魔法少女になりました! ◆4mUKylJw5c
前略、お父さん、お母さん。
元気にしてますか?
私、さくらは元気です。
元気にしてますか?
私、さくらは元気です。
一時はどうなるかと思った法英高校での生活は、充実しているものになっています。
優しくていい友達に囲まれて私は文武ともに日々の成長を感じているところです。
優しくていい友達に囲まれて私は文武ともに日々の成長を感じているところです。
あ、そうそう。
私、生徒会長になったんだよ!
詳しくは知らないけど、私が特待生だからって理由だなんだとか。
お陰で中々休めない事もしばしば。
私、生徒会長になったんだよ!
詳しくは知らないけど、私が特待生だからって理由だなんだとか。
お陰で中々休めない事もしばしば。
けれど、お母さんたちの為にバイトは続けるつもりだし、こっちで一所懸命、私なりにやってくつもりです。
お父さん、お母さん。
私、頑張って二人に安心して暮らせる様に頑張るからね。
だから、こんな娘だけど、これからも支えてください。
私、頑張って二人に安心して暮らせる様に頑張るからね。
だから、こんな娘だけど、これからも支えてください。
それじゃあ、お父さん、お母さん。
今日も行ってきます。
今日も行ってきます。
龍造寺 さくら
◇◆◇◆◇◆◇◆
「お父さん…お母さん…」
私は手に握られた手紙を見ながら、そう呟く。
昨日の夜に書いた、お父さんとお母さん宛の手紙。
次の日の朝、ポストに投函して、二人に何気ない生活の報告をしようと、安心しきっていた夜。
けれど、そんな朝は私に来なかった。
昨日の夜に書いた、お父さんとお母さん宛の手紙。
次の日の朝、ポストに投函して、二人に何気ない生活の報告をしようと、安心しきっていた夜。
けれど、そんな朝は私に来なかった。
来たのは、ヨグスという人が私たちに殺し合いを強制的にさせようということ。
その殺し合いに私はたまたま巻き込まれた、ということ。
そして、私は今、この『殺し合いの参加者』としてここに居ること………。
そういえば、法英高校独特の白を基調としたブレザーと『生徒会長』と書いている腕章まで丁寧につけられているらしい。
…わざわざ丁寧に、なにしてくれたんだ、と思っちゃう自分がいたりもする。
その殺し合いに私はたまたま巻き込まれた、ということ。
そして、私は今、この『殺し合いの参加者』としてここに居ること………。
そういえば、法英高校独特の白を基調としたブレザーと『生徒会長』と書いている腕章まで丁寧につけられているらしい。
…わざわざ丁寧に、なにしてくれたんだ、と思っちゃう自分がいたりもする。
さて。
もう一度、手紙を見る。
何故か目覚めた時から私が握っていたこの手紙。
あのヨグスさんが私に意図的に持たせたかどうかは分からないけれど、私にとっては、唯一『日常』を感じれるモノ。
もう一度、手紙を見る。
何故か目覚めた時から私が握っていたこの手紙。
あのヨグスさんが私に意図的に持たせたかどうかは分からないけれど、私にとっては、唯一『日常』を感じれるモノ。
けど、そんな『日常』は手紙以外私から奪われ、『非日常』が私には与えられた。
理不尽な、迷惑な『非日常』。
私からすれば、無用のもの。
理不尽な、迷惑な『非日常』。
私からすれば、無用のもの。
「…とりあえず、これからどうするか考えなきゃ」
私に与えられた多くの無用なもの。
その内の1つがこのリュックサック。
この中には役に立つものが色々入ってるとかなんとか。
その内の1つがこのリュックサック。
この中には役に立つものが色々入ってるとかなんとか。
試しに中を見ると地図とか、コンパスとか。
それと、コッペパンとか、食べるものが色々。
それと、コッペパンとか、食べるものが色々。
「コッペパン…小学校の給食以来だなぁ…」
当時の私の家の経済事情は、今よりも厳しかった。
今はまだ毎日食べるものに困るもので済んでいたけれど、昔は住むものさえ、着るものさえどうしようもなくて、給食費なんて払えなかったもん…
それで何度、クラスから苛められて、お母さんたちが泣いて私に謝ったか…
