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  • コモンの本棚: BLUE REFLECTION 非公式wiki (未完成)
  • 没データ

コモンの本棚: BLUE REFLECTION 非公式wiki (未完成)

没データ

最終更新:2025年03月20日 02:42

raysuntie

- view
管理者のみ編集可
リーク情報につき閲覧注意




















  • BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣の没データ
    • α版
    • フリスペの未使用トーク(FF15コラボ)
  • BLUE REFLECTION TIE/帝の没データ
    • Sakura
    • 放送室
    • ヤギ
    • 没になったコスチューム
    • 校内放送
    • スタンプ
    • SUN/燦のリーク
    • シャドウリフレクター
    • 大精霊
  • BLUE REFLECTION SUN/燦の没データ
    • ログインボーナス音声
    • 「両者両得 久野きらら」の修正前
    • 没ヒント
    • ヒロインシナリオについて
    • 没シナリオのあらすじの一部
    • 旧デートスクランブル
  • BLUE REFLECTION SUN/燦の没データ(旧ココログラム)
  • BLUE REFLECTION SUN/燦の没シナリオ (執筆中)
    • インタビュー(ヒロインシナリオ1話)
    • 口実?森崎アレシア優(未実装フラグカードシナリオ178)
    • MUAA?星谷かんな (未実装フラグカードシナリオ179)
    • C5
    • C6




















BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣の没データ

+ ...

α版

開発段階でのチュートリアル画面や本編未登場原種の「ケテル」の名前が確認できる。(ただし背景はティファレト)
また、ロード画面も開発段階では異なっていた。

タイトル画面。
権利表記は2017ではなく、2016となっている。


ボスのステータス画面のサンプル?
本編未登場のケテルと表記されているがシルエットはティファレトになっている。




ロード画面。

フリスペの未使用トーク(FF15コラボ)

香織  
ねぇ、日菜子って剣たくさん出せないの? FFのノクトみたいに(*1)

日菜子  
香織!!

香織  
どしたの?

日菜子  
その話は長くなるよ? いいよね? 拒否権はないよ?

香織  
え!? ああ、うん……

日菜子  
あ、ああ……
日菜子  
あれはある日のこと……。 お父さんが本体ごと、FF15を買ってきたんだよ
日菜子  
普段ゲームってあんまりやらないんだけどね? FF15は違ったの!
日菜子  
はまった! すっごいはまった! 世界は広いし綺麗だし、キャラも素敵だし!

香織  
そ、そうなんだ

日菜子  
ノクトも好きだけど、個人的にはプロンプト君かな? あ、グラディオさんも頼りがいがあって素敵!
日菜子  
女性キャラも大好きだよ!アラネアさんは かっこいいし、シドニーちゃんもかわいいの!
日菜子  
もうね、あれだけゲームをやりこんだのは 始めてかもしれないってくらいやりこんだんだ!
日菜子  
で、初めの話に戻るけど。 剣出したいかってやつ
日菜子  
そりゃ出したいに決まってるっしょ!
日菜子  
それ以外にレガリアとかチョコボにも乗りたい! っていうか、あの世界そのものに行ってみたい!!


香織  
あ、ああ、うん。 その夢、叶うといいね……

日菜子  
うん!!!!!!!
日菜子  
続けていい? もっと続けていいよね!?

香織  
え!? ご、ごめん。 ちょっと用事があったの思い出しちゃって……

日菜子  
なんだ、そうなんだ……。 じゃ、また後で電話するから
日菜子  
ふふ、香織もFF15ファンだったなんて。 よーし、今度、語り明かそう!

香織  
FF愛は日菜子にだって負けちゃいない! その誘い……乗った!

日菜子  
FFの話となれば返信せずにはいられない!

香織  
うわ、スルーされたと思ってたのに

日菜子  
香織! その話はチャットじゃなくて、直接しよう!
日菜子  
FF15ファンとして……ぜひ!

香織  
……わかった。 あんたの心意気、受け取ったよ

日菜子  
ふふ、放課後は帰れると思わないでね……?

香織  
ふん、それはこっちのセリフだよ



BLUE REFLECTION TIE/帝の没データ

+ ...

Sakura

春日詩帆、久野きらら、駒川詩の3人が登場するサブイベントは「Sakura」という名称が内部データで設定されている。
また、未実装ではあるもののSakuraの記述のあるBGMの名称も存在。

これらのBGM名はSUNで使用されていたコードと全く同じであり、Ashes(ボス戦)のラップ部分を削除したバージョンも含まれている。

放送室

一部イベントでは存在するものの、ゲーム内で中に入ることのできない部屋。
発売初期はHELPに記載があったものの、最後のパッチで削除。
Steam版はMODを使用する事で中に入ることが可能で、アトリエシリーズのように
戦闘BGMや各ダンジョンのBGMを細かく変更する機能の痕跡が存在。
中に入る改造だけでは一部のBGMに差し替えが適用されない。

ヤギ

放送室同様HELP欄から削除された要素。
きららのココロトープで初めて出会い、特定のアイテムを与える事で「ヤギミルク」
が入手できるはずだった。
イベントの会話に関するデータが残っている。

その後は詩のココロトープで再度出会う事になるが、記憶の欠片が出現し
詩の母と詩の祖母がヤギのミルクで作るシチューに関する会話を聞き取る。
これによりヤギミルクのシチューを作って食べるイベントが発生し、駒川詩本人も
「懐かしい味」と評価している。

没になったコスチューム

3Dモデルは存在しないものの、実装予定だったと思われるコスチュームのテキストだけが残っている。
  • 月ノ宮女子校制服
  • 日ノ杜学園特殊部隊制服
※おそらく対異灰戦隊服。
  • 聖イネス学園制服

校内放送

全てのキャラクターに校内放送のような音声データが複数残っている。

スタンプ

フォトモードで画面にスタンプを表示する機能を実装する予定だったと思われる
UI及びテキストデータが残っている。

SUN/燦のリーク

芳村梨佳が使用していた物を流用したと思われるタブレットの3Dモデルの
データが残っており、これはゲーム内で一切使用されてないものの、当時未公表だった
高岡由紀子、シャオ・メイチー(瀟美岐)、生駒彩未がアプリ内で
チャットを行っている様子が確認できる。

憶測による考察
SUNのインストール時に使用されているムービーはおそらくSUNのUnity2020.3.4ではなく
TIEのゲームエンジン(Katana Engine)を使用して制作されている。
背景で使用されているものは学校外は愛央のココロトープで、
学校内は日ノ杜学園ではなく星ノ宮女子高校。
※町名のプレートが一致、学校の構造が異なる

映像の中で高岡由紀子はタブレットを使用しており、画面は映っていないものの
このタブレットのデータがTIEの没データとして残ってしまったと推測。




シャドウリフレクター

南の隠れ島で本来現れるはずだったと思われるボスキャラ。
全部で6体、つまりプレイヤー側と同じ数が存在している。
3Dモデルは全て影の愛央となっているが図鑑と敵アイコンは各キャラの変身後の姿。
レベルは全員45でコンボリセット技は各キャラのエーテルタイドとなっている。
このエーテルタイドの攻撃の一部はモーションとカメラワークが元のキャラと異なる。

能力は各キャラに由来するものとなっており、宮内伶那がベースの怠惰の影は
難易度によっては確定ノックダウンの技を使用する。
春日詩帆がベースの自由の影はガストと同じくコーエーテクモゲームスの
Team NINJAが開発した『STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN』に
登場するティアマットのように定期的に体力を大幅に回復する技を使用する。

後年発売の作品でもガスト側にはTeam NINJAの要素を
取り入れる傾向にある。


以下は3Dモデルを差し替えていない状態での戦闘動画。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLFlesCNodAlfwIUNN6a29I_-_Sk9VOudb

大精霊

ライザのココロトープで本来現れるはずだったと思われるボスキャラ。
3Dモデルは存在せず「でかぷに」のスキルを使用するが、コンボリセット技にのみ固有のモーションが存在。
図鑑では解説も残っており「でかぷに」が椅子の前に現れる事から本来はこのボスが登場する予定だったと思われる。
以下は3Dモデルを強引に実装した動画。
https://twitter.com/Dispider_reborn/status/1547921079959982080



BLUE REFLECTION SUN/燦の没データ



+ ...

ログインボーナス音声


「両者両得 久野きらら」の修正前


実装時に溶けたアイスが削除。

没ヒント

前身作品の拡張少女系トライナリー(デイトラの巻 等)と似た絵柄のため、イラストは「永深ゆう」氏?
衣装のヒントは実際に無い機能のポーズのタブが存在



ヒロインシナリオについて

ヒロインシナリオはローンチ後に小出しで18話まで公開され、一部は打ち切りのような形となったが
18話まではCBT時点で全て完成していた。

没シナリオのあらすじの一部

CBTまでデータ上に含まれていたシナリオのあらすじではCASE.04からの展開が大きく異なり、 
C6では斎木有理が司城あやかの助っ人として登場予定だった。
3Dモデルにも斎木有理は存在するが未使用のままサービス終了となった。


リーダーが寝ている間、アレシアは「リーダーが好き」と宣言する。メンバーたちを大切な友だちだと思えるようになったのはリーダーのおかげだからだという。宣言したのはいつ死んでも後悔しないため。アレシアの宣言を受け、菜々花や詩帆も宣言する。司令室に戻ったリーダーは司城に、詩をオブザーバーにするよう命じられる

リーダーはかんなから学園に軍用車両が集まっているとの情報を得る。一方、詩は自分がSOLiDを排除するために中央から派遣されてきたことを告白する。だが、今日のみんなの戦いぶりを見て考え方を改めた、と言う。そこにリーダーに連れられて現れた詩帆。様々な思いが混ざった視線が投げかけられた

きららは気を失ったリーダーに声を掛け続ける。詩は舞という少女と接触する。舞はやりすぎではないかと嗜めるが、詩は構わず、次の狙いを“姫”に定める。学校で監視を続けるかんなは司城に見つかってしまう。リーダーたちから疑われていることに気づいていた司城は、助っ人として斉木有理という少女を紹介する

コズミックファングを奪還できる可能性がある、という舞の言葉に、詩帆は共闘を名乗り出る。詩は共闘者として更にもう一人、由紀子を指名する。そんな中、依然として目を覚まさないままのリーダーは、来夢に「私のおうち」へ誘われる。かんなは学校に出た異灰を殲滅。司城と共にメンバーたちを助けに向かう

旧デートスクランブル

CBTでイベントのPVデータが残っており、実際に公開されたイベント内容とは若干異なるものの、ユーザー名は「土屋」となっている。
リンク先音量注意(無加工)
https://nwhite.web.fc2.com/mm1.mp4






BLUE REFLECTION SUN/燦の没データ(旧ココログラム)

+ ...
このゲームは「ココロスコープ」なるものが実装予定だったが簡略化され、
単なるスキルツリーシステムである「ココログラム」となった。

ガチャ演出、ロード画面、戦闘UI、エンディングといった部分でディレクターの趣向と
思われるポエム要素が残されているため実装予定だったと思われる。

以下は拡張少女系トライナリーに登場する要素であるココロスフィアと
同様のものと思われるポエム文のデータである。


チュートリアル
【ココロスコープ】では、彼女たちのココロに介入して 潜在能力を開花させることができるよ!
これは貴方にしかできないこと。もしかしたら誰も知らない 彼女のたちの秘密を知ることもできるかも
早速1つ解放してみよう!
詩帆ちゃんにまつわる特別なストーリーが解放されたわ。 あとで【ストーリー】を覗いてみましょう
次のパネルも解放してみましょう
しほちんの潜在能力が解放されて、ステータスが上昇したよ!
説明はここまで。『♡』が溜まったら、 積極的に【ココロスコープ】を解放してみましょう

詩帆の秘密Café
東京には手芸屋だけのビルが沢山あるというので、いつかそこで演劇用の衣装材料を袋一杯買いたいです。今一番作りたいのは、テレビで流行っている魔法少女、赤きベテルギウスの使者・レッドセーラーです。…や、やっぱりヘンかな?"

