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『白く、優しく』 その2

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匿名ユーザー

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「見てろ。ぜってー俺のが速えーから」
「いや、間違いなくボクの方が速いね」
「うるさいよ二人共!ほら!片倉くんも早く投げて!」
スピードガンを構えるみずきが、横にいる宇津と片倉に言った。静かになった所で、ブルペンのマウンドにいる片倉がセットから投球動作に移り、投げる。
「パン!」と音をたて、捕手を担う矢部のミットにボールが収まった。

「…154km/hだって!凄ーい!」
みずきが驚愕の声を上げ、宇津がたじろいだ。
「…みずきさん。ボクさっき何キロだっけ?」
「…えーと。147km/hね。はーい片倉くんの勝ちー!」
「矢部!いくつ出たって?」
「154でやんす!片倉くんの勝ちでやんす!」
「154?…夏ならもっと出たな」
「う、嘘だッ!」

 みずき達が入部して一週間が経過したある日の練習。
片倉と宇津が「自分の方が球が速い」と言い争いになり、橘・原・大京・矢部審判員の公正なジャッジの下測定が行われていた。
ちなみに敗者には校庭10周のペナルティ付きだ。

「片倉はな、立ち上がりが悪すぎるんや。んでしかも、相手によって手ぇ抜いとると思うんやけど、どや?」
走り出す宇津を尻目に、原が片倉に説教を始めた。
「ん?まあな」
「威張るな!折角のスタミナと球威が持ち腐れになっとろーが!」

確かに片倉は、立ち上がりが遅く、更に初見の相手に手を抜くという二つの悪癖を併せ持っていた。
先のセンバツ予選準決勝の帝王実業戦に、初回1番に粘られ四球、2番に送られ、3番蛇島に二塁打を許し、続いてこの友沢にツーランを放たれ3点を失った。
矢部の出塁と盗塁、そして自らのタイムリーとソロ本塁打で2点は取り返すも、結局は初回の失点が元で敗れていた。
「ってか何でそう思ったの?」
「生徒会皆で、この前の帝実戦を見に行ったんですよ」
「「みんなで応援行く」ってこの前言ったやろ!」
「あー、お前と飯食いに行った時か。来てくれたのね」
「約束やったしな。…まあ、次の試合から意識してみい?
きっと結果も変わってくるで!」
そう言い、原が片倉の背中をポンポンと叩いた。そして大京が腕を組んで頷く。
「私達も入部しましたしね。微力ながら協力させて戴きますよ。片倉くん」
「いやいや。頼もしいよ?マジで」

一通り自分に対する原の意見を聞いた後、片倉は部員に練習の指示を行った。
野手は大仙がノックを行い、片倉は宇津のランニングに合流。そしてみずきは捕手を座らせブルペンで投げ込みだ。


12月24日、今年最後の放課後練習は終始和やかに行われていくと思われた。
しかし、2時間程経過した所で思わぬ事が起こる。

ガシャン!と何かが壊れる音。汗だくで走り続けていた片倉の耳にもその音が届いた。
「…なんだ?」
片倉が思わず足を止める。ブルペンの方からだった。そして、みずきが不機嫌そうな顔でそこから出て来る。
みずきの横には、液晶部分の壊れたスピードガンが落ちていた。
「どうした?みずき」
片倉が近寄ってみずきに聞くと、目を合わせずにみずきは一言呟いた。
「…私もう帰る」
「「どうした」って聞いてんだが?」
「…ボール当たったら、それ壊れちゃったの。
…私今日はやる気出ないから帰るね」
それだけ言い残し、みずきはスタスタと部室に向かう。少し頭に来た片倉が、少し強くみずきの肩を掴んだ。
「…壊した事はいいから、まず戻ってあれを片付けろ。分かるな?」
「…あんたがやっといてよ!何で私がやらなきゃいけないの!?」

