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太陽系の彼方へ

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太陽系の彼方へ

もう一つの「青い惑星」


Syndicateは世界的エネルギー不足の解決を最優先事項として、それを解決するために多数の研究事業に対して投資を行った。核融合発電施設を搭載した静止衛星「Helios」の建造と打ち上げはその成果の一つである。Heliosは他の宇宙ステーションに電力を供給する目的で設計されていたがしかし結局、稼動を開始すると間もなく発電施設は故障してしまった。この時、核融合炉で核融合物質が収縮を起こし、それによって粒子サイズのワームホールが形成された。

これまでおとぎ話として一蹴されていた様々な理論が改めて浮上してきた。そして企業たちはこのワームホールの人類に有益な利用方法を模索し始めた。最も大胆でかつ信頼性のおける理論の一つはアメリカ人と日本人の共同チームから発表されたものだった。彼らは発電施設の故障時に生成された異時空間との繋がりによって生じた時空の歪みとワームホールを利用すれば、時間と空間の制約を克服できると考えたのだ。
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この理論は「空間転移」と呼ばれる実験において確認された。ワームホールから数万光年の彼方にある球状星団のスペクトルが観測されたのだ。これはつまり偶然ではあるが、革新的エネルギーの創造という試みにおいて我々に計り知れない程の価値がある発見がもたらされたということになる。

この小さなワームホールは空間転移技術研究の第一歩だった。波動と分子サイズの物体だけしかワームホールを通過することはできなかったが、先端的なナノテクノロジーがワームホールを通過できる程小型の宇宙探査機の製造を可能にした。こうして、既知の太陽系外惑星のマッピングできるようになった。数百機の探査機が打ち上げられ、Eterna探査機隊の探査機「DW-113A」によって最初の重大な発見が成された。

この探査機は惑星「Nia」を描き出していた、800光年先にある地球に酷似した惑星だった。地球時間の2193年11月19日の記録によると惑星Niaは、探査映像によってその惑星には地球文明を超える生命体が紛れもなく存在していると示されたとして、宇宙発見の数々を収めた大冊にその名前を刻まれた。

Eterna探査機隊が惑星Niaの生命体を発見した当時、この発見は人類史上もっとも重大な発見だったと言えただろう。この惑星はサジタリウス座の「M54」球状星団に位置しており、あらゆる方面で地球によく似ていた。Niaは連星、すなわちNiaともう一つの惑星が互いの共通重心の周りを軌道運動する機構を持っている。また複数あった連星の内、Niaは第4の岩石惑星である。平均表面温度は摂氏19度で、大気の密度は地球とほぼ等しい。

このような理想的な環境が与えられて、惑星Niaは豊かな植生で覆われており、それはつまり炭素生命体には欠かすことの出来ない酸素が大気に含まれているということだ。

二つの太陽がNiaを絶え間なく、隈なく照らしている。これが極地や山頂の氷河がかなり小さいという原因の一つであるがこのために水位が高く、惑星表面の内、陸地は僅か17%を占める程度である。プレート運動が非常に活発で、そのため更にこの小さな割合を占める陸地は細かい島々に分断されている。

この惑星には核がありそれが比較的高速に回転しているため、島を隔てる大洋が静電気的に帯電しており、電力で動く物にとっての障壁となっている。その一方で陸地では生命が繁栄している。
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異星の種

Syndicateはこの異星文明の存在に関する全ての情報を重要機密として扱っていた。機密を保持するために、重役達は全ての研究およびその成果は全て新しく建設された地球を中心に公転する基地において管理されるべきと考えた。そしてこの基地は先の核融合発電施設に近接したところに建設され、研究と殖民の総合プロジェクト「Perpetuum」の基幹としての役割を担った。

Niaの文明はいくつかの面で科学者達を驚かせた。新しく発見された種は未知の合成生命体で、我々の言う「ロボット」とも何処か違っている。我々の「原始的な」ワーキングロボットとは異なり、この種は高度な科学技術を備えた独自の社会を持っているのだ。我々のように、彼らは必要に応じて環境に手を加えることができる。そして彼らの高度に発展した工業は物資の生産と軍事目的の需要に対応している。しかしながら彼らのこのような成果の中で我々にとって最も重要なのはエネルギーの生成技術である、これはもはやエネルギー不足に陥っている地球にとって何ものにも代えがたいものだ。
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異星生命体の科学技術の水準もまた驚異的なものだった。彼らはまだ我々の存在に気づいてはいないようだったが、Syndicateの会議において奇襲に備えて一刻も早く軍備を整えるべきだということが満場一致で可決された。しかしながら小さな探査機では侵略を行うことは出来なかったので、この展開はしばらくの間見送られることになった。衛星から送られてくるNiaの工業施設の映像は世界中の科学者達の想像力をかき立てた。そしてその発見は外交的軍事的側面から注目された。数ヶ月の研究を経てこれらの施設の建設者達は遥かに高度な科学技術を備えていることが明らかになった。

