「金銭トラブルの末、相手を斬りつけた男が殺人未遂の容疑でー」
昼、狩野すみれはポークサンドを齧りながら、
スマホでニュースを視聴していた。内容は物騒だが自分に関わりはなさそうだと判断するとと、ひとまずスマホから意識から遠ざけて、ポークサンドの咀嚼に集中した。
スマホでニュースを視聴していた。内容は物騒だが自分に関わりはなさそうだと判断するとと、ひとまずスマホから意識から遠ざけて、ポークサンドの咀嚼に集中した。
『ねぇ、ランサー』
『なに?』
『サーヴァント同士の闘いって、どんな扱いになるのかな?』
『そのまま報道はされないはず。…調べてみる?』
『なに?』
『サーヴァント同士の闘いって、どんな扱いになるのかな?』
『そのまま報道はされないはず。…調べてみる?』
すみれはかぶりを振ると最後の一切れを食道に押し込んだ。紅茶を飲んで一息つくと、会計を済ませて店を出る。霊体化しているランサーも、彼女に同行する。
「本気で参加する気?」
「そうだけど、なに?」
「別に。ただ、マスターを狙うのは基本戦術だから、途中で死ぬ可能性は高い。家族が…心配するんじゃない?」
「…心配する家族なんていないよ」
「そうだけど、なに?」
「別に。ただ、マスターを狙うのは基本戦術だから、途中で死ぬ可能性は高い。家族が…心配するんじゃない?」
「…心配する家族なんていないよ」
教会を出て、大学生の役割を与えられたすみれと共に自宅に帰ると、ランサーは聖杯戦争に臨む目的を彼女に尋ねた。ランサーはすみれを巻き込まれた一般人と考えていたのだが、早合点だったようだ。
すみれが暮らしていた供花村はのどかな場所だが、地縁を重んじるが故に閉鎖的な側面があった。特に後藤家は日本国のルールよりも供花村の慣習を優先しており、他所者に対しては恐ろしく沸点が低くなる。村人達も彼らを恐れた。
ーー後藤家には関わるな。
彼らは故人を食べて弔う。
食べて自らの肉体とする事でその人の魂を引き継ぐのだろう。日本において、食人が禁止されたのは明治以降である。それ以前の時代、世界各地で宗教儀式、迷信的治療、個人的欲求で人は人を食っていたのだ。
食べて自らの肉体とする事でその人の魂を引き継ぐのだろう。日本において、食人が禁止されたのは明治以降である。それ以前の時代、世界各地で宗教儀式、迷信的治療、個人的欲求で人は人を食っていたのだ。
供花村に駐在として赴任してきた父は精神を病んで失踪。父が残した「この村の人間は人を喰ってる」という言葉を頼りに、すみれは調査を開始。
後藤家の"食葬"という推論を導き出した。彼らの葬列で送られる棺桶の中身が空だった事が明らかになると、この確信は強まった。
後藤家の"食葬"という推論を導き出した。彼らの葬列で送られる棺桶の中身が空だった事が明らかになると、この確信は強まった。
後任の駐在「阿川」と出会ってから状況は大きく動いた。父の死体が発見され、後藤家の人間が自首したのだ。
「けどね、お母さんには何も伝えられてない」
すみれの母は父親が消えてから狂気に陥り、今でも供花村の人間に病院で怯え続けている。聖杯戦争に身を投じる理由には十分だろう。
「マスター、村からは…」
「とっくに出たよ」
「とっくに出たよ」
父親との最後のやり取りは、今でも鮮明に記憶している。すみれが帰った時、丁度出ていくところだった。暗くなる前に戻ってくると言ったきり、姿を見ていない。
ーー顔、怖くなったね。優しかった頃のお父さんの顔、忘れちゃったよ。
まるで化け物のようになった父親の顔を、すみれはまだ覚えている。供花村にいたばっかりに、すみれは両親を失くしてしまった。ランサーはかける言葉を見つけられず、その日の話はそれきりになった。
『ランサーは、聖杯が手に入ったら何を願うの?』
『私は、果たせなかった約束を果たしたいだけ』
『私は、果たせなかった約束を果たしたいだけ』
平和になったら、一緒に買い物に行きましょうよ。共に旅をした少年とそのように約束したが、果たす事なく自分は倒れ、残された少年は狂った。人間がいる世界で、彼と買い物に行く。願望機に託すにしては、あまりにささやかな願い。
人類が地球から姿を消し、異星人が繰り出す機械生命体が地上を闊歩している遠未来。月に逃げ延びた人類はアンドロイドの抵抗軍を組織し、彼らから地球を奪還するべく長い戦いを続けていた。ランサーが駆け抜けたのは、そういう時代だった。
『恋人?』
『…そういう相手じゃない』
『そうなの?私はいいと思うけどな、恋するアンドロイドがいても』
『…そういう相手じゃない』