『…なんでいきなり機嫌悪くなってんだよ…。さっきまで気分良く投げ込みしてたじゃねーか』
「………」
片倉が頭を抱える。彼には原因がさっぱり分からない。
「離してよ!もう帰るんだから!」
片倉の手をみずきが乱暴に振り払い、彼が少しばかりキレた。
「…!ふざけ「まあまあ!片倉くん!落ち着いて!」
片倉が何かを言いかけた瞬間、大京と原が現れ二人の仲裁に入った。
「…っ!?なんだお前ら!?すっ込んで「片倉くん!ここは私達に任せて下さい!」
「みずきさんも!落ち着いてーな!」
足早に部室に向かうみずきに、原と大京が付き添う。
「ったく。一体どーしたってんだ?生理か?」
片倉がそうぼやき、グラウンド上のベンチに腰掛けた。周回遅れで走っていた宇津が、片倉の所で止まる。
「しょうがないよ。みずきさんたまに機嫌が悪いんだ」
金髪をかき揚げ宇津がそう話す。
「…知ってるよ。…確か生徒会やってた時もそうだったな。
…だけど野球部に入れた以上さ、こんな調子が続くようじゃ困んだよ。分かるだろ?」
みずきら生徒会のメンバーの力は確かに頼もしい。だがそれとこれとは別の話だ。部員の士気は下がるし空気も悪くなる。
「…ああ。その通りだ。分かってる」
「…いや、まあ俺も…、「そのうちあるかな」とは思ってたんだけどさ…」

そこで「ふー」と大きく息を吐き、頭を掻く片倉。先程は自分も冷静さを欠いていた、と頭の中で少し反省する。
…原と大京が部室の中でなだめているようだが、主将である自分がいつまでも茅の外にいて放っておく訳にもいかない。

「…少ししたらみずきも落ち着くかな?」
「…ああ。いつもはそうだが」
「じゃあ、そん時は俺が話を聞いてみるわ。
…女の子は大変だな」
片倉が笑ってそう語ると、宇津も笑って同意した。そして片倉は立ち上がり、二人は再びランニングを開始した。


そして時間が経過し、練習後のグラウンド整備まで終わった所で片倉が集合をかける。もう太陽は沈みきっていた。
「じゃあ、もう暗いので今日はここまで。冬休みは27日の午後から練習な。以上解散!」
「お疲れ様でしたー!」
皆が部室で着替え、そして帰っていく。しかし先程部室に居たはずのみずきの姿はどこにも見当たらなかった。


約一時間のち、突然部室のドアがガチャリと開く。
入ってきたのは、みずきだった。

部室に唯一残っていた片倉を見て、みずきが足を止める。
「…お帰り」
「………」
みずきは答えない。だが片倉は続けた。
「まぁ座れよ」
みずきは黙ったまま片倉の横に腰掛ける。

暫くお互い黙った後、みずきが重い口を開いた。
「…なんで、残ってたのよ」
「ん?原が「そのうち戻って来る」って言ってたからな」

「…私なんて放っといて帰っちゃえば良かったじゃないっ!」
半ば叫ぶようにみずきが言う。片倉もまた、みずきを見ないで続けた。

「…んな訳行くか。
ウチの大事な選手が風邪引いたらどーすんだ」

「……?」
みずきが顔を上げ、ここで初めて片倉を見た。
「…お前の事だよ。あんだけ投げ込んで、着替えもしねーでどこふらふらしてんだ?」
片倉が、「ほれ」とホットの缶コーヒーをみずきに投げてよこし、みずきが受け取る。
「……」

「まぁ、…寒かっただろうからな。
俺は表にいるから、早く着替えて帰ろーぜ?みずき」
それだけ言って片倉は立ち上がり、部室から出ていく。
彼がドアを閉めた所で、みずきが再び俯いた。



「…ぬるくなってるよ…」

握りしめた缶に、雫が一滴零れ落ちる。



「…優しくしないでよ…。
バカ…。…バカ片倉」


 約十分後、部室のドアが開き、着替えを済ませたみずきが出てくる。ドアの横でしゃがみ込んでいた片倉が、それに気付いて立ち上がった。
「…よし、帰るか」
「…うん」
用意しておいた鍵で部室を施錠する。開かない事を確認し、それをバッグにしまい込んだ。