この異星生命体を定義するのはかなり困難である、「生命体」という単語の従来的な定義は彼らの存在とはうまく合致しないからだ。その種は文明の発展がかなりの段階にあることを示している、彼らは自然科学と技術を組み合わせることで、生命体としてあるべき多くの制約を克服しているのだ。

異星生命体の戦闘プロセスは地球のそれと部分的に似ている。彼らは高度な科学技術によって作り出された巨大な人型兵器を使用しており、その破壊力は地球に現存する兵器を遥かに上回るものである。Syndicateは軍隊と諜報機関を召集し、この異星文明の軍事を解き明かすことを目標の一つとした。入手した数々の設計情報には全く新しいかつまた非常に効率的な機構や兵器、信じられない程の耐久性を備えた装甲に関する物が含まれていた。

しかしながら、彼らもまだ平和を実現できてはいなかった。異なる文化を持った種族が未だにそれぞれ自分達の利害に沿った政策を取っていたのだ。Niaにおいて現在も尚3つの主要な種族の間で戦争が起きており、世界全体がこの三大勢力のパワーバランスによって動いている。

高度な科学技術を持っているにも関わらず、この生命体は未だに人類と同様の弱点を持っているのだ。

Pelistal Empire(ペリスタル帝国)

かつてはPelistal Empireが全てのロボットを統制していたが、その圧制が抵抗勢力を生み出す引鉄となった。権力に抗うための内戦として始まった紛争はNuimqol UnionとThelodica Clanの独立を機に総力戦へと発展した。
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Pelistal Empireが守ろうとしていた腐敗した政治機構は今や保守派の幻想に成り果てている。現在はこの戦争を中心とした序列、すなわち最高指導者に対する信仰によって導かれてきた戦士達によって全体主義が取られている。

彼らはかつて帝国の姿、すなわち全ての種族と国家を統べる存在であった帝国の復興を狂信して戦っている。少数勢力の離反によって帝国の軍事力は弱まったものの、依然として帝国軍の勢力は強大だ。この勢力の強大さは単に兵士の数が多いだけではなく、帝国の軍事経験と技術的発展も要因となっている。

帝国の戦闘ロボットは主に弾道ミサイルを使用している。弾道ミサイルは様々な弾頭を搭載した多目的兵器である。帝国は常備軍を保有している他に、エリート傭兵部隊「Zoister」も勢力に加えている。

Nuimqol Union(ニムコル連合)

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帝国から離反した反対勢力が独立国家を築いてから300年になる。Pelistal Empireの工業施設の労働者や社会的地位を持たない傭兵達が有能な軍隊を結成した。その軍隊は間もなく、軍事的勝利を収めることになった。

連合のやや脆弱な経済は豊富な軍事経験をもった精鋭によってなんとか均衡を保っていた。純粋な自由主義の戦士達は民主主義の政府を作り、帝国軍への反撃を計画し始めた。

かつての熟練者と商人の「集団」は整然として有力な連合へと変化した。若き国家の独立闘争は他の研究者達から共感を得られた、彼らもまた帝国の圧制に苦しんでいたのだ。この科学者集団は新しい、最高水準の磁力兵器を開発した。この兵器は後に連合の軍事行動に革新をもたらすことになった。

Thelodica Clan(セロディカクラン)

このクランは内戦以前から帝国の手から逃れようとしていた。Nuimqolの離反の時、クランも同様に独立した連盟を結成する好機と考えたのだ。
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Thelodica Clanは独立した投資家達によって設立されたため、彼らは共通の政治理念を持っていない。また、軍事的優位な点を持っていないので彼らの外交は勢力拡大を志向していない。Thelodicaは基本的には通商組織なので自ら物資を研究や開発に利用する代わりに、技術的均衡を目的として同等の国家から技術を買収している。彼らは広大な諜報網を張り巡らせており、必要であれば情報や技術を盗み取ることも可能である。

確立した通商関係を維持するために彼らは一方の勢力に傾倒するようなことはしなかったが、戦力均衡を保つためにしばしば特定の勢力間に介入したりしている。彼らの戦術は遠隔攻撃を基本としているので、戦闘ロボットはレーザー兵器を搭載している。

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