今はまだ毎日食べるものに困るもので済んでいたけれど、昔は住むものさえ、着るものさえどうしようもなくて、給食費なんて払えなかったもん…
それで何度、クラスから苛められて、お母さんたちが泣いて私に謝ったか…
(…お母さん、お父さん。二人はまったく悪くないよ)
私は苛められてお父さんやお母さんが泣くのは見たくなかった。
だから、必死に勉強して今の法英に特待生として入った。
お父さん、お母さん。
二人とも心から喜んでくれた。
それが嬉しかった。
それから、私を馬鹿にする人は居なくなったし、昔に比べればお父さんは職を見つけたし、それでなんとか最低限の生活は出来る様になったからいいんだよね。
だから、必死に勉強して今の法英に特待生として入った。
お父さん、お母さん。
二人とも心から喜んでくれた。
それが嬉しかった。
それから、私を馬鹿にする人は居なくなったし、昔に比べればお父さんは職を見つけたし、それでなんとか最低限の生活は出来る様になったからいいんだよね。
「帰りたいよ…」
お母さんと、お父さんと。私と。
またいつか、裕福な訳じゃないけど、幸せに溢れる生活に戻りたい。
早く、ここから抜け出したいのに。
またいつか、裕福な訳じゃないけど、幸せに溢れる生活に戻りたい。
早く、ここから抜け出したいのに。
―――今の私には、どうにも出来やしない。
私は強くない。
だから、これっぽっちも戦える手段を持っていない。
私は強くない。
だから、これっぽっちも戦える手段を持っていない。
せめて何か武器を…と思ったものの、出てきたのはビデオカメラ。それと、SDカード。
完全に外れをわたされたんじゃないか。
普通だったら、飛びついてまで欲しい物なのに、今はこのやる気の無さと無力感で手が伸びない。
完全に外れをわたされたんじゃないか。
普通だったら、飛びついてまで欲しい物なのに、今はこのやる気の無さと無力感で手が伸びない。
…私は…
私は結局、なんの為に殺し合いに呼ばれたんだろう。
漫画はあまり読んだ事は無いけれど、私はすぐ殺される、1コマだけしか出てこない役目なのかな。
…運無さすぎるよ、私。
私は結局、なんの為に殺し合いに呼ばれたんだろう。
漫画はあまり読んだ事は無いけれど、私はすぐ殺される、1コマだけしか出てこない役目なのかな。
…運無さすぎるよ、私。
「…あれ?」
と、私はそこであるカードが視界に入った。
見た目は至って普通のカード。
けれど、これは確か…
見た目は至って普通のカード。
けれど、これは確か…
(最初言われた、スキルカード…)
効果は期待出来ない。
ハッタリかもしれない…。
でも、こんな不運な私に、残された希望はこれしかない。
…でもせめて、『落とし穴を作る』とか、『相手が不運』になるとか、そんなんがいいなー。なんて思ったりもした。
ハッタリかもしれない…。
でも、こんな不運な私に、残された希望はこれしかない。
…でもせめて、『落とし穴を作る』とか、『相手が不運』になるとか、そんなんがいいなー。なんて思ったりもした。
そう思いつつ。私はカードに書かれた文字をフツーに読み上げた。
「…えーと、『ある魔法少女の魔法能力』?なにこれ、やっぱ外れ―――」
そう言いかけた時、私の体が光に包まれた。
今まで体験した事の無い、眩しい光。
私はおもわず、反射的に目を瞑る。
今まで体験した事の無い、眩しい光。
私はおもわず、反射的に目を瞑る。
…数十秒程、続いた光。
収まった頃合いを見て、私はその瞼を開いた。
収まった頃合いを見て、私はその瞼を開いた。
「うー…なんだんだっだろう…さっきの光…」
訳が分からない。
使ったら必ず光るのだろうか。
…まぁ、私からしたら、『ある魔法少女の魔法能力』なんて名前、ちょっと期待はしてたんだけど。
使ったら必ず光るのだろうか。
…まぁ、私からしたら、『ある魔法少女の魔法能力』なんて名前、ちょっと期待はしてたんだけど。
「どんな能力か分からないし、やっぱ…外れかぁ」
空を見上げ、両腕を空へと伸ばす。
気がついたら真っ暗。
夜なのかな?時間の感覚さえ分からないからどうだろう。
私の目に写るのは、空で光る星達と、青色のフリル付きの袖だけ。
それ以外は、なにも…?