実は小さい頃から魔法少女になるのが憧れでした。それは今でも同じで…だから実は、イローデッドで変身する時、ちょっとした…その、快感があるんです。戦闘はいやだけど、変身はしたくて!ちょっとヘンですよね、わたし……。皆さんには秘密ですよ?

わたしの取り柄は珈琲淹れることくらいだから、大好きな人が出来たら毎朝美味しい珈琲を入れてあげたいです。お店を開かなくても、各国の色んなマメを沢山買って、毎日その日の気分にあったブレンドを作りたい。あ、でも大好きな人が珈琲嫌いだったらどうしよう…? 珈琲を好きになってもらえるような、美味しいブレンドを作れるようになればいいのかな?


アレシア心の詩
ひとり荒野を旅するロマの娘がいる。彼女は生まれてからずっと独りぼっち。好きなのは雪。白くない、灰色の雪。そんな灰色の雪が降りしきる夜、ロマの娘は一柱の天使と出逢った。君を助けたい、と天使は言った。私は助かりたくない、と娘は返す。けれどもその後、少しの間だけ穏やかな顔をした。

ロマの娘の後を、天使がついてくる。雪に触れてはならない、とお説教もしてくれる。迷惑そうに無視しながらも、ロマの娘は雪に触るのをやめた。次第に、荒れた手は柔らかくしなやかになってくる。それを見た天使は、少しの間だけ穏やかな顔をした。

得意なことは? と天使が聞く。ロマの娘は、ヴィオラの演奏と答える。一曲聴いて、天使は言った。死者の国への手向けのようだ、と。ロマの娘は頷いた。この子と出逢ってからずっと、私は黄泉に音を届けている。それが私の使命だから。



一个无人能说的故事
どうしよう、くまっぴの可愛さに私おかしくなりそう! 毎日くまっぴと寝たいし、お風呂入りたいし、本当はくまっぴを学園に連れていきたい! はぁーくまっぴくまっぴくまっぴくまっぴくまっぴ!! 世の中の全てがくまっぴだったら最高なのにーっ!

私がイローデッドで一番足が長くて、スラッとしてるのは間違い無いと思う。これも、毎日ラジオを聞きながら1時間以上お風呂でマッサージしてるから、その賜物だ!だから、制服のスカートの丈が絶妙な短かさなのは、個人的には大好きポイント。長すぎず、短すぎず。お洒落だし太腿もアピールできる。これだけでも、毎朝ちゃんと制服に着替えて学園に行こうって思える!

命がかかってると、どうしても強い口調で言ってしまう。本当はそうやって強く言うのは、あまり好きじゃない。けど、みんなの命には替えられない。他のみんなはどうしてそんなに、のんびりしていられるのだろう? ちゃんと言わなくて、それが原因で死んでしまっても、心が折れたりしないのかな。

由紀子の秘密分析
私は料理を全然やらないんだけど、別に出来ないワケじゃない。ただ単に、自分の才能と今後のビジョンを鑑みるに、そっちを極めてもなーって思ってるだけ。でも、もし。そんな人いないと思うけど、万一、私の事を好きって人が現れて。いや、現れるわけ無いんだけど、それでも現れちゃって、その人が料理上手だったら、すぐに落ちちゃうかもしれない。

イローデッドの子たちはみんな可愛いと思う。どうして? 現代における容姿の美的センス傾向と、イローデッド体質とは、何らかの相関関係があるのかな。だとしたら、どうしてそこに私が入ってる?突然変異で、イローデッドの性質が出ちゃっただけなのかな?


ゴブディヴァショー
よう、俺はかんなの心に住むゴブディヴァってンだ。かんなは幼くて十分に言葉を操れねぇから、俺様がかんなの色んな事を教えてやるぜ。まず挨拶代わりに、俺からかんなの自己紹介をしてやろう。星谷かんな。華の15歳で、身長153センチに体重41キロ、胸のサイズはCカップだ。そんで、心ン中には5匹の悪魔を飼ってる。俺もその一匹ってわけだ。ちな、悪魔ン中で文章書けるのは俺だけさ。コンゴトモヨロシクってな!

ゴブディヴァだ。さてな、かんながお兄ちゃんにベッタベタなのは許してやってくれ。アイツあまりにバカだからさ、ベタベタしてないと気が触れちまうんだよ。ただ、そんなかんなの事をお兄ちゃんが本気で好きになってくれるってんなら、そりゃ大歓迎だ。愛は最高の鎮静剤ってな。いや、俺様らしからぬマトモな事を言っちまったぜ。今のは忘れてくれ。

ゴブディヴァだ。そういやお前さん知ってるかい? かんなの心の中には、デッカイ金庫が沢山あるんだぜ? 当然全部鍵が掛かってるけどな、俺様はその全部を開けられる。お前さんが俺様の話を沢山聞いてくれたら、そのうち気が向いたときにでも、好きな金庫を開けてやるよ。ただな、中には財宝もあるかもしれねぇが、ミミックもある。それだけは覚悟しておいてくれよな。

秘密ノ森クリニック
秘密ノ森クリニックへようこそ♪ここでは毎日、生駒彩未のヒミツの診察をしちゃいます。病気って、自分が罹ってることにはなかなか気づきにくいものなのよね。だから、毎日の診察がとっても大事。さあ、それじゃ早速、制服のシャツを脱いで診察を始めましょ?

今日もヒミツの診察をしちゃいましたよ♪本日診断された病気は、『愛情不感症』でした~。彩未の家は某企業の社長さんの家で、彩未自身は社長令嬢なんだけどね? よくあることなんだけど、父親は殆ど家に帰って来ないの。幼い頃からそんな生活が続いていたからね? 愛情がどんなものか分からないの。何となくね、過去の体験から「これが愛かな~」なんて考えたりしてるんですって。なかなかの難病よね~。それじゃ、今日のヒミツの診察はおしまい。どうぞお大事に~♪


菜々花の心の叫び
正直言って、今って誰も信じられない。身内だって関係ない。みんな敵。わたしはひとりで生きていく。

きららは面倒な女だけど、正直ちょっと可愛いと思ってる。非常識っていうか、無関心すぎて安心できるし。他の事バディとか、ちょっと組めないけど。きららだけは特別。

本当のきららを見て
きららです。悩み多き多感な女子高生です。ここは心の中だから、そんな悩みが剥き出しになってゴロゴロ転がっています。もしこの悩みを見ることが出来る人が訪れたなら…そう、あなたです、あなたのことです。そんなあなたには、少しでも沢山、本当のきららの事を知って欲しいと思っています。なぜなら、現実のきららは、あまりにも厚い仮面を被ってしまっているから。いくつも、いくつも。マトリョーシカのように。

早速ですが、本当の私の話をします。貴方はビックリすると思いますが、私はリーダーが来てくれたことをとても嬉しく思っています。私は山村の生まれなので、リーダーのように優しくて勇敢な人が好きなんです。けれども私は、その事は絶対に言いません。なぜなら、リーダーには、リーダーから私に振り向いて欲しいと思ってるからです。そこにはもう1つの悩みが介在しています。ですが、その件についてはまた後ほど。きっといつか、相談します。







BLUE REFLECTION SUN/燦の没シナリオ (執筆中)

未実装フラグカード2枚のシナリオや、内容がリリース版と異なるメインストーリーがC6まで存在。
没となったメインストーリーは開発者インタビューで語られていた修正前のものと思われる。

土屋: 最初に何章分かのシナリオを書いたのですが、それを全部壊して書き直しました。どんな人でも楽しめるようにDMM GAMESさんにもご協力いただいて、さらにリライトしてブラッシュアップしています。

細井: DMM GAMESさんのチェックは本当に厳しいんですよ(笑)。

C6以外、ほとんどのストーリー展開は同じであるが、台詞が一部修正されており
主人公に関しては修正前の口調が一部俺様系である。
なお、2029年のシーンでは対峙している相手の名前が【?】となっている。


例:
修正前 修正後
美岐は上海で孤児だったんだって。 美岐は、上海でもずっと一人きりで過ごしてきたんだって
死ぬべき人とか、そんなのねえよ 死ぬべき人とか、そんなのないだろ
それじゃ………お願い…… …にゃ♪ ナナを、よろしくお願いします
ナナ、愛してる”って……伝えて。
今までも、これからも、世界で一番愛してるからって――
バイバイ、ナナ。どうか、幸せに――
……料理? きららが?
目玉焼きしか作ったことない
……料理? きららが?
ままごと以来包丁を握ったことないのに?
わたしをゴミみたいに言うの止めてくれる? 冗談だって。
てか、あんたわたしにどういうイメージ持ってるの?


差異(執筆途中)

C4: アレシアが菜々花にリーダーへの好意を明かす、きらら説得時の会話
C5: ほぼ全メンバーの主人公に対する好意描写
※前述のココロスコープやアレシアのフラグカード同様、拡張少女系トライナリーの原液のような要素はDとDMMの意見の違いにより大半が削除されたと思われる。
その中で削除されずに残っていたのはガチャの特殊演出ポエム文と破滅の刻を紡ぐ少女である。

C6: 序盤以外の展開

インタビュー(ヒロインシナリオ1話)

インタビュアーの質問に質疑応答する形式と思われるが、質問の内容は不明。


アレシアのインタビュー:
母国が消滅した事を示唆する発言(45s)

美岐のインタビュー: 自身が中国本土初の灰病感染者と言及
彩未のインタビュー:
弟の存在を言及(1m45s)

口実?森崎アレシア優(未実装フラグカードシナリオ178)

+ ...

