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オリロワVRC @ ウィキ

カタハネ

最終更新:2023年02月20日 22:56

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カタハネ



謎と秘密と陰謀と


酔った勢いの与太話を愛する 


すべての人々へ


◆◆◆


夜鮫里菜(よざめ りな)17歳。その名が彼女の表の現実(リアル)。
地味眼鏡、勤勉、人付き合いが悪いの三拍子。学院内でも近寄るのは数少ないと言った文字通りの高嶺の花。
住む世界が違うと言わんばかりに漂わせる雰囲気は辛辣そのもの。

だが、そんな彼女が唯一「親友」と認めている女友達がいる。
赤崎愛奈(あかざき あいな)。クラスでも有名なトラブルメーカー兼、ムードメーカー。
最初こそうざ絡み同然に里菜を誘ったりして、当人から滅茶苦茶面倒くさがられていた。
実際そうだろう、誰にだって知られたくない秘密の一つや二つはある。夜鮫里菜もそれに該当する一人であった。
彼女の場合、実はネットで幅を利かせるVtuber、と言う裏の顔が知られたくない真実の一つだったわけなのだが。最も、それもまた真の裏の顔を隠すためのカモフラージュ。

世間の話題、謎多き美少女。混迷の夜を引き裂く一陣の蒼い蝙蝠。
ナイトシャーク。SNS上で義賊と評され、賛否両論の扱いを貰っている神出鬼没の女怪盗である。
夜鮫の家系は代々義賊の血を引いており、遡れば祖先があの怪人二十面相としのぎを削っていた……という叔父の与太話。まあ二十面相との確執の真偽は兎も角怪盗家業でぶいぶい言わせていたのは事実らしい。
狙う目標は違法に奪われた古代遺物(オーパーツ)をメインに、悪徳官僚がしまい込んだ裏金を奪って貧しい民に分け与えたり。
ネットワークで色んな素性がバレたりするこのご時世で、そんな義賊家業を続けて未だ身バレしていないのは、彼女自身が怪盗業を為す為に自力で学んだハッキング技術の賜物。
表の顔における素性バレ対策にも手を抜かない。兎に角学院では誰も寄り付かない勤勉クールキャラを気取って寄り付かないようにはしている。
……で、そんな彼女の気苦労も知らずに幾度となく「友達になろう!」なんて言ってくる赤崎愛菜は心底ウザかった。それもちょっと昔の話。
昼は仏頂面。家ではVtuber。そして夜は神出鬼没の女怪盗。両親という理解者はあれど、彼女の心は深海に揺蕩うメッセージボトルの如く孤独。
その孤独をこじ開けて手を伸ばしたのが、赤崎愛奈だったのだろう。

いつの日だったか。素行の悪い不良共に愛奈が連れて行かれたという噂。
その不良が次のターゲットの関係者だったのが理由か、単純に自分のことを叫ばれる面倒を起こされる事を避けたかったのか。だが、少し派手にやりすぎた。
如何にも不良が彼女に対して破廉恥な事を仕出かしそうだったので、思わず黙っていられなくて文字通り〆た。かれこれ2年怪盗家業をやっている、生半可な不良を叩きのめす程度なら生身一つでどうとでもなる。
で、それを目の当たりにした愛菜は吃驚仰天。それはまあ当然だ。
そこまではまだいい。最悪気を失わせて夢だったで終わらせるかどうかすればよかったのだから、だが。

『里菜って、もしかして正義の味方とかやってない?』 

不意を打たれたような言葉だった。確かに世間一般で怪盗ナイトシャークを正義の味方扱いする者も少なくはない。だが夜鮫里菜は善と悪の境界線を自覚している。例えどれだけその行いの行き着く先が善行であろうと、怪盗は影であり、闇であり、悪党であることには代わりはないからだ。

『いや、そういうわけじゃないんだけれど私……。』
『そんな~、でもさっきの里菜かっこよかった! まるで本当にヒーローみたいだった!』
『だから、あの……。』
『ありがとう、ほんっとにありがとう! 絶対にお礼はするから!』

