ナランチャは昼食をパニーニで済ませると、地区の商店から回護料の集金に向かった。彼は17歳。本来なら学校に通っていてもおかしくない年齢だが、すでに職についている。ギャングの下っ端である。
イタリアギャング『パッショーネ』のごろつき、ブチャラティの部下だ。まだまだ稼ぎは少なく、加えて明日死んでも不思議ではない稼業だが、充実していた。
父親は仕事熱心だがナランチャに興味がなく、付き合いのあった友人には裏切られ、濡れ衣で少年院に収監されていた。目の病気を抱えて浮浪者同然の暮らしをしていた頃、ナランチャを拾い上げてくれたブチャラティとその仲間たちの所こそ、ナランチャの帰るべき場所なのだ。
「なんだ、この店?」
ある日、ナランチャは街をぶらついていると、見慣れない看板を見つける。アンティークショップ・ミザリィ。いくら考えても知らない名前だが、組織は把握しているだろうか?
(様子だけ見て、後でブチャラティに報告しよう)
ナランチャは緊張しつつ、店の扉を開ける。
「いらっしゃいませ」
「おぉ・・・、あ・・・!」
「おぉ・・・、あ・・・!」
金髪の店員が、ナランチャに挨拶する。
ずいぶん若いが、いくつくらいだろう?店に並んだ商品を眺め回していたナランチャは、レジに座っていた人物に目を奪われた。若い女だ。
紫の髪の一房で片目を隠した、神秘的な雰囲気の美女。
ずいぶん若いが、いくつくらいだろう?店に並んだ商品を眺め回していたナランチャは、レジに座っていた人物に目を奪われた。若い女だ。
紫の髪の一房で片目を隠した、神秘的な雰囲気の美女。
「何かお探し?」
「え、あ・・・いや、これ下さい!」
「え、あ・・・いや、これ下さい!」
視線をまっすぐ見返したナランチャは、思わずたじろいでしまう。これまで見たことのないタイプの女性だ。変に思われてはまずい、と思ったナランチャは目についた虹色に輝く石を手に取った。綺麗だが、アクセサリーではない。ただの石。多分、手持ちで足りるだろうと思ったからだ。
女性は面白そうに微笑むと会計を済ませる。
ナランチャはアンティークショップについて報告をあげると、自宅に直帰。ナランチャが就寝した頃、石が数度瞬いた。
ナランチャはアンティークショップについて報告をあげると、自宅に直帰。ナランチャが就寝した頃、石が数度瞬いた。
「あ?」
ナランチャは茫漠とした空間にいた。
まるで宇宙空間に来たみたいな、寂しい場所。
まるで宇宙空間に来たみたいな、寂しい場所。
「エアロスミス!」
ナランチャは意識を集中し、己の分身を呼び出した。プロペラ戦闘機型のスタンド、エアロスミス。呼気を探知する能力で、周囲に生物はいない事がわかる。不意に何者かの声が響いた。
マスター候補だなんだの、訳のわからない事を言う声の主を探すが見つからない。その時、輪郭のぼやけた黒い人型がナランチャの前に現れた。
「なんだ、こいつはぁ?」
「それは召喚され損なった英霊、無銘のシャドウだ」
「それは召喚され損なった英霊、無銘のシャドウだ」
ナランチャは説明を終いまで聞かず、エアロスミスの機銃を見舞った。大した相手ではない、と勝ち誇ると同時に、シャドウは復活する。
「生き返った!?」
「シャドウを消滅させられるのは、サーヴァントだけだ」
「ハァ!?じゃあどうすりゃいいんだよ、サーヴァントなんてどこにもいねぇだろうが!」
「シャドウを消滅させられるのは、サーヴァントだけだ」
「ハァ!?じゃあどうすりゃいいんだよ、サーヴァントなんてどこにもいねぇだろうが!」
怒鳴り散らしながら距離を取るナランチャ。
彼が考えていたのは、ブチャラティのことだ。自分を拾ってくれた彼に黙って死ぬことはできない。忠誠から来る怒りに、いつの間にか握られていたカードーーセイントグラフが応える。
彼が考えていたのは、ブチャラティのことだ。自分を拾ってくれた彼に黙って死ぬことはできない。忠誠から来る怒りに、いつの間にか握られていたカードーーセイントグラフが応える。
無地の面に絵が現れ、二刀の騎士がナランチャの前に現れる。騎士はシャドウの繰りだす突きを踊るように躱すと同時に、左手の剣を振り上げて、伸びた腕を落とすと、心臓の位置に右手の剣を突き入れた。
「・・・お前」
「求めに応じて参上した、俺はセイバーのサーヴァント」
「求めに応じて参上した、俺はセイバーのサーヴァント」
セイバーが名乗った直後、2人は教会の礼拝堂に転移させられる。そこにいた神父が監督役と名乗ると、ナランチャは激昂して彼に詰め寄った。
「おい、さっきから喋ってたのはテメェだな!?俺を今すぐブチャラティのとこに戻しやがれ!」
「それはできない。君を招いたのは聖杯であり、私の意思によるところではない」
「勝手な事ばかり言ってんじゃねえ!」
