おふろ。
身体を温め、清潔に保ち、血行を促進しリラックスする行為。
しかしてそれを行う為のおふろば、
即ち
浴場を個人で所有しているのは王公貴族に裕福な商人や持ち家の高ランク冒険者と言った富裕層に限られ、一般には大衆浴場の意として用いられる。
その浴場にしても大別して二種類、湯船に浸かる温水浴と蒸気を浴びる蒸気浴である。
おふろとはお風呂、お風室、即ち広義のサウナ。
『整う』を求める冒険者が集まる場所では思いもよらぬ出会いがあるもので___
「おーい!風太!こっちこっち!」
「わかったわかった、わかったからはしゃぐんじゃない」
此処は
スタートゥ王国、ユグレス大陸の東端、世界的に見れば辺境でこそあれど冒険者の聖地と名高い沃地。
先客が一人居るばかりの閑散とした脱衣場で楽しみで仕方がないと早くも愛用の赤く塗った鎧を脱いだ青年に、
恥ずかしいから止めなさいと得物の槍を下ろした青年が応じる。
「なんだよー、風太も楽しみにしてたじゃんかサウナ~」
「何事にも節度ってモンがあるんだよバカサカ」
「あー!今オレの事バカって言った!!バカって言う方がバカなんだぞ!バーカバーカ!風太のバーカ!」
「はいはい、ほらちゃんと垢擦り用のスポンジと桶忘れんなよ?」
風太と呼ばれた青年もまた衣類を畳んで篭に納めてから得物の槍を置く場所を探すと既に脱衣場の壁に二振りの刀剣が立て掛けられているの気が付いて。
「…これは」
その見事な“
大剣と
大太刀”、そしてはたと先客の衣類篭に目を向ければそこには大きく竜胆の紋が入れられた外套が掛けられており__
「風太!!!」
一足先に蒸し風呂へと突撃して行った筈の青年に呼ばれて目を向ければ__
「来て来て!スゲー人居た!」
普段結ったり編んだりしている烏の濡れ羽色の髪を今は下ろしてタオルを巻き、化粧を落としているとて秀麗な女形の如き白磁の顏に金の瞳。
色白ながらも引き絞られた筋肉質な肉体はしかして粗野ではなく、寧ろ凛とした威厳と気品を然と漲らせていて。
その左胸には竜胆の刺青。
ああそして__
「見てみ____あの人すっげーアナコンダ!」
「スゴイ・シツレイ!」
そんな事を耳打ちするおバカをパコーンと木桶で制裁した二人の眼前、「む?」と眉根を寄せた人物こそ冒険者パーティー『
鏖金の明星』がリーダー『
狗山座敷郎』その人であった。
「騒ぐな___とは言わんが貴殿ら、入るならさっさと入るが良い。蒸気が逃げる」
(幸い話が通じていなかった)グザンにそう促された二人、
炎と
風太の二人が対面に座るとグザンはサウナストーンの如く積み上げられた熱源石へと手桶の水をかける。
シュー、という音と共に周囲が再び熱い湯気に包まれた。
「この様な場で不躾だが…『鏖金の明星』のグザン殿とお見受けする」
ややあって沈黙を破った風太の言葉に座禅を組んで瞑目していたグザンが応じる。
「如何にも。察するに貴殿もまた御同業とお見受けするが?」
「…流石『目』が良いとお聞きする筈ですな、貴公の御高名は予々」
「私などまだまだ…貴殿も中々の手練れでらっしゃる様だが?」
「…貴公を前にとてもその様な「そうそう!」
話の前置きの部分でたんこぶを押さえて不貞腐れていた青年が会話にしゃしゃり出てくる。
「コイツさ、スカした態度だけど勉強とか自主練とか人一倍でさ!あでぇ!?」
パコーン。
たんこぶ、二つ目。
「失敬、ウチのバカサカが無調法を」
「気に病まれるな。いや、貴殿のご友人のお人柄は私も好ましく思う所」