その次の日、何処で突き止めたのか知らないが愛崎愛奈が夜鮫里菜の実家に、パンパンに荷物を詰めたリュックサックを背負ってやって来たのだ。
里菜は間違いなく面食らった。先日のお礼とやらの中身はどうせ大したことないだろう、なんて高を括っていたのだから尚更だ。

『という訳で約束を守りに来ました!』
『いや多すぎでしょぉぉぉっ!?』

兎に角お菓子やらお土産やら、持ち運べる限りの品を積み込んできた。いやそこまで大食いじゃないんだけれど、と里菜の内心は知ってか知らないか。
そんな事などお構いもしない愛奈の単純さが、里菜にとっては思いの外心地の良い安らぎだったかもしれない。
お礼をしに来たということなので、持ってきたお菓子を食べながら、溜め込んだサメ映画集を愛奈お披露目。

『サメが竜巻に巻き込まれてシャークネード!?』
『これが伝説の始まり。アルバトロスが生み出したB級サメ映画の第一作!』
『里菜、すごくテンション上がってる……?』

『サメがタコと合体したり5つ首になったり幽霊になったり悪魔になったり……』
『サメ映画は奥が深いの。愛奈も気になったら何作品か貸してあげる。』

『……虚無が、虚無が続いてる……』
『……その、ごめん。調子に乗ってジュラシック・シャーク視聴挑戦に巻き込んじゃって……。』 
『歩きつづける、どこまでも~』
『愛奈、しっかりして。まだこの徒歩パート結構続くから。……ふふっ。』

楽しかった。夜鮫里菜にとって、忘れられない一日だった。
相手が押しかけてきて、せっかくなので薦めて、楽しく過ごした。
友達と言えるような、少なくともそう信頼できるような他人は居なかったから。
そして、楽しい時間はあっさりと過ぎるもの。

『里菜、また今度来ても良い!? おすすめのサメ映画まだ全部見せてもらってないよね?』
『……次は事前に連絡してよね、準備とかちゃんとしたいから。』

その頃には、夜鮫里菜はすっかり赤崎愛奈に絆されて、友達となっていた。
その日を機に、彼女の人生は色づいて、昨日よりも楽しいものへと変化していた。
新作サメ映画の鑑賞や、お泊り勉強会やら、お出かけやら。たまに愛奈の趣味にも付き合って、柄でもないヒーローものの映画を見に行ったりもした。
赤崎愛奈という人物は小学校にて将来の夢を「誰かを守れるヒーローになる」と直球で宣言するほどのヒーローもの好きの少女だ。座右の銘は「友情・努力・勝利」とどこぞの週刊誌のキャッチフレーズみたいなもの。兎も角、活発で心優しい正義の心を持った、夜鮫里菜という「義賊(あくとう)」とは住む世界も価値観も全く違う、それでいて焚き火のように温かい心の少女。

『……愛奈はさ。本当にヒーローが好きなのね。』
『うん! だってかっこいいし、優しいし! どんな人にも手を差し伸べて、助けに来てくれる! 私の憧れ!』

ある日だったか、偶然掃除当番を頼まれて放課後まで残っていた里菜を愛奈が手伝っていた時の頃。
ふと気になった里菜が、愛奈にそんな事を聞いてみた。
それで返ってきた答えがこんな直球ストレート。楽観的なのか、それとも本当に、なのか。
夜鮫里菜が生きる"夜"はそんな綺麗事は通じない。世界には正義だけではどうにもならない問題や、それすらも取り込み飲み込む深い闇が存在するのだ。
後ろめたさもあった、自分を友達として見てくれる彼女に。あの時夜鮫里菜という表の自分を「ヒーロー」だなんて言った赤崎愛奈に。

『じゃあさ愛奈、もしも、もしも私が悪党だったら……悪い人だったら、どうする?』
『? 正義のヒーローだからって、何も悪人だから絶対倒すとかってわけじゃないと思うよ?』

自嘲気味に聞いた問いかけも、「だからどうしたの?」と言わんばかりに言い返された。
そう、赤崎愛奈とはこういう人物であることを、今更ながらに思い出して、夜鮫里菜は苦笑いを浮かべる。

