[その他]
舞人の特訓が始まって一週間が経った。
この一週間は体力づくりに費やされた。
恒例の早朝牛乳配達に始まり、筋トレをこなし、最近ではやっと木刀を持たせてもらい、素振りをさせてもらえるようになった。
[ルーシィ]
「ということで、今日から新しい特訓を追加します」
[舞人]
「お、おう……」
[その他]
午前中のうちに死ぬほど肉体を酷使した舞人は、覇気のない声で答えた。
[ルーシィ]
「新しい特訓は、君のへっぽこ過ぎる魔力を鍛えるための精神修行だよ」
[舞人]
「と、いうと?」
[ルーシィ]
「いくら無詠唱でツンデインが出来たって、一発しか撃てないんじゃ意味ないからね。せめて5発は連発できるようにならないと」
[舞人]
「それで、魔力を鍛えるのとこの滝にどういう関係があるんだ?」
[その他]
舞人はなんとなく答えが想像できていたが、聞かずにはいられなかった。
[その他]
今二人がいるのは、いつもの森ではない。
二人の背後には、ごうごうと轟音をたてる滝があった。
[ルーシィ]
「決まってるでしょ。滝に打たれながら瞑想するんだよ」
[舞人]
「死ぬ! 死んでしまうわ!!」
[ルーシィ]
「馬鹿だなぁ。冬じゃあるまいし、これくらいじゃ死なないよ」
[その他]
必死の形相の舞人に、けろっとした表情のルーシィ。
[舞人]
「俺とお前じゃタフさが違うんだ! こんな滝に打たれたら……」
[ルーシィ]
「甘ったれんなっ!!」
[その他]
がしょっ!!
[舞人]
「ナタデココッ!!」
[その他]
やる前から泣き言をほざく舞人の頬に、ルーシィの鉄拳がめりこんだ。
[舞人]
「殴ったね!?」
[ルーシィ]
「殴ってなにが悪い!? 殴られもしないで勇者になった人なんていないんだよ!」
[舞人]
「……その台詞もどっかで聞いたことあるぞ」
[ルーシィ]
「いいんだよ。それより、こんくらいも出来ないで魔王が倒せるとでも思ってんの!?」
[その他]
ものすごい剣幕で怒鳴り散らすルーシィ。
[舞人]
(いや、魔王を倒すつもりないんだけどな……)
[その他]
さすがに、そのつぶやきは胸中だけにとどめておく。
[ルーシィ]
「ボクは君が特訓してくれって頼むからこうして課題を出してるのに。それが出来ないならもう止めだよ!」
[舞人]
「う……それは困る」
[その他]
まだフラグの一本も立ってないのに、徹底的にしごかれただけで攻略不可になったら、文字通りの骨折り損のくたびれもうけだ。
[舞人]
「わ、わかった……やるよ」
[ルーシィ]
「うんうん、それでこそ勇者(仮)だよ」
[舞人]
「……なんか接尾語が気に障るんだが」
[ルーシィ]
「事実だよ」
[舞人]
「………」
[その他]
そこまできっぱり言い切られては、口をつぐむしかできない。
[ルーシィ]
「それより、やるならさっさとやりなよ」
舞人の特訓が始まって一週間が経った。
この一週間は体力づくりに費やされた。
恒例の早朝牛乳配達に始まり、筋トレをこなし、最近ではやっと木刀を持たせてもらい、素振りをさせてもらえるようになった。
[ルーシィ]
「ということで、今日から新しい特訓を追加します」
[舞人]
「お、おう……」
[その他]
午前中のうちに死ぬほど肉体を酷使した舞人は、覇気のない声で答えた。
[ルーシィ]
「新しい特訓は、君のへっぽこ過ぎる魔力を鍛えるための精神修行だよ」
[舞人]
「と、いうと?」
[ルーシィ]
「いくら無詠唱でツンデインが出来たって、一発しか撃てないんじゃ意味ないからね。せめて5発は連発できるようにならないと」
[舞人]
「それで、魔力を鍛えるのとこの滝にどういう関係があるんだ?」
[その他]
舞人はなんとなく答えが想像できていたが、聞かずにはいられなかった。
[その他]
今二人がいるのは、いつもの森ではない。
二人の背後には、ごうごうと轟音をたてる滝があった。
[ルーシィ]
「決まってるでしょ。滝に打たれながら瞑想するんだよ」
[舞人]
「死ぬ! 死んでしまうわ!!」
[ルーシィ]
「馬鹿だなぁ。冬じゃあるまいし、これくらいじゃ死なないよ」
[その他]
必死の形相の舞人に、けろっとした表情のルーシィ。
[舞人]
「俺とお前じゃタフさが違うんだ! こんな滝に打たれたら……」
[ルーシィ]
「甘ったれんなっ!!」
[その他]
がしょっ!!