そして二つ目のたんこぶを押さえている赤坂にも目礼を送る、『久しいな』と。
「ん?あーーー!!!!」
「喧しい!!」
三回目の制裁を行おうとする風太の手が次の一言で止まった。
「なんだグザンじゃん!久しぶり!!」
「はぁ!?」
「うむ。久しいな、息災そうで何より」
これまで胸の前で左手の人差し指を立て右手でそれを包んでいた手を解き、軽く上げて応じるグザンとここで初めてそれと気付いた炎に風太は驚愕の声を上げる。
「お知り合い…でしたか」
「そうそう!いやーマジで気付かなかったわー、いつも髪セットしてるしメイクとかピアスとかしてたからさー」
「おまえなぁ…」
戦友との再会にテンションが上がっている炎に対して風太は顔を覆って大きくため息を吐く。
「え?なに?俺また何かやっちゃいました?」
「黙れバカサカ………この人めっちゃ有名人だぞ…」
「そーなの!?」
「そうなのか?」
おい、本人。
「はえー」
「いやはや面映いな」
イマイチ事の重大さを理解してなさそうな相方とそれを面映いの一言でさらりと流す本人を前に風太は頭を抱えたくなるが今度はグザンが水を向ける。
「帝国と言えば彼の国の
軍人達の練度は驚嘆に値する」
「…貴公にそう言われては過分な評価に恐縮する者も多いでしょうな」
「あ、そっかフウタも
帝国の軍人だもんな!「いらんこといわんでいい!」
パコーン。
パコーン、木桶ガード。
「ぐぬぬぬ」「ひっひっひっ同じ手は二度と食わないぜ」
それを言うなら三度目の正直である。
「ほう、貴殿もまた軍属であったか」
「ええ、まぁ…だが俺は貴公の評価に値するような人間じゃない」
「そんな事はあるまい」
顔を滴る汗を手で拭う風太の自嘲を遮るのは意外にも炎ではなくグザンの方で。
「才が及ばずとも努力を以て補わんとするその意気や良し、世には遅咲きの花もあろうさ…私もまた道半ばよ」
少なくとも弱さを自覚しながらそれを放置しない気概。
非才を理由に堕落し、安易に逃避へ走る不逞の輩と比べれば大いに好ましいと評するグザンに風太は咄嗟に言葉を返せない。
「…………………………それこそ恐縮するばかりだ」
「はえ~、やっぱ勇者候補はオーラあるなー」
横で一頻り感心していた炎が「じゃあさじゃあさ」とまた別の話題を提供した。
「
祝勝会で色々グザンのウワサとか聞いたけど実際どのくらい本当なワケよ?」
「ちょっ、おまっ!?」
噂と言うなら血腥い噂の絶えない本人を前に直球でそんな事を聞く炎に風太は驚愕するが当のグザンは「良いぞ」と快く応ずる。
「噂と言っても私はあまり関知していないのだが…」
「まずあれ!一晩でオークの集落を壊滅させたの!」
「あぁ、殲滅戦は迅速さが求められるからな。この蒸し風呂同様良い鍛練となる」
「サウナの用法をご存知ない…!?」
「勢い余って森林が地図から消えたとか!」
「森を相手取るって何だよ!?」
「うん、あれは斡旋場の人にも怒られてしまったな。よもや柱を数本切った事にあれほどまでに激怒するとは…」
「いやそりゃギルドの職員もキレますって…」
「いや遺跡が」
「あー、そっちかー」と最早突っ込みを放棄した風太に引き換え炎はキラキラした眼差しをグザンへと向ける。
「お前スゴかったんだなグザン!!」
「そう言っとるやろがい!!」
「それほどでもない」
「そうなのか!!」
「謙遜じゃいアホゥ!!」
女所帯の自分の所とは異なる系統の騒がしさに僅かに口角を上げたグザンがお返しとばかりに問う。