『でも、そんな縁起でもないこと言っちゃ駄目だよ里菜。悪人にも種類があることぐらい私だって分かってる。誰かのために、何かのためにそういうことしなきゃいけない人もいるって知ってる。』
『……そう、ね。』

そう迷いもなく断言できる愛奈の姿が里菜には眩しかった。
困ってる人、助けを求める人に手を差し伸べる。輝かしいヒーロー像。義賊だなんて持て囃されて、結局やってることなんて犯罪行為な怪盗ナイトシャークにとって、羨望もあって、少しばかり嫉妬したくなって。

『……そんなあなただから。……私は。』
『里菜? どうしたの? 顔、赤いよ?』

そんな陽だまりのような彼女を、夜鮫里菜は好きになっていた。
だったら、彼女が表を守るヒーローになりたいと願うなら。
自分は夜に舞う影、悪を以て悪を断つ黒き翼となろう。
如何せん、そういう創作でよくある類の付き合いになるのも、案外悪くないかもしれない、などと思ってしまったから。

『……ううん。なんでも無い。………なれるといいね愛奈。その、正義のヒーローに。』
『……! うんっ!』

いつもするその満面の笑み。何処までも元気で、何処までも優しい愛奈の顔。
思えば、そんなあの子の顔を思い浮かぶ事が多くなった、なんて里菜が思い返す。
後ろめたさと憧れの、ほんのちょっとの嫉妬。甘酸っぱい味が口の中で広がって、変な気分になる。
夕焼けの日差しに照らされて、愛奈の姿がより一層輝いてる。本当にお日様みたいに。
気がつけば、夜鮫里菜は赤崎愛奈に抱きついていた。

『……うえっ!? あ、里菜!? ど、どうしたの急に? あれ、泣いてる? なんで泣いてるの?』
『……泣いてなんか、ない。』
『いやだって泣いてるよ里菜? いや別に私だってそういうの満更じゃない、っていうかその……ええと……。』

突然の里菜の行動に慌てふためく愛奈。対して里菜は無意識に涙を流している、なぜ泣いたのか、里菜本人にも良くわからないまま。

『……愛奈の身体、温かい。陽だまりみたい。』
『……そっか。』

愛奈は追求するつもりも、糾弾するつもりもなかった。
里菜の行動には驚いたが、こうやって抱きつかれるのは、悪い気分ではなかった。
それに、泣いてる人を放っておくだなんて、ヒーローらしくないから、そんな理由で。

『……私、里菜の事好きだよ? だから、明日も明後日も明々後日も、いっぱいいっぱい遊ぼう!』
『……うん。……うん! 私も、愛奈の事……好きだから。』

夕暮れの放課後、茜色の輝きに照らされる校舎の中で。
二人は見つめ合って、手を繋いで、抱き合って。ずっと、ずっと時間だけが過ぎていく。
それは悠久の刻のように思えて、その実刹那とも言うべき尊き静謐な世界の中で。
かけがえの無い友情が、燦然と輝いて、結ばれている。

『……また明日!』
『……また、明日。』

そして、一時の別れ。日常は続くものだから、「さよなら」じゃなくて「また明日」。
赤崎愛奈は「太陽」で、夜鮫里菜は「月」。交わらぬ、さりとで交わった比翼連理。
運命が二人を分かつまで、その時まで彼女たちの友情は続く。











……そう、続くはずだった。

〈臨時ニュースをお伝えします。先日、〇〇学院1年の赤崎愛奈(16歳)含め総勢7名の女子生徒が行方不明になった――〉

◆◆◆

愛奈が行方不明になった。それをニュースで聞いた私はいてもたってもいられなかった。
"夜"の稼業の傍ら、徹底的に証拠となるものを集め続けた。
我武者羅に、寝る間も惜しんで、傷だらけになっても、探し続けた。
『女子高生集団輪姦殺人事件』。記憶に新しい、口にすることすら憚られる凄惨な少年犯罪。
"死体"だけですら、警察が見つけることが出来たのは3名。そのうち一人は性器を完膚なきまでに破壊されてコンクリート詰めにされて放棄されていたというのだから、犯行グループの醜悪な所業が目に余る。