『そうなの?私はいいと思うけどな、恋するアンドロイドがいても』
すみれが関係を尋ねると、ランサーは黙り込んでしまった。そんな彼女を見て、すみれは後藤恵介のことを思い出した。
あの悉く狂気に憑かれた一家の中で、正気を保っていた彼。万能の願望機を使えば、彼も村から自由になれるかもしれない。
あの悉く狂気に憑かれた一家の中で、正気を保っていた彼。万能の願望機を使えば、彼も村から自由になれるかもしれない。
【サーヴァント】
【CLASS】
ランサー
【CLASS】
ランサー
【真名】
ヨルハ2号B型
ヨルハ2号B型
【出典】
NieR:Automata
NieR:Automata
【性別】
女
女
【ステータス】
筋力B + 耐久B 敏捷B + 魔力E 幸運D 宝具E〜C
筋力B + 耐久B 敏捷B + 魔力E 幸運D 宝具E〜C
【属性】
秩序・中庸
秩序・中庸
【クラス別能力】
対魔力:E
魔術に対する守り。 無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する
対魔力:E
魔術に対する守り。 無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する
【保有スキル】
アンドロイド:A
人工的に作られた人間型機械兵士である事を示す。
魔力炉心を獲得し、筋力と耐久をランクアップさせる。ただし、機械の概念を帯びる為、EMPやコンピュータウイルスを受けた際にペナルティが発生する。
アンドロイド:A
人工的に作られた人間型機械兵士である事を示す。
魔力炉心を獲得し、筋力と耐久をランクアップさせる。ただし、機械の概念を帯びる為、EMPやコンピュータウイルスを受けた際にペナルティが発生する。
乱戦の心得:B
敵味方入り乱れての多人数戦闘に対する技術。
軍団を指揮する能力ではなく、軍勢の中の一騎として奮戦するための戦闘技術。多対多、一対多の戦いに優れている。
敵味方入り乱れての多人数戦闘に対する技術。
軍団を指揮する能力ではなく、軍勢の中の一騎として奮戦するための戦闘技術。多対多、一対多の戦いに優れている。
真名秘匿:B
真名を改竄し、契約中のマスター以外の人物からステータスを透視される事を防ぐ。マスター、英霊問わずBランク以上の千里眼、真名看破スキルを持たない限り、彼女の正体を把握することはできない。
真名を改竄し、契約中のマスター以外の人物からステータスを透視される事を防ぐ。マスター、英霊問わずBランク以上の千里眼、真名看破スキルを持たない限り、彼女の正体を把握することはできない。
戦闘続行:C
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、死の間際まで戦うことを止めない。
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、死の間際まで戦うことを止めない。
仕切り直し:C
戦闘から離脱する能力。
また、不利になった戦闘を戦闘開始ターン(1ターン目)に戻し、技の条件を初期値に戻す。
戦闘から離脱する能力。
また、不利になった戦闘を戦闘開始ターン(1ターン目)に戻し、技の条件を初期値に戻す。
【宝具】
『随伴支援機(ポッド042)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1〜30 最大捕捉:15人
2Bを随行支援するサポートユニット。遠距離攻撃用の武装を搭載しており、支援対象への助言やナビゲーション、対象を持ち上げての滑空で行動を支援する。聖杯戦争においてはポッドが中継することで、同盟関係にある主従と通信を行うことが可能。
扱える武装はレーザーやガトリングなどの射撃のほか、攻撃を防ぐシールド、範囲内の敵の動作を遅くするスローや爆弾をばら撒くボムなど多岐にわたる。
『随伴支援機(ポッド042)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1〜30 最大捕捉:15人
2Bを随行支援するサポートユニット。遠距離攻撃用の武装を搭載しており、支援対象への助言やナビゲーション、対象を持ち上げての滑空で行動を支援する。聖杯戦争においてはポッドが中継することで、同盟関係にある主従と通信を行うことが可能。
扱える武装はレーザーやガトリングなどの射撃のほか、攻撃を防ぐシールド、範囲内の敵の動作を遅くするスローや爆弾をばら撒くボムなど多岐にわたる。
『矜持を持って踊る黒姫(ストーリーテリング・ヨルハ)』