気がついたら真っ暗。
夜なのかな?時間の感覚さえ分からないからどうだろう。
私の目に写るのは、空で光る星達と、青色のフリル付きの袖だけ。
それ以外は、なにも…?
「青色のフリル?」
私の制服に、ワンポイントながら水色は使われている。
けど、こんな濃い青色は使われてなかったハズ。
それにフリル?フリルはスカートだけだし…
けど、こんな濃い青色は使われてなかったハズ。
それにフリル?フリルはスカートだけだし…
なにより、法英高校は、普通の白色の袖…。
少し止まる。
空から両腕へと視線を下ろして行く。
空から両腕へと視線を下ろして行く。
両腕の袖は、可愛らしい青色を中心とした、何処か爽やかな、けれどそれを感じさせない程度の派手な柄。
腕章は見当たらない。
一先ずそれが肩まで続き、さらに下に目をやる。
胴体。
お姫様みたいなまた青を中心としたまたドレスのような可愛らしい服。
けれど動きやすい様に、全体的にスッキリとした感じ。
ちなみに制服は白。デザインは人気があるとは聞いたけど、ここまでかわらしくはない。
腕章は見当たらない。
一先ずそれが肩まで続き、さらに下に目をやる。
胴体。
お姫様みたいなまた青を中心としたまたドレスのような可愛らしい服。
けれど動きやすい様に、全体的にスッキリとした感じ。
ちなみに制服は白。デザインは人気があるとは聞いたけど、ここまでかわらしくはない。
でもスカートは動きやすさを求めたのか膝より上、いやこれ見えるんじゃないかってくらい短く、かつハイソックスを履かされている。
…うちの学校は膝上は禁止なのに。
…うちの学校は膝上は禁止なのに。
「…信じられない」
その姿は、端から見たら完璧にお姫様。
『魔法少女』と言われても納得出来る風貌だった。
『魔法少女』と言われても納得出来る風貌だった。
魔法少女。
漫画の中の様な…女の子の憧れを、今私は体験しているんだ。
漫画の中の様な…女の子の憧れを、今私は体験しているんだ。
「…ん…なに?」
そんな私に、次は頭の中に文字が流れ込んで来た。
どうやら、この魔法能力の説明らしい。
どうやら、この魔法能力の説明らしい。
「近接戦闘…?双剣…?魔法…?」
何やら次々と入ってくるので、私の頭はパンク気味。
けど、なんか嘘臭い。
いくらなんでも…魔法なんて…
けど、なんか嘘臭い。
いくらなんでも…魔法なんて…
「…一先ず、何処か落ち着いた、建物に入ってから考えよ…」
説明に戸惑い、いまいち状況が掴めない私。
落ち着かせる意味合いを込めて、荷物の中に入っていただろう地図を開こうとした時。
落ち着かせる意味合いを込めて、荷物の中に入っていただろう地図を開こうとした時。
「めぐるーーー!」
「え?ちょっ!」
「え?ちょっ!」
やけに大きな声。
それと同時に押し倒される私。
下はコンクリート。
…背中が痛いよ。
でも、いきなり何!?
それと同時に押し倒される私。
下はコンクリート。
…背中が痛いよ。
でも、いきなり何!?
「えっ?えっ?」
あわあわと焦る私を尻目に仰向けの私にまたがっている、声の主が分かる。
年は私と同じくらい。けど、その風貌は最近の女子高生、といった感じ。
化粧はしてないけど、活発で綺麗な印象。
同じ女子高生とは思えない、綺麗な人。
その綺麗な人。私は知らない人だ。
つまり、他人。
年は私と同じくらい。けど、その風貌は最近の女子高生、といった感じ。
化粧はしてないけど、活発で綺麗な印象。
同じ女子高生とは思えない、綺麗な人。
その綺麗な人。私は知らない人だ。
つまり、他人。
(どうして私に…てか、めぐるって?)