「なら今度は貴殿らの話をしてくれないか?伝え聞くに
遥か遠い所から来られたと」
「それは…」
どうする?と炎へと目配せする風太に炎もまた神妙な面持ちで頷くと。
「いやそっちかよ!!」
「ウイングファイブ…?」
「そして食いついたー!?」
そして始まる炎により熱く語られるウイングファイブの勇姿。
レッドファルコンへの限り無き称賛と憧憬、その一部始終を情感たっぷりに語って聞かせるのだった____
「その話、もう何度目だよ…」
途中体の垢をスポンジで擦り落として冷水を頭から被ってきた風太が、辟易した様子でいい加減のぼせてきたのか顔を真っ赤にした炎と変わらない様子のグザンの元に戻れば、今度はなんとグザンが憧憬に目を輝かせた様子で。
「素晴らしいではないかウイングファイブ…!」
「だろォ!?かー!やっぱりわかってくれるかグザン!!」
「当然だ、批判する材料が何処にある」
「うおおおー!心の友よー!!」
意外な話題で盛り上がりを見せている二人に口角をヒクつかせながら、そろそろ目を回し始めた炎に冷水を被って風を浴びてこいと促した風太が相手を引き継ぐ。
「さて、これからは俺がお相手しましょう」
「ほう、貴殿はあまり故郷の話をしたがらない様にお見受けしたが?」
「流石に貴公にあのバカの話だけが俺達の故郷だと思われても困る。最も俺達の知識なんて庶民レベルのそれなので期待されるとそれも困りますがね、何よりつまらない社会だ」
「構わん。いや寧ろ市井の者が何れ程の知識を持つかというのが肝要だろう」
「では先ずは何を?」
「然らばやはり律令について__」
語らうこと暫し、先頃まで逆上せていた炎が水分補給を済ませて戻ってくる頃には風太の語りにも熱が入り政治や経済の変遷を語っていた。
「せ、政経の授業か…?」
「いやお前も習っただろ」
「ソウデシタッケ??」
「ウッソだろお前…それでよく赤点回避できたな」
「ビバ一夜漬け」
物理的に頭を冷やしてきた筈の炎の脳細胞が再びオーバーヒートしかける中、これまで相槌を打つばかりだったグザンが再び熱源石に木桶の水をかけながら感嘆の意を示す。
「素晴らしい国に生まれたのだな貴殿ら」
「まぁそれはこっちに来てから日々実感してるよ」
「ああ、一度離れたからこそ俺達はかなり恵まれた身の上だったんだなと理解できる」
「そうだろうな。法整備を成し、民衆こそを政の主権者とし、男女の平等を最高法で以て定め、政と特定の宗教との癒着を防ぎ、政を司法、立法、行政を分け、例え罪人であろうとも健康で文化的な最低限度の生活を保証する。感嘆するばかりだ」
「………」
「へへっ」
ここまでのやり取りを経て風太は思っていた。
『この人、意外とまともだな』、と。
腥風を纏いながら、尚も凛烈、尚も凄艶。
強蔵とは正しくこういった漢を言うのだろう、前評判の通りだ。
しかし血に酔った修羅やある種の戦闘狂に見る残虐性の様な物は感じない。
直感ではあるが恐らくそう言った破壊や殺戮そのものを好んでいる訳ではあるまい。
無論、噂や前評判とは大概が誇張された物であろうが、それでも虚言ならぬ誇張で済む位のキルスコアを叩き出してはいるのだろう。
先頃からの風太の謙った物言いは、軍属という自身の立場もあるが、だから卑屈や自嘲だけではなく純然たる実力差、そして何より男としての完成度の差にある。
剣呑な男である、成る程傑物である、実力者である事に疑いは無い、尊敬に値する。
だがそれで?