ランク:E〜C 種別:対人宝具 レンジ:− 最大捕捉:1人(自身)
2Bが生前に振るっていた武器を召喚し、装備する。クラス補正により、扱えるのは槍と拳鍔など格闘武器のみ。
装備変更は一工程で済ませることができ、いずれもE〜Cランク相当の宝具である。装備中は耐久値がワンランクアップ、さらに敏捷判定の成功率と機械や兵器属性を持つ相手に与えるダメージが上昇する。
ランク:E〜C 種別:対人宝具 レンジ:− 最大捕捉:1人(自身)
2Bが生前に振るっていた武器を召喚し、装備する。クラス補正により、扱えるのは槍と拳鍔など格闘武器のみ。
装備変更は一工程で済ませることができ、いずれもE〜Cランク相当の宝具である。装備中は耐久値がワンランクアップ、さらに敏捷判定の成功率と機械や兵器属性を持つ相手に与えるダメージが上昇する。
【weapon】
『矜持を持って踊る黒姫(ストーリーテリング・ヨルハ)』によって取り出す装備とポッド042。
『矜持を持って踊る黒姫(ストーリーテリング・ヨルハ)』によって取り出す装備とポッド042。
【人物背景】
自動歩兵人形「ヨルハ」部隊に所属する汎用戦闘モデルのアンドロイド。各種武器による近接攻撃能力に優れているほか、サポートシステム「ポッド」による遠距離攻撃も可能。感情を表に出そうとしないが、仲間に対しては配慮と思いやりをもって接する。
自動歩兵人形「ヨルハ」部隊に所属する汎用戦闘モデルのアンドロイド。各種武器による近接攻撃能力に優れているほか、サポートシステム「ポッド」による遠距離攻撃も可能。感情を表に出そうとしないが、仲間に対しては配慮と思いやりをもって接する。
本来の名はヨルハ2号E型。
裏切り者や脱走者を抹殺するために作られたアンドロイド。偽装して近づき、殺す為、2Bと名乗っている。スキャナータイプの9Sと共に地上で機械生命体と戦っていた彼女は、任務の途中で機械生命体の創造主エイリアンが既に滅び、彼らがそれぞれの判断で行動していることを知った。
裏切り者や脱走者を抹殺するために作られたアンドロイド。偽装して近づき、殺す為、2Bと名乗っている。スキャナータイプの9Sと共に地上で機械生命体と戦っていた彼女は、任務の途中で機械生命体の創造主エイリアンが既に滅び、彼らがそれぞれの判断で行動していることを知った。
バンカー司令部壊滅後、ウイルス汚染された2Bは己の記憶を愛剣と共にアンドロイドA2に託して散った。
【サーヴァントとしての願い】
平和な時代で9Sと買い物に行く。
平和な時代で9Sと買い物に行く。
【方針】
マスターに合わせる
マスターに合わせる
【マスター】
狩野すみれ
狩野すみれ
【出典】
ガンニバル
ガンニバル
【性別】
女
女
【能力・技能】
特殊な技能はないが、収集した情報を結びつけて仮説を立てる思考力と、凶暴な態度を見せた村人達を前にしても狼狽えない度胸を持つ。
特殊な技能はないが、収集した情報を結びつけて仮説を立てる思考力と、凶暴な態度を見せた村人達を前にしても狼狽えない度胸を持つ。
【weapon】
なし。
なし。
【人物背景】
供花村の失踪した駐在「狩野治」の娘。
父親の赴任を機に村に移り住んで来た。妻子持ちの上司と関係があったという噂から陰口を叩かれていたが、度々後藤恵介に庇われる。ぶっきらぼうだがやさしい恵介に惹かれ、やがて恋仲になった。後藤家に対しての心象は悪いが、恵介の事だけは、村を出た後も慕っている。
供花村の失踪した駐在「狩野治」の娘。
父親の赴任を機に村に移り住んで来た。妻子持ちの上司と関係があったという噂から陰口を叩かれていたが、度々後藤恵介に庇われる。ぶっきらぼうだがやさしい恵介に惹かれ、やがて恋仲になった。後藤家に対しての心象は悪いが、恵介の事だけは、村を出た後も慕っている。
父親が消えてから食人について調べ、村人の行動に集めた知識を当てはめて、"食葬"の仮説を立てた彼女は、村人達が父親を殺したと考え、彼らを捕まえようとしている。後藤家の老婆の葬列で後任の駐在「阿川大悟」と接触すると、自分が知り得た情報を伝えた。
狩野治の遺体が発見された後から参戦。
狩野治の遺体が発見された後から参戦。
【マスターとしての願い】
母親を立ち直らせる。あるいは恵介を除く後藤家に復讐する。
母親を立ち直らせる。あるいは恵介を除く後藤家に復讐する。
【方針】
優勝狙い。
優勝狙い。
【ロール】
大学生。
大学生。
【把握媒体】
鯖はゲーム。
鱒はコミックス。少なくとも7巻まで。
鯖はゲーム。
鱒はコミックス。少なくとも7巻まで。