あやは生まれ育った村に、良い印象を持っていない。学校に行くにも一時間以上かかる不便な立地以上に、村人が排他的だったからだ。母親は体を売って生計を立てており、1人であやを産んだ。村に戻ってきた母子を、村人は迎え入れようとはしなかった。
普段は自分たちを差別するくせに、母親を買いにくる村の若者が嫌いだったし、彼らを慣れた様子で母が迎えるのも嫌いだった。友達のいなかったあやはそんな時、山や川で虫や魚と戯れていた。
まだランドセルを背負っていた頃のある日、図書館で初めて見る女と出会う。司書のような装いだが、前髪を一房だけ紫に染めた長いウェーブヘアの女など、あやは生まれて初めて見た。
「随分と渋い本を読んでるのね」
「……」
「……」
馴れ馴れしく話しかけてきた女を無視し、あやは読んでいたページに目を落とす。今読んでいるのは、剣術の型について書かれた本だ。木の枝でトンボを捕らえようとしたのが切っ掛けだが、孤独な境遇もあり、興味を惹かれたのだ。
「天然理心流って流派、聞いたことある?」
「…ない」
「…ない」
ミザリィと名乗った女司書は口にした流派とそれを修めた男達について語った。一つ尋ねれば、まるで見てきたかのように話してくれるミザリィに、あやはすっかり懐いた。気にかけてくれる大人が、あやの周囲には殆どいないからだ。
彼女は別れ際、虹色に輝く石の入った巾着を渡す。
「大きくなっても手放さないでいてね。いつか貴方の願いに応えてくれるから」
この思い出は、そのうち滅多に思い出されることも無くなった。あやを気にかけてくれた『2人目』の大人と出会い、彼と接する時間の方が増えたからだ。
しかし彼、龍野医師はあやを放り投げた。彼は村人達に殺人鬼の記憶と薬物を与え、殺し合わせる実験を計画していたのだ。あやは実験に巻き込まれると、恵まれた才能と積み上げた鍛錬によって、ただ一人勝ち残った。
そして肉親を失い、大量殺人者の汚名を被せられた。龍野は一切の痕跡を残さず姿を消し、逮捕されて以降、ミザリィと会うこともなかった。
(あれはこういう事だったのか?)
仲間の脱獄を助けた咎で懲罰房にいた時、あやは唐突に茫漠とした空間に放り出され、シャドウなる怪物の襲撃からセイバーの手により救われた。堂々たる体躯を背中と胸の開いた甲冑で包んだ青年だ。端正な顔立ちをしており、灰色長髪には羽根がいくつもできている。
あやは現在、ロールとして割り当てられた自宅のベッドに寝転がっている。聖杯戦争自体に否はない。羽黒刑務所で殺人実験やら、殺し屋紛いの任務に駆り出されるよりマシだ。どっちにせよ死ぬ危険があるなら、リターンの大きい方に参加するべき。
(上手くいけば、みんな自由になれるか?)
これほど非現実的な事態に巻き込まれれば、報酬への期待も膨らむ。幸い、引き当てたセイバーは強い。とはいえ、本格的に始まるまで戦う意味は無い。あやはセイバーを従え、地理の把握などをして過ごしていた。
セイバーは霊体化したまま、側に控えている。
本格的に戦いが始まるまで、情報収集に徹する方針のため、セイバーは未だ一人の英霊ともぶつかっていないが、漲る戦意に翳りはない。彼女の求めに応じて現界した英霊として、剣士としてひとかどの男と自負する身として、共に戦い抜くと決めている。
本格的に戦いが始まるまで、情報収集に徹する方針のため、セイバーは未だ一人の英霊ともぶつかっていないが、漲る戦意に翳りはない。彼女の求めに応じて現界した英霊として、剣士としてひとかどの男と自負する身として、共に戦い抜くと決めている。
しかし、セイバーはあやに対して疑問が一つあった。時折、彼女の内側から血生臭い気配がするのだ。まるで別人が潜んでいるような…。
【CLASS】
セイバー
セイバー
【真名】
ジークフリート
ジークフリート
【出典】
fate シリーズ
fate シリーズ
【性別】
男
男
【ステータス】
筋力B + 耐久A 敏捷B 魔力C 幸運E 宝具A
筋力B + 耐久A 敏捷B 魔力C 幸運E 宝具A
【属性】
混沌・善
混沌・善
【クラス別能力】
対魔力:-
『悪竜の血鎧』を得た代償に喪失している。
対魔力:-
『悪竜の血鎧』を得た代償に喪失している。
騎乗:B
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
【保有スキル】
黄金率:C -