主人公: よし、忘れ物ない?
アレシア: 大丈夫…、楽しかった
主人公: ならよかった。それじゃ、帰ろっか…
主人公: (…まだこんな時間か)
主人公: アレシア、他に行きたいところある?
アレシア: 帰らなくていいの?
主人公: まだ少し早いからさ、リクエストあれば言ってよ
アレシア: 唐突に言われても困るんだけど
アレシア: じゃあ、あれに乗りたい
主人公: あれって?
アレシア: メリーゴーランド…
主人公: …え? なんで?
アレシア: …だめなら、別にいい
主人公: (…説明はなし、か。  まあ、聞いたのは俺の方だし)
主人公: よし、任せろ。遊園地に行こう

主人公: (…なんか、あまり喜んでる感じがしないけど、  とにかく行ってみよう)
主人公: あ、順番きた。どの馬にする?
アレシア: …あれがいい。 あの、白いの…
主人公: じゃあ、俺はその隣ので――
アレシア: …これ、二人乗りだから
主人公: え?
森崎 アレシア 優 : …………
主人公: わ、わかった…それじゃ失礼します
主人公: よっと…。狭くない?
アレシア: 大丈夫だから…、しっかりつかまって
主人公: こ、こう?
アレシア: もっと…、ぎゅって…
主人公: …これでいい?
アレシア: …………
主人公: (…な、なにか言ってもらえないと、  照れくさいんだけど)
主人公: おっ、動き出した
アレシア: …………
主人公: うわ、めっちゃ久しぶりだこの感じ。 こんなに早かったっけ?
アレシア: …………
主人公: (…アレシア、やっぱり楽しめてないのかな?)
アレシア: …そんなことない
主人公: でも、なにも言ってくれないからさ
アレシア: …勘違いさせたならごめんなさい。 乗りたかったのは本当
主人公: …どうして乗りたかったか、聞いていい?
アレシア: …楽しい、とは違うけど…。 乗りたかったから…
主人公: どういうこと?
アレシア: …これだから
主人公: これって言われても…、ん?
主人公: (なんだ? アレシアが俺に寄っかかってきたぞ?)
アレシア: ふふっ…、これ
主人公: えっと…、くっつきたかった…、ってこと?
アレシア: デートだから… それっぽいこと…したくて…
アレシア: …だめ?
主人公: い、いや、だめじゃないけど…
アレシア: …よかった
アレシア: …不安な気持ちにさせるつもりはなかったの
アレシア: 私…、こういうことしたいって思ったら、 似合わないって…、笑われるかと思ったから…
主人公: 笑わないって。俺も、嬉しいよ
アレシア: …本当に?
アレシア: …でも、最初はちょっと驚いたわ
アレシア: 私とデートなんて、楽しいとは思えなかったし…
主人公: 俺は楽しかったよ
アレシア: …それは、私も…
主人公: 水着には驚かされたけど
アレシア: …驚いてもらえてよかった
主人公: えっ! 狙ってたの!?
アレシア: ふふっ…、知らない
主人公: (…こんなに無邪気なアレシアが見れるなら、  またデートに誘おうかな?)
アレシア: …もっと、ちゃんと気持ちを伝えるべきなのは わかってるつもり…
主人公: いや、無理はしなくていいから
アレシア: …本当に、大丈夫?
主人公: そう思ってくれてるなら、少しずつ変われるよ
アレシア: …だと、いいんだけど
主人公: (…アレシアが、こんなこと思ってくれてたなんて)
主人公: (焦らないで、これからもゆっくりと見守っていこう)

MUAA?星谷かんな (未実装フラグカードシナリオ179)

+ ...

※イラストのデータは未確認

星谷かんな: ~♪
主人公: かんな、ご機嫌だな
星谷かんな: うん! だって、今日の任務は一味違うからね!
星谷かんな: 武器を使っていいんでしょ?
主人公: ああ。アサルトライフルはな
星谷かんな: えへへ、ちょー楽しみ!
星谷かんな: 実質、サバゲ―大会だよね?
主人公: 違う。あくまで任務ということを忘れないように
星谷かんな: ちぇー
主人公: 目的地が近づいてきたな。 そろそろ、銃を構えて……
主人公: て、異灰!? まだここにはいないはずじゃ……
主人公: えっ!?
星谷かんな: 一発目、せいこーう♪
主人公: 今の、かんなが撃ったのか?
星谷かんな: うん!
主人公: すごい反射神経だな……
主人公: 持ち方とか、撃ち方も、 何もまだ教えてないのに完璧だし……
星谷かんな: あー、それはねー……
星谷かんな: えっと……アニメ! アニメで覚えたの
星谷かんな: あとは、シューティングゲーム。 あやみんとゲームセンター行ったら、よくやるんだ
主人公: にしても、よく咄嗟に思い出せたな……
星谷かんな: 今日の大か……じゃなくて、 任務のためにもっかい見直したんだ
主人公: わざわざ? すごいモチベーションだな
星谷かんな: だってかんな、普段ナックルだけで戦ってるから
星谷かんな: ナックルも気に入ってるけど、 やっぱり他の武器も使えるのはテンション上がるよー!
主人公: なるほど、そういうわけか。 だから初めてでもうまいのか
星谷かんな: あっ、あそこにも異灰いた!
主人公: (……いや、本当に初めてか?)
主人公: (まぁ……あまり見られないかんなを見られて  よしとするか)

C5

+ ...
5_1
パーティーまで、あと6日。
早朝――
主人公: (今日の1限何だっけ……)
星谷かんな: おはよー、お兄ちゃん!
主人公: あ、ああ、おはよう。
こんな朝から何やってんの?
星谷かんな: 何って、パーティーの準備の相談だよ。
もう1週間ないもん
生駒彩未: うんうん、さすがはパーティー実行委員会
副委員長だね~
主人公: いつの間に副委員長になったんだよ!?
生駒彩未: 今この時をもって任命しま~す
星谷かんな: やったー!!
この調子で、委員長目指して頑張るよ!!
主人公: ……で、その委員長って誰?
生駒彩未: 誰って、リーダーに決まってるじゃな~い
主人公: は!? 俺? 聞いてないぞ!?
生駒彩未: 今この時をもって任命しま~す
星谷かんな: パチパチパチパチ~!
主人公: はぁ……まあいいけどさ。
でも、俺は歓迎される側だろ。それって、どうなの?
生駒彩未: まあまあ、細かいことは気にしない♪
星谷かんな: それにしても、みんな遅いね。
この感じだと、フツーに全員遅刻じゃない?
主人公: いや……フツーにまだ、
朝練行くにしたって早い時間だけどな
生駒彩未: それでね、さっきの話の続きだけど、
どうやって役割分担を決めるのがいいと思う~?
主人公: 役割分担って、準備の?
星谷かんな: そうだよ。文化祭だって、みんなで準備して
みんなで楽しむでしょ?
主人公: まあ、たしかに。
で、どう分けるの?
生駒彩未: 大きく分けて4つかな~。
料理係でしょ? ゲーム係でしょ? あと――
生駒彩未: 装飾係と、プレゼント係!
主人公: プレゼント係?
生駒彩未: え? 何かヘンだった?
パーティーといえば、ビンゴとかやるでしょ?
主人公: ああ、なるほど
星谷かんな: そうだ! かんな、いいこと思いついた!
みんな集まらなくても、役割分担決められる方法!
生駒彩未: どんなの?
星谷かんな: クジだよー。今からここで待っていて、
起きてきた人から引いてもらうの
主人公: なるほどね。確かに全員の希望を聞いて決めるより
遙かに効率が良さそう
星谷かんな: でしょ?
というわけで、早速作ってくるね!
星谷かんな: はい! じゃあこのひもを、
お兄ちゃんが握ってて!
主人公: 俺がクジを引かせるの?
生駒彩未: リーダーは委員長だから、係はないでしょ?
だから、クジを引かせるのはリーダーしかいないよ
星谷かんな: じゃあ、かんなから引きまーす!
星谷かんな: えいっ!
星谷かんな: おおっ!
かんなは、ゲーム係だ!
生駒彩未: あら、かんなにピッタリじゃない。
じゃあ、お姉さんも~……
生駒彩未: これにしよ~
生駒彩未: ああっ、お姉さんは装飾係ね~♪
だれと飾り付けすることになるのかな~
瀟美岐: おはよう。なんだ、3人とも今日は早いな
星谷かんな: 週末のパーティーの当番を決めるのに、
クジを使うことにしたの。だから1本引いてって!
瀟美岐: ああ、なるほどな。
それじゃ……
瀟美岐: ――っと。私はプレゼント係のようだ
高岡由紀子: おはよう~
安住菜々花: あんたら、何やってるの?
瀟美岐: 週末やるパーティーの役割分担を、クジで決めるそうだ。
二人ともリーダーからクジを引いてくれ
高岡由紀子: はいはい。何が出るかなーっと
高岡由紀子: え、ゲーム係? 私が?
星谷かんな: あっ、かんなと一緒だ!
安住菜々花: じゃあわたしも。
よっ……っと
安住菜々花: えっと……プレゼント係……だって
瀟美岐: なんだ、私と一緒か
安住菜々花: え、瀟と一緒!?
瀟美岐: 嫌なのか?
安住菜々花: ち、違うけど
星谷かんな: はいはい、文句言っても決定は決定だよ!
星谷かんな: というわけで、かんなはそろそろ登校しまーす!
実は今日、朝練ある日なんだよね。それじゃーね!
高岡由紀子: 相変わらず元気だね。
それじゃ私も。図書館で予習しなくちゃ
瀟美岐: ……まあ、決まってしまったものは仕方がない。
全くミスマッチな係だと思うのだが
安住菜々花: てか、プレゼント係って何すんの?
瀟美岐: プレゼント係は、恐らく――
春日詩帆: おはようございます!
森崎アレシア優: ……
生駒彩未: おはよ~。アレシアはともかく、
詩帆がこんなに遅いなんてちょっと予想外だったかも
春日詩帆: ち、違うんです!
森崎さんが全然起きてくれなくて!
主人公: 起こしに行ってるんだ。仲いいな
春日詩帆: 仲が良いっていうか……
森崎さんが学校に遅刻しそうで心配で!
森崎アレシア優: 心配しなくていいって言ってるのに……
主人公: 2人とも、クジ引いて。
パーティーの役割分担するから
春日詩帆: あっ、そういえば今週末パーティーですもんね!
楽しみだなぁ~
森崎アレシア優: ……はぁ、面倒くさい
春日詩帆: 引きました!
……りょ……料理係ですっ……
森崎アレシア優: 装飾係……
生駒彩未: あら、お姉さんも装飾係だよ~。
それじゃアレシア、一緒に頑張ろうね~♪
森崎アレシア優: ……
生駒彩未: あ、待って。早速なんだけど~、どういうコンセプトで
飾るか決めてから買い出しに行った方がいいと思うの
森崎アレシア優: コンセプトは灰の結晶で――
主人公: ……ってことは、後はもう決まったな
久野きらら: おはよーございます……
主人公: おはよう、ねぼすけ。
きららは詩帆と料理係な
久野きらら: ……料理? きららが?
目玉焼きしか作ったことない
春日詩帆: ……リーダーさん。
わたし、やっていける自信がありません……
主人公: 大丈夫だって。詩帆は料理とかするんだろ?
春日詩帆: もちろん、するにはするんですけど、
パーティーとかほとんど経験ないですし……
久野きらら: きららも、神様とのパーティーはしょっちゅうやるけど、
人間とは滅多にやらない
主人公: ……わかった。それじゃ、料理の計画とか
俺も一緒に考えるよ。委員長ってことらしいし
春日詩帆: 本当ですか! やったぁ!
久野きらら: おお、リーダーが神のような存在になった
主人公: じゃあ、今日の放課後に部室集合な