数日前に入手した重要な証拠。警察の証拠品保管ルームに潜入してそれを見つけた時は思わず目を疑った。
それは、私が愛奈にプレゼントした鮫のキーホルダーだ。原型を留めてなくて、挙げ句白い液体のようなもの付着していた。
その後の事は、よく覚えていない。覚えているはずもない。多分だけれど、私は怒りで何も見えなくなっていたからだ。
探して、探して、探し続けて、闇雲にそれ以上の証拠もなく。いつしか怪盗稼業を無意識に中断してまでも探し求めていたのだから、滑稽だ。もし叔父がまだ生きていたのなら説教もの。

ある日の事だった。ただでさえ気分がぐちゃぐちゃになって気持ち悪くなって、夜の公園で休憩していた時。もう使われていない古びたトイレから聞こえた喧しい声が煩わしくて文句を言おうと思ったら、屯っていたのが大量のホームレスや学生、外国の人間と思われる黒人男性。只ならぬ予感を感じ、一先ずは観察に徹していれば、聴こえてくるのは普通ではあり得ない言葉の数々。


―――良い気晴らしになったな!

―――シメツケガヨクテ、地元ジャ負ケナシノ俺サマモ、果テソウニナリマシタデース

―――おい、俺の番まだなのかよ!?

―――あんちゃん、順番は守れって旦那が言ってただろ? うっやべぇまた出るっ!

―――お、おいら一度正義のヒロインを滅茶苦茶にしたいと思ってたんだな! ゆ、夢が叶って嬉しいんだな!

―――うおお、フレイヤちゃん! 俺たちのバースデープレゼント受け取ってくれぇ!!!

―――おい、手空いてんぞ! ちゃんと扱け!

―――ちゃんと咥えやがれってんだこのクソビッチが!


既に行動は終わっていた。懐からパトカーのサイレン音を鳴らす小型機具。警察を撹乱するために稼業で使うアイテムの一つだ。一度ブザーを引けばけたたましくサイレン音が鳴り響き、公衆トイレに集まっていた男たちは蜘蛛の子を散らすように慌てて逃げ出していく。
中には下半身を丸出しにして、精液を垂れ流しながら逃げた浮浪者もいる、心底気持ち悪い。
いや、何より、私は頭の中に過った嫌な予感を兎に角消し去りたかったんだ。
忘れていた、今日は愛奈の誕生日じゃないか。それにフレイヤというワードも、確か愛奈がヒーロー名を考える話でそんな事を言ってたような記憶がある。
誰もいなくなった事を確認して、公衆トイレに突撃する。侵入者用に軽く探知トラップも仕掛けておいた、これで反応があればすぐにでも逃げられるように。

中に入れば、酷い臭いがした。そこら中に精液がこびり着いて、腐った牛乳の臭いを蔓延らせている。
でも、そんな悪臭の事など今の私にはどうでもよかった。ただ頭の中に浮かんだ嫌な予感を拭いたかった。現実でないことを証明したかった。
そして、見つけた。半開きになった便器の扉。中から一層漂う悪臭。女の人のようなか細い喘ぎ声。
嫌だ嫌だ見たくない。見たくなかった。ここで逃げる? いや逃げてどうするのナイトシャーク私が見つけないとあの子と、あの子を探さないと。あの子を、助けないと。

意を決して、扉の向こうを覗いてみる。いや、覗くしかない。
例えそれが、どれだけ残酷で、救いようのない現実だったとしても。
それでも、私は愛奈を、大好きな友達を、救けたくて――――。


