1:ツンデイン!!
「俺は……俺は……」
コツコツと靴音を立てて近づいてくる志乃。
その手には、いつの間にか大振りの包丁が二本も握られている。
果物ナイフやおたまですら脅威だったのだ。あの包丁がどれほどの威力を持っているか想像するだけで冷や汗が止まらない。
死ぬ。殺される。
「俺は……生きたいぃっ!!」
死の淵に直面した舞人は、なりふりかまわずそう叫んだ。
もう相手がクラスメイトだとか女の子だとか、知ったことか。
大体、相手はこちらのことをまったく意識していない。別人の可能性だった十分にある。
「世界には同じ顔が三人はいるっていうし、異世界も含めたら10人くらいいんだろ……!!」
舞人はそう決め付け、すっくと立ち上がる。
「くらえ、殺人ゴーレム女め……!!」
舞人の両手に魔力が収束する。
「一撃必殺、ツンデイィィィンッ!!!!」
コツコツと靴音を立てて近づいてくる志乃。
その手には、いつの間にか大振りの包丁が二本も握られている。
果物ナイフやおたまですら脅威だったのだ。あの包丁がどれほどの威力を持っているか想像するだけで冷や汗が止まらない。
死ぬ。殺される。
「俺は……生きたいぃっ!!」
死の淵に直面した舞人は、なりふりかまわずそう叫んだ。
もう相手がクラスメイトだとか女の子だとか、知ったことか。
大体、相手はこちらのことをまったく意識していない。別人の可能性だった十分にある。
「世界には同じ顔が三人はいるっていうし、異世界も含めたら10人くらいいんだろ……!!」
舞人はそう決め付け、すっくと立ち上がる。
「くらえ、殺人ゴーレム女め……!!」
舞人の両手に魔力が収束する。
「一撃必殺、ツンデイィィィンッ!!!!」
ぴしゃああああああんっ!! 【SE、EF:ツンデイン】
まさに言葉どおり、一撃しか撃てない舞人の必殺の魔法が飛ぶ。
頭上から、少女めがけてまばゆい稲妻が降り注ぐ。
「……!!」
頭上から、少女めがけてまばゆい稲妻が降り注ぐ。
「……!!」
ばりばりばりばりばりっ!!!!【EF:シェイク】
稲妻が志乃を直撃し、その体が白い柱の中に消える。
「やった!! 襲撃編、完!!」
舞人は勝利を確信してガッツポーズを作った。
だが、
「……勇者、殺ス」
「えええええっ!?」
稲妻の柱の中から、なんら変わらぬ志乃の声が聞こえてきた。
光が晴れていく――否、光がしゃがみこむ志乃の頭上に集まっている。
「あ、あれは……ホーロー鍋!!」
なんと志乃は、頭上に掲げたホーロー鍋でツンデインの強力な電撃をすべて受け止めていたのだ。
そして、立ち上がると無造作に鍋に蓋をした。
「やった!! 襲撃編、完!!」
舞人は勝利を確信してガッツポーズを作った。
だが、
「……勇者、殺ス」
「えええええっ!?」
稲妻の柱の中から、なんら変わらぬ志乃の声が聞こえてきた。
光が晴れていく――否、光がしゃがみこむ志乃の頭上に集まっている。
「あ、あれは……ホーロー鍋!!」
なんと志乃は、頭上に掲げたホーロー鍋でツンデインの強力な電撃をすべて受け止めていたのだ。
そして、立ち上がると無造作に鍋に蓋をした。
ぽしゅん
「んな……」
マヌケな音を立てて、鍋の中でコトコト煮込まれたツンデインはあっさりと消滅してしまった。
「……倍返シ」
志乃は再びゆらりと歩き出し、ホーロー鍋を虚空へと消し去ると、再び包丁を取り出した。
「く、そ……やばい、魔力ががが……」
舞人は逃げようと後ずさりしたが、突然のめまいに襲われる。
いつぞやと同じ、すべての魔力を使い切ってしまったときの耐え難い疲労感。
「俺は……生きる……生きて……帰って……エロゲと添い遂げ……る」
マヌケな音を立てて、鍋の中でコトコト煮込まれたツンデインはあっさりと消滅してしまった。
「……倍返シ」
志乃は再びゆらりと歩き出し、ホーロー鍋を虚空へと消し去ると、再び包丁を取り出した。
「く、そ……やばい、魔力ががが……」
舞人は逃げようと後ずさりしたが、突然のめまいに襲われる。
いつぞやと同じ、すべての魔力を使い切ってしまったときの耐え難い疲労感。
「俺は……生きる……生きて……帰って……エロゲと添い遂げ……る」
ばたん【Ef:シェイク】
【BGM→停止】
【BGM→停止】
舞人は這ってでも逃げ出そうとしていたが、それもかなわずについに気を失ってしまった。
地に伏せる舞人に、黒い影が重なり――鋭い包丁が空を引き裂いた。
地に伏せる舞人に、黒い影が重なり――鋭い包丁が空を引き裂いた。
【SE;刃物の閃く音】
【EF:赤くフラッシュ】
【EF:赤くフラッシュ】
「……任務完了」
無感情につぶやき、スカートの裾を翻してコツコツと歩み去っていく志乃。
無感情につぶやき、スカートの裾を翻してコツコツと歩み去っていく志乃。
おびただしい返り血を浴びた横顔。
感情のないはずのその瞳から、一筋の涙がこぼれて夕日の中へと溶けていった。
感情のないはずのその瞳から、一筋の涙がこぼれて夕日の中へと溶けていった。
BAD END