「…ん?目ぇ赤いぞ?
…なんだ?泣いてたのか?」
みずきの目を見て片倉が聞く。すると彼女が慌てて否定した。
「えっ!?なっ!泣いてなんかいないわよっ!なんで私が泣かなきゃいけないの!?」
「そうか?ならいいけど」
みずきの顔が赤くなる。暗くて良く見えない事に彼女は感謝した。

そしていつかの時のように、二人は肩を並べて歩き出す。みずきは自分の頬照った顔色を悟られないように、下を見ながら歩いていく。


 暫くして、不意にみずきが片倉の手を握る。
彼のそれはみずきよりも大きく、そして暖かかった。
「…おい?」
みずきは下を向いたまま。片倉の方は見なかった。
「…あぁ、そういや学校じゃこういう関係だったな。
…でも今は別に…」
みずきの手を握る力がギュッと強くなり、片倉が思わず彼女を見る。
目をつぶって首を横に振るみずきの姿がそこにはあった。

「…みずき…?」
「…分かってる。…分かってるわよ!…でも!




…私じゃ、ダメ…?」

今度こそ、心の底から搾り出した本当の気持ち。そしてあの時、言えなかった言葉。

下を向いたみずきは再び泣いていた。
「泣き顔は見せない」と、そう決めたのに。




「………」
泣き顔のみずきを連れ、片倉は近くのベンチに共に腰を下ろす。そして片倉は、彼女が落ち着くまでそこで待つ事にした。

 …みずきの言った「分かってる」って言葉。それは俺に彼女がいるという事。
…その上で俺はみずきに…、おそらくは俺に、友人以上の好意を抱いてくれているこの子に何をしてやれるのだろうか。

…何もない。全てがみずきを傷つける術しか思い浮かばない。

…そしてそれは、いつか会いに来てくれるであろう筈のあの人をも深く傷つけるだろう。
…俺にそれは出来ない。
…俺にみずきは、選べない。

「…みずき。」
数十分の長い沈黙の末、片倉がみずきの名を呼んだ。「…なによ」
「少し落ち着いたか…?」
「…うん」



「…俺、大切な人がいる。
…だからみずきは…、みずきの気持ちには答えられない」

「……うん」

いつの間にか、みずきは立ち上がっていた。そして彼女は走り去る。

「…ゴメンね。…忘れて…」
それだけを言い残し。
おそらくはまた、涙を流して。


歩いて自宅に戻った片倉は、シャワーを軽く浴びてそのまま自室のベッドに倒れ込んだ。
心を包むは、限りの見えない喪失感と脱力感。
そしてそこそこ空腹だったが、母がいない事を思い出し、彼はもう眠る事にした。

…あいつはちゃんと家まで帰れただろうか。…いや、今日はもう考えるのはよそう。




 「…ーン」
「ピンポーン」
彼の意識が薄れゆく寸前の所で、玄関の呼び鈴の音に目を覚まさせられる。
「…客…?いや、母さんか…?」
時計に目をやると、23時を廻っていた。客人とは考えにくい時間帯だ。おそらくは母であろう。
「…鍵無くしたのか?」
彼は玄関に向かう事に物凄い倦怠感を覚えたが、「母親が帰宅したのならば、何か食べ物を拵えてくれるだろう」とも考えたので、その倦怠感を押し退け玄関へと向かった。

だが鍵と扉を開けた先にいたのは母親ではなく、上半身裸で向かった事を彼は少し後悔する事になった。

「や。」
森野木乃葉がそこにいた。それにより、半ば眠ったままだった彼の意識は完全に覚醒した。
「…木乃葉さん!?」
「Merry X'mas!」
そしていきなり抱き着かれ、木乃葉の豊満な胸が彼の胸板に当たる。上に何も着ていないせいか刺激がやや強い。
「逢いたかったよ…」
そう言って木乃葉は片倉にキスをした。その段階で彼にも愛しさが込み上げてくる。
「…うん。俺も」
彼女の頭を優しく撫でる。暫しの抱擁に取り敢えず満足したらしい彼女は、彼を離してくれた。