「それはできない。君を招いたのは聖杯であり、私の意思によるところではない」
「勝手な事ばかり言ってんじゃねえ!」
エアロスミスを呼び出そうとするナランチャの肩を、何者かの手が掴んだ。
「よせ、マスター!まだ相手の戦力もわかっていないんだ!今は堪えてくれ・・・」
セイバーがナランチャを抑える。
監督役の言峰綺礼神父は説明を続けるが、そのほとんど全てがナランチャの耳を素通りし、セイバーは改めて、己のマスターに聖杯戦争について教えなくてはならなかった。
監督役の言峰綺礼神父は説明を続けるが、そのほとんど全てがナランチャの耳を素通りし、セイバーは改めて、己のマスターに聖杯戦争について教えなくてはならなかった。
「えーと、俺がマスターで、セイバーがサーヴァント、剣を使うのがセイバーで・・・覚える事が多すぎるぜ!」
エアロが効くなら俺が全員片付けてやるのに、とナランチャが呟いた。今は自宅として割り当てられた住宅の自分の部屋に、セイバーと共にいる。ナランチャに聖杯を求める理由はないのに、戦いを強いられるのが不愉快でならない。
「なぁ、セイバーはさ、聖杯に何を願うんだよ?」
「俺は家族を呼び寄せて、静かに暮らしたい」
「俺は家族を呼び寄せて、静かに暮らしたい」
セイバーのサーヴァント、コロヴラートは生前に家族を戦災で喪っている。全うできなかった家族の幸福を、第2の生で得たい。他に戦うべき理由は、コロヴラートには思いつかない。
「マスターはどうする?」
「興味ねぇ。俺はどうにか脱出する方法を見つける。それまでは手ェ貸してやるからよぉ、あんまりひどい事すんなよな」
「興味ねぇ。俺はどうにか脱出する方法を見つける。それまでは手ェ貸してやるからよぉ、あんまりひどい事すんなよな」
この戦いには、自分の様にやる気のない奴もいるはず。襲ってくるなら始末するが、戦わなくてもいい相手まで始末しなくてもいいだろう。ナランチャの中で、ゆっくりとだが聖杯戦争の方針が定まりつつあった。
【サーヴァント】
【CLASS】
セイバー
【CLASS】
セイバー
【真名】
エヴパーチー・コロヴラート
エヴパーチー・コロヴラート
【出典】
フューリアス 双剣の戦士
フューリアス 双剣の戦士
【性別】
男
男
【ステータス】
筋力B 耐久B 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具C
筋力B 耐久B 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具C
【属性】
秩序・中庸
秩序・中庸
【クラス別能力】
対魔力:D
一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
対魔力:D
一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
騎乗:C
騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、野獣ランクの獣は乗りこなせない。
騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、野獣ランクの獣は乗りこなせない。
【保有スキル】
乱戦の心得:B
敵味方入り乱れての多人数戦闘に対する技術。軍団を指揮する能力ではなく、軍勢の中の一騎として奮戦するための戦闘技術。多対多、一対多の戦いに優れている。
乱戦の心得:B
敵味方入り乱れての多人数戦闘に対する技術。軍団を指揮する能力ではなく、軍勢の中の一騎として奮戦するための戦闘技術。多対多、一対多の戦いに優れている。
心眼(真):C
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理” 逆転の可能性が数%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理” 逆転の可能性が数%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。
過去へ誘う夢:C
コロヴラートは、朝目覚めると現在を忘れ、思い出すのに苦労したという。眠る度に精神干渉が全てリセットされる代わりに、状況を思い出す為に精神抵抗に成功しなくてはならない。
コロヴラートは、朝目覚めると現在を忘れ、思い出すのに苦労したという。眠る度に精神干渉が全てリセットされる代わりに、状況を思い出す為に精神抵抗に成功しなくてはならない。
環境適応(寒冷):C
環境に対する適応力。
コロヴラートの場合、寒い場所でも、行動制限を受けないで済む。
環境に対する適応力。