「ぁ」

私は、絶望を目の当たりにした。
"彼女"の状態を正しく評価するなら、"凄惨"の一言しかなかった。
彼女の着ている正義のヒロインを象ったようなコスチュームは、所々が破り捨てられて性器が露出。身体中から鼻が詰まる程の精液とアンモニアの腐臭が漂っており、その上で白濁のコーティングがされている。
だらしなく丸見えのお腹には文字が書かれており、『雌豚』『敗北マゾ変態ヒロイン』『孕ませ苗床』等と碌でもない内容ばかり。乳房には『正』と、文字通り何回"出された"かのカウント。書ききれなくなったのか壁にも。一際目立つのは彼女の頭上にデカデカと赤文字で描かれた『無料肉便器』の文字。
洋式便所に拘束され、凭れ掛かるように曖昧な意識で正面を見つめ、乾いた笑みを浮かべている。
性器からは出されたばかりの精液が溢れ出し、閉じることがなくなっている。完全に緩んだ尿道からは未だ小便を垂れ流し、精液と混じって床を汚している。
床を見下ろせば打ち捨てられた、色鮮やかなコンドームの束。微かに下剤やスライムが残ってる注射器。どこかの百均で仕入れてきたらしき電気マッサージ器。
一体彼女に、赤崎愛奈の身に何があって、何をされたかなんて―――――

「……なん、で。」

どうして、愛奈がこんな目に。頭が真っ白になる。何も考えられなかった。
あの元気で明るいあの子が。ヒーローになることを夢見た、純粋な彼女が。
まだ何もしていない彼女が、どうして、どうして、なんて。

「―――ぁ。」

深い闇に沈んだ、愛奈の濁った瞳が、こっちを見た。
その瞳に、何も映していなかった。ただ、真っ暗なものに覆われて。
まるで、私のことなんて全く見えてなかったように。

「……あたら、しい。おきゃく、さん?」

愛奈が口を開いた。朦朧と、今にも消えそうな声で。

「まだ、おまんこ、つかえます。おしりのあなも、まだ、あそべ、ます。」

懇願するような声。微かに混じった恐怖に震える声。
渇ききった表情で、乾いた精液に塗れた顔で。

「つかって、ください。ころさないで、ください。」

媚びるように、傅くように。目の前の誰かに言い続けている。

「へんたい……へんたい、マゾ、どれい、ひろいんの、ふれいやを、あいなを、もっといじめて、いじめてください。」

譫言。ただ、誰かの気配と声に反応して、性奴隷として、便器として都合のいい言葉を吐いて快楽を貪る肉の塊としての、壊れた心のラジオから漏れ出す音声。

「みのほどをしらず、せいぎのひろいんをなのって、ごめんなさい。」

やめて。もうやめて。そんな言葉聞きたくない。

「こんなへんたいひろいんに、おしおきしてください。ザーメンぶっかけたり、おまんこもおしりのあなもめちゃくちゃにしてください。ちくびもちぎれるぐらいひっぱってもいいです。」

なんで、どうして、どうしてこんなことになったの。

「かんちょうして、すらいむはいせつしてもだいじょうぶです。にんしんはできませんが、みんながまんぞくするまで、おかしてもだいじょうぶです。」

なんで、なんでなんでなんで。

「だから、ころさないでください。あいなをせいがんぐにしてください。」

堪えられなくて、私は崩れ落ちた。
彼女は何もしてないのに、どうしてこんな目に合わないといけなかったの。
どうしてあの子がこんなひどい目に。どうして。

「う゛ぁ゛……う゛ぉぇぇぇぇぇっ!!!」

気持ち悪くなって、吐いてしまった。こんな姿、見られたくないのに。
堪えきれない、吐き出したものに、涙が混ざって、汚物となって流れ出す。
よりによって、愛奈には、こんな情けない姿、見られたくなかった。

「……ごめ、ん。」

愛奈が、何か謝ってる。誰かに、謝ってる。
瞳にほんの少しだけ、光が、私の姿が映ったように見えた。
今の私の姿は怪盗ナイトシャークだ。だけど、愛奈にその姿を見られたというのに、動けなかった。

