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はじめてのバトルロワイアル ~十六歳と十五歳と十歳の場合~

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はじめてのバトルロワイアル ~十六歳と十五歳と十歳の場合~ ◆qbc1IKAIXA



「いったいどういうこと……?」
 園田真理は月を見上げながら疑問をつぶやいた。
 視線を降ろし、周囲を警戒する。後ろには森林が広がっており、深い闇が広がる。
 一方、前方には平地が広がって見晴らしがいい。
 まだ考えがまとまらないものの、真理は身を隠すことを選択した。
 だが、まだ殺しあい、バトルロワイアルに参加させられたことを自覚したわけではない。
 彼女にとって身を隠し、息をひそめて天敵をやり過ごすのは長年の経験ゆえである。
(ええと、どうしたんだっけ……)
 自分の記憶を確かめるように眉を顰める。
 まずは真っ暗な施設にいて、オルフェノクが殺された。
 「あっ」と思わず真理は声を出す。思い出したのだ。

 ―― 真理、何だっけかなぁ? 救世主は何をするんだぁ?

 一番頼りにしていた男の声を。
 辛い日々でもすがっていた英雄の姿を。
 檻の中で真理は答えたはずだ。狼の怪物へ姿を変えながらも、闇を切り裂こうとした彼に。

 ―― 闇を切り裂き、光をもたらすのよ!

 瞬間、涙が一筋流れ落ちる。
 木場が敵になり、オルフェノクを簡単に殺せる男の『儀式』とやらに巻き込まれた。
 そして今は一人だ。不安と寂しさが襲いかかる。
 その上、巧がオルフェノクだと知ったショックから完全に立ち直っていない。
 いろいろな事態が襲いかかり、心が千切れそうだった。足の歩みが遅くなる。
(巧も……いるかな)
 だけど、真理はまだ彼を英雄だと信じていた。
 そうでなくても会いたいと願っただろう。なぜなら巧は――――
 瞬間、思考が中断される。光が視界に入り、警戒心から体が自然に動いた。

「ちょぉぉぉぉっとそこのお姉さん! 夜の森は危険ですよ!」

 大きな声でわめく男が懐中電灯を片手に勢いよく走ってきた。
 真理としては相手側の行動のほうが危険なのだが、あまりの出来事にあっけにとられた。
 男は自分の前で止まり、荒い息を整えながら振り返ってきた。

「どうも、初めまして! 自分はタケシといいます!
ポケモンブリーダーを目指して旅をしていますので、森のエスコートはお任せください。
なぜなら自分はもう、あなたへの愛の道へエスコートされているのですから!」

 細目の青年が薔薇でもくわえそうな表情になってきらめく。騎士が姫に忠誠を誓うように、真理の手を取った。
 こちらが言葉を発する前に、次々とマシンガントークが炸裂する。

「おぉ、まるで森から現れた女神のような美しさ。
自分はアタナに会うために生まれてきたようなものです。
さあ、行きたい場所を教えてください! 地の果てまでご案内を……ぐぉっ!」

 いいかげん真理が鬱陶しくなったころ、ドスッという打撃音とともにタケシが崩れた。
 心配になって駆け寄ろうとしたとき、視界の端に妙な生物が映った。
 瞬間、警戒して距離を取る。銃をとろうとしたが、丸腰なのを思い出した。
 思わず手持ちのデイパックのヒモを握る。
 タケシに突きを入れたそれは、子どもくらいの大きさだ。しかし、外見は人と大きく違う。
 青いカエル、としか表現しようがない。老婆が笑ったような鳴き声を出しながら、オレンジ色の頬をふくらませていた。
 真理は思わずタケシと名乗った細目の青年――いや、顔は予想以上に幼かった――少年を助けようと身構えた。
「し、び、れ、る~」
「ちょっと、そいつから離れて! オルフェノクの近くにいると危ないわよ!」
「オル、フェノク……?」
 タケシは体をぴくぴくさせながらも、のんきにこちらを見つめていた。
 一方、真理は焦る。

