プログラマーがファンタジー世界に召還されますた(非公式まとめ)

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pfantasy

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拝啓、本土の皆様、いかがお過ごしでしょうか。
こちら新人プログラマーの、まあ名前は何でもいいじゃないですか。
仮に田中としておきましょう。田中でございます。

九州が突然日本を離れ、異世界に移動して早数ヶ月。月日は速いものです。
田中は本当は九州の人間じゃ無いのですよ。ちょっと知り合いを訪ねて来てただけなのです。
その知り合いが自衛隊の人間だったのが運の尽き。
いやね、田中はOFFだったもので、PCなんて持ち歩いて無かったですよ。
だからこれは田中が発見したことじゃございません。
それまで自衛隊は膨大な火力でもって快進撃!を続けていたわけなのですが、
実際に前線に出ていって戦った自衛官さん、趣味でフリーソフトも出しておられる御方であります。
どんな状況下でも見上げた人間はいるもんですな。初めて魔法なるものに出会っての撤退中に、
なんとまあ呪文の文句をしっかり聞いてたわけであります。
で、それがこちらの世界で言うところのC++を始めとする各種言語!そっくりだったわけですよ。
自衛隊にとっては幸運、一般人のプログラマー、特に自衛隊と知り合いだったりすると運の尽きですよ。

偉いさんの決断も早かったようで。
早速次の戦いで相手さんの魔術師一人捕まえてきて、色々聞き出したらしいですよ。
本土を離れると専守防衛だの国際条約だの人道だのあったもんじゃないですねえ。くわばらくわばら。
で、そんなこんなで当の魔術師さんが持ってた杖が、途中は存じませんが田中のところへ来たわけです。
最初は面白かったっす。何しろ、これ持ってると、コードが喋った端から現実のものになってくわけです。
これが嬉しく無いプログラマーさんがいるでしょうか。いや、いない!反語!

…今は嫌ですねえー。こんなもの同僚の(自主規制)にでも渡してしまいたいですよ。

何故嫌かって?そりゃあーた。今の田中の立ち位置見れば、理解してくださると思います。
エディタで書くコードなら、コンパイルして実行ファイル作っちまえばですな。
どんな遠くでも実行できちゃって、どんな参事が起きようともプログラマーは平穏無事心身健やかってもんです。
呪文というやつはですねー。唱える口がその場にいなきゃならんのですよ。
そんなわけで、今田中は、なんか知らないけどでっかい毛むくじゃらの一つ目の真下にいます。敬具。



拝啓、本土の皆様、いかがお過ごしでしょうか。
こちら九州の鈴木でございます。え?名前が違うって?まあ気にしなさんな。

骨折しても、鈴木の入っていた保健は本社が本州なもので、お金が降りないのですねえ。
や、もちろん、そこは自衛隊の責任ってことで、手厚い看護は受けております。
しかしですな、単に知り合いを訪ねて電車でガタゴト来てただけの身、
鈴木の職場も本州にあるので、この数ヶ月収入が無いままですよ。
なんか自衛隊はこの世界での他国を色々交渉したり侵略したりで、
資源を手に入れて企業活動を再開させようと躍起になってるようですが、
旅行者のことは何も考えられてませんな。偉いさんなんてそんなもんです。

そんなわけで、飯は食わせてもらっていても仕事も無く足も折ってて暇な鈴木は、
この世界のクラス階層なんてものをしげしげ眺めて過ごしております。
やはり世界が相手だけあって、当たり前の名前が押さえられてしまってますなあ。
鈴木はよく実行の意味でfireなんて使うのですが、fireといったら火なわけで。
しょちゅう衝突するのが鬱陶しくなってきたので、名前空間で囲おうとしたわけです。
普通の発想でしょう?

そしたらどうです。using namespace …で警告が出ちゃいます。
いくらやってもわからなかったので、鈴木は件の捕虜の可哀想な魔術師さんに面会許可まで
わざわざもらって聞いちゃいました。
手続きってのはめんどくさい。でもこっちにはネットワークなんて無いですからねー。

そしたらどうです。名前空間は次のバージョンの杖まで対応しないそうですよ。
ついでに、wstringも定義だけで実装されて無いので、日本語とこの世界の文字を
混ぜて使うこともできないそうですよ。
鈴木が何度シィ・プラス・プラス言い張っても、魔術師さんはシィプ・ラプラ言って
きかなかったですが、ともかくC++の仕様に対応するのが大変なのは、コンパイラも杖も
変わんないみたいであります。開発者には同情します。

…しかし、このままじゃ、鈴木的には使えねーですよ。でもこんなこと説明したところで
きっと足が治ったらまた連れ出されちゃうんでしょうね。どうしましょうね。敬具。

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