惑星Niaの征服
何人かの熱心なIT専門家が唱えた理論を使って、Syndicateの軍は意外な発見をした。インターネットの如く異星文明の情報システムに侵入することによってウィルスに感染させ、いくつかの装置の制御を乗っ取ることができたのだ。この侵入は先の宇宙探査機のような極小のロボットによって遂行することになった。
ナノロボット部隊は3つの小規模な軍事基地と、それぞれに隣接されていたロボット製造施設の制御を奪うことに成功した。乗っ取ることができた小さな軍隊を利用して、我々は更に広大な地域を支配化に収めた。そしてそこにあった工場や研究施設を制圧し、奪った試作機を使ってロボットの製造を開始する体制が整えられた。この侵略計画の成功は明らかに意外だった。なぜなら彼らが更なるネットワークの侵入に対して対策を講じていたために、我々は小規模の軍勢を使うことしか出来なかったからだ。
htmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。異星生命体の長年にわたる種族間戦争が人類の侵攻をさらに容易にしている。「divide and rule(分割統治)」の原則を用いることによって、地球の勢力は今のところ異星生命体同士を対立させることに成功しているのだ。
入植は高度な技術を持ち、よく訓練された人間にしか扱うことができない程複雑なプロセスだ。そのため企業は彼らの代わりに入植を遂行するAgentを養成するためのアカデミーを運営している。そのAgentの並外れた身体的および知的な技能は入植に最適なものだった。訓練を終えるまでに、彼らは軍事はもちろん自然科学、情報工学、経済学の知識を叩き込まれ、更には過酷な総合的戦闘訓練を受けることになるのだ。
先述のNiaで占領した基地はSyndicateの株主によって統制され、Syndicateの合同部隊によって治安が保たれている。商人、兵士および上層の役人は明確な階層社会の中で暮らしている。この惑星でAgentは広範囲の責任を負っている、それはすなわち軍事展開や占領した基本的施設への支援、そのほかの支援任務を行わなければならないということだ。それでもAgentは高度な訓練を受けているので、ハイリスクで専門性が高い過酷な任務もほとんど彼らの意のままに完遂することができる。
htmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。しかしながらAgentの養成は長い期間を要し、かつ高コストなものである。厳格に定められた基準を満たし、Perpetuumプロジェクトに参加する確かな意志を持つ者は組織の基盤に属さなければならない。彼らの仕事は8万7千光年先の彼方にある植民地の管理である。
彼らの行動は全てバーチャルに感じられるのだが、しかしながらそれは全て現実である。訓練の終わると、手術によってAgentの中枢神経組織に特別なチップセットが埋め込まれる。このチップセットは彼らの「Sparkle」(あるいは「Spark」)とコミュニケーションを取るために必要になるものだ。SparkはAgentによってNia上で遠隔操作されるナノロボットのことである。チップセットの挿入作業と遠隔操作による殖民活動は巨大企業(TM,ICS,ASINTEC)から厳重な監視を受けることになる。Syndicateが巨大企業の合同組織といえど彼ら自身としては技術や利益を共有する気はさらさらなかったからだ。尚、Syndicateは「地球と惑星Nia間の接続はクラックされる可能性がある、そして現に大企業の権威から逃れ、Syndicateから独立してPerpetuumプロジェクトに接続しているAgentがいる。」という情報を否定している。
3つの巨大企業によって進められているこの計画は間違いなく人類最大の計画と言えるだろう。最初にSyndicateがワームホール研究の支援を確保した。最初の重要な結果に達した時、プロジェクトの研究チームは更に注目され多くの投資を得た。精鋭チームの構成によって目標に段々と変化が現れている。遠方の星系のマッピングは主に物理学者とエンジニアによって行われたが、異星文明の発見以降は軍と諜報部隊が加わってきて、プロジェクトにおける自分達の立場を主張したのだった。
統合組織によるプロジェクト「Perpetuum」の管理が最終的な体系に整ったのは最近、2194年の終わり頃だった。同年、プロジェクトの本部すなわち、先述の地球の周りを公転している宇宙ステーションが完成したのだ。この宇宙ステーションはSyndicateが会議に使用する場所であり、AgentがNiaの情報網にアクセスする場所である。Niaで生産されたエネルギーはここに送られ、そしてここから発信されるのである。
htmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。軍事勢力は重要ではあったが、殖民事業は綿密に調整された侵略というよりはむしろ、自由な投資活動だ。巨大企業のマネジメントは現場に直接関与することはしていない。それはすなわち、専門的な業務をそれに対応した関連企業に外部委託しているということだ。訓練されたAgentはこれらの関連会社に雇われ、部門の上部から直接任務を受けることになる。Agentの最終的な目標はプロジェクトに従事しつつ、異星のエネルギー生成技術を利用して地球にできるだけ多くのエネルギーを送ることである。
プロジェクトの始まりであるサジタリウス座には二つの意味がある。一つはそれが人類の歴史を織り成す絶え間ない戦争を象徴していること、もう一つは惑星Niaがサジタリウス座の一部であるM54球状星団に位置しているということである。
2208年4月16日に行われたJesper Truhold(TMの現社長)のスピーチにて、「(前略)そして私は認めなければならない。彼らのシステムにこのような明らかに原始的な方法で侵入できてしまうとは、全く想定の範囲外だったよ。計画を実行に移して以来、あのロボットのような生命体が何か驚異的な物を持っていると感じたのはこの時が初めてだった。我が地上部隊は今や大規模な攻撃にも対抗できる規模になっている、今こそ拡大を開始する時だ。見てのとおり、Syndicateはそれほど強大な力を持っていない。諸君、我々のAgentと共に、肝に銘じておいてくれたまえ、我々はただ満足させるべき株主を抱えているだけではない、我々こそが人類全体を代表しているのだ。そのことを決して忘れないように。」