「…で、どうしたの?木乃葉さん」
片倉がそう聞くと、木乃葉が少しムッとした顔で答えた。
「今日はクリスマス・イヴでしょー?
キミに逢いたくなったから来たの!」
「…そーいや今日はそんな日か」
今日一日の出来事の重さにより、彼は今日がどんな日かをすっかり忘れていた。
だが、自分すら忘れていたこの日に木乃葉がわざわざ会いに来てくれた事がとても嬉しかった。
「あ。でも少し早かったか」
木乃葉が言った。「早かった」というのは先程の挨拶の事であろう。まだ日付は24日だ。
「…うん、少し早かったね。まだ11時半だし」

「…まぁいいか!入っていいかな?」
「はいどうぞ」
片倉の許可が下りると、木乃葉は靴を脱いで廊下に上がった。そして片倉は玄関に再び鍵をかけた。

程なくして二人は片倉の部屋に着き、ベッドに腰掛けた。片倉が帰宅した時点で暖房を点けていたので、廊下より数段暖かかった。


「あ、そうそう」
木乃葉がレザーのジャケットを脱いで、手に持っていた荷物を漁り出す。
「キミにプレゼントを買ってきたんだ」
そう言って、木乃葉はバッグから四角い箱と綺麗に梱包された袋を取り出し、「はい」と袋の方を片倉に渡した。両手に収まる位の大きさだ。
「開けていい?」
片倉が聞くと、木乃葉は笑顔で頷く。


「…グラブ?…“猪狩モデル”!?」
※猪狩守モデルのグラブ。球速+2、コントロール+10、ノビ+1、キレ+1「ジャイロボーラー」「威圧感」「人気者」「短気」になる(嘘)

「…あんまりお金無かったんだけど、なんとか買えたから…さ。…気に入ってくれると、嬉しい…かな。」
恥ずかしそうに木乃葉が頭に手をやった。片倉の反応を待ってるようだ。

片倉はグラブを床に置き、木乃葉に抱き着いた。
「ひゃっ…」
「…ずっと大切にする。ありがと」
抱きしめてそう耳元で呟くと、木乃葉の顔が赤くなった。
「ん…、キミはやっぱりかわいいね。
どう致しまして」
片倉の頭を撫でる木乃葉。木乃葉の体からは、とても良い香りがした。


そのまま、片倉は木乃葉にキスをする。玄関でのそれより深く激しく。
「んむっ…?、ちょ、ちょっと、いきなり…、むぅっ…」
そして右手を胸に移動し、優しく力を加える。ハイネックセーター越しに触れる木乃葉の乳房は、やはり形が良く大きかった。
「んっ、んむぅ!ん…、…んっ!」
突然の触覚に木乃葉の呼吸が大きく乱れる。だが口での呼吸を片倉のそれが邪魔をする。結果、木乃葉は短い時間で酷く紅潮していった。
互いの唾液を十分に交換した所で、片倉が口と胸を離す。「ぷはっ」と両の口から息が漏れた。
「はぁっ、はぁっ…、
、…いきなりすぎるよっ!…びっくりしたじゃない!?
…困った子だな…」
「しょうがないなあ」といった顔で木乃葉が言う。



「…木乃葉さん…。…していい…?」
「………」
彼女が顔を赤くして目を逸らす。
木乃葉も、一方的にされたのだが酷く欲情してしまっていた。
「…ここまでしといて、このタイミングで普通聞くかな?」
だが、遅いとはいえ片倉が木乃葉に「それ」の了承を求めるのは必然だった。少し不本意な形ではあるが。
木乃葉にせよ片倉にせよ、もうお互い後には引けなかった。