 オルフェノクとは、突如現れた人類の変異種である。
 自らを人類の進化系と称して次々人間を粛清していった。
 もはや純粋な人間は三千人程度しか存在しない。
 姿形は様々で、基本灰色の怪人体を持つのだ。
 色が違うもののタケシを突いた生物は、真理の常識だとオルフェノクという認識だった。

「だからはやくこっちに……」
「ええ、そちらに行かせていただきました~! ちなみにあいつはグレッグルっていう俺のポケモンです。
ああいう顔ですが、オルフェノクというポケモンのように凶暴じゃありませんよ!
安心してください」
 真理が言い切らないうちに、タケシは神速でそばに寄った。
 戸惑っているのをいいことに、手をとってまたも口説き始める。
「ああ、可憐さの中に凛々しさを内包した瞳に自分の心は地震のように揺れています。
さあ、手をとってください。このタケシに任せていただけば、どんなところでも…………」
 この非常時にバカみたいな反応をする相手に真理がキレかける。もともと彼女は気が短いほうだ。
 丸顔の童顔に似合わず、口は悪いし大人しくもない。
 そうでなければ人間解放軍の最前線で、女だてらに銃を手にとったりしなかった。
 真理がタケシに罵詈雑言を浴びせようとし、グレッグルが二度目のどくづきを用意したときだった。

「あの、お取り込み中でしょうか?」

 三人目が現れたのは。


 グツグツと煮こまれている鍋の中身を真理はボーっと見つめていた。
 森の中に移動したとはいえ、火を使うと目立つ可能性がある。
 オルフェノクを警戒しようと頭で考えるのだが、どうにも行動する気にはなれない。
「お、けっこういい味だ。ミユ、皿をってくれ」
 シチューを煮込んでいるのはタケシだ。野外での料理には慣れているようで、危なげな様子はない。
「どうぞ」
 無表情でタケシに皿を差し出したのは、美遊と名乗った少女だった。
 真理はタケシに口説かれている最中、彼女に気づいてこれ幸いと話しかけた。
 まだ幼い少女は友人を探しているらしく、真理はいったん森で身をひそめることを提案したのだ。
 一度休む場所を決めると、タケシは自然と料理の準備をし始めた。
 美遊も手伝ったこともあり、余裕が生まれる。そして真理も作業に加わりながらオルフェノクかどうかを二人に尋ねた。
 もっとも素直に答えるとは思っていないので、いつでも逃げ出せる準備をする。
「自分がアナタを傷つけるようなポケモンであるはずがありません! どうか安心してください!」
「オルフェノク……?」
 タケシと美遊はオルフェノクの存在を知らないらしい。
 とぼけているにしては対応が不自然である。そのため本当に知らないのだと理解した。
 だがそれは真理にとってありえない反応だ。
「なに言っているのよ! 世界はオルフェノクに支配されて、人ももう数少ないじゃない。
殺されたあの男だってオルフェノクだったし……」
「オルフェノクというポケモンに人間が……?
たしかに最初に殺された男はおかしかったのですが、そんな凄惨な事件は聞いたことがありません。
それに、あなたのような美しい方に悲しい未来は似合わない。自分と一緒に輝かしい愛にあふれた未来へ……どぅっ!」
 またもグレッグルのどくづきがタケシの脇腹にめり込んだ。
 崩れ落ちる青年を無視して、美遊が話を進める。
「オルフェノクという存在も、人類が滅亡しかけているという話も聞いたことがありません」
「もしかしてあなたたちは……」
「だからといってわたしはあなたの言うオルフェノクではないと思います。
それにこの状況は心当たりがありますし」
 美遊が目を伏せ、「イリヤたちを探したかったけど」と前置きしてから懐に手を伸ばした。
 彼女が取り出したのは、真ん中に星を持つリングである。左右にはリボンのようなものが付いていた。
 玩具のようなそれはいきなり浮き上がる。
『初めまして。わたしはサファイアともうします』
 いきなりの事態に真理は目を白黒させる。
 構わず、サファイアと名乗った輪っかは話を続けた。
『しかし、わたしを見せてよろしいのですか?』
「ええ。この状況はもしかして……」
『並行世界。おそらくお二人はわたしたちと違う世界の住人だと推察します』
「並行世界? 漫画の見過ぎじゃないの」
「お姉さん、ちょっと待って下さい。話は最後まで聞いてみましょう」
 タケシが復活し、でれでれした様子をなくして制止してきた。
 話を潤滑に進めるためだろう。先程の情けない雰囲気は消え去り、歳相応の男としてしっかりした面を見せる。
「お姉さんはやめて。私は園田真理、名乗るのが遅れたのはごめん。呼び捨てでいいよ」
「マリさん……なんて華麗な名前だ。しかしミユ、どういうことなんだ?
たしかに俺たちは時空を操ったり、過去に送る伝説のポケモンと出会ったことはあるが……」
 タケシの疑問にサファイヤは浮遊しながら説明を始めた。

