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第00回トーナメント(パイロット版)

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orisuta

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『マイルーム・ディスコ・ナイト vs ル・バロン・ルージュ(赤い風船)』
【STAGE:虹村兄弟の家】




古くてボロボロの屋敷……その2階の窓から、『ル・バロン・ルージュ』を持つ『ソラ』は、敵が屋敷の中に入ってくるのを見た。
ソラ「オオ~……アイツが今回オレが倒す相手か。……なんだ?犬がいっぱいついて来てるぜ。」


『マイルーム・ディスコ・ナイト』のスタンド使い、『キタクブ』は屋敷の扉を開けて中へ入る。
そしてキタクブと一緒に十数匹の子犬が屋敷内について入ってきていた。
キタクブ「おまえら、危ないから来るなっつったろうが。いっつも寄り添ってきやがって……。」

キタクブが2階へ続く階段の前に立つと、階段の上から男が見下ろしていた。
ソラ「おまえが『キタクブ』か?ペットと一緒じゃなきゃ戦いも出来ないのかよ!?」
キタクブ「こいつらはペットじゃねえ。勝手についてきただけさ。」
ソラ「まあいい……かかってきな。小細工無しで正面からガチンコでいこうぜ!もっとも、おまえにそんな根性があればな!」

キタクブ「……帰宅部なめんなよ?」ズンズン
キタクブはソラのいるほうへ歩み寄っていった。
子犬たちもキタクブにぞろぞろついていく。

ソラ「フフ……ワンちゃんも一緒に戦おうってか?まあいい、迎え撃つぞ『ル・バロン・ルージュ』!」

キタクブ「『マイルーム・ディスコ・ナイト』!」

そのとき、キタクブの後ろを歩いていた子犬の一匹が浮き上がり、ソラの顔めがけて飛んでいった。

ムギュッ!
ソラ「ムウッ!なんだ!犬が飛んできた!?」
キタクブ「『子犬を飛ばす』……それが俺のスタンド能力だ。ボディーがガラ空きだぜ!」

ボゴォン!!

ソラ「ぐふぅッ!!」
『マイルーム・ディスコ・ナイト』の拳がソラの腹を殴った。



痛みに耐えかね、ソラは階段の上で腰を落とした。

ソラ「ち……ちくしょう。だが、その場所に立ったな?『階段の中央』に……。」
キタクブ「…………?」
ソラ「周りを……よく見てみな。なにかが『浮かんでねえか』?」

キタクブが周りをみると、まわりには銀色の玉が数個浮かんでいた。
キタクブ「これは……パチンコ玉?」
ソラ「そうさ、それは俺があらかじめ床に埋め込んでおいた『パチンコ玉』だ……。そして、俺の能力によって浮かんでいる。」
キタクブ「能力で浮かんでいる?」
ソラ「そうだ。殴ったものを『風船』にするのが俺の能力。さあ、そろそろ時間切れだぜ。空気を入れすぎた風船は……」
キタクブ「!!」

キタクブはスタンドを自身の目の前に出し、急いで防御の体制をとった。
ソラ「破裂するッ!」

パァン! 
                 パァン!

      パァン!

キタクブ「~~~~~~~~~~~ッ!!」
ドス!ドス!ドス!
破裂したパチンコ玉の破片はまるで散弾銃のように飛散してキタクブの体に突き刺さる。

ソラ「ま、散弾銃ほどの威力は無いけどよ。だが、パチンコ玉より大きいと穴ボコだらけの床に気づいて警戒されちまうかもしれねえからな。」
 
 
 




体中にパチンコ玉の破片が刺さったキタクブは立つのがやっとの様子だった。
キタクブは体をよろつかせながら出口の方へ体を向けた。
ソラ「逃げようったってそうはいかないぜ!パチンコ玉のトラップだってまだ終わりじゃあない!時間差で破裂するように仕込んであるんだぜ!」

パァン!
              パァン!

キタクブ「…………ッ!」ドスッ!ドスッ!
追撃をうけたキタクブは階段を降りきったところで床に倒れこんだ。
子犬「くぅーん、くぅーん……」
子犬たちは倒れたキタクブを心配そうに見つめている。子犬たちの中には鉄の破片をくらって床にたおれた犬もいた。
キタクブ「…………」

ズッ………ズッ………

キタクブは這いつくばって屋敷の出口へ向かっていた。
ソラ「まだ終わりじゃねえって言ったろ?1階の床にはすでにそこらじゅうにパチンコ玉の風船を仕込んである!
   この屋敷に入ったときからおまえは詰んでたんだよ!!」

           パァン!
  パァン!