5_2

パーティーまで、あと6日。
放課後――

春日詩帆: ううっ、まさか先に取られてるなんて……
久野きらら: けど、追い出すことないのに! 部室は広い! 独り占めダメ! ゼッタイ!
主人公: まあ、由紀子もアレはアレで真剣なんだろ
春日詩帆: でも、どこでお話すればいいんだろう
久野きらら: きららに、いい考えがある
主人公: ……で、なんであごくし屋なんだよ
久野きらら: ちゃんと座って話せるし、 ここなら誰かと会う可能性も低い
久野きらら: さらに、頭の栄養も即座に補給できて、 さらにさらに、参考になる料理の試食も――
主人公: 要するに、あごステーキが食いたかったんだろ
久野きらら: ……焼き加減を研究するためには、致し方ないこと
春日詩帆: ふふふっ、久野さんって面白いですね。 でも確かに、一番の方法は体験することかも!
主人公: おいおい、詩帆まで……
久野きらら: 詩帆は普段どんな料理をする?
春日詩帆: え? わたし? わたしは普段、すごい手抜きだから――
春日詩帆: シリコンスチーマーと電子レンジばっかりで、 全然参考にならないと思います……
久野きらら: シリコン? なにそれ?
春日詩帆: 中に材料や料理を入れてレンジでチンすると、 何でも美味しく出来上がっちゃう調理器具だよ
久野きらら: おお、それ、きららも欲しい!
春日詩帆: じゃあ、うちに1つ余ってるのあるからあげるよ。 かえったらお部屋に持っていくね
久野きらら: 詩帆やさしい
主人公: (あれ、いつのまにか詩帆がため口になってるな。  こんな普通に話してるの、初めて見たかも)
久野きらら: それにしても、リーダーは羨ましい。 詩帆に毎日シリコンで手料理を作ってもらえるなんて
春日詩帆: え!?
主人公: いや、それはみんな同じだろ。 寮で毎晩ご飯ご馳走になってるんだし
久野きらら: いや、そういう事を言っているのではなく――
春日詩帆: ……
久野きらら: ふーむ……
久野きらら: ズバリ詩帆はリーダーのことをどう思ってる? 白か黒かハッキリしないと、みんなヤキモキしている
春日詩帆: ええっ!? な、なんの話ですかっ!
主人公: かんなか。どうした? ………ええっ? 土曜日に!? ちょっと待って
主人公:ごめん、ちょっと電話してくる
春日詩帆: はぁ……
久野きらら: で、いなくなったところでカミングアウト。 白か黒か
春日詩帆: ううっ、どうしてみんなそうやって問い詰めるかなぁ。 久野さんこそ、どうなの?
久野きらら: む? きらら?
春日詩帆: そう。リーダーさんのことを、その…… いいな~って思ってるから気になるんじゃないのかなぁ?
久野きらら: きららが……うーむ……
春日詩帆: (……本気で考え込んでる?  これって考えるような質問かなぁ……)
久野きらら: そうかも
春日詩帆: えっ!?
久野きらら: リーダーに好意があるかないかでいえば、あると思う
春日詩帆: そっ……………
春日詩帆: それならわたし、応援するよ!
久野きらら: ……え? で、でも――
春日詩帆: はぁ……なんであんなこと言っちゃったかなぁ
春日詩帆: 今更大後悔だよぉ……
春日詩帆: ……
春日詩帆: ……なんて、そんなこと言ってる場合じゃなかった。 パーティーの献立候補を考えなくちゃ
春日詩帆: ……
春日詩帆: でもなんで、こんなにモヤっとするんだろう。 なにをそんなに後悔してるんだろう……
春日詩帆: ……
春日詩帆: …………そっか。 自分に嘘ついたからだ
春日詩帆: ……よし!

パーティーまで、あと4日。
夜――

主人公: パーティーの日まであと4日か――
主人公: ん? 誰だろう……?
主人公: はい――
主人公: 詩帆!?
春日詩帆: あ、あの! これ、よかったら…… あ、いえ、パーティーの料理の試食と意見をください!
主人公: すごいな、これ全部詩帆が作ったの!?
春日詩帆: はい! あ、でも、ほとんどシリコンなので。 全然凝ったことやってないし……
主人公: いや、十分すぎるくらい凝ってると思う。 俺にはもったいないくらいだよ
春日詩帆: あっ、あの! わたし、もっと上手になりますから!
主人公: 驚きむえっ?
春日詩帆: ここの子はみんな素敵で、輝いていて、 すごい子たちばっかりだけど――
春日詩帆: えっと……その……リーダーさんには、 わたしのことも、ずっと見ててほしいから……
春日詩帆: って、ごめんなさい。急にヘンなこと言っちゃって。 でも、わたしにとってリーダーさんは特別なんです
主人公: ……特別って……
春日詩帆: 最初に声をかけてくれました
主人公: 最初――
春日詩帆: わたし、今日この学校に転校してきたんです。 だから、ちゃんと馴染めるか心配で……
主人公: そういう時は、不安なことよりも、 楽しみなことを考えてみるといいかもね
春日詩帆: ……楽しみなこと?
主人公: そう。俺はいつもそうやってる。 なんかさ――
主人公: なんか、楽しみなことを考え続けてるとさ、 その想いが叶いやすくなる気がするんだよね
春日詩帆: えっ……?
主人公: あ、いや……俺はそう思ってるってだけで。 本当のところは分かんないけど……ははっ
春日詩帆: ………いえ、わたしもそう思います!
主人公: そうか、あのとき……
春日詩帆: あのとき、わたしの中で、何かが吹っ切れたんです
春日詩帆: ずっと怖くて仕方がなかった。 何が起こるのか不安で仕方なかった
春日詩帆: 実際、その後に起こったのは、 わたしの想像を遥かに超えたものでしたけど
春日詩帆: でも、そんな時の支えになったのは、あの時の気持ち。 そして今も、リーダーさんが支えてくれてるから
春日詩帆: だから……お別れしたくない……。 リーダーさんとも、みんなとも……っ!
主人公: ……詩帆
春日詩帆: 絶対に解散なんてしたくない! だってわたし、リーダーさんと一緒に――
主人公: ……
春日詩帆: ……任務ですか?
主人公:……うん。 こんな時に申し訳ないけど、出られる?
春日詩帆: はい、もちろんです!

リーダーさんと一緒に、
“生きていること”を噛みしめたいから――

5_3

パーティーまで、あと6日。
放課後――

高岡由紀子: やっぱり、みんなが楽しめるものでなくちゃ
いけないでしょ?
高岡由紀子: それでいて、トランプみたいな
いつでもできるものもダメ……
主人公: 『人生危機一髪ゲーム』とか?
高岡由紀子: はぁ? ダメだよそんなの。
だいたい、全員一緒に遊べないでしょ?
主人公: 8人+銀行家1人で、9人まで遊べるから
ちょうどいいじゃん
高岡由紀子: うっ……で、でも、すごい時間かかりそうだけど?
主人公: 1時間くらいだって書いてあったよ
高岡由紀子: どこに!
主人公: 公式サイトに
高岡由紀子: ……
高岡由紀子: もう、とにかくダメ!
ていうか、なんでリーダーがここにいるわけ?
主人公: 今日はここで詩帆ときららと
料理の案出しをすることになっててさ
主人公: 由紀子も、かんなと一緒に考えた方が
いいんじゃない?
高岡由紀子: え? かんなと?
主人公: だって、二人でバラバラに考えてたら
当日被ってたりすることもあるじゃん
高岡由紀子: ……まあ、そうかもしれないけど……。
はぁ、正直苦手なんだよね、かんなって
主人公: え、そうだったの?
高岡由紀子: あっ、別に、嫌いって意味じゃないからね?
ただ――
春日詩帆: こんにちはー
久野きらら: リーダーはいるかー?
主人公: お、来たな。それじゃ早速――
高岡由紀子: ちょっと待って!
主人公: ん?
高岡由紀子: 私の方が先に使ってたんだし、今日は考え事してるから、
できれば他でしてもらえると嬉しいかなぁ!
春日詩帆: えー……
主人公: わかった。
由紀子が先に使ってたわけだし、今回はそうするよ
高岡由紀子: あ……
高岡由紀子: ひどいなぁ、私……。
まあ、今に始まったことじゃないし、仕方ないか
高岡由紀子: それより、早くみゃーこにメール送らなくちゃ。
せっかくみんな、いなくなってくれたんだし
高岡由紀子: 超久し振りにメールするけど、
覚えててくれてるかな……
高岡由紀子: みゃーこなら、駒川詩のことも、
きっともっと色々知ってるはず――
駒川詩: こんにちは~♪
高岡由紀子: …っ!?
駒川詩: 高岡由紀子さんですよね?
いま、ひとりですか~?
高岡由紀子: え……あ、はい。えっと、駒川さんですよね?
駒川詩: そうですよ~。でも、前にも言いましたけど、
詩ちゃんでいいですから~。ね?
高岡由紀子: あ……えっと……何かご用ですか?
駒川詩: ん~、ご用って程のモノじゃないんですけど~。
折角だし、高岡さんと交友を深めようかと思いまして♪
高岡由紀子: あっ、の、ごめんなさい。
今ちょっと急ぎの用事で取り込み中で!
駒川詩: へぇ~、どんな用事なんですか?
私にも教えてくださいよう~!
高岡由紀子: (ダメ、来ないで! リーダーたすけ――)
星谷かんな: おっはよー!!
……って時間でもなかった! えへへ~♪
星谷かんな: あれ? えっと、確か詩ちゃんだっけ?
もしかして、文芸部に入るの?
駒川詩: あっ、星谷ちゃん! こんにちは♪
そうですね~、私も入っ――
星谷かんな: それより由紀子!
今から駅前のモールいこー!
高岡由紀子: え!? モール?
星谷かんな: ゲームを探さなくちゃ! ね!
高岡由紀子: (……かんな、最高。
タイミング絶妙すぎ)
星谷かんな: 由紀子、さっき危なかったね!
油断してちゃだめだよー?
高岡由紀子: え? 危なかったって、何が?
星谷かんな: え? あれ? 別に危なくなかった?
うーん、おかしいなぁ……
高岡由紀子: (どういうこと? まさか、かんなが
あの人と私の関係を知ってるとは思えないんだけど)
星谷かんな: まあいっか! 由紀子が平気なら全然いいから!
かんなの勘も、たまには外れる時あるしねー!
高岡由紀子: か、勘……だったの?
星谷かんな: え? そうだけど? なんかヘン?
高岡由紀子: (すごい……。やっぱり野生の本能かな。
でも正直助かったのは事実だし――)
高岡由紀子: ……ありがとうね、かんな。
正直言うとね、助かった。すごい怖かったから
星谷かんな: あ、やっぱりそうだったんだ
星谷かんな: 今度からは、かんなに言ってよ。
由紀子にヘンなことしたら、かんなが鉄拳制裁するから!
高岡由紀子: ……うん、そうするね。すごい心強いよ。
それじゃ、二人で頑張ってゲーム探そう
星谷かんな: もちろんだよ!
絶対にみんなに楽しんでもらうんだからね!
高岡由紀子: (でも、いつも一緒にいてくれるわけじゃない。
かんなも……リーダーだって。それに、あの話――)

パーティーまで、あと1日。
夕刻――

主人公: お、今帰り?
高岡由紀子: あ、リーダー。さっきはお疲れさま。
クイーン戦も、みんなだいぶ慣れてきたよね
主人公: 由紀子たちの上達っぷりが凄いだけだよ。
ていうか、引越直後の任務は流石に死んだ……
高岡由紀子: あはは。リーダーの底無し体力でも
流石に今日はしんどかったみたいだね
高岡由紀子: ……
主人公: ……ん、どうした?
高岡由紀子: あの、部室を追い出しちゃった時はごめんなさい。
私、酷いこと言った
主人公: いいよ。何か大事な調べ物してたんだろ?
高岡由紀子: ……うん。
あ、それとね。結局これにしちゃった
主人公: なんだ、やっぱり『人生危機一髪ゲーム』じゃんか