[舞人]
「ナタデココッ!!」
[その他]
やる前から泣き言をほざく舞人の頬に、ルーシィの鉄拳がめりこんだ。
[舞人]
「殴ったね!?」
[ルーシィ]
「殴ってなにが悪い!? 殴られもしないで勇者になった人なんていないんだよ!」
[舞人]
「……その台詞もどっかで聞いたことあるぞ」
[ルーシィ]
「いいんだよ。それより、こんくらいも出来ないで魔王が倒せるとでも思ってんの!?」
[その他]
ものすごい剣幕で怒鳴り散らすルーシィ。
[舞人]
(いや、魔王を倒すつもりないんだけどな……)
[その他]
さすがに、そのつぶやきは胸中だけにとどめておく。
[ルーシィ]
「ボクは君が特訓してくれって頼むからこうして課題を出してるのに。それが出来ないならもう止めだよ!」
[舞人]
「う……それは困る」
[その他]
まだフラグの一本も立ってないのに、徹底的にしごかれただけで攻略不可になったら、文字通りの骨折り損のくたびれもうけだ。
[舞人]
「わ、わかった……やるよ」
[ルーシィ]
「うんうん、それでこそ勇者(仮)だよ」
[舞人]
「……なんか接尾語が気に障るんだが」
[ルーシィ]
「事実だよ」
[舞人]
「………」
[その他]
そこまできっぱり言い切られては、口をつぐむしかできない。
[ルーシィ]
「それより、やるならさっさとやりなよ」
[舞人]
「うう……」
[その他]
舞人は上半身裸になって、滝の前に立つ。
改めて近くで見ると、ものすごい迫力である。
水圧だけで骨が折れてしまうのではないかとすら思う程だ。
[ルーシィ]
「ほらー、さっさと入るー!」
[その他]
このときばかりは、さしもの可憐なルーシィも地獄の使いに思えてくる。
[舞人]
「ええい……ままよ!」
[その他]
舞人は腹をくくり、滝の中に突っ込んだ。
「うう……」
[その他]
舞人は上半身裸になって、滝の前に立つ。
改めて近くで見ると、ものすごい迫力である。
水圧だけで骨が折れてしまうのではないかとすら思う程だ。
[ルーシィ]
「ほらー、さっさと入るー!」
[その他]
このときばかりは、さしもの可憐なルーシィも地獄の使いに思えてくる。
[舞人]
「ええい……ままよ!」
[その他]
舞人は腹をくくり、滝の中に突っ込んだ。
[その他]
ドドドドドドド!!
ドドドドドドド!!