『わたしを作成した大師父は空間に携わる魔術を研究しています。
ゆえにこの世界の不自然さに気づきました。複数の空間が融合しながら、膨張もねじれもない。
次元の復元力が働かないほどの自然な世界創世、および安定が行われています。
もはや魔法の領域でしょうか』

 サファイアは彼らを作った大師父が『空間の研究』ではなく、『並行世界の認識、移動が可能な魔法つかい』であることを伏せた。
 別の世界の住人であるとはいえ、魔術に関わりない一般人に教えていいことではないからだ。
 もっとも、説明をされた真理とタケシは理解が追いついていない。
「ごめん、なんて言っているかわからない」
「俺もだ。サファイア……だっけ? もうちょっとわかりやすく言ってくれないか?」
『そうですね……美遊様、よろしいですか?』
 美遊はこくん、と頷くとサファイアが杖へと変形する。

 ――コンパクトフルオープン!
 ――鏡界回廊最大展開!

 Die Spiegelform wird fertig zum!【鏡像転送準備完了】
 Offnunug des Kaleidoskopsgatter!【万華鏡回路開放】

 まるでファイズドライバーのような電子音が聞こえてきたと思ったら、美優の肢体を光が包んだ。
 四肢を包むのは紫の衣装。黒いスカートが生まれ、マントが露出の大きい背中を守る。
 玩具のような杖を携え、魔法少女プリズマミユと化した。

『このように、わたしと美遊様は魔術の使える世界の出身です。
それと以前、別世界の魔法少女と出会ったことがあります。
つまりオルフェノクという存在がいた世界。
ポケモンという生物がいる世界。
魔術の使える我々の世界。
以上三つの世界を我々は認識した、ということになります。
よろしいでしょうか? 真理様、タケシ様』