「ご、めん、ね。りな。」

私の名前を、呟いた。私に、謝ってた。

「わたし、せいぎのひーろーに、なれなかった。」

漏れ出す精液が、彼女の絶望と悲しみを表していた。

「みんなを、みごろしにした。わたしだけが、いきのこった。もう、ひーろーに、なれないや。」

申し訳ない顔で、汚れた身体で。

「ごめん、りな。ごめん、りな。りな………りな……り、な………」

譫言のように、白昼夢のように、ただ、私の名前を、つぶやき続けた。

「……ばか。こんなひどい目にあったってのに。わたしのこと、忘れていなかったなんて………。」

本当に、本当に救いようのないぐらいにいい子なんだ。
最後の最後まで、快楽という名の白に塗りつぶされても、私という温かい光は何処までも忘れなかったんだ。
どんなにひどい目にあっても、最後まで。私のことだけは、忘れずに。

「忘れてしまえば、よかったのに。忘れてしまえば、よかったのに……。」

私は影だ、闇だ。悪党だ。悪人だ。義賊というお題目で、悪行を為しているだけの人間だ。
私はヒーローなんかじゃない。ヒーローに憧れてたあの子と違って、私はそんな資格なんて無い。
私は、彼女に会うべきじゃなかった。

「そんな、こと。ない、よ。りな。」
「……え。」

愛奈が、私の手を握っていた。私の事を、ちゃんと認識していた。
怪盗ナイトシャークが、夜鮫里菜であることを、理解した上で。

「りなは、わたしの、ともだち、だから。だれが、なんて、いっても、わたしの、たいせつな、たすけに、きて、くれる、ひー……ろぉ……。」

そう、私に微笑んでくれた。あの時と、何ら変わらない、笑顔のままで。
そう言って、目を瞑った。……気を失っただけのようだ。多分、禄に栄養なんて取ってなかったんだと思う。愛奈の身体は、怖いぐらいに冷たくて、それでいて軽かったから。

「……だから、私は、ヒーローなんかじゃ、ないって。」

ほんっと。そういう所よね、愛奈。あなたは。
私のこと、もう分かってたじゃないの。私が世間を騒がせる怪盗ナイトシャークだって。
なのに、それで私をヒーローだなんて、言ってくれるなんて。
本当に、笑っちゃう。悲しくて、笑えてくる。

「ヒーローだったら、あなたがこんな事になる前に、助けた、でしょ……。」

こんな姿、こんな情けなくて汚い顔、愛奈にだけは見せたくなかったのに。
そんな事言われたら、堪えられないじゃない。
なんで、こんな私を、ヒーローだなんて、言えるのよ。ばか。

「うあ、あ……うあああああああああああああああああああ!!!!!!」

泣いた。喉が、肺が擦り切れそうになるまで、泣いて泣いて泣き叫んで。
精液と尿まみれの愛奈の身体を、人がやってくるまで抱きしめて。
せめて、今ぐらいは、愛奈が悪夢じゃなくていい夢が見れるように。
そんな事ぐらいしか出来ない、ヒーローなんて程遠い自分の情けなさと無力さに、泣き叫び続けた。

◯ ◯ ◯

「ここまでテンプレな展開持ち出されると、流石に笑うしかないでしょ。」

バーチャルリアリティ、電脳世界。己が望む自分になれる理想郷。
たった一人の悪意とも好奇心とも言うべき企みによって、楽園は地獄へと変わり果てた。
そう、殺し合い。今やこのVRCは今際の国である。

だが、正直な所、在り来り過ぎるのだ。B級サメ映画でももうちょっと展開捻ってくるでしょ?
だなんて。この私、怪盗ナイトシャークは森の中で独りごちっている。
殺し合いのおけるテンプレ展開。創作ならまだしも現実でここまでストレートにやってくるだなんて失笑者。
とは言うものの、現状置かれている立場を考えたら全く笑えないんだけど。