[舞人]
「あばばばばばっ」
[その他]
滝に入った途端、圧倒的な水圧が舞人に襲い掛かる。
両耳にジョジョの効果音のようなものがリアルに聞こえてくる。
[舞人]
「ふ……ぐぐ……あ、圧倒的じゃないか、この滝は……!!」
[その他]
強がってみせ、どうにか足元の平たくなった岩の上で座禅を組む。
実際は座禅というよりもあぐらだったが、そこまで求めるのは酷だろう。
[ルーシィ]
「よーし、そのまま1時間だよ」
[舞人]
「そ、そんなに……!!」
[その他]
いまだかつてないほどの長い1時間になりそうだ。
[舞人]
(そ、それでもフラグのためだ……)
[その他]
などと胸中で不届きなことを考え、舞人はきっと目をつぶった。
「あばばばばばっ」
[その他]
滝に入った途端、圧倒的な水圧が舞人に襲い掛かる。
両耳にジョジョの効果音のようなものがリアルに聞こえてくる。
[舞人]
「ふ……ぐぐ……あ、圧倒的じゃないか、この滝は……!!」
[その他]
強がってみせ、どうにか足元の平たくなった岩の上で座禅を組む。
実際は座禅というよりもあぐらだったが、そこまで求めるのは酷だろう。
[ルーシィ]
「よーし、そのまま1時間だよ」
[舞人]
「そ、そんなに……!!」
[その他]
いまだかつてないほどの長い1時間になりそうだ。
[舞人]
(そ、それでもフラグのためだ……)
[その他]
などと胸中で不届きなことを考え、舞人はきっと目をつぶった。
[その他]
とまぁ、そんな雑念だらけで精神修行がうまくいくはずもなく。
[ルーシィ]
「……と……くよー!!」
[舞人]
「ほへ?」
[その他]
ぼーっとしかけていた舞人の耳に、不意に遠くからルーシィの声が届いた。
その直後、
とまぁ、そんな雑念だらけで精神修行がうまくいくはずもなく。
[ルーシィ]
「……と……くよー!!」
[舞人]
「ほへ?」
[その他]
ぼーっとしかけていた舞人の耳に、不意に遠くからルーシィの声が届いた。
その直後、
[その他]
カアァァァン!!!
カアァァァン!!!
[舞人]
「ハンブラビッ!?」
[その他]
舞人の脳天を何かが直撃した。
[ルーシィ]
「ボケっとすんなー!!」
[その他]
再びルーシィの声。
痛烈な衝撃で目が冴えたせいか、前よりもはっきりと聞こえた。
[舞人]
「な、なにが……」
[その他]
目の中でまたたく星をどうにか振り払い、自分の頭を襲ったものの正体を探る。
[舞人]
「こ、これは……」
[その他]
眼前の滝つぼに、ぷかぷかと金ダライが浮いていた。
[舞人]
「これはドリフ!! なにしやがるんだ!」
[その他]
声を張り上げる舞人。
[ルーシィ]
「ちゃんと不意打ちで仕掛けるっていったでしょー! 最初の一撃は警告までしてあげたのに、なんだよそのザマは!」
[その他]
すると、ルーシィの声が返ってくる。
[舞人]
「き、聞こえてないぞそんなの……はっ」
[その他]
そこで、ぼーっとしていたときに聞こえたのがもしかしてそれだったのか、と思い当たる舞人。
[舞人]
「ていうか、どこからタライ投げてんだよ……確かこの滝は」
[その他]
ゴツゴツした何十メートルはあろうかという岩壁の頂上から流れ落ちている滝だ。
上に上がる道は、少なくともこの周辺にはないように思える。
道があるとしたら、手足をかけるには十分な凹凸があるだろう、絶壁だけだ。
[舞人]
「まさかがけを登ったのか……? 人間じゃねぇ……」
[その他]
舞人が絶句していると、はるか上のほうからルーシィが再び叫ぶ。
[ルーシィ]
「ほらっ、追加落とすぞー!! こんどはしっかり反応しろー!!」
[舞人]
「って、悠長に落ちてくるの待ってられっかー!」
[その他]
舞人は声がした瞬間、滝の水圧に押しつぶされながらもどうにか前方に飛び出す。
滝つぼに飛び込むような勢いで回避運動に移った。
「ハンブラビッ!?」
[その他]
舞人の脳天を何かが直撃した。
[ルーシィ]
「ボケっとすんなー!!」
[その他]
再びルーシィの声。
痛烈な衝撃で目が冴えたせいか、前よりもはっきりと聞こえた。
[舞人]
「な、なにが……」
[その他]
目の中でまたたく星をどうにか振り払い、自分の頭を襲ったものの正体を探る。
[舞人]
「こ、これは……」
[その他]
眼前の滝つぼに、ぷかぷかと金ダライが浮いていた。
[舞人]
「これはドリフ!! なにしやがるんだ!」
[その他]
声を張り上げる舞人。
[ルーシィ]
「ちゃんと不意打ちで仕掛けるっていったでしょー! 最初の一撃は警告までしてあげたのに、なんだよそのザマは!」
[その他]
すると、ルーシィの声が返ってくる。
[舞人]
「き、聞こえてないぞそんなの……はっ」
[その他]
そこで、ぼーっとしていたときに聞こえたのがもしかしてそれだったのか、と思い当たる舞人。
[舞人]
「ていうか、どこからタライ投げてんだよ……確かこの滝は」
[その他]
ゴツゴツした何十メートルはあろうかという岩壁の頂上から流れ落ちている滝だ。
上に上がる道は、少なくともこの周辺にはないように思える。
道があるとしたら、手足をかけるには十分な凹凸があるだろう、絶壁だけだ。
[舞人]
「まさかがけを登ったのか……? 人間じゃねぇ……」
[その他]
舞人が絶句していると、はるか上のほうからルーシィが再び叫ぶ。
[ルーシィ]
「ほらっ、追加落とすぞー!! こんどはしっかり反応しろー!!」
[舞人]
「って、悠長に落ちてくるの待ってられっかー!」
[その他]
舞人は声がした瞬間、滝の水圧に押しつぶされながらもどうにか前方に飛び出す。
滝つぼに飛び込むような勢いで回避運動に移った。
[その他]
ひゅおおおおお……ぽちゃん!!