高岡由紀子: 任務のあと、かんなと
駅前のホビーショップに行ってきたの
高岡由紀子: ホントはもう1つ候補があったんだけど、こっちにした

主人公: うん、その方がいいって。絶対そっちだろ。
俺それ好きなんだよ。楽しみにしてるから
高岡由紀子: ……あとね。かんなが苦手って話も、前言撤回。
忘れてくれたら……嬉しいかも
主人公: ん? ああ……。まあ、よくわかんないけど、
かんなと仲良くなれたなら、よかったじゃん
高岡由紀子: うん………。
ねえ、リーダーは……もし、もしだよ?
高岡由紀子: もしも、このチームが解散になったら、
そのあとどこに行くの? 何をするの?
主人公: 俺? さあ、俺の一存ではどうにも。
上からの辞令次第だし
高岡由紀子: そっか、そうだよね。でも……、
そしたら……私もついてっちゃおうかな
主人公: いや、それは無理だろ。
みんな家の近くの学園に、って話らしいし
主人公: そういえば由紀子の家って、確か浜松だっけ?
高岡由紀子: 生まれはね。でも高校の時、月ノ宮に引っ越してる。
だから、今はギリギリ東京
高岡由紀子: ……でも、そんなの関係ないよ。
退学すれば、自分の行きたいところに行けるんだし
主人公: ちょっと待って、何言ってんだよ
高岡由紀子: 私、リーダーと離れたくないの!
主人公: ……由紀子
高岡由紀子: 私、ずっと憧れてた。平凡な日常、女子高生の生活。
月ノ宮にいたときは、もう諦めてた
高岡由紀子: だから、みんなで学校に通って、くだらない事で笑ったり
怒ったり、そんな幸せをもう失いたくないの……
高岡由紀子: ……怖いの。すごく怖い。引きずり戻されそうで。
今の幸せを全部、メチャクチャにされそうで……
主人公: ……何かあったんだろ。
もしよかったら聞かせて
高岡由紀子: ……うん
高岡由紀子: けど、もう少しだけ自分で整理したいから……
整理ついたら、相談するかも
主人公: ああ、いつでも言ってくれ
高岡由紀子: ありがとう……

この小さな私の手から零れ落ちる砂を、
どうか、あなたの大きな手で受けとめて欲しい――


5_4

パーティーまで、あと4日。
夕方――

主人公: (はぁ……はぁ……。
ひどい目にあった……)
瀟美岐: これで、用意するものは全部になるか。
これだけ可愛いものが揃っていれば、皆も満足だろう
安住菜々花: はぁ~疲れた。
ていうか、瀟の趣味が予想外すぎてウケるんだけど
瀟美岐: う、うるさい!
人の趣味に口出しするようなヤツは外道だ!
主人公: (……しかし、二人とも随分と打ち解けあったな。
それだけでもよかった)
主人公: 俺はいいと思うけどな。
美岐も可愛いところあるんだなぁって思ったし
瀟美岐: かっ……かわ……っ!?
安住菜々花: まあ、そこは否定しないけど。
わたしも別にディスってるわけじゃないし
瀟美岐: いいっ!もういい!
用事は終わったんだろう?ならここで解散だ!
安住菜々花: ああっ、ちょっと待って。
最後まで聞いて
安住菜々花: ウケるって言ったのはごめん。
案外わたしと趣味が近くて、びっくりしたんだって
安住菜々花: ねえ、今度瀟がよく行くお店教えて。
わたしも教えるから
安住菜々花: 一緒行こ
瀟美岐: え、あ、ああ。そういうことなら大歓迎だ!
安住菜々花: じゃあ、約束
瀟美岐: うむ。では予定はフリスペ!で。
今日はこれから別件があるので失礼する
安住菜々花: またね
主人公: お疲れ
主人公: (雨降って地固まる、だな)
安住菜々花: リーダー、リーダーはもうちょっとつき合って
主人公: え、まだ何か必要なものあったっけ?
安住菜々花: あるから言ってるんじゃん
主人公: ……菜々花って、こういうアフリカの
祈祷用お面みたいなのを集めてたりするの……?
安住菜々花: はぁ~……そう見える?
これはきららへのプレゼント!
安住菜々花: 最近あまり気にかけてあげられなかったから
主人公:なるほどな。
よくこんなもの売ってる店見つけたな……
安住菜々花: こういうアジアン雑貨のお店に行けば
大体それっぽいの売ってるから
主人公: へえ、菜々花って結構そういうの詳しかったんだ
安住菜々花: ……そういうのって何?
主人公: あ、いや、雑貨とか、おしゃれ系のお店とか……
なんかそういう、女の子っぽいやつ
安住菜々花: は?ナメてんの?
悪いけど、多分わたしチームで一番詳しいから
主人公: まあでも、よくよく考えてみれば、アイドル目指してるくらいだもんな……意外でもないか
安住菜々花: わざわざ言わなくていいし!!
安住菜々花: だいたい、それ知ってるのあんただけなんだから……
ほんと気をつけてよね
主人公: 分かってるよ。二人だけだから言っただけだし
安住菜々花: ……見えてないところに、誰かいるかもしんないじゃん
主人公: テレビの見すぎだろ
安住菜々花: ……違うし
主人公: え?
安住菜々花: ……もういい。
次のお店行く。早く来て
主人公: ……あ、ああ
安住菜々花: ふぅ、これでよし、と
主人公: ……買い込んだな。腕ちぎれそう
安住菜々花: そのくらい持てるでしょ。
男なんて力しか取り柄ないんだし!
主人公: あ――
安住菜々花: あっ……ご、ごめん、今のはナシ。忘れて
安住菜々花: こっち、持つから
主人公: 驚きえ……?
主人公: お、おい!
安住菜々花: はやくー!
安住菜々花: はぁ~、やっと着いた!重かったぁー
主人公: 俺が全部持ったのに
安住菜々花: 気を遣わなくていいから。
あと少し、部屋まで運んで
主人公: ……それじゃ、荷物はここでいいんだな?
安住菜々花: うん。
……ありがと
主人公: いいよ、
俺も菜々花の色んな顔が見られてよかったし
主人公: それじゃ、また明日。学校で
安住菜々花: 待って!
主人公: 普通ん?
安住菜々花: これ……あげる
主人公: え、これって……チョコ?
安住菜々花: ……そう、バレンタインの。
言っとくけど、めっちゃ高いとこのなんだからね
安住菜々花: ちゃんと……1日1個ずつ、味わって食べてよ!
主人公: ……あ、ああ、そうするよ。ありがとう。
けどまだ全然2月でもないのに、ビックリした
安住菜々花: 後悔したくないから
主人公: 後悔……?
安住菜々花: アレシアが言ってたの。
後悔しない生き方をする――って
安住菜々花: 1年後、生きてる保証ないじゃん。わたしたち
主人公: 菜々花、そういうことは――
安住菜々花: わたしたちの身体は灰に侵されてる。
悪化すれば死ぬ。リーダーだって同じでしょ
主人公: ……
安住菜々花: わたしたちには、今しかない。
だから……わたしは後悔しながら死にたくない
主人公: 俺だって同じだよ。
だから、毎日やりきったと思える生き方を――
安住菜々花: 好き
主人公: 普通驚き……え?
安住菜々花: ……だから、あんたが好きなの!
主人公: あ……えっと――
安住菜々花: 待って、答えはいらないから。
このまま帰って
主人公: えっ、ええっ!?
安住菜々花: じゃ、またいつも通り学校で!
安住菜々花: ……わたしは、ただ後悔したくないだけ

『1日1日をやり切って終える。
このとき、私はそう決めたんだ――』


5_5

パーティーまで、あと4日。
昼下がり――

瀟美岐: リーダー!
瀟美岐: よかった。来てくれて助かった
主人公: ああ、それはいいんだけどさ。そこまで苦手なの?
瀟美岐: いや、そういうわけでは……。ただ、やっぱり
菜々花とは色々あったし、それに初めてで――
安住菜々花: ごめん、遅れた
安住菜々花: って、なんでリーダーいんの?
呼んでないんだけど
主人公: あー、それは――
瀟美岐: ……っ
主人公: 俺がパーティーの実行委員長だからだ!
瀟美岐: !?
安住菜々花: は? なにそれ、本気で言ってんの?
まあいいけど。荷物持ちはいた方がいいし
主人公: えー、マジかよ
安住菜々花: じゃ、まずは作戦会議ね
主人公: ……で、やっぱりあごくし屋なんだ
安住菜々花: ここならちゃんと座って話せるし、
誰かと会う可能性も低いじゃん
主人公: (きららと同じこと言ってるな。
星花旅団、息ピッタリじゃねえか……)
瀟美岐: で、だ。
問題は、プレゼントをどういう手法で配布するかだ
安住菜々花: ビンゴとか?
でも、定番すぎじゃん?
主人公: あーそうだ、ゲームっていえば、ゲーム班が
今回は『人生危機一髪ゲーム』にするかもって――
安住菜々花: あ! 『人生危機一髪ゲーム』の上がり順に
プレゼントを選ばせるの、よくない?
主人公: いや、でもまだ決定はしてないみたいだけど
安住菜々花: まあでも、何かそういう感じのゲームはやるわけでしょ?
なら大丈夫だって
安住菜々花: 瀟も何か意見あれば言ったら
瀟美岐: あ、ああ。
私も、それでいい
安住菜々花: じゃ、それで決まり。
そしたら次は、どんなプレゼントにするかだけど――
安住菜々花: その前に、あごステーキ大にご飯大盛りでー!!
安住菜々花: リーダーごちそうさま♪
久し振りにイイもの食べて、元気出たー
主人公: どういたしまして。その代わり明日から俺の昼飯は
メロンパンだけどな
瀟美岐: ……本当にご馳走になってよかったのか?
主人公:いいよ。みんなが美味しいって言ってくれれば、
それが一番だから
瀟美岐: そ、そうか
安住菜々花: ねえ、なんか今日の瀟、ちょっとヘンじゃない?
いつもの任務の時みたいな元気がないっていうか
瀟美岐: え? あー、いや、アレは任務だからな。
今はそうではないし……
主人公: あー……いや、美岐はさ――
瀟美岐: じ、実は、こういう時どうするのが正解かわからなくて、
だから、雰囲気壊してしまってすまない!
安住菜々花: こういう時?
瀟美岐: あ、いや、ほら、その……菜っ――
瀟美岐: ……
安住菜々花: ?
瀟美岐: だっ、男性と食事をしたり、
買い物したり、する時にだな……!
安住菜々花: えー! めっちゃ純粋じゃん
主人公: ……
瀟美岐: すまない、やっぱり私がいると空気が悪くなるから、
買い物はリーダーと菜々花で行ってきてくれ
瀟美岐: それじゃ――
安住菜々花: 待って!
瀟美岐: いや、しかし……
安住菜々花: 何勝手なこと言ってんの?
安住菜々花: あんた、わたしが任務ボイコットしてるとき、
毎日“出動しろ”って部屋まで言いに来てたじゃん?
瀟美岐: それは、任務だから!
安住菜々花: 今回だって大事な任務!
ちゃんと最後まで遂行して
瀟美岐: あ、ああ
安住菜々花: じゃあ早速だけど、瀟はどんなものがいいと思う?
わたしは、カワイイものなら何でもいいと思うけど
瀟美岐: そ……そうだな……。だが、私はあまり
普通に可愛いものとかはよくわからないから……
安住菜々花: 普通に瀟がカワイイって思うものでいいんだって
瀟美岐: そうか、だが、それもちょっと言うのも何というか……
瀟美岐: ……
安住菜々花: ……
瀟美岐: ………くまっ……ぴ。
……が、いいと……おもう……
安住菜々花: くまっぴぃ!?
主人公: (“くまっぴ”って、確か女子がよく持ってる……
かわいいっちゃかわいい……か?)
瀟美岐: あ、いや、忘れてくれ!
一時の気の迷いだ!!
安住菜々花: へえ、いい趣味してんじゃん?
でも、同じone-xなら“忠犬にゃんこ”の方がよくない?
瀟美岐: “忠犬にゃんこ”だと?
アレだったらまだ“すらいむ日和”の方が可愛い!
瀟美岐: あの癒し顔を見てからは、道路の水たまりが
全部“すらいむ日和”に見えてしまって幸せなんだ
安住菜々花: あー、それわかるー。
あと、和菓子屋行くと“ダンゴリラ”思い出さない?
瀟美岐: わかるわかる!!
主人公: ぜ……全然わからない……
安住菜々花: は!? わかんないの?
瀟美岐: それは聞き捨てならないな
安住菜々花: じゃあ、“教育”してあげる
瀟美岐: 今日はたっぷりと
“くまっぴ”の魅力を叩き込んでやろう
主人公: ひっ……
主人公: (はぁ……はぁ……。
ひどい目にあった……)
瀟美岐: これで、用意するものは全部になるか。
これだけ可愛いものが揃っていれば、皆も満足だろう
安住菜々花: はぁ~疲れた。
ていうか、瀟の趣味が予想外すぎてウケるんだけど
瀟美岐: う、うるさい!
人の趣味に口出しするようなヤツは外道だ!
主人公: (……しかし、二人ともだいぶ打ち解けあったな。
それだけでも実りがあったかもしれない)

