09/03/11
●精神的苦痛
出典は「日本の論点97」星野一正氏です。
引用を開始します。
「不治の病に冒されて、食事、立ち居い振るまいから、入浴、大小便の世話まですべて人の手を借りなければ生きていけず、死ぬ日を待っているような致死的疾患患者の場合に、そのような自分が惨めで、自分の人格の尊厳が侵され自尊心を保てなくなっていくのを死ぬほど辛く思い始める。
そうなったら、少しでも自尊心が残っているうちに、残された自分お尊厳を守りながら生命の終焉をさせたい。しかし、自殺する力も無く、生命の質をさらに落とすような惨めな方法で自殺するのは嫌だと思う。そうした場合、医師に要請して自発的安楽死をさせてもらう以外には、自分の尊厳の侵害をこれ以上食い止める方法が無いとして、人生最後の選択としての自発的安楽死を要請する道を患者のために残しておくべきと考える。」引用終了。
出典は、NHKプロジェクト編著の、「安楽死〜生と死をみつめる〜」からオランダ
のホフ医師の発言です。
引用開始。「安楽死は、患者にとっては一種の保険のようなものでもあるのです。私の経験からもおよそ80%の患者が、安楽死を約束すると自然に亡くなっていくのです。安楽死を約束することで『苦痛なく死を迎えられる』という安心感が生まれ、それから逆に患者の心に前向きに生きる意欲が生まれるからです。」引用終了。
末期状態の患者の肉体的な苦痛は一時的にモルヒネの投与で90〜95パーセントの痛みが緩和されるとされています。しかし、宮川俊彦著の『安楽死の論理と倫理』によれば、「末期状態の患者の痛みは、永久的であり、不治である。しかも、苦痛は完全に除去することは事実上できない。一般に、人はそこに意味があると確信している限り、かなりの苦痛に耐えることができる。他方で、意味がないと小さな苦痛であっても耐えることは困難である。」とあります。人は健康回復の希望に支えられているから、病傷そのものの痛み、さらには精神的苦痛に耐えることができるのであって、回復の見込みのない末期患者は、耐える意味を見い出せずに苦しむことになるのです。したがって安楽死を法的に認めることによってそれらの肉体的苦痛・精神的苦痛は除去されるのです。
末期においては、一般的に病傷からくる苦痛に加え、窒息、吐き気、息切れ、不眠、床づれなど、必ずしも鎮痛剤などで緩和できない苦しみが加重され、苦痛はより深刻化します。不治の病に冒されて、食事、立ち居振る舞いから入浴、トイレの世話まですべての人の手を借りなければ生きてさえ行けず、死ぬ日をただただ待っているような致死的疾患患者の場合に、そのような惨めで自分の人格の尊厳が侵され、自尊心を保てなくなっていくのを辛く思い始めます。そのような身体的・精神的苦痛は患者本人は勿論のこと、その家族や医師など周囲の人々に対しても、大きな負担を与えます。いくら延命措置をしても、不治であることにはかわりはなく、患者や家族を苦しみの延長線上に放置したままになり、何の解決策にもならないのです。
末期患者は、生きる意味の見い出せない苦痛に苦しみ、自分の生きる価値のわからぬまま死んでいくよりは、自分の生きる意味を見つけ、納得して自分の死を決めることが重要なのです。
●肉体的苦痛
証拠資料を引用します。出典は札幌医科大学附属病院、医療を考える会編「ターミナルケアと今後の医療」からです。 kさんは27歳の女性です。進行がんのために入院からわずか1年で亡くなりました。その間、モルヒネも神経ブロックもその他の鎮痛剤も効かない状態で、しかも最後まで意識がはっきりしているという状況でした。亡くなる1ヶ月前には何の手の施しようもなくなっており、彼女は心の平安を得ることなく亡くなりました。その看護をした3人の看護婦の記録です。引用中に出てくあの時点とはkさんがなくなる1カ月前ことです。
引用開始。
「病状は急速に悪化してゆく一方であり、あらゆる治療も効果は期待できなかったあの時点に、私たちはもっと、Kさんの立場になって積極的に安楽な方向へ向けられるよう医師たちへも働きかける看護が必要だったのである。」
引用終了。
こうした状況で、もはや自分の望む生命の質を保てなくなるような状況になるのは、彼女だけの特殊な例ではありません。
がん患者全体の半数以上の人がこのような苦痛の中でなくなる可能性があるのです。証拠資料を引用します。出典は98年3月10日発行保阪正康著「人は痛みからどう解放されるか」です。引用開始。
「これは言葉を換えて言えば、100人のがん末期患者がいるとすれば56人の患者は、いつまでも間断なく続く痛みを味わうと言うことになる。」
引用終了。
現代は3人に1人はがんで死ぬと言われる時代です。2010年には39万人ががんで死ぬと予想されています。すると少なくとも21万人が、激痛に苦しみ、kさんのような状況に置かれる可能性が出てきます。
そこで、プランを導入します。
すると希望すれば積極的安楽死を選ぶことができます。
すると最後の最後に苦痛に苦しまずに死ぬことが出来るということで、肉体的苦痛から解放されます。こうしてメリットは確実に発生します。
次に重要性を説明します。私たちにとって人生をどう終えるかは人生最大の問題です。いつまで続くかわからない苦痛の中で、不安とおそれの中に死ぬより、残された時期を自分なりに選択した納得できる形で、心に平安を抱いて死ぬ方が幸せなのは当然です。ですからこのメリットは重要です。
全文引用です
written by haruna
最終更新:2009年03月12日 11:19