vom Boden erhoben hat, fällt ein scharfer Schatten quer über den Boden des Raumes. – Der Kaiser erhebt sich von seinem Thron und schickt sich an, die Stufen hinabzusteigen.

KAISER
»Wenn das Herz aus Kristall
zerbricht in einem Schrei,
die Ungebornen eilen
wie Sternenglanz herbei.
Die Gattin blickt zum Gatten,
ihr fällt ein irdischer Schatten
von Hüfte, Haupt und Haar.
Der Tote darf sich heben
aus eignen Leibes Gruft –
die Himmelsboten eilen
hernieder aus der Luft!«
So ward mir zugesungen,
da ich im Sterben war.
Nun darf ich wieder leben!
Schon kommt die heil'ge Schar
mit Singen und mit Schweben –

Das Licht von der Kuppel herab ist stärker und stärker geworden. Nun dringen, von oben her die Stimmen der Ungeborenen hernieder.

STIMMEN DER UNGEBORENEN
(EINZELNE)
Hört, wir wollen sagen: Vater!

(ANDERE)
Hört, wir wollen Mutter rufen!

(EINIGE)
Steiget auf!

(ANDERE)
Nein, kommt herunter!
Zu uns führen alle Stufen!

KAISERIN
deutet nach oben
Sind das die Cherubim,
die ihre Stimmen heben?

KAISER
von der untersten Stufe
Das sind die Nichtgeborenen,
nun stürzen sie ins Leben
mit morgenroten Flügeln
zu uns, den fast Verlorenen;
uns eilen diese Starken
wie Sternenglanz herbei.
Du hast dich überwunden.
Nun geben Himmelsboten
den Vater und die Kinder:
die Ungebornen frei!
Sie haben uns gefunden,
nun eilen sie herbei!

Er ist von der untersten Stufe herabgestiegen. Die Kaiserin will ihm entgegen, deutet nach oben, von wo ein immer hellerer Schein herabdringt, ein silbernes Klingen dem Gesang der Ungeborenen präludiert, sie sinkt in die Knie. Der Kaiser, der Kaiserin gegenüber fällt gleichfalls auf die Knie. Die Ungeborenen fangen an zu singen. Die Kaiserin und der Kaiser bergen jedes ihr Gesicht in den Händen.

DIE STIMMEN DER UNGEBORENEN
von oben
Hört, wir gebieten euch:
ringet und traget,
dass unser Lebenstag
herrlich uns taget!
Was ihr an Prüfungen
standhaft durchleidet,
uns ist's zu strahlenden
Kronen geschmeidet!

Der Kaiser und die Kaiserin haben sich, mit Entzücken aufwärtsblickend, erhoben.

KAISERIN
indem ihre und des Kaisers Hände sich berühren
Engel sind's, die von sich sagen!
Ihre Stärke will uns tragen!
Ungeboren, preisgegeben,
ohne Anker, ohne Ziel!
Wie sie rufend uns umschweben,
bin ich, bin ich dir gegeben!

KAISER
Nirgend Ruhe, still zu liegen,
nirgend Anker, nirgend Port,
nichts ist da – nur aufzufliegen
ist ein Ort an jedem Ort,
wie sie rufend uns umschweben
bist du, bist du mir gegeben!

Sie halten einander umschlungen. Helles Gewölk umschliesst sie.


Verwandlung

Eine schöne Landschaft, steil aufsteigend, hebt sich heraus. Inmitten ein goldener Wasserfall, durch eine Kluft abstürzend. Kaiser und Kaiserin werden über dem Wasserfall sichtbar von der Höhe herabsteigend.

FRAU
von links auf schmalem Fusspfad
Trifft mich sein Lieben nicht,
treffe mich das Gericht,
er mit dem Schwerte!
eilt vor bis an den Abgrund

BARAK
auf der gegenüberliegenden Seite
Steh nur, ich finde dich.
Schützend umwinde dich,
ewig Gefährte!

Indem sie ihn gewahr wird, ihm die Arme entgegenstreckt, fällt ihr Schatten quer über den Abgrund.

BARAK
jubelt
Schatten, dein Schatten,
er trägt mich zu dir!

FRAU
Gattin zum Gatten!
Einziger mir!

DIE STIMMEN DER UNGEBORENEN
Mutter, dein Schatten!
Sieh, wie schön!
Sieh deinen Gatten
zu dir gehn!

Im Augenblick fällt an Stelle des Schattens eine goldene Brücke quer über dem Abgrund.

Barak und die Frau betreten die Brücke, liegen einander in den Armen.

Der Kaiser und die Kaiserin sind oben dicht an den Rand des Absturzes herausgetreten. Sie wenden sich nach abwärts, die beiden anderen blicken zu ihnen empor.

BARAK
Nun will ich jubeln, wie keiner gejubelt,
nun will ich schaffen, wie keiner geschafft,
denn durch mich hin strecken sich Hände,
blitzende Augen, kindische Münder,
und ich zerschwelle
vor heiliger Kraft!

KAISER
weist hinunter auf die beiden, weiter hinunter auf die Menschenwelt
Nur aus der Ferne
war es verworren bang,
hör es nun ganz genau,
menschlich ist dieser Klang!
Rührende Laute –
nimmst du sie ganz in dich,
Brüder, Vertraute!

CHOR
unsichtbar, hineinjauchzend
Brüder! Vertraute!

KAISERIN und FRAU
Schatten zu werfen,
beide erwählt,
beide in prüfenden
Flammen gestählt.
Schwelle des Todes nah,
gemordet zu morden,
seligen Kindern
Mütter geworden!

Schleier vorfallend, die Gestalten und die Landschaft einhüllend

DIE STIMMEN DER UNGEBORENEN
im Orchester
Vater, dir drohet nichts,
siehe, es schwindet schon,
Mutter, das Ängstliche,
das euch beirrte.
Wäre denn je ein Fest,
wären nicht insgeheim
wir die Geladenen,
wir auch die Wirte!

(libretto: Hugo von Hofmannsthal)


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最終更新:2022年08月11日 11:16