パーティーまで、あと3日。
午後――


瀟美岐: 随分と数が多いな……。
やるか、撤退か……
高岡由紀子: リーダー!?
主人公: ……大丈夫だ、このレベルだったら、今ならいける!
総員戦闘態勢!
瀟美岐: 好吧
高岡由紀子: え? 珍しく素直
瀟美岐: 確かに、まだリーダーとして十分だとは考えていない。
けど――
瀟美岐: 一人の人間としては十分だ。いくぞ!

『あの日私は、本当の愛というものが
どういうものなのかを、垣間見たのだ――』


5_6

パーティーまで、あと5日。
午前中――

森崎アレシア優: ここの灰の結晶、とても綺麗。
これを飾ったら素敵かも
主人公: それはちょっと……
森崎アレシア優: ……冗談よ。
飾るには、小さすぎる
主人公: そっちかよ
春日詩帆: 森崎さん!
また結晶見てるんですか?
森崎アレシア優: 初めて見る形。綺麗でしょ?
春日詩帆: とても綺麗だけど、それよりも今はクイーンを探そう?
早く帰ってお料理の練習しなくちゃいけないし……
主人公: (みんな本当にパーティー楽しみにしてるんだな。
ここ最近結構ハードだったし、無理もないか)
主人公: (それに、みんなで何かやるなんてのは、
これが最後かもしれないもんな……)
春日詩帆: リーダーさん!
今日も、その……試食してもらっていいですか?
主人公: え? ああ、もちろんだよ。楽しみにしてる
春日詩帆: えへへ、頑張っちゃおう!
森崎アレシア優: ……詩帆ばっかりずるい。
私も料理班がよかった


パーティーまで、あと3日。
放課後――


森崎アレシア優: ……ということがあったの
生駒彩未: なるほどね~。
友情と恋の両立は難しいもんねぇ~……
森崎アレシア優: 恋ってLOVEのこと?
生駒彩未: そう♪
森崎アレシア優: だとすると、
そこまでの気持ちがあるかは、まだわからないわ
生駒彩未: じゃあ、どこまでの気持ちなら確実にあるのかな~
森崎アレシア優: そうね、東洋風に言うなら……、
“友達以上恋人未満”な気持ちまでなら?
生駒彩未: え……?
それって東洋風なの~?
森崎アレシア優: だって、中国の詩文じゃないの?
“山川異域風月同天”と同じで
生駒彩未: 全然違うんだけどな~。
美岐が聞いたら何て言うか……
森崎アレシア優: そういう彩未はどう考えてるのかしら?
リーダーのことは
生駒彩未: え? う~ん、そうね~……。
お姉さんには関係ない話かな~、そういうのは
森崎アレシア優: どうして? 見ていた限りでは、彩未は誰よりも早く
リーダーと親しくなってた。それに――
森崎アレシア優: “関係ない話”でもないんじゃない?
私と貴方では、立ち位置に大きな違いはないもの
生駒彩未: ……そうでもないんだよね~
生駒彩未: 私には、彼に特別な感情を抱く資格はないから。
貴方たちとお友達になる資格も、ね……
森崎アレシア優: ……資格?
生駒彩未: だから、せめてみんなの幸せを応援させてほしいな。
お姉さんは、みんなのお姉さんなんだから♪
森崎アレシア優: ……
生駒彩未: というわけで、お姉さん早速思いついちゃいました!
パーティーの準備で抜け駆けできちゃう秘策~♪
森崎アレシア優: いえ、いい。
そういうのは、自分で考えるから
生駒彩未: あ~、待って待ってアレシア。
わかった、ちゃんと正直に言うね
生駒彩未: この秘策は、アレシアが役得なのに代わりはないけど、
それ以上に、私たちにとって大事なことなの
森崎アレシア優: ……わかった。
聞くわ
生駒彩未: ありがと~。
あのね、パーティーの装飾の予算で~――
森崎アレシア優: なるほど。
そういうことなら、私もやりたい
生駒彩未: ほんと!? よかった~♪
森崎アレシア優: でも……まずは、みんなに同意を取らないと
生駒彩未: うん、そうだね~。
そこはお姉さんが、みんなに話しに行くから――
森崎アレシア優: 私もやる
生駒彩未: えっ?
森崎アレシア優: 手分けしてやった方が楽でしょ? 
それに……すごく素敵だと思ったから
生駒彩未: アレシア……ありがとう。嬉しい
森崎アレシア優: ……
生駒彩未: でも、アレシア変わったね~。
前は死ぬことしか考えてなかったのに
森崎アレシア優: それは間違い。
別に、死にたかったわけじゃない
森崎アレシア優: 生と死は決して大きな変化では無くて――
森崎アレシア優: ……
生駒彩未: ……ん?
森崎アレシア優: ……いえ、確かに死にたかったのかもしれないわ。
思い返してみれば、昔とは気持ちが全然変わってる
森崎アレシア優: (詩帆やリーダーがいてくれたから……)


パーティーまで、あと2日。
昼下がり――


主人公: また灰を見てるの?
森崎アレシア優: ……もし、
森崎アレシア優: もし異灰になったら、
灰地域でも幸せに暮らしていけるのかしら
主人公: 物騒だな
森崎アレシア優: やっぱり物騒?
主人公: そりゃそうだろ。
ただでさえ異灰化の危険と隣り合わせなのに
森崎アレシア優: 私は正直、どっちでもよかった。
異灰化するなら、それでも
森崎アレシア優: 人間のままでも、異灰化しても、死んだとしても。
魂のレベルで考えれば、大した違いはないもの
森崎アレシア優: その想いは今も変わらない、けど
森崎アレシア優: 今は少しだけ、人間のままでこの世界にいたいっていう
気持ちが強くなってるかも
主人公: アレシア……
森崎アレシア優: ただそれは、
リーダーや詩帆が私のそばにいてくれるから
森崎アレシア優: もし離れてしまって、二度と会えなくなった時は――
主人公: そんなことない。いつだって会えるよ
森崎アレシア優: 私は日本には、帰る家がないの。
もし解散なんてことになれば、母国に帰ることになる
主人公: 確かに……そうか……
森崎アレシア優: だから、私は一人でも戦い続ける。
もしみんなが諦めても、最後まで戦い続けるの
主人公: ……
春日詩帆: リーダーさーん! 森崎さーん!
春日詩帆: 異灰、来ましたっ!
森崎アレシア優: 行きましょ