 あまりのファンタジーな出来事に、真理は頭を必死に動かした。
 よけい混乱する中、タケシが一歩前に出る。
「なるほど。要するに危険な世界から来た奴を警戒しろ、ということか」
「それもありますが……わたしの友達、イリヤを見かけたのか尋ねたかったので」
 美遊が一瞬だけ心配そうな表情を浮かべた。
 すぐに鉄面皮へともどるが、真理は見逃さない。
「ごめん。私が会ったのはタケシが初めてだから」
「俺もマリさんに声をかけたのが初めてだ。すまない」
 美遊は「そう」とつぶやいて元の姿に戻る。
「申し訳ありませんが、わたしはイリヤを探します。手間を取らせました」
「いや、構わない。ミユは俺の料理を食べていかないのか?」
「……イリヤは一番の友だちだから」
 「何よりも優先したい」と聞こえた気がした。
 一番の友達、と言う単語に真理は巧と啓太郎が思い浮かんだ。
 巧が行方不明になったあと、どれほど会いたかったか。
 彼女を行かせてやりたい。自然にそう思った。
「なら行きなよ。会わないと後悔しちゃうから。
私たちのほうが先にイリヤって娘を見つけたら、ちゃんとあなたのことを伝えてあげる」
 美遊はこちらを見つめ、感謝するように軽く頭を下げた。
 踵を返す彼女に真理は笑顔を向ける。きっとこれでいいのだろう。
「おお……マリさん。なんて女神のような方だ……。あ、ミユ。ちょっとまってくれ」
 タケシはそう言うと、ササッとどこからか用意した弁当箱に料理を詰める。
 何気に家事のスキルが高い。そういうところは啓太郎を思い出させた。
 それにしても、タケシは美遊に対して自然体である。
 彼女ほどの美少女だと、同性である真理でさえ緊張してしまう。
 自分の丸顔にコンプレックスがあるぶん、小顔の完璧美少女である美遊には憧れる部分もあった。
 なのに、タケシはまるで兄弟に対するような反応だ。
 自分にデレデレなため、そのギャップが妙な感覚を真理に与える。
 それを知ってか知らずか、タケシは弁当箱を美遊に渡した。
「はい、これ。一息付ける場所を見つけたら、ぜひ食べてくれ」
「ありがとうございます。あの、お二人だけで大丈夫ですか?」
 待っていましたと言わんばかりに、フフフとタケシは含み笑いをする。
 自信満々に腰に手をかけ、大見得を切った。
「なあに、マリさんはこの男・タケシとポケモンたちが全力で守ってみせる!
たとえ俺の命をかけても! こい、ピンプク、ウソッキー、グレッグル!」
 タケシの掛け声と共に、ポンという炸裂音が聞こえた。
 光と共に、真理が先ほどオルフェノクと勘違いしたグレッグルが現れる。
 あまり強そうに見えないが、言わないでおいた。
「あ……れ? グレッグル、お前だけ……。
おーい! ピンプク、ウソッキー! どこいったんだぁ~~~!」
 あちこちひっくり返しながら、タケシは自分のポケモンを探し始める。
 最後まで格好のつかない男である。
 呆れた真理は美遊と視線を合わせ、一緒に肩をすくめた。


 彼女たちはたしかに並行世界の存在を知った。
 しかし、それは知識として頭に入っているだけの状態だ。
 本当に並行世界がどういう存在なのか、まだ真理とタケシは実感をしていなかった。


【D-7/森/深夜】

【園田真理@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、支給品1~3(未確認)
[思考・状況]
基本:巧を探す
1:美遊を行かせる。イリヤを発見したら美遊のことを伝える。
2:タケシと同行。ウザくなったら別行動。
3:並行世界?

[備考]
※参戦時期は巧がファイズブラスターに変身する直前
※並行世界の情報を手に入れましたが、よくわかっていません。


【タケシ@ポケットモンスター(アニメ)】
[状態]:健康
[装備]:モンスターボール(グレッグル)@ポケットモンスター(アニメ)
[道具]:基本支給品一式、支給品1~2(未確認)
[思考・状況]
基本:ピンプク、ウソッキーを探す。
1:美遊を行かせる。イリヤを発見したら美遊のことを伝える。
2:真理と同行。美しいお姉さん!
3:並行世界?

[備考]
※参戦時期はDP編のいずれか。ピンプクがラッキーに進化する前。
※並行世界の情報を手に入れましたが、よくわかっていません。


【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:健康
[装備]:カレイドステッキサファイア@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:基本支給品一式、支給品1~2(確認済み)、タケシの弁当
[思考・状況]
基本:イリヤを探す。
1:凛を始め、知り合いを探す。
2:現状の把握。

[備考]
※参戦時期はツヴァイ!の1話以降
※カレイドステッキサファイアはマスター登録orゲスト登録した相手と10m以上離れられません



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