考える私を見ず、女の人は大きく息を吸って、口を開いた。
「いやー、アタシも驚いたよ!目ぇ覚ましたら殺し合いだもん!マジ困ったよ~でね、アタシそこいらどうしようもなくうろうろしてたらさ、アンタが居たんだ!嬉しくてさ!つい飛び乗っちゃった!ごめんね!お詫びになんか奢るからさ!許して!」
「あの…」
「あっ!その前にこの殺し合いぶっ潰さないと…でもアタシ、なんか魔法使えなくなっててさ~、前衛後衛出来ないみたいなんだよね~。あっ、もしかしたらあのスキルなんちゃらに取られてるかも…めぐる、アンタは…その姿を見ると、大丈夫みたいね。あーんしんあーんしん」
「えっと…」
「スキルにされた時は大丈夫。アタシ、他人の能力取れるスキルになってるからさ!だから誰かに取られてたら、アタシが奪う。それでカンペキ!それでいつものサイキョーコンビが戻って万事休す!…いや、万事解決…まぁ別にいいや!いいよね!別に!うん!」
「…」
「同じ学校の知り合いはいるっちゃいるけど、正直アタシ一人で大丈夫かな~て思ったけど、めぐるがいるなら心強い!じゃあ、とっととあの馬鹿をぶちのめしに…」
「あの!」
「あの…」
「あっ!その前にこの殺し合いぶっ潰さないと…でもアタシ、なんか魔法使えなくなっててさ~、前衛後衛出来ないみたいなんだよね~。あっ、もしかしたらあのスキルなんちゃらに取られてるかも…めぐる、アンタは…その姿を見ると、大丈夫みたいね。あーんしんあーんしん」
「えっと…」
「スキルにされた時は大丈夫。アタシ、他人の能力取れるスキルになってるからさ!だから誰かに取られてたら、アタシが奪う。それでカンペキ!それでいつものサイキョーコンビが戻って万事休す!…いや、万事解決…まぁ別にいいや!いいよね!別に!うん!」
「…」
「同じ学校の知り合いはいるっちゃいるけど、正直アタシ一人で大丈夫かな~て思ったけど、めぐるがいるなら心強い!じゃあ、とっととあの馬鹿をぶちのめしに…」
「あの!」
沈黙。
綺麗な女の人は、これでもかと言わんばかりに早口で私に言い寄ってきた。
ついでに今のやり取りは一分おそらく無い。
最近の女子高生って、早口がトレンドなのかな?
…どうでもいいか。とりあえず、伝えないと。
綺麗な女の人は、これでもかと言わんばかりに早口で私に言い寄ってきた。
ついでに今のやり取りは一分おそらく無い。
最近の女子高生って、早口がトレンドなのかな?
…どうでもいいか。とりあえず、伝えないと。
またしても、沈黙が訪れた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「いやー、悪かったね!ごめん!この通り!許して!」
ぱちん、と顔の前で手を合わし、私に謝る女の人。
さっきまで嬉しそうだった顔は、何処か申し訳なさそうになっている。
さっきまで嬉しそうだった顔は、何処か申し訳なさそうになっている。
私は「いや、べつに構わないので…」と返した。
すると、また女の人はぱぁぁ、と明るくなって、私に話しかける。
すると、また女の人はぱぁぁ、と明るくなって、私に話しかける。
「ほんと!?ありがとね!あっ、自己紹介、まだだったね!私、安田智美!安田財閥の安田に、智美は…うーん…いい例えが見つからないからいいや」
「智美ちゃん…」
「智美ちゃん…」
女の人、いや、智美ちゃんは明るい調子を取り戻して、何処か嬉しそう。
見た目は普通の女の子。でも、さっき言ってためぐるという人が疑問に残る。
見た目は普通の女の子。でも、さっき言ってためぐるという人が疑問に残る。
「あの…よかったらで良いんだけど…1つ、いい?」
「ん?なになに?おねーさんに何でも聞いてみなさくら!」
「…めぐるって?」
「…あー」
「ん?なになに?おねーさんに何でも聞いてみなさくら!」