「…いいよ。…しよ。」
そう言って木乃葉はセーターとデニムパンツを脱ぎ去り、薄手のシャツと上下の下着だけの姿となって自らベッドに倒れ込む。
恥ずかしそうに小さく縮こまった木乃葉の姿は、片倉をまた強く欲情させた。
彼は彼女に素早く覆い被さり、胸への愛撫を再開する。
右の手で丹念に木乃葉の乳房を持ち上げ、握り、揉む。先程のセーター越しの感覚と比べると、またその柔らかさは別物であった。
「木乃葉さんの、胸…、すげぇ柔らかい」
「やっ!…んっ、…んぅっ!わざわざっ、…言わないでよぅ…んむ…」
木乃葉の言葉の反応を待った後に、キスで再び口を塞ぐ。そして両手でシャツを巻くし上げ、ブラを外して取り去った。
曝け出された木乃葉の大きな両の乳房が、反動で上下に大きく揺れる。バストトップの二つの小さな桃色の登頂に片倉は見入った。
「…あんまり、じろじろ見ちゃやだよ…」
木乃葉の言葉を無視するかのように、まじまじと彼女のそれを観察したのち、右の乳房を鷲掴みにしつつ、左の乳首を口に含む。
「あっ!…んっ!…だめ…!」
舌でそれを転がし、時たま歯を優しく立ててみたり、唇で挟んで吸い上げる。
「ぁうっ!…噛んじゃ、噛んじゃだめっ!」
右は掌で乳房を掴みつつ、人差し指と親指で乳首をクリクリと摘んだ。

木乃葉の胸の反応をひとしきり堪能し、左手を彼女の股間へと導く。パンツの上から秘部を撫でると、彼女の反応が劇的に変わった。
「そ、そこはっ…!」
指で撫でるのを少しずつ速く強くしてゆく。何往復もそれを繰り返していると、衣擦れの音が湿り気を帯びたものへと変化してくる。
『木乃葉さんが感じてくれてる…!』
それが彼には堪らず嬉しく、木乃葉の膝を揃えて折り畳んで無我夢中で彼女のそこを攻める。
「んぁっ!ふっ!んんぅっ!…ぁぁあっ!」
彼女の声にも艶が帯び、白い下着に段々と湿った跡が浮かび上がってくる。


「木乃葉さんのココ、すげえ濡れてきてる。
…もっと、えっちな声出してよ」
「やっ!…やっあっ!」
片倉の恥ずかしい要求を否定したい所だが、口から出る声は奇しくも酷く艶色を帯びる。
そして片倉は、下着に指を掛け取り上げる。木乃葉の秘部と触れていた布の部分から、粘性を帯びた糸が伸び、切れた。
恥毛と共に丸見えになった木乃葉の大切な部分に、片倉が直に触れて撫でる。湿った恥毛が、チュクチュクと音を立てた。
彼はそこに口を近付け、舌で恥毛を、そして陰核から肛門までを舐め上げる。
「やっ、…きたなっ!だめっ!」
皮肉にも木乃葉の羞恥は片倉の欲望を更に強く沸き起こし、ただ彼の舌の動きを強く速くするだけであった。
舌先で、恥毛等に隠れた陰核を刺激すると木乃葉の腰がビクンと起き上がり、肛門に近付けると彼女が脚を閉じようと足先をぱたぱたと動かす。尤も、両膝の裏を片倉が押さえているのでそれは叶わないが。
だが、舌を膣に侵入させた所でそれまで力を帯びていた木乃葉の両脚はくたっと脱力し、 完全に片倉にされるがままになる。
「んあぁっ!ぁふっ、ふぅっ!」
舌で上下左右へ、木乃葉の愛液と自らの唾液を混合させつつ同時にそこを弄ぶ。その度に彼女は甘美な声を上げつつ涎を垂らす。
「…っ!…んうっ!
もうっ、…駄目ぇっ!」
木乃葉の意識に走る感覚は、乳房を触られていた時よりも余りにも多大な快楽。そして同時に生まれる同位の羞恥心。
彼女の意識が淡く薄れ征き始めた所で、片倉は愛液を吸い上げ、舌を抜き取った。