人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命。ニーベルンゲンの財宝によって金銭には困らぬ人生を約束されているが、幸運がランクダウンしている。
黄金率:C -
人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命。ニーベルンゲンの財宝によって金銭には困らぬ人生を約束されているが、幸運がランクダウンしている。
仕切り直し:A
戦闘から離脱、あるいは状況をリセットする能力。技の条件を初期値に戻し、同時にバッドステータスの幾つかを強制的に解除する。
戦闘から離脱、あるいは状況をリセットする能力。技の条件を初期値に戻し、同時にバッドステータスの幾つかを強制的に解除する。
竜殺し:A
竜種を仕留めたものに備わる特殊スキルの一つ。竜種に対する攻撃力、防御力の大幅向上。これは天から授かった才能ではなく、竜を殺したという逸話そのものがスキル化したといえよう。
竜種を仕留めたものに備わる特殊スキルの一つ。竜種に対する攻撃力、防御力の大幅向上。これは天から授かった才能ではなく、竜を殺したという逸話そのものがスキル化したといえよう。
【宝具】
『幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)』
ランク:A + 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:500人
ニーベルンゲン族から奪い取った財宝の一つ。重厚さと華麗さを兼ね備える黄昏の大剣。 手にした者によって聖剣にも魔剣にも成り得る、竜殺しの剣。真名を解放する事で、半円状の剣気を放つ。柄に青い宝玉が埋め込まれており、ここに神代の真エーテルが貯蔵・保管されていて、宝具発動のブーストに使用される。竜種には追加ダメージを与える。
『幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)』
ランク:A + 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:500人
ニーベルンゲン族から奪い取った財宝の一つ。重厚さと華麗さを兼ね備える黄昏の大剣。 手にした者によって聖剣にも魔剣にも成り得る、竜殺しの剣。真名を解放する事で、半円状の剣気を放つ。柄に青い宝玉が埋め込まれており、ここに神代の真エーテルが貯蔵・保管されていて、宝具発動のブーストに使用される。竜種には追加ダメージを与える。
『悪竜の血鎧(アーマー・オブ・ファヴニール)』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:1人
悪竜の血を浴びた逸話の具現。
Bランク相当の物理攻撃及び魔術を無効化する。Aランク以上の攻撃も、Bランク分の防御数値を差し引いたダメージとして計上する。正当な英雄から宝具を使用された場合は、B+相当の防御数値を得る。
ただし、伝承通り、背中の一部は宝具の対象にならず、隠すこともできない。また竜種特攻の宝具、スキルを所持している場合はプラス分が計算されない。
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:1人
悪竜の血を浴びた逸話の具現。
Bランク相当の物理攻撃及び魔術を無効化する。Aランク以上の攻撃も、Bランク分の防御数値を差し引いたダメージとして計上する。正当な英雄から宝具を使用された場合は、B+相当の防御数値を得る。
ただし、伝承通り、背中の一部は宝具の対象にならず、隠すこともできない。また竜種特攻の宝具、スキルを所持している場合はプラス分が計算されない。
【weapon】
『幻想大剣・天魔失墜』
『幻想大剣・天魔失墜』
【人物背景】
ニーベルンゲンの歌に登場する、ネーデルラントの王子。万夫不当の豪傑であり、姿隠しの外套、聖剣を得た彼は、竜殺しの称号を得る。誕生から辿った結末まで総合すると英雄らしい英雄となる。
態度は控えめながら、弱者への一方的な暴力を嫌い、強敵との死闘を喜ぶ高潔な武人。頼まれ続けてきた人柄と称され、生前から意味のある命令や頼み事を聞き入れ続けてきた彼の運命は、妻クリームヒルトを得たあたりから陰が差し、義兄の妻とクリームヒルトの対立をきっかけに、自分が死ぬほかない状況まで追い込まれてしまう。