全てを失くした私にもう一度だけ、
宝物をプレゼントしてくれた貴方と一緒に――

5_7



パーティーまで、あと1日。
正午――


星谷かんな: 来てくれてありがとう、お兄ちゃん
主人公: 別にいいけどさ、電話では引越の手伝いって
聞いていたんだけど、本当にこの場所でいいの?
星谷かんな: うん、用具室の引越だからね。
道具を別の倉庫に運ぶよう、先生に頼まれちゃって!
主人公: そういう引越かよ。けどそれ、先生も問題だぞ?
女の子にそんな重労働を気易く頼むなんて
星谷かんな: やっぱりお兄ちゃんは優しいね。
でも、先生の名誉にかけて正直に言っておくと――
星谷かんな: かんなが「やります!」って言って、
取って来ちゃった仕事なんだよね。へへ……
主人公: 自業自得かよ……
星谷かんな: だって、先生本当に困ってたみたいだったし。
放っておけなくて
主人公:かんなも相当お人好しだよな。
で、頼んだ先生自身はやらないってわけか
星谷かんな: どうしても抜け出せない用事があるんだって。
まあ今日は土曜日だし、家庭もあるもんね
主人公: なるほどな。
そんじゃ、とっとと片付けようぜ
主人公: ……どれも重そうだな。
で、何を運び出せばいいの?
???: ……こっちです!
ちょっと窮屈ですけど、あまり時間は取らせませんから
星谷かんな: まずい、誰か来る!
お兄ちゃん隠れて!!
主人公: え? なんで――
主人公: ちょっ!
星谷かんな: しーっ! 見つかっちゃう!
主人公: (か、かんな、顔が近い……)
駒川詩: これでよし、と
久野きらら: あ、えっと、でも、きららはもう大丈夫だから。
もうアレは、しなくても平気だから……
主人公: (駒川さんと、きららか!?)
駒川詩: ええっ、だって久野さんのためにやってたんですよ?
それとも、気持ちよすぎて背徳感が半端ないとか?
久野きらら: えっ、そ、そんなことは……
駒川詩:顔、赤くなってますよ?
久野さんってほんと可愛い~♪
駒川詩: あーっ、もう、
私がガマンできなくなってきちゃいました!
駒川詩: 襲っちゃっていいですか~っ?
久野きらら: ええええっ、だ、ダメダメ!
主人公: (やばいな、助けに行かないと――)
星谷かんな: ダメだよお兄ちゃん!
ここで出て行ったら、これからもっとやりにくくなるよ
主人公: え、なんで?
星谷かんな: 詩ちゃんは、まだお兄ちゃんが何も知らないって
思ってるから、そう思わせておいた方がよくない?
主人公: (確かにその通りだ。でも――)
主人公: (なんでかんなが、そんなことを言うんだ!?
かんな、何か知ってるのか……!?)
駒川詩:今更拒否っても、何も変わりませんよ~。
私たち、もうアレを抜き挿ししちゃった仲なんですから
駒川詩: それに、このまま続けていれば~、
解散した後も、リーダーと一緒に残れますよ
久野きらら: …っ
主人公: (きらら、それは多分罠だ! 否定してくれ!
この前の俺の言葉を信じてくれ……!)
星谷 かんな : ……
久野きらら: ご、ごめんなさいっ!!
駒川詩: あっ! 久野さーん!!
主人公: (……よかった)
主人公: (やっぱり、あの夜きららと話したのが
よかったのかな。いずれにせよ、本当によかった)
駒川 詩 : ……
駒川詩: ……はぁ。
もう少し強烈なの、やっちゃいますか
主人公: ……
星谷かんな: はぁー、窒息するかと思ったよ!
主人公: あ、あの、かんな。
そろそろ身体、退けてもらっていいかな……
星谷かんな: ああっ、ごめんごめん!
星谷かんな: ずっとお兄ちゃん押しつぶしちゃってたね。えへへ♪
主人公: なんでかんなの方が平然としてるんだよ……
星谷かんな: え? だってかんな、
お兄ちゃんなら別に何されたって平気だよ?
主人公: 何言ってんだよ。それより――
星谷かんな: ん? なに?
主人公: (いや、でも気のせいかもしれないし……。
下手に話して不安にさせても良くないしな)
主人公: いや……、荷物を運び出すんだろ。早くやろう
星谷かんな: ふふ~、お兄ちゃん照れちゃって可愛い!
主人公: (それにしても駒川さん、完全にきららに
ロックオンしてるな。どうすれば――)
星谷かんな: ああっ!!!
お兄ちゃん大変!
主人公: 今度は何?
星谷かんな: 閉じこめられた!
主人公: なんでこんなことに……。
仕方ない、誰かに電話して助けを呼ぼう
主人公: ……って、しまった! 力仕事だし
余計なものは置いてきたんだ……。かんなは?
星谷かんな: かんなも、更衣室に置きっぱなし……
主人公:はぁ……それはヤバいな。
とりあえず、ダメ元で大声を出してみよう
主人公: おーい! 誰かーっ!!
星谷かんな: そうだ!
かんなは、どこかに秘密の出口がないか探してみるね
主人公: はぁ、ダメだ。誰も来る気配がない。
やっぱり土曜日じゃ、誰もいないよな……
星谷かんな: かんなも、全然見つけられなかったよ。
誰かが開けてくれるのを待つしかないかなぁ
主人公: マジかぁ……
星谷かんな: そうだ! ちょうどいいから、相談に乗ってよ。
パーティーのゲーム、何にしたらいいと思う?
星谷かんな: 2つ考えてみたんだけど、
どっちの方がいいか悩んじゃってさぁ
主人公: いや、そんなことやってる場合じゃ……
とはいえ、やれることはやり尽くしたもんなぁ
星谷かんな: 『人生危機一髪ゲーム』か、
『アーサの陰謀世界滅亡大予言ゲーム』なんだけど……
主人公:どう考えても『人生危機一髪ゲーム』だろ
星谷かんな: やっぱりー?
お兄ちゃんがそう言うなら、そうしよっと
主人公: それにしても、かんなは本当に元気だな。
いや、元気っていうか、ポジティブっていうか
星谷かんな: それは、お兄ちゃんが一緒にいてくれるからだよ
主人公: いるだけで、何の役にも立ってないけどな
星谷かんな: あはは、それはお互い様だよ
星谷かんな: それに、お兄ちゃんにも、かんながいるから大丈夫!
そんなに心配しなくても、何とかなるって!
主人公: かんな……。ありがとな、元気づけてくれて。
情けないな俺
星谷かんな: 情けなくなんかないよ!
お兄ちゃんは、チームのみんなにとって希望の光だもん
星谷かんな: かんなは、初めて逢った最初からそう思ってるから、
いつだってお兄ちゃんの味方だったんだよ?
星谷かんな: ……勉強会からだけは、逃げちゃうこともあったけど
主人公: 正直だな
星谷かんな: あっ、でも、今はもう逃げないよ。
だって、お兄ちゃんとずっと一緒にいたいもん
星谷かんな: だから――
星谷かんな: 詩ちゃんは嫌い
主人公: ……かんな。さっきも思ってたんだけど、
もしかして駒川さんのこと、何か知ってるの?
星谷かんな: え? 何も? ただ、なんか凄く嫌な感じがするの。
いつかお兄ちゃんに、ひどいことしそうで
主人公: (勘!? もし本当に何も知らないで言ってるなら、
それはそれですごいな……)
星谷かんな: でもね、大丈夫だよ。
あんな子、かんなが絶対に追い出してやるんだから
星谷かんな: お兄ちゃんに悪さするやつは、みんな敵!
みんなかんながやっつけるぞー! おー!
主人公: (……かんなの純粋さが眩しすぎる。俺は、
ここまでみんなのことを無条件で想えるのか)
主人公: ありがとうな、かんな。
俺もかんなのこと、全力で護るよ
星谷かんな: えへへっ♪
星谷かんな: ああっ!!!
誰か来てくれたんだ!
星谷かんな: って、えええっ!?
主人公: (……マジかよ)


5_8


パーティーまで、あと3日。
昼休みのひととき――


生駒彩未: ――という感じで、もしきららにもやり甲斐をって
いうことなら、こういうメニューならどうかな~
春日詩帆: なるほど……。確かにこれなら作れそう。
ありがとうございます、生駒さん!
生駒彩未: また何かあったら相談してね~?
主人公: ……
生駒彩未: そうねぇ~、それだったら駅前にある
ラッピング材料専門のお店紹介するよ~
安住菜々花: 助かる~。フリスペ!で地図送っといて。
それじゃ瀟、早速今から――
瀟美岐: ………
安住菜々花: って瀟、あんたかなり顔色悪いけど大丈夫!?
瀟美岐: いや、ちょっと……今日は頭痛が酷くてな……
生駒彩未: 大変! 鎮痛剤、出そっか?
偏頭痛? それとも頭全体が締め付けられる感じ?
瀟美岐: 偏頭痛……だと思う
生駒彩未: そっかー、わかった。
じゃあ、非ステロイド系かな~
生駒彩未: でも、NSAIDsは胃腸と腎臓やられちゃうから、
とりあえずアセトアミノフェンにして様子見よっか~
瀟美岐: ああ、ありがとう。いつもすまないな
主人公: ……
生駒彩未: ――だから、ハーフタイム制にしちゃえばいいんだよ~。
時間が余ったら後半戦もやればいいんだし
星谷かんな: なるほどー、その手があったか!
高岡由紀子: けど、もし後半戦できなかったら、そこでの順位で
プレゼントの順番が決まっちゃうってことでしょ?
生駒彩未: ゲームとプレゼントの間にワンクッション入れれば
どう転んでも不満は出にくいんじゃないかな~
生駒彩未: お姉さん、プレゼント班と調整しておくね
星谷かんな: さすがあやみん!
あやみんが言ってくれれば、絶対うまく進むもんね
主人公: ……
生駒彩未: ありがと~、つき合ってくれて
主人公: いや、けど付いて回っていただけで、
何の役にも立たなかったし……
生駒彩未: ええっ? そんなことないよ~。
リーダーはいてくれるだけでいいんだよ~
生駒彩未: リーダーは委員長なんだから、
みんなを見て回ったり、助けたりするのは自然でしょ?
生駒彩未: だから、お姉さんがちょっと出しゃばっても、リーダーの
お手伝いってことにすれば、まあるく収まるってわけ♪
主人公: そこまでして、みんなの手伝いをしたいなんて、
本当に大したもんだよな
主人公: そりゃみんな、頭が上がらないわけだ
生駒彩未: やめてよ~、ほんとにそういうのじゃないから~
生駒彩未: お姉さんはただ、
みんなに少しでも幸せになってほしいだけ
生駒彩未: 毎日死と隣り合わせだから、せめて
それに見合うくらいの楽しみをプレゼントしたいなって
主人公: 彩未だって同じだろ。
みんなと一緒に戦ってるんだし
生駒彩未: ううん、全然役に立ってないよ……いつも後衛だし。
異灰と真正面からぶつかってるみんなとは違う
主人公: そんなことない。
彩未のおかげで最近の戦闘はスムーズだよ
生駒彩未: それはリーダーが、お姉さんのこのどうしようもない
能力を、何とか使えるように考えてくれてるからだよ
主人公: そこまで過小評価しなくても……
主人公: いや、でも、もし……もしも本当に、後ろめたい
気持ちから、そういうことをしてるなら――
生駒彩未: そうじゃないってば!
私を見くびらないで
主人公: ご、ごめん……!
生駒彩未: あっ、こ、こっちこそごめんなさい。
急に声を荒げちゃって。らしくなかったよね
主人公: いや……むしろ、もっと言ってくれていいんだよ?
生駒彩未: えっ………もしかしてリーダーって、
冷たくされると興奮しちゃうとか?
主人公: ち、違うわ! そうじゃなくて、
もっと本心をぶつけてくれていいよってこと
生駒彩未: わかってるよ~ふふ~。
リーダーって、そういう真面目ところが可愛いよね~
主人公: 年下だからって、からかってるだろ。
……でも、しょうがないか
生駒彩未: どうして?
主人公: バカなこと言って、彩未を怒らせた
生駒彩未: もう怒ってないよ~
主人公: ……
生駒彩未: でも、そんなに気にするなら、
ひとつ、お願いを聞いてもらおうかな~
生駒彩未: ほら、前に“リーダーの秘密を2つ教えて”って
話してたの覚えてる?
主人公: ああ、もちろん
生駒彩未: それ、今使ってもいい?
主人公: ……ああ、いいよ
生駒彩未: そんなに緊張しなくても大丈夫だよ~。
1つめから恥ずかしいこと聞いたりしないから
主人公: え? じゃあ2つめは……
生駒彩未: それじゃ、折角だし~、
ちょっとデートしながら聞いちゃおうかな~
生駒彩未: お姉さん、この場所が好きなんだ~。
なんだか心が晴れやかになるの
主人公: (コズミックファングか……)
生駒 彩未 : ……
生駒彩未: それじゃ早速質問でーす!
生駒彩未: リーダーは、これから私たちが
どうなるのが一番だと思ってる? ……本当のところ
主人公: え?
生駒彩未: あの日リーダーは、“これからは危険なことをしなくて
よくなる”って言ってたよね
生駒彩未: けどその後、美岐の言ってた“コズミックファングを
奪還する”っていう話にも賛成してたよね
生駒彩未: どっちかは本心で、どっちかは仕方なくって
感じだと思うんだけど、どうなのかな~って
主人公: ……そうだな。正直なこと言えば――
主人公: みんなが危険なことをしなくて済むようになるなら、
それが一番だとは思ってる
主人公:けどそれは、誰かに強制されるものじゃなくて、
本当にみんなが望んだ場合だけなんだ
生駒彩未: リーダー、ダメだよ
主人公: え? 何が……
生駒彩未: 私が聞いているのは、みんなの望みじゃない。
リーダーの、リーダーだけの望みを知りたいの
主人公: ……そうか。そうだよな。なら――
主人公: 俺はこのまま、みんなと一緒に
この特殊部隊をやり遂げたいと思ってる
主人公: みんな、灰病になって辛い目に遭ってきただろ。
それを、辛い思い出のままにしたくないんだよ
主人公: 灰病になったから、ここでみんなと出会えた。
そのことだけでも、幸せな思い出にしてほしい
主人公: でも本音を言えば、みんなのその、
灰病になったからこそ得られた力で――
主人公: 自分たちの手で、自分たちの街を幸せにできてさ、
家族や友達と幸せに暮らせる日が来たら最高だろ?
主人公: そんな日をみんな創れることを、俺は望んでる
生駒彩未: ……やっぱリーダーにはかなわないなぁ
主人公: え、何?
生駒彩未: なんでもな~い。
お姉さんも、リーダーと同じことを思ってるよ~
主人公: そっか。よかった
生駒彩未: ふふふ~、リーダーの秘密教えてもらっちゃった
生駒彩未: じゃあ、2つめの質問しちゃうよ~。
2つめはね~……
生駒彩未: 8人の中で、リーダーの本命は誰ですか~?
主人公: はぁ!?
生駒彩未: さあ、答えて~♪
主人公: ……黙秘権
生駒彩未: え~~~! ちょっと、逃げたらダメだよ~!