そして挿入すべき部分に狙いを定め、彼は続いてずぶずぶと中指を侵入させる。
「んぁうっ!」
根元まで指を挿入し、第一関節辺りまで抜き、一気に突き、秒間に3~4回それを繰り返す。外からの侵入者を待ち焦がれていたかの如く、木乃葉の膣壁が多量の粘液と共に片倉の指に絡み付き、締め付ける。
「んあっ!あっ!あっ!あぁっ!」
そのストロークを繰り返す度に、指の動きに弾かれた潤滑液が外に飛び散り、シーツを汚す。木乃葉の腰がビクビクと何度も起き上がり、彼女は両手でシーツをぎゅっと握りしめる。

いつの間にか薬指をも加わえての出入れを、執拗に奥へと。幾度も行う。
「あっ!あぁぁあっ…!!ぁぁぁぁあーーーっ!!!」
先程の舌での愛撫の段階で既にイキかけていた木乃葉は、ここで言葉に成らない叫びと共に初めて絶頂に達した。

木乃葉が快楽の頂点に居た証である多量の愛液が、彼の引き抜いた指に絡み付く。


「木乃葉さん、…イッたんだね」
ビクビクと酷く乱れて痙攣する木乃葉の前で、自らも呼吸を整えつつ片倉が呟く。
「駄目…、俺も限界…」
そして、まるでテントを張ったかのような下半身のスウェットとトランクスを脱ぎ去り、自らの充血し膨張しきった分身を木乃葉の前に晒し出す。
「…あ…。」
先端から先走りの液を分泌させつつ、勃起しビクビクと脈打つ片倉のそれに見入る木乃葉。
片倉は彼女の膝を持って再び開脚させ、その両脚の間に腰を据える。
「…入れるよ?いい?」

涙と唾液を垂らす木乃葉が、コクリと頷き了承の意を示す。

右手で竿の根元を持ち、亀頭を木乃葉のそこに触れ合わせる。
「入るよ」
クチュ…、と音を立て、亀頭が中へと沈む。
「ん!!」
木乃葉がピクンと反応した。続いて竿の部分がどんどんと挿入されていく。
ゆっくりと、それでいて確実に。
「くっ…!きついな…!」
「…んっ!…んんうっ…!」
木乃葉の陰唇に自分の分身を全て飲み込まれ、余りの快感で片倉の背中に鳥肌が立つ。
「っくっ!入った…!」
「…あっ!…んんぁっ!」
同時に生まれる、何とも言えぬ達成感。言わずとも、「木乃葉と一つになれた」ことから起因する気持ちであろう。


「動くよ…」
ゆっくりと半ば引き抜き、また突き刺す。その一行程だけで、先の射精を予感させずにはいられない程の快楽が新たに生まれる。
そしてそれは、先ほど一度絶頂に達し、未だその余韻の残る木乃葉にも同じであった。
「あっ!あっ!…くぅっ!…いいよぉ…!」
先程の指よりも、太く長くて固いモノが膣に深々と入っては出ていく。そして今度は自分だけでなく、片倉も一緒に感じてくれている。
その二つは、木乃葉に大きな安心感と、同時に先程以上の快感をも与えつつあった。

腰での抜き刺しを繰り返しつつ、大きく揺れ踊る乳房を揉む。手で掴んでいない片方は、片倉の腰の動きに合わせて揺れ続く。
シーツを掴んでいた木乃葉の両手が、汗ばんだ片倉の背中と頭へと回され引き寄せられる。
腰を強く強くぶつけ合う二人の目が合い、木乃葉が彼にキスをせがむ。彼もまた、木乃葉の頭に片手を回し彼女の求めるものを与える。
「ん…、むぅ…」
欲した物を手に入れた子供のように、安らいだ表情で木乃葉は片倉のキスを受け入れる。
そして離した口と口からは、互いの唾液が作った糸が伸びる。それは片倉の汗と共に、木乃葉の胸にぽたりと落ちた。