ニーベルンゲンの歌に登場する、ネーデルラントの王子。万夫不当の豪傑であり、姿隠しの外套、聖剣を得た彼は、竜殺しの称号を得る。誕生から辿った結末まで総合すると英雄らしい英雄となる。
態度は控えめながら、弱者への一方的な暴力を嫌い、強敵との死闘を喜ぶ高潔な武人。頼まれ続けてきた人柄と称され、生前から意味のある命令や頼み事を聞き入れ続けてきた彼の運命は、妻クリームヒルトを得たあたりから陰が差し、義兄の妻とクリームヒルトの対立をきっかけに、自分が死ぬほかない状況まで追い込まれてしまう。
自分の命で事を収めるため友であったハーゲンに自分を殺すよう願う。
死の瞬間、彼は己の望みを得る。それは自らの信じるものの側に立ち、自らの意思で誰かを助ける事。正義の味方になる事であった。
死の瞬間、彼は己の望みを得る。それは自らの信じるものの側に立ち、自らの意思で誰かを助ける事。正義の味方になる事であった。
【サーヴァントとしての願い】
聖杯に望みはなく、自らの正義を全うする。
聖杯に望みはなく、自らの正義を全うする。
【方針】
マスターに従う。
マスターに従う。
【マスター】
巴あや
巴あや
【出典】
サタノファニ
サタノファニ
【性別】
女
女
【能力・技能】
「メデューサ症候群」
あやのいた世界で語られる、普通の少女が突如凄惨な殺人を起こす疾病。自然発生するものではなく、五菱日本重工が息のかかった医師を使い、ミラーニューロンを利用したVRキットと投薬による刷り込みによって被験者に植え付けた、実在の殺人鬼の人格が発現した結果である。
「メデューサ症候群」
あやのいた世界で語られる、普通の少女が突如凄惨な殺人を起こす疾病。自然発生するものではなく、五菱日本重工が息のかかった医師を使い、ミラーニューロンを利用したVRキットと投薬による刷り込みによって被験者に植え付けた、実在の殺人鬼の人格が発現した結果である。
あやに植え付けられたのは、津山三十三人殺しの都井睦雄。ストレスなどを引き金にオリジナルをベースにした別人格が現れ、殺人衝動と高い殺人スキルを発揮する。
「剣術」
龍野医師によるVRを用いたトレーニング、度重なる殺人実験により、達人とすら渡り合える戦闘力を持つ。
龍野医師によるVRを用いたトレーニング、度重なる殺人実験により、達人とすら渡り合える戦闘力を持つ。
【weapon】
なし。
なし。
【人物背景】
羽黒刑務所の女囚人。パーソナルナンバーはLB0005。売春婦の母親が父親のわからないまま産んだ彼女は、祖父母の死をきっかけに日向村という寒村で暮らす事になった。彼女達に待っていたのは、村人からの差別と虐待であった。村の少年たちに暴行を受けていた所を救ってくれた龍野辰巳医師を慕っていたが、彼の手によって殺人鬼の人格を植え付けられ、同様の処置を受けた村人達によって母親を殺されてしまう。
襲ってくる村人達を返り討ちにし、仇を討った彼女に龍野は全ての罪を着せて失踪。村に1人残っていたあやは羽黒に移送される事になった。
無口で無愛想だが、仲間の女囚人の脱獄を手助けするなど非情な人間ではない。
羽黒刑務所の女囚人。パーソナルナンバーはLB0005。売春婦の母親が父親のわからないまま産んだ彼女は、祖父母の死をきっかけに日向村という寒村で暮らす事になった。彼女達に待っていたのは、村人からの差別と虐待であった。村の少年たちに暴行を受けていた所を救ってくれた龍野辰巳医師を慕っていたが、彼の手によって殺人鬼の人格を植え付けられ、同様の処置を受けた村人達によって母親を殺されてしまう。
襲ってくる村人達を返り討ちにし、仇を討った彼女に龍野は全ての罪を着せて失踪。村に1人残っていたあやは羽黒に移送される事になった。
無口で無愛想だが、仲間の女囚人の脱獄を手助けするなど非情な人間ではない。
サンクチュアリ号編は終了している時期から参戦。
【マスターとしての願い】
みんなで自由を得る、母の蘇生、龍野への復讐…一つに絞りかねている。
みんなで自由を得る、母の蘇生、龍野への復讐…一つに絞りかねている。
【方針】
生存。優勝狙い。
生存。優勝狙い。
【ロール】
学生。
学生。
【把握媒体】
鯖はソシャゲ、およびアポクリファ小説、漫画、アニメ。
鯖はソシャゲ、およびアポクリファ小説、漫画、アニメ。
鱒はコミック。登場から過去に触れている16巻まで。