『リーダーの願いが叶いますように。
お姉さんはいつだって、リーダーの味方だからね?』


5_9


パーティーまで、あと2日。
夜――


主人公: ふー、授業と任務がありながら
パーティーのこともやってると、あっという間だな
主人公: ……結局駒川さんのこと、何も調べられてない。
きららのこともあったし、早く動かないと――
主人公: 誰だ?
久野きらら: ……いた
主人公: きらら? どうした?
久野きらら: あー、いや、あの。
りょ、料理を作ったから食べてほしい!
主人公: あ、ありがとう。とりあえず上がって
主人公: すごいな、かなり美味しいよこれ
久野きらら: よかった。
詩帆からシリコン何とかをもらって練習した
主人公: これならパーティーも心配ないな
久野きらら: えへへ……よかった
主人公: (丁度いい機会だし、
駒川さんのことを聞いてみるか…)
主人公: なあ、きらら。もし言いにくかったらいいんだけど、
最近駒川さんと何かあったりする?
久野きらら: ……
主人公: (しまった……直球すぎたか……)
久野きらら: ……あったりしてる。ごめんなさい
主人公:え? あ、いや、別に謝る必要は――
久野きらら: いや。きららは謝らないといけない
久野きらら: だって、前に山に出かけた時に大変なことになったのは、
きららが駒川さんに色々お願いしたせいだから
久野きらら: だからごめんなさい。
みんなを危ない目にあわせてごめんなさい!
主人公: 落ち着け。
まずは状況を教えて
久野きらら: ……うん
久野きらら: きららと駒川さんがその話をしたのは、
もう結構前のこと――
久野きらら: あなたは誰?
駒川詩: 初めまして。
わたしは、駒川詩
駒川詩: これからよろしくね?
……お花ちゃん♪
久野きらら: その時、きららはすごく落ち込んでいた。
だから、駒川さんに全部相談した
久野きらら: そしたら、『私はリフレクターだから、
貴方の力を強くすることができる』って言って
久野きらら: フラグメントっていうのと、異灰の力を直結することで
きららの力が何倍にも強くなるって
主人公: フラグメント……? それって――
久野きらら: でも、もう手遅れ。
きららのフラグメントは、異灰と繋がってしまっている
久野きらら: 実際、きららは異灰の動きを全部予知できたし、
気配だってわかるようになった。けど――
久野きらら: あの灰が濃くなってきたときから意識が朦朧としてきて、
そこから先のことは覚えてない
主人公: ……覚えてなかったのか
久野きらら: うん。次の記憶は、保健室のベッドで目が醒めたとき
久野きらら: 後からなーなに聞いた話だと、リーダーが
きららの心に入って、きららを正気に戻したって
久野きらら: 目が醒めてからは、きららの力は元に戻っていた。
異灰のことは全然わからなくなっていた
久野きらら: だから、リーダーが異灰の力と、きららとを
切り離してくれたんだって思った
主人公: (そうか……あの時、きららの心の中で
俺が異灰を追い出して――)

(旧シナリオ版C4_9の回想)
主人公: だから俺を信じて、クイーンをぶっ飛ばすための力を
貸してくれ、きらら!
久野きらら: ……うん、わかった。
リーダー、どうかきららをお願いします
主人公: よし、それじゃ力を借りるぜ!?
いくぞクイーン! はあああああっ!!

主人公: (ってことは、駒川さんはきららを、
異灰に乗っ取らせたのか!?)
主人公: (倉持さんや望月さん、それに詩帆が異灰に
乗っ取られたけど、それを作為的にやった…?)
久野きらら: あわわわわ……ご、ごめんなさい
久野きらら: きららはもう学校やめて実家に帰るから、
もう怒らないで……
主人公: 何言ってんだよ! 怒ってなんかないし、
学校辞めるとか言うなって
主人公: それに、俺の方こそ謝らないと。
きららのこと、全然気にかけてやれてなかった
久野きらら: なんでリーダーが謝るの!
悪いのはきららの方なのに
主人公: そんなことないよ。自分に出来ることを
精一杯やろうとしただけだろ
主人公: でも、これからは駒川さんじゃなくて、
俺を信じてほしい
主人公: 頼りないかもしれないけど、
俺も色々考えるし、頑張るからさ
久野きらら: うん。ありがとう
主人公: あと、もう今後駒川さんの話に乗らないでほしいんだ。
俺たちをバラバラにしようとしてる
主人公: 本当の思惑が何なのか、まだ全然わからないから、
それが分かるまではあまり接触しないで
久野きらら: ……わかった
主人公: (駒川さん、想像していた以上にヤバそうだな。
あまりのんびりしている時間は無さそうだ……)
久野きらら: やっぱり……リーダーは優しい
主人公: そ、そうか? そんなことないと思うけど……
久野きらら: ……
主人公: 普通?
久野きらら: ……あの
久野きらら: きららはもう1つ、
リーダーに言わないといけないことがある
久野きらら: リーダーに先に言われちゃったから、
言うかどうか悩んだけど、やっぱ言う
主人公: 何でも言ってくれ
久野きらら: きららは、リーダーを見返してやりたかった。
リーダーは他の子のことばっかりだったから
久野きらら: きららが、なーなの話をしても何もしてくれてないって
思ってたし、きららが悩んでることも気づかない
久野きらら: だから、きららはリーダーを頼らないで、
自分で最強きららになるって決めてた
久野きらら: けど、それは、きららが勝手にそう思ってただけ。
だから、すごく恥ずかしい……。ごめんなさい
主人公: 全然恥ずかしいことじゃない。
むしろ俺の方が恥ずかしいよ
久野きらら: リーダーは、やっぱりちょっとおかしい
久野きらら: きららより上にいる人はみんな、悪いことは
きららのせい、いいことは全部上の人の手柄だった
久野きらら: 親もそうだった。きららの予言が当たれば親のおかげ、
外れたらきららのせい
久野きらら: だから、リーダーみたいなリーダーって、
今まで見たことない
主人公: (それはそれで悲しすぎるだろ……)
久野きらら: だから! リーダーは! きららにとっては
リーダーというよりは、うーんと――
久野きらら: 守護霊!!
主人公: ……えっと、それっていいこと?
久野きらら: いいこと!
すっごく、すっっごく、いいこと
久野きらら: だって、守護霊ってきららを護ってくれる存在だから。
それと同じくらい、すごいこと
主人公:そっか。じゃあ、きららの守護霊に見合った
働きができるように、頑張るよ
久野きらら: えへへ♪


『リーダーとはまだ、あまりお話できてないけど、
もっと色んなことを知れたら、うれしい――』

5_10



パーティーまで、あと1日。
夜――


星谷かんな: って、えええっ!?
主人公: (……マジかよ)
司城あやか: 学び舎で不純異性交遊とは、いい度胸だな
星谷かんな: ありゃりゃ~、見つかっちゃったね!
主人公: は!? ちょっ、かんな!!
主人公: ち、違います!
俺たちは閉じこめられてただけで!
司城あやか: それはわかっている。
その間に何をしていたかは、後でじっくり聞くとして――
司城あやか: まずは███。
お前だけ、今から司令室だ
主人公: は、はい……
主人公:(これ、絶対怒られるやつじゃねえか……)
主人公: えっと……司令室って聞いたんですけど……
司城あやか: カモフラージュに決まってるだろう。
星谷に勘ぐられたら面倒だからな
主人公: はぁ……
司城あやか: 時間が無い。早速本題に入ろう。
そろそろお前には、この世界の裏を教えねばならない
主人公: 裏……ですか?
司城あやか: そうだ。前に少し話しただろう。
カタナという対灰組織にある2つの派閥のことを
主人公: 三石重工と蓬莱館製薬のアレですよね?
司城あやか: うむ。本当はこのあたりの話をするつもりは無かった。
お前を巻き込みたくなかったからな
司城あやか: けれども、どうも“奴ら”はそれを許さないようだ。
だから話せることは全部話す。自衛しろ
主人公: は、はい……
司城あやか: さて、その2つの派閥だが
司城あやか: 想像のとおり、我々も片方の傘下にある。製薬系だ
司城あやか:製薬系と重工系は、同じ志を持つカタナの中でも
その手法について、意見を違えているんだ
司城あやか: カタナの最大の目的は、主に日本国内において
灰被害をなくし、元の生活を取り戻すこと
司城あやか: そのために、カタナが当初目標として
掲げていたのが、コズミックファングの解明だった
主人公: そうだったんですね……
司城あやか: だが、コズミックファングはその頃から異灰の巣窟。
そのため、どうやって奪還するかが議論された
司城あやか: その時に、意見が割れたんだ
司城あやか: 我々製薬系は、降灰現象が生んだ奇跡の生命である
イローデッドの力を借りて、異灰を殲滅する方法だった
司城あやか: だが重工系は、その作戦に反対だった。
制御不能な能力を持った人間が異灰に敵うわけがないと
主人公: じゃあ、重工系はどんな手段を?
司城あやか: ……異灰のことは異灰にやらせる
主人公: ……え?
司城あやか: 異灰を解析し、制御可能な異灰を作り出す。
そしてそれを、塔に巣くう異灰に当てる
主人公: 異灰に対抗するために……制御可能な異灰を作る!?
司城あやか: そうだ
主人公: ……すごく嫌なことを思い出しました
司城あやか: なんだ、言ってみろ
主人公: 実は、以前灰地域に行った時に――
駒川詩: “彼女”、イローデッドの身体を使って
活動したいみたいなんですよね
駒川詩: “クイーン”って呼ばれる異灰には、そういう子が
多いみたいなんです。なぜなんでしょうね??
司城あやか: そんなことがあったのか……
主人公: すみません。駒川さんが心の中に出てきたこと自体、
あまりにも説明がつかず、どう言えばいいかって…
司城あやか: まあ、あまり気に病むな。けどそれで合点がいった。
前に駒川について聞いてきた時があったろう
司城あやか: あの時、私はまだ彼女を知らなかった。だから、後で
彼女が入ってきたとき、旧知の仲なのかと思ったんだ
主人公: ……申し訳ありませんでした
司城あやか: いいさ。それより、その話はとても興味深い
司城あやか: 駒川は十中八九、重工系の眷属だ。
製薬系は、リフレクターに興味を持っていないからな
司城あやか: 私自身、重工系が裏で何を企てているのかはわからない。
けれども、間違いなくやっていることは――
司城あやか: 異灰の研究と解析だ。
既に“制御可能な異灰”が存在してもおかしくない
司城あやか: そして今の話だ。
ここから先は憶測に過ぎないのだが――
主人公: クイーンは、制御可能な異灰として作られたもの
かもしれない……とかですか?
司城あやか: 理解が早いな。
聡明な男子は嫌いじゃない
主人公: なんと答えたらよいのでしょうか……
司城あやか: ……バアさんの言うことなど、サラッと流せ。
真面目すぎるのは、玉に傷だぞ
司城あやか: だが、もしその仮説が当たっていたら、大変なことだ。
重工系は、製薬系を潰しに来ているということだからな
司城あやか: まぁ、奴らは前々から特殊部隊改編を迫り、
駒