重ねて言うが青野風太という男は軍属である。
そして軍属ならば上記の条件に合致する様な人物が探せばそれなりに居るのが現実である以上、今更『オーラがある』程度では驚かない。
寧ろ炎の話題に食い付いたり現代日本の社会制度を絶賛する様は年相応にすら思えていた。
そう、ここまでは。
「だが」
再び熱源石へと木桶の水がかけられ、シューという音と共に熱い蒸気が立ち込める。
「同時にこうも思う」
ここでグザンにしては珍しくやや言葉を選んで。
「なぁ、教えてくれ、その素晴らしい国では___女子供を襲うゴブリンを擁護する様な輩は湧いていないかね?」
「なっ…」「!?」
「ああ誤解を招かぬ様に言い添えておくが別段私はゴブリンに何か思うところある訳ではない、ただ例えとして適当だな所だろうと思ったばかりだ」
「それは…」
「ああ、帝国で見かけたぞ?確か…『
慈愛と共存の党』だったか。つまりはああいう手合いだな」
「法に定められた罪人の沙汰に的外れな批判が巻き起こってはいないか?
愚にもつかない己が嗜好が他の何よりも優先されねば気が済まない恥知らずは増えてはおるまいか?
もっと言えば職を持たず、共同体になんら益を齎さないばかりかその状況から抜け出す自助努力する行わない腑抜けは?」
まぁそう言った奸物が増えているだろうな、と。
額の天眼などではない、それは与えられた情報を元に研ぎ澄まされた炯眼が彼らの世界が抱える業病を言い当てたに過ぎない。
「そういった人間は…確かに存在する。だが大多数の人間はそれを決して歓迎している訳じゃない」
「……」
「だろうな」
しかしだ、とグザンは続ける。
「ならばこそ病根は深いと言えよう。愚劣であり醜悪だと言うことが判然としているのにその跋扈を許しているのだから」
「ああそれでもこの世界の現状に比べれば遥かにマシと言えるだろう、そこに議論の余地は無い。事実今日び女子供が犬猫の如く戯れに嬲り殺しにされる事もなんら珍しくあるまい?」
「端的に生命という物の重みが違うのだな、貴殿らの故郷とは」
加えて言うなら言葉の重み、絆の力、礼儀を重んじる大切さ、自己責任の重さ等。
先の自分達がどれだけ恵まれていたかというのも含めて痛感している。
事実、炎達がこうして野垂れ死んでいない事など僥倖以外の何物でもないのだから。
「外界に脅威が存在せず、法と倫理が人を守るなら是非もない」
結果生まれるのが自由や権利の名の下に絆や礼儀を軽んじ、責任のなんたるかを理解しようともしない無知蒙昧。
「断っておくがこれは帝国や貴殿らの故郷だけの問題ではない」
人魔闘争が膠着状態と化した事で生まれた束の間の平和。
薄氷でしかない平穏ですらもそういった輩を生み出してしまう。
仮に人族と魔族、どちらかが勝利を納めたとてそんな輩が横溢する世界では意味がない。
そんな平和に何の価値があろうか。
「端的に守るだけ、救うだけでは不十分だと言うことだろうな」
「貴殿らもその日常とやらに飽いていたのだろう?つまらんと言っていたではないか?ならばこそウイングファイブの勇気の讃歌に魅了された、違うか?」
二人はそれを否定できない。
ロクシア(ここ)での日々は刺激的で充実している、嘘じゃない。
いつだって戦場は男児の檜舞台だ、興奮と高揚に心踊らせた自分が居たことは偽りようがないのだから。
そしてそれは逆説的にそれまでの日常に膿んでいた事の証左に他ならない。
だるいだるいと、つまらんつまらんと言いながら半ば惰性で生きていた、生きれてしまった。
「…故に天下統一を成すと?」
「然り」
静かながらも熱く熱く、一切の陶酔や諧謔の混じる余地の無いグザンの語り口。
風太は呑まれつつあった、その風格に。
青野風太。帝国の新鋭、怜悧なる俊傑。
下手に出てこそいるが断じて臆病者ではない。
そしてグザンにしても取り立てて風太を取り込もうとしているつもりはない。
