あたしは、なんだかよくわからない空間に浮かんでいた。
いつものようにパソコンのゲームしようとお兄ちゃんの部屋に入った
- 筈なのに、そこは、文字や記号がいっぱい浮かんだ
なんだかよくわからない空間だった。
「お兄ちゃん・・・?」
よく見たら、いっぱい浮かんだ文字や記号の向こうで、
お兄ちゃんが杖を振り回しながら、いつもパソコンの前で
ぶつぶつ言ってる独り言と同じ調子で呪文を唱えていた。
しかも、ぶつぶつ言う度に、杖から炎とか雷とか虫とか出してる。
あたしはしばらく呆然と見守ってしまった。
お兄ちゃんが杖を振り回しながら、いつもパソコンの前で
ぶつぶつ言ってる独り言と同じ調子で呪文を唱えていた。
しかも、ぶつぶつ言う度に、杖から炎とか雷とか虫とか出してる。
あたしはしばらく呆然と見守ってしまった。
- 。
ようやく我に返ったあたしは、浮かんだ文字や記号をかきわけて、
お兄ちゃんの方に行きかけて・・・気付いた。
手足の先が、透けて・・・なくなってきている。
ううん、手足だけじゃない。文字や記号に触れる度に、
あたしが少しずつ消えていってる。
お兄ちゃんの方に行きかけて・・・気付いた。
手足の先が、透けて・・・なくなってきている。
ううん、手足だけじゃない。文字や記号に触れる度に、
あたしが少しずつ消えていってる。
「ちょっと、お兄ちゃん、何して・・・」
あたしはそこで意識を失った。
「よし、応急処置完了」
そんなお兄ちゃんの声が聞こえたような気がして、
そして不意に、感覚が戻ってきた。
そんなお兄ちゃんの声が聞こえたような気がして、
そして不意に、感覚が戻ってきた。
「しかし何でお前そんな・・・あっ」
ぶつぶつ言いながらあたしを眺めていたお兄ちゃんが、
ふと横に回り込んで、声を上げた。
ぶつぶつ言いながらあたしを眺めていたお兄ちゃんが、
ふと横に回り込んで、声を上げた。
「お前、耳に.Cなんて付けてたのか」
耳?ピアスならつけてるけど・・・粒の形のと、輪の形のやつ。
「それで存在がプログラムと認識され・・・」
あたしには全然理解できない専門用語らしきものをうれしそうに並べ続ける
お兄ちゃんを止めようと手をあげかけて、あたしは気付いた。
あたしの腕に、お兄ちゃんの字ででっかく
耳?ピアスならつけてるけど・・・粒の形のと、輪の形のやつ。
「それで存在がプログラムと認識され・・・」
あたしには全然理解できない専門用語らしきものをうれしそうに並べ続ける
お兄ちゃんを止めようと手をあげかけて、あたしは気付いた。
あたしの腕に、お兄ちゃんの字ででっかく
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と落書きがしてある事に。