「…めぐるって?」
「…あー」
『めぐる』と聞いた智美ちゃんは、今度は嬉しそうな顔を普通の顔に戻す。
普通の顔はさっきのはしゃぎっぷりを感じさせない、綺麗な顔立ち。
ファッション雑誌の読書モデルになってそうな、ありふれた、親しみのある可愛さだった。
普通の顔はさっきのはしゃぎっぷりを感じさせない、綺麗な顔立ち。
ファッション雑誌の読書モデルになってそうな、ありふれた、親しみのある可愛さだった。
智美はちゃんはその長い茶髪をバツが悪そうに髪を掻きながら私に返した。
「…信じられないなら、そう言って」
「うん」
「……アタシ、魔法少女なの。一応、今は能力が取られちゃってるから、『仮』だけどね。あっ、めぐるは同じ魔法少女仲間なのよ」
「うん」
「……アタシ、魔法少女なの。一応、今は能力が取られちゃってるから、『仮』だけどね。あっ、めぐるは同じ魔法少女仲間なのよ」
やっぱり。
そうじゃないと、こんな服装の人に抱きついたりしない。
あ、って事は…
そうじゃないと、こんな服装の人に抱きついたりしない。
あ、って事は…
「めぐるって人も、この殺し合いに…」
「居るかも、ね。それはそれで困るけど」
「…」
「居るかも、ね。それはそれで困るけど」
「…」
真剣な顔立ちになる智美ちゃん。
今は、何処か落ち着いた、さっきの女の子とは違う、『戦う少女』の姿。
今は、何処か落ち着いた、さっきの女の子とは違う、『戦う少女』の姿。
「めぐるはね…体が弱くて…その魔法能力で生き延びてるもんだったの…」
「…」
「それまで病院にしか居なかったから、友達、アタシだけでね…アタシとめぐるは、毎日闘いながら、楽しくやってた…」
「そうなんだ…」
「それが…どうしてこんな…」
「…」
「あはは…暗くなっちゃったね。じゃ、これからどーしようか…」
「智美ちゃん」
「…」
「それまで病院にしか居なかったから、友達、アタシだけでね…アタシとめぐるは、毎日闘いながら、楽しくやってた…」
「そうなんだ…」
「それが…どうしてこんな…」
「…」
「あはは…暗くなっちゃったね。じゃ、これからどーしようか…」
「智美ちゃん」
智美ちゃんを呼ぶ私。
今の智美ちゃんは、普通の女の子。
私より、めぐるって女の子の方が、この能力は使えると思う。
だから―――
今の智美ちゃんは、普通の女の子。
私より、めぐるって女の子の方が、この能力は使えると思う。
だから―――
「能力は、めぐるちゃんと会った時に渡す」
「…」
「それまでは、私が魔法少女になるよ。智美ちゃんが能力を取り戻して、めぐるちゃんと会って、二人がこの殺し合いを止めるまで…」
「…でも!魔法少女は…そう簡単に…」
「智美ちゃん、私。決めたよ!それが、ここで私がやるべき事なんだよ!」
「…」
「それまでは、私が魔法少女になるよ。智美ちゃんが能力を取り戻して、めぐるちゃんと会って、二人がこの殺し合いを止めるまで…」
「…でも!魔法少女は…そう簡単に…」
「智美ちゃん、私。決めたよ!それが、ここで私がやるべき事なんだよ!」
「さくら…じゃあ、私がめぐるの能力を…」
「それだと、智美ちゃんの能力は?」
「…」
「それだと、智美ちゃんの能力は?」
「…」
智美ちゃんは強い、と思う。
戦える自信は無いけれど、私が希望を持つ唯一の道はそれだと思うから。
智美ちゃんに下がらせるのは嫌だ。
私だって、とんでもない事を言ったと思う。
怖いに決まってる。喧嘩なんて、ろくにした事無い私が闘うなんて…
戦える自信は無いけれど、私が希望を持つ唯一の道はそれだと思うから。
智美ちゃんに下がらせるのは嫌だ。
私だって、とんでもない事を言ったと思う。
怖いに決まってる。喧嘩なんて、ろくにした事無い私が闘うなんて…
お父さんとお母さんの下に帰る為に進むべき道はこれなんだって。
