櫻華 神寿

『オウカ ミコト』

薫桜ノ皇国の皇王、櫻華 泰斗と側室の間に産まれた第一皇女。
『神寿』とは神職としての名であり、本名は『櫻華 菫』(オウカ スミレ)と言う。
年齢は二十歳。

歴代皇家の中でも特に秀でた霊力の持ち主。
その為に幼少時から城を離れ、光神山神社巫女として育てられた。
腰まで伸ばした長い烏の濡れ羽色の髪をポニーテールにして纏め、神の使いである白い狐の仮面を常に着用している。

数々の祈祷や儀式で皇国に迫る災いを取り除く神事の要。
滅多な事では光神山神社から出る事は無く、本人もそれが自分に与えられた役割であると納得し光神山神社から皇家の息災を祈る日々を送っている。


+ 正体
その正体は、薫桜ノ皇国次期皇王『櫻華 日ノ丸』よりも先に産まれた男児、即ち皇家の第一皇子(・・・・)である。

今から二十年前、泰斗がグザンを城門で拾うよりも前の『黒太陽』の日に皇家の長兄として産声を上げた。
だが男女の区別が曖昧な上に顔の左半分が大小三つの歪な眼球が蠢く異形の貌として生まれ、家臣達から『呪い子』として処分されかける。
泰斗の尽力で命は助かったものの、城から離れた光神山神社に隔離され育てられる事に。
その際に継承権を剥奪するが為に女児として扱われ、以降は皇家から半ば切り離された存在として生きる事となった。

彼が異形として産まれた原因は、かつて泰斗が神隠しにあった際にその体内に隠されるよう内包され続けていた『神の因子』によるもの。
グザンが人間と外神の間に産まれた神の仔であるならば、ミコトは人間を通して生まれてしまった神の落とし仔であると言えよう。

その後は光神山神社の神主の下で心優しい子として成長する。
とある経緯で外神形態を発現させてしまうが自力で制御に成功し、神主の配慮もあって外部にミコトの危険性が知られる事は無かった。
そしてこの一件で自分の異質さと城から遠ざけられた真意を悟るも、それも仕方ないと認めた上で皇国を守る巫女である役目を果たす決心をした。

そんなある日、神社にやってきた『狩衣と烏帽子を纏った男』から、鏖金の明星なる冒険者達のリーダー『グザン』が自分と同じ『神の落とし仔』であり、泰斗の養子として城で暮らしていた弟であった事を教えられる。

そこで『同じ怪物』であるグザンが城で、父の傍で息子として愛されていたという事実を自分の境遇と比べてしまう。
その瞬間、今まで無意識に抑え込んでいた感情が爆発。
グザンと、そして正当な跡取りである幼い日ノ丸に対して激しい憎悪を燃やすようになってしまった。

+ 能力
グザンと同じく、外神の落とし仔として常人とは比較にならない程の身体能力と生命力を持つ。
外神形態も既に任意で発動でき、その際の外見も殆どグザンと変わらない。
ただし顔の左側にある三つの眼が全て千里眼化しており、触手の色は白銀色となっている。

ただし実戦による戦闘経験はグザンとは雲泥の差が在る。
かつて神主によって祠の中に封じられた『真紅の刀身を持つ妖刀』までも持ち出す様になったが、それでもグザンの剣技には遠く及ばない。

だが一方で魔術方面での才覚はグザンよりも遥かに高い。
魔力気功双方を練り合わせる仙術もほぼ独学で完全に行使する事が可能。
そして神職としての特性上、自身の中に存在する外神の力の制御もグザン以上に長けているようだ。
外神形態に関してもグザンは覚醒に己の生命の危機を克服する為の大きなキッカケが必要だったのに対し、ミコトは最初から完璧に出来てしまっていた。
変身継続時間や肉体の負荷の効率化に関しても初期変身の時点で既にグザンの『外神形態・改』を上回っている。

総評すると戦闘技術においてはグザンに分があるが、魔術や外神形態での神力行使においてはミコトに分があるといった所。

+ 現在
先代神主の没後は光神山神社の筆頭神主の座を継ぎ、傍からは皇家を守護する責務を全うしているように見える。
しかしその後も度々やってくる永麿と会合し、国の王座を奪い取る算段を練りながら自身の鍛錬を続けているようだ。

そして永麿の手配で魔界門から現れた魔将ノブナガとも対面。
皇国に侵攻した暁にはミコトを皇国領主に配置するという密約を交わし、ノブナガの傘下に加わる事に。
その際に自らを『トリカブト』と名乗るようになり、現在はノブナガ傘下の中でも幹部格として名を連ねている。



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最終更新:2023年12月03日 22:40