沈む夕陽


 バイドの群れは統合作戦本部のある南半球第1宇宙基地に向かっている。

 我々はそこへ地上で出せる最大速度で向かっている。


 この基地は地球連合軍の主要基地のひとつである。

 地球上の宇宙基地としては最大で、周辺にはバイド兵器研究開発施設などがあり、
 この基地の壊滅は人類がバイドへの抵抗手段を失うことと同義である。

 つまり、基地が壊滅すれば地球と人類がバイドによって滅ぼされることが決定的となるのだ。


 隊員達にかつてない緊張が広がっている。
 特にマッケラン中尉やベラーノ中尉ら基地近隣の出身者は気が気でないようだ。

 大きなミスをしなければいいが…。


 現地からの報告で、基地へ向かっているバイドの群れには
 大型の生命要塞「コンバイラ」タイプがいる模様。
 ただしこれまでの記録にあるものよりさらに巨大であることから、新種の可能性がある。


 さらに報告が来た。作戦エリア内の住民の避難が完了したとのこと。

 もうすぐ基地に到着する。

 私は一人、つぶやいた。

+ 人類は必ず勝利し、生き延びる…!
人類は必ず勝利し、生き延びる…!

+ ここまできたら、当たって砕けろだ
ここまできたら、当たって砕けろだ!

+ 負けたら、ゴメンな…
負けたら、ゴメンな…


 準備ができたようだ。

 さあ、行こうか。

⇒はじめる

地球基地を襲うバイドに敗北


 南半球第1宇宙基地を襲撃したバイドの群れに敗北した。

 一旦後退して距離をとり、態勢を整えるしかない。

⇒帰還する

死守。そして


 南半球第1宇宙基地を襲ったバイドの群れを撃退した。

 しかし敵の大型生命要塞はダメージを受けつつも作戦エリアから離脱し、地上から脱出を図った。


 私は地球の残存艦隊を集結させ、逃げるバイドに向けて主砲および艦首砲の一斉射撃を行わせた。

 私は発射の号令を出す時、こう思った。

+ これで終わりだ!
これで終わりだ!

しかし、心のどこかで終わりではないような気がしていた。

+ さようなら…!
さようなら…!

本当にこれで最後にしたかった。

+ 何も感じなかった
何も感じなかった。
とにかく奴を撃破しなければ…。

+ 夕陽に照らされるバイドは美しい…
夕陽に照らされるバイドは美しい…

これは夕陽の光がなせる魔法だ。


 全ての艦船の艦首砲が一斉に火を吹き
 行く幾筋もの光線がバイドに迫った。

 数発が命中し、その後も大型生命要塞はエネルギーの波に翻弄され、
 よろめきながらも夕闇の空を昇っていった。


 バイドは射程範囲の向こうへ消えていった。


 我々は逃げるバイドを撃破することができなかった。

 私は遠ざかるバイドを見ながら、こう思った。

+ 次は逃がさないぞ…!
次は逃がさないぞ…!
必ず倒してみせる。

+ もう地球に来るなよ…
もう地球に来るなよ…。
地球に来なければこんな目に遭うことはないだろう。

+ 手強い相手だった…
手強い相手だった…。
またいつか戦う日が来るかも知れないな…。

+ なぜかその後ろ姿に悲哀を感じた
なぜかその後ろ姿に深い悲哀を感じた。


理由は分からないが、私は「彼」に共感している…。


 後に、私は統合作戦本部から正式にバイド討伐艦隊の司令官に任命され、
 逃げたバイドの追跡と殲滅を命じられた。

⇒帰還する




  • 共感している辺りバイド化しているのかな? -- ななし (2018-10-12 07:55:04)
  • ↑この段階では、まだ人間ですよ〜 -- 名無しさん (2018-10-12 09:27:29)
  • でもこの後から日誌がなんというか心が…こもってないんだよね地球に帰りたい(もしくは地球でなにしたい)ジェイド.ロス提督とその他攻撃してくる奴を倒すこの二つ以外の感情しか現れてない淡々とした日誌になるんだよね -- 名無しさん (2018-10-14 02:41:50)
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最終更新:2018年10月14日 02:41