ひゅおおおおお……ぽちゃん!!
[舞人]
「あ?」
[その他]
落ちてきたのは、丸い斑点が浮かんだ赤いキノコだった。
[ルーシィ]
「こ、これは……マリオ!!」
[舞人]
「こらー! ちゃんと人の話は聞けー、避けなきゃダメなのと避けちゃダメなのがあるって言ったでしょ!!」
[その他]
ルーシィの怒声が降り注ぐ。
[舞人]
「初耳だぞコラァァァ!!」
[ルーシィ]
「ちゃんといいましたー!!」
[その他]
子供のような口論を繰り広げる二人。
[舞人]
「滝の音でかき消されてるんじゃろがいっ!!」
[ルーシィ]
「今会話できてるでしょーが!!」
[舞人]
「うぐぅっ!!」
[ルーシィ]
「どーせぼ~~~っとしてたんでしょ! 真剣にやれ、真剣に!!」
[舞人]
「う……っ!!」
[その他]
図星をつかれ、反論できなくなる舞人。
[ルーシィ]
「ほら、図星だった! ペナルティだよ、もう30分追加ぁ!!」
[舞人]
「どしぇええええ」
「あ?」
[その他]
落ちてきたのは、丸い斑点が浮かんだ赤いキノコだった。
[ルーシィ]
「こ、これは……マリオ!!」
[舞人]
「こらー! ちゃんと人の話は聞けー、避けなきゃダメなのと避けちゃダメなのがあるって言ったでしょ!!」
[その他]
ルーシィの怒声が降り注ぐ。
[舞人]
「初耳だぞコラァァァ!!」
[ルーシィ]
「ちゃんといいましたー!!」
[その他]
子供のような口論を繰り広げる二人。
[舞人]
「滝の音でかき消されてるんじゃろがいっ!!」
[ルーシィ]
「今会話できてるでしょーが!!」
[舞人]
「うぐぅっ!!」
[ルーシィ]
「どーせぼ~~~っとしてたんでしょ! 真剣にやれ、真剣に!!」
[舞人]
「う……っ!!」
[その他]
図星をつかれ、反論できなくなる舞人。
[ルーシィ]
「ほら、図星だった! ペナルティだよ、もう30分追加ぁ!!」
[舞人]
「どしぇええええ」
[その他]
そんなこんなで座禅が終了したとき。
[舞人]
「うへへ……俺はFBIの滝だー……」
[その他]
舞人の精神は鍛えられるどころか、極限まですり減らされていた。
[ルーシィ]
「あーあ……たった1時間でこれじゃ、本気で大丈夫なのかな……」
[その他]
ルーシィはやれやれとばかりに肩をすくめ、呆れた様子でため息をついた。
そんなこんなで座禅が終了したとき。
[舞人]
「うへへ……俺はFBIの滝だー……」
[その他]
舞人の精神は鍛えられるどころか、極限まですり減らされていた。
[ルーシィ]
「あーあ……たった1時間でこれじゃ、本気で大丈夫なのかな……」
[その他]
ルーシィはやれやれとばかりに肩をすくめ、呆れた様子でため息をついた。