もういつの間にか、挿入直後とはまるで違う速度で抜き刺しは行われている。片倉がもはや限界である事を示すかのように。

事実、早くも彼は限界に近かった。


「はぁ…くっ!
…こ、…木乃葉さんっ!…俺、俺もうっ!」

気が抜ければすぐにでも射精してしまいそうな意識の中、片倉がそう木乃葉に呟く。
「…いいよ…?…イッていいよ…!」
同じく二度目の絶頂にたどり着きそうな木乃葉が、言葉を絞り出すように答える。
お互いの粘膜の接触が奏でる水音の間隔が、いよいよ短くなってゆく。木乃葉に射精の赦しを得た片倉が、木乃葉の腰と胸をそれぞれ掴んでラストスパートをかけていた。

脳内麻薬の分泌によって作り出される、思考の低薄と至高の快楽。そしてそれは、二人にほぼ同時に唐突に訪れた。
「…あっ、くっ! …出すよっ!」
「ふぁぁっ、あっ!あぁぁぁぁっ!」
「…っくうっ!」
片倉が、木乃葉の一番深い所で射精した。木乃葉に刺さった自らの分身から多量の精液が放たれ、木乃葉の膣を満たしてゆく。
自分に挿入された「それ」が大きく連続で脈打つのを感じつつ、木乃葉もまた絶頂を迎えた。




「…ふー」
片倉が大きくため息をつき、木乃葉の中から精液と愛液に塗れた「それ」を引き抜く。
「はぁっ、…はぁっ。…ん…」
木乃葉が体を起こし、息を整えつつ片倉にキスをした。



「…中に出したでしょ」
口を離した木乃葉が、急に真面目な顔で言った。
「…あ。そういえば」

「赤ちゃんできたら、結婚してもらうよ!」
そこまで言って、彼女は照れたように「えへへ」と笑った。

「…うん。責任取るわ」
片倉がそう答えると、再び彼等はキスをした。


「あ、そうそう!こんな物も買ってきたんだよ」
木乃葉が先程取り出した箱を開けると、中にはケーキが二切れ入っていた。
「おフロ入ったら一緒に食べようね。
…それとも一緒に入ろっか?」
彼女が笑ってそう提案する。
「ええ!!…恥ずかしいからやだ」
片倉が丁重にお断りすると、木乃葉がくすくす笑って「ジョーダンだよ。」と答えた。



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 そして夜は空け、次の日の早朝。片倉はふと目を覚ましてムクリと起き上がる。隣に目をやると「すぅすぅ」と寝息を立てる木乃葉の姿があった。
「・・・」
思考を巡らし昨日の事を思い出す。

『…えーと。木乃葉さんとあんな事やこんな事して、風呂入って一緒にケーキ食って歯ー磨いて寝たな。確か』
「部活は…いつからだっけ」
彼が部活の事を考え出した瞬間、昨日泣きながら自分の前から走り去ったみずきの姿を思い出す。

…あいつはちゃんと帰れただろうか。これからも部活に顔を出してくれるだろうか。
急に芽生える罪悪感。
『みずきを突き放したその日に。恐らくは彼女はまだ泣いていただろう時に。
俺は…、俺は何をやっていた…?』

「…これで良かった。これで良かったハズなのに…」
片倉には、先へ先へと考え込む癖と、それを続けた後に思考を放棄する癖があった。


「…んぅ…」
横にいる木乃葉の寝言に、片倉は我に返る。寒そうに体を動かす彼女に、彼は布団をかけ直した。
「…エロい寝言だな」

彼は起き上がり着替えを済ませた。そして部屋を出て、歯を磨いて顔を洗う。
部屋に戻ってドアを開けると、上半身だけ起こした木乃葉がいた。もう目を醒ましたのだろうか?
「あ、起きたの?」
「……おはよ。」
片倉と目が合い木乃葉が言う。まだ半分眠っているようだが、ふらふらと寝ぼけた彼女はとても可愛かった。
「まだ寝てれば?6時だし」
「……うん。」
木乃葉はぽふっと倒れ込み、布団に包まった。



 『今日は、木乃葉とずっと一緒にいよう。
…後の事は、後で考えよう』

彼は、ランニングに行こうと表に出た。
積み重なる問題は、今は忘却の彼方へ。
木乃葉といれば、忘れていられる。

そんな気がした。

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