キタクブ「ッ!!」
キタクブは攻撃を受けながらも、倒れた子犬の元へ近づいていき、破片を抜いていった。
ソラ「…………そんなに子犬が心配か。先に自分の心配をしたほうがいいぜ。」

パァン!

            パァン!
キタクブ「………!!」ドスッ!
キタクブは出口に向っていたのではなく、倒れた子犬たちのもとを回っていた。
すでに傷を負った子犬を抱き寄せて、追撃をくらわないようにかばっていた。

     パァン!

キタクブ「グッ!」
 
 
 




キタクブが倒れたすべての子犬のもとをまわった時にはキタクブの背中は血まみれになっていた。
ソラ「美しい動物愛だな……。さっさとにげてりゃあ大ケガすることもなかったのによ。」
キタクブ「なぁに……かわいそうじゃねえか。こうなると知らずに戦いの場所に入ってきてよ。」
ソラ「そろそろ、負けを認めろよ。ホントに死ぬぜ。」
キタクブ「ああ………じゃ、逃げさせてもらうぜ。こいつらに手伝ってもらってよ。」
ソラ「…………?」


キタクブ「『マイルーム・ディスコ・ナイト』!!」
そのとき、キタクブに寄り添っていた子犬数十匹全部が浮き上がり、ソラへ向かって飛んでいった。

ソラ「な……一匹だけじゃなく複数飛ばす事も出来るのかッ!」
ソラの視界は子犬たちによってふさがれてしまい、『キタクブが立ち上がったことに気がつかなかった。』
そして次の瞬間、子犬たちはソラの目前でぴたっと止まったかと思うと、今度は床のほうへ滑り降りるようにして飛び、キタクブのもとへ戻っていった。

ソラ「んな……ッ!」

そして、次にソラの視界に飛び込んできたのは、『無数のパチンコ玉』。

ソラ「こ……これは俺の仕込んだ……!」
キタクブ「床を這い回っている時、てめえの仕込んだパチンコ玉も一緒に集めていたんだ。
     そして子犬たちで視界をふさいでいる間に、てめえに向って全部投げた。
     『時間差』で破裂するんだよな?だけど、破片が別のパチンコ玉に当たったらどうなるかな?」
キタクブの投げたパチンコ玉のほとんどは空中にふわふわと浮いていた。そしてそのうちのひとつが……臨界点に達した。
ソラ「うわあああああああああああああああああああッッ!!!!」

            パァン!          


       パァン!  パァン!      パァン!  パァン!

   パァン!      パァン! パァン!   パァン!

  パァン!   パァン!     パァン!    パァン!  パァン!

       パァン!     パァン!  パァン!  パァン!




全身にパチンコ玉の破片をくらったソラだったが、意識は失っていなかった。
一方キタクブは倒れたソラの目の前で立ちつくしている。

ソラ「……やれよ。まだ、俺は生きてるぜ。」
キタクブ「イヤだね。…………アンタはほんとはいいヤツだからな。」
ソラ「…………あ?」
キタクブ「俺が子犬を飛ばしたとき、あんたはスタンドで振り払ってもよかったのに、あんたは『なにもしなかった』。」
ソラ「……………」
キタクブ「スタンドで振り払ったら子犬は『風船』になり、いずれは破裂して死ぬ。それがわかってたんだろ?」
ソラ「…………ヘッ、だからって俺に止めを刺さない理由にはならねぇーぜ。」

キタクブ「あいにく、俺も傷ついた子犬を見捨てられない『いいヤツ』だからな。人間だって死なせたくないんだ。それに……」


キタクブ「さっさと家に帰りたいしな。」


そういってキタクブは屋敷をあとにした。子犬たちが尻尾をピョコピョコ振ってキタクブについていった。

ソラ「ハハ…………俺の、負けだ。」





  勝者……【No.3358】マイルーム・ディスコ・ナイト  



使用させていただいたスタンド


No.3358
【スタンド名】 マイルーム・ディスコ・ナイト
【本体】 キタクブ
【能力】 手を触れずに体重3kgまでの子犬を時速18kmで飛ばすことが出来る

No.4562
【スタンド名】 ル・バロン・ルージュ(赤い風船)
【本体】 ソラ
【能力】 殴ったものを「風船」にする









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