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埋めネタ(part13 964)

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匿名ユーザー

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マイライフきずなの埋めネタ
※プロ野球選手を始めとする、実在の人物、団体とは一切関係ありません。

「おう、小浪。男なら、もう覚悟を決めろよ」
「期待してるぜ~」

ファンで観客席が埋まったホームグラウンド。ざわざわとした歓声が、球場全体を包んでいる。
三●電機製の大型映像装置には、ユニフォーム姿のプロ野球選手・小浪球児が映っている。
球場内の人という人が、小浪に注目している。ここまでなら、試合後のヒーローインタビューと似たようなものだった。
小波は喋ることは不得手だが、チームの中心選手として活躍してきたため、ヒロインには慣れていた。

「さあ、小浪選手! 心の準備はできましたか!」

が、今日はシーズンオフである。試合後でもない。マイクを向けているのは、アナウンサーではなくスタジアムDJだった。
いつもは試合を盛り上げてくれる、あの威勢のいい調子で、小浪を煽る。

「これ、球団用の電話を、特別に細工したもんだからな~。球場全体にちゃんと聞こえるぜ~」

小浪と同期入団のチームメイト・奥居が、にやにやしながら、電話の受話器を渡した。
奥居ばかりではない。監督も、コーチも、先輩も、同期も、後輩も、皆にやにやしながら小浪に注目している。
球団のマスコットは、おどけた仕草で観客を盛り上げている。
小浪からは見えないが、スコアラーや、用具係や、ブルペンスタッフや、グラウンドキーパーなど、
選手以外の球団職員も、およそ球場内にいる顔見知りは、皆小浪に注目しているに違いなかった。

「では! 頑張パワフルズファン感謝デー企画、いきなり♥ラブコール! トップバッターの小浪選手、どうぞ!」
(誰だよ、こんな企画考えたのは、通したのは……名前だけで背筋がこそばゆくなる……)

小浪は所属するプロ野球チーム、頑張パワフルズのファン感謝デーに参加していた。
その中に、選手たちには伏せられていた企画に、いきなり♥ラブコール!――既婚者の選手が、
いきなり妻に電話して愛の言葉を囁き、しかもそれをファンや球団の同僚の前で実況されるという羞恥プレイ――があり、
中心選手では最年少の既婚者であった小浪に、そのトップバッターが託されてしまった。

(ちくしょう……コーチや監督は、どうせ後で同じように電話かけさせられるから、まだ溜飲を下げられるが……
 奥居とか、独身貴族の連中には、一方的に恥ずかしい姿を見られるだけじゃないか……)

球場全体が、いつの間にか固唾を飲んで見守っていた。
小浪が自宅の電話番号を押す音が、球場内に響く。コール音が始まる。
(これ、留守電とかにつながったらどうするんだろうなぁ。企画としてはエラーどころの話じゃないよな)
小浪が他人事のような心配をしている内に、コール音が途切れた。
もしもし、小浪です――小浪にとっては聞き慣れた、愛しい妻の声が、球場内にわずかにエコーした。
元警察官で、強い意思を感じさせる、凛とした声。この時点で、観客席にどよめきが走っている。

「もしもし、小浪です――違った、球児です。電話だけど、伝えたいことがあって、さ」
「その声は、主様だな。いつもと違う番号だから、どうしたかと思ったが……メモなどは必要?」

観客席のあちこちから悲鳴が聞こえた。
たまたま運悪く、飲み物を口に含んでいたファンは、ほぼ全員が飲み物を吹き出した。

「あ、あ、あるじ、さまって、そう呼ばせてるんですか……?」

あの淀みない喋りを披露していたDJが、なんと噛んでしまった。小浪は周囲の反応を無視することにした。

「一言だけだから、ちゃんと聞いててくれればいいよ。きずな、愛してるよ。これからも、よろしく」
「あ、あい……愛って、あの」
「そう、ラブの、愛」
「……そうか、私も愛してるぞ。主様」

球場全体が悲鳴に包まれたのは言うまでもない。

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