要は互いの性質や属性の問題で、覇者とは意図せずしてもその覇道に他者を呑み込んでしまうという事。
「つまりはよりより未来へ導いてやりたいのだ、正道を指し示す標として。この身が示す支配とはそういう類いの物だ、その為にも…」
そう故に、万感の決意を込めて。
「私は必ずや大義を成して見せる。宣したならば貫徹するのみ」
凛然と傲然と、文字通り確定事項として宣する様はやはり雄々しくて。
天下の大事、大義、宿願、信念、そしてなにより勇気。
この時風太は魅せられていた、果て無き未来を目指して突き進まんとするその雄々しさに。
「本当に全く、なんという漢なのだ貴公は…」
自らもまたその覇道に列したい、と思うか思わざるかのその刹那。
「うーん、でもさぁ…」
何処か不満げな声がこれまで相槌や感嘆の声しか上げてこなかった相方から上がった。
自然、グザンと風太の視線は其所へ注がれる。
「俺自身そこまで深く考えた訳じゃないし上手く言葉にできないけど____未来を目指す事ってそんなに凄い事なのか?」
「お前…」「ほう」
バカサカがまたバカな事をと言いたげな風太に対してグザンは興味深げに眼を細める。
「即ち貴殿は日常をこそ尊いと?」
「まー…そうなるのかな、うん。というかどっちも大事でそこに優劣みたいなのを付けるのが違うかなって」
雄々しく未来を目指す意思、勿論それは素晴らしい物だろう。
ならば日常を愛する事はそれに比べて劣るのか?
先にグザンが述べた様に、安穏の中では人は標なくばその輝きを腐らせてしまうから?
日々の小さな幸せとは、天下国家を憂う大義を前に無価値なのだろうか?
「違うと思うんだ、俺はレッドファルコンに憧れてるけどそれはつまんない日常からの逃げじゃない」
「いいや、つまんねーとかだりーとか、そんな事を皆と駄弁ってる時間だってきっと大切な物なんだって、俺は思うんだ」
明日の光を拝する勇者候補に、人々の日常を守るヒーローを目指す少年はその心のありのままを語るのだった。
ならばこそ___
「…カッコつけ過ぎなんだよ、バカサカ」
「良いではないか、それもまた勇気。その上で私もまた大義を貫徹して見せよう」
炎の肩を小突く風太。
そしてグザンもまたならばこそいつか雌雄を決する事になるだろうと雄々しく宣していた___壁に。
「おーい、グザン?俺こっちこっち」
「はて?分身の術とは面妖な?」
バターン。
振り向こうとした体が言うことを聞かずに頭から床に激突する。
「はてぇ?」
そして珍しく呂律も怪しい、これは即ちもしかしなくとも。
「ぐ、グザーン!!?」
「赤くなってないだけでめっちゃ逆上せてるこの人ー!?」
そういえば先頃言っていた、蒸し風呂(サウナ)を鍛練と。
「ええい水ぅ!!誰か水ぅ!!」
「いいやもうこのまま水甕に投げ込むぞ!」
「人命救助としてそれは果たしてどうなんだ?!」
「許せよグザーーーン!」
水柱を上げて投げ込まれた事でグザンは復活。
礼を述べた後に身支度が手間だと先に上がっていったのだった_____
斯くて炎と風太も再び水を被った後、腰掛けて風を浴びる事と相成ったのであった。
「あ゛ーーー整うわぁ~」
「自律神経が喜んでるのを感じる…」
今度は
大地も連れてこようとか
女性陣にも勧めとくかみたいな話の後に心地好い脱力感と共に風太は一人ごちた。
「なぁ…赤坂」
「んー?」
「お前がお前みたいな奴で良かったよ」
「おっおう、なんだよいきなりー」
「いややっぱりバカサカはバカサカだって話」
「あー!またオレの事バカって言った!!バカって言う方がバカなんだぞ!バーカバーカ!風太のバーカ!」
それにしても、と炎を無視して風太は続けた。
結局聞けなかったな、なんであの人がスタートゥなんかにいたのか、と。
関連
最終更新:2025年02月03日 12:59