神様が言ってるみたいなら。
神様が言ってるみたいなら。
「…分かった。ケド、無理すんなよ」
「うん」
「アタシ…拳銃渡されてるらしいから…いざって時はアタシがなんとかする…」
「うん!」
「いい、さくら…めぐる見つけるまで、死なないでよ」
「智美ちゃんもね」
「…ははは」
「うん」
「アタシ…拳銃渡されてるらしいから…いざって時はアタシがなんとかする…」
「うん!」
「いい、さくら…めぐる見つけるまで、死なないでよ」
「智美ちゃんもね」
「…ははは」
智美ちゃんは、バツの悪い顔で、私に笑った。
◇◆◇◆◇◆◇◆
…ふざけんな。
魔法少女なんて、これっぽっちも夢がある事じゃない。
あの妖精は、めぐるの魔力を吸い取る為に契約したんだ。
元々病弱なめぐるは、魔法能力を取られたなら、前よりもっと弱ってるはず…。
魔法少女なんて、これっぽっちも夢がある事じゃない。
あの妖精は、めぐるの魔力を吸い取る為に契約したんだ。
元々病弱なめぐるは、魔法能力を取られたなら、前よりもっと弱ってるはず…。
…めぐる。
頼むからさ。
その服は、さくらが着ている白の魔法服は、アンタが一番似合ってるんだよ。
頼むからさ。
その服は、さくらが着ている白の魔法服は、アンタが一番似合ってるんだよ。
さくらはこんな事言ってるけど、さくらも守らなきゃならない。
その場の感情に任せた言葉なんて、すぐに揺らぐ。
それは…アタシが一番分かる。
めぐるの前にそう主人公気取って死んでいった奴等が居たから…
その場の感情に任せた言葉なんて、すぐに揺らぐ。
それは…アタシが一番分かる。
めぐるの前にそう主人公気取って死んでいった奴等が居たから…
ねえ、めぐる。
死なないでよ。
さくらも死なせない。
アタシも、アンタを早く見つけて死なせない。
その為だったら、私はなんだってする。
死なないでよ。
さくらも死なせない。
アタシも、アンタを早く見つけて死なせない。
その為だったら、私はなんだってする。
殺し合いに乗る奴が居たら、さくらの代わりに私が殺す。
だから、待ってろ、めぐる―――――――!
だから、待ってろ、めぐる―――――――!
【一日目・深夜/D-2】
【安田智美】
【状態】健康
【装備】小型拳銃
【スキル】
【所持品】基本支給品、
【思考】
基本:めぐるととっとと会って、早くこの殺し合いをぶっ潰す
1.さくらに無理はさせない
2.めぐるを早いとこ見つける
3.歯向かう奴は倒す
※どの小型拳銃は不明。残弾も不明ですので、後の書き手様に任せまする。
【安田智美】
【状態】健康
【装備】小型拳銃
【スキル】
【所持品】基本支給品、
【思考】
基本:めぐるととっとと会って、早くこの殺し合いをぶっ潰す
1.さくらに無理はさせない
2.めぐるを早いとこ見つける
3.歯向かう奴は倒す
※どの小型拳銃は不明。残弾も不明ですので、後の書き手様に任せまする。
【龍造寺さくら】
【状態】健康
【装備】無し
【スキル】『ある魔法少女の魔法能力』
【所持品】基本支給品、不明支給品1~3
【思考】
基本:魔法少女の代役を果たす
1. 聖澤めぐるに会い次第、能力を渡す
2. 生きて帰る。
※能力の使い方を理解していません。
【状態】健康
【装備】無し
【スキル】『ある魔法少女の魔法能力』
【所持品】基本支給品、不明支給品1~3
【思考】
基本:魔法少女の代役を果たす
1. 聖澤めぐるに会い次第、能力を渡す
2. 生きて帰る。
※能力の使い方を理解していません。
15:生の実感 | 時系列順 | 16:許されざる者 |
18:思い出依頼 | 投下順 | 20:そして彼の受難は続く |
龍造寺さくら | 26:目まぐるしく回る事態 | |
安田智美 | 26:目まぐるしく回る事態 |