「……それはともかく。きな臭い噂は聞いてたけれど、こんな事になるなんて。」

この私がVRCにダイブしたのが数時間前。信頼できるツテから「VRC運営内でとんでもないお宝につながるデータを所持している」とかなんとか。しかも各国政府の黒いパイプ絡みと来た、それを聞いてしまっては怪盗ナイトシャークとして放ってはおけない。
元々VRCでもナイトシャークとして行動していたから、そういう類の陰謀にはある程度慣れている。とは言いつつも、リアルにまで影響を及ぼす技術力を有していたなんてのは、ちょっと想定外。
VRC運営に関わる深い闇にして都市伝説じみた「VRCに現実の人間が取り込まれる」なんて噂。真偽は兎も角、あんなものを見せられては噂に対する疑念は深まってくる。

「挑戦状を叩きつける怪盗が、逆に挑戦状を叩きつけられるなんて、ね。」

要するに、「お前たちの命は我らの掌の上、せいぜい殺し合え。」と言われてるようなものだ。
全くもってこの手の類の悪役らしい催しと言える。

「……それに、こーんなスキルまでご丁寧に与えてくれるなんて。」

自分に与えられたこの新しい力。ステータスパネルを確認知れ見れば、そういう記述があった。
で、肝心の内容が……自分のサメ映画知識を元にサメを召喚するという、一見すれば頓珍漢なもの。
だが、サメ映画を侮るなかれ。今百のサメ映画のサメは名作凡作駄作クソを含めバリエーションは豊富。

「サメ映画オタクの私にこんなスキル与えるなんて、後悔しても遅いから。」

そう、私はVtuberとして世界各国のサメ映画を紹介してきた身。サメ映画とサメの知識に関してはその手の専門すら超えると自負できる。サメ映画オタク舐めんな!と心のなかで運営陣に叫んでやった。

「……それに。」

いちばん重要な事。今回この殺し合いに参加させられた面々が載っている名簿の中に。
一際長い名前で目立つ「セイントヴァルキリー・フレイヤ」の名前。

「……変わらないね、愛奈。それ昔ヒーロー名がどうとかで話し合って決めたやつじゃないの。VRCまで持ってきて、正体バレしないか心配になるよ。」

フレイヤなんて名前、それでヒーローみたいなネーミングセンス。私にはわかる、赤崎愛奈だ。
そもそもこんな長ったらしいネーミングセンスは愛奈しか思い浮かばない。

あの悲劇の後、私は病院に彼女の身柄を預けた。家(アジト)に連れて行くのも考えたが、指名手配の自分が匿っても愛奈を不幸にするだけだ。
その後、愛奈はあの事件の数少ない生き残りの一人としてニュースに話題になっていた。彼女の気も知らないで突撃取材をしてくる記者共には憤りは感じたけれど、彼女はそんな悲劇を抱えた上で、それを乗り越えて暮らしている。
……私は、あれ以降足をつけられてアジトを移動させなきゃいけなくなって、最近は会いに行けなくて、ちょっと寂しい。
でも、それでよかったのかもしれない。病院に連れて行った私の姿は完全に病院関係者にバレている。一部では私があの事件の関係者なんて疑われている。
それに、やはり私みたいな悪党はあの子の友達になる資格なんて、等に失われているのだから。

『そんな事無い! 里菜が何なのかなんて、そんなの関係ないよっ!』

もしこんな所見られて、こんな事思ってたら、愛奈はこう言うのかな。いや、絶対に起こった顔で言ってくる。やっぱり、私はあの子を放っておけない。友達を、放っておけない。

「……愛奈。やっぱり愛奈は、私の友達だよ。」

私はヒーローじゃない。でも、怪盗だからって、悪党だからって、誰かを守っちゃダメ、だなんて理由はない。
私はヒーローにはなれないけれど、それでも私は、今度こそあなたを守りたい。
今度こそ、間に合ってみせるから。
だって、カタハネだけじゃ鳥は飛び立てないから。
私は、あなたという鳥に、再び翼を羽ばたかせて欲しいから。
だから、待ってて。私の大切な親友。

【D-8/一日目/深夜】
【怪盗ナイトシャーク】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[装備]:
[思考・状況]
基本:殺し合いの打破、あとお宝(極秘情報)はゲットする
1:悪どい運営連中にはきつ~いお灸を据えてあげる
2:フレイヤ(愛奈)を探す。今度こそ、愛奈を守る。


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