コロヴラートの場合、寒い場所でも、行動制限を受けないで済む。
【宝具】
『騎兵殺しの糸車(ヴァイナ・コロヴラータ)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~3 最大捕捉:2人
コロヴラートの振るう二刀。真名を解放する事で、ライダークラスの防御スキル・宝具の効果を宝具ランク分削減する。
『騎兵殺しの糸車(ヴァイナ・コロヴラータ)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~3 最大捕捉:2人
コロヴラートの振るう二刀。真名を解放する事で、ライダークラスの防御スキル・宝具の効果を宝具ランク分削減する。
『森と獣の援助(ジムニー・メドヴェーチ)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~30 最大捕捉:30人
森の中で敵に包囲された際、突如吹雪が起こり、熊が乱入して敵兵を切り裂いた逸話の再現。吹雪によって敵の行動を制限し、召喚された熊が敵を攻撃す
る。
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~30 最大捕捉:30人
森の中で敵に包囲された際、突如吹雪が起こり、熊が乱入して敵兵を切り裂いた逸話の再現。吹雪によって敵の行動を制限し、召喚された熊が敵を攻撃す
る。
吹雪は魔術より自然現象としての側面が強く、魔術抵抗によって防御する場合、ワンランクダウンした状態で判定を行わなくてはならない。
召喚される熊はBランク相当の怪力スキルを所持している事に加え、コロヴラートと同等の筋力・耐久・敏捷を備えており、敵の人数に応じて基礎ステータスに上昇補正が入る。
【weapon】
『騎兵殺しの糸車』
『騎兵殺しの糸車』
【人物背景】
ルーシ人の都リャザンを治める大公ユーリの衛兵長。兵達に戦術を教えていた彼は、バトゥ・ハン率いるタタール軍に都を滅ぼされ、妻子を失う。その後は僅かな生存者と力を合わせ、更なる侵攻を阻止するべく復讐戦を開始。その戦いぶりはバトゥ・ハンをして敬意を抱かせるものであった。
ルーシ人の都リャザンを治める大公ユーリの衛兵長。兵達に戦術を教えていた彼は、バトゥ・ハン率いるタタール軍に都を滅ぼされ、妻子を失う。その後は僅かな生存者と力を合わせ、更なる侵攻を阻止するべく復讐戦を開始。その戦いぶりはバトゥ・ハンをして敬意を抱かせるものであった。
【サーヴァントとしての願い】
妻子との平穏。
妻子との平穏。
【方針】
優勝狙い。
優勝狙い。
【マスター】
ナランチャ・ギルガ
ナランチャ・ギルガ
【出典】
ジョジョの奇妙な冒険part5 黄金の風
ジョジョの奇妙な冒険part5 黄金の風
【性別】
男
男
【能力・技能】
「スタンド使い」
生命エネルギーのパワーある像を展開できる。
扱えるスタンドはエアロスミス。プロペラ戦闘機の姿をしており、二酸化炭素を感知、追跡して弾丸や爆弾で攻撃できる。
「スタンド使い」
生命エネルギーのパワーある像を展開できる。
扱えるスタンドはエアロスミス。プロペラ戦闘機の姿をしており、二酸化炭素を感知、追跡して弾丸や爆弾で攻撃できる。
破壊力B スピード B 射程距離数十メートル
持続力C 精密動作性E 成長性C
持続力C 精密動作性E 成長性C
【weapon】
ナイフ。
ナイフ。
【人物背景】
10歳の時に母を亡くし、真面目だが子育てに関心のない父親と暮らす。素行不良になり友人の家を泊まり歩いて暮らすようになったナランチャは、年上の友人に嵌められ、強盗の冤罪で少年院に入れられてしまう。
15歳にして人生を捨てていたナランチャはブチャラティに救われ、彼のために働くべく、ギャング組織パッショーネに入団した。
10歳の時に母を亡くし、真面目だが子育てに関心のない父親と暮らす。素行不良になり友人の家を泊まり歩いて暮らすようになったナランチャは、年上の友人に嵌められ、強盗の冤罪で少年院に入れられてしまう。
15歳にして人生を捨てていたナランチャはブチャラティに救われ、彼のために働くべく、ギャング組織パッショーネに入団した。
本編開始前、ジョルノと会っていない頃から参戦。
【マスターとしての願い】
ブチャラティたちの元に帰る。
ブチャラティたちの元に帰る。
【方針】
脱出方法を探しつつ、出くわした敵は始末していく。
脱出方法を探しつつ、出くわした敵は始末していく。
【ロール】
中学生(学力を考慮して、中学校に入れられている)
中学生(学力を考慮して、中学校に入れられている)
【把握媒体】
鯖は映画。
鱒はコミック、あるいはアニメ。
鯖は映画。
鱒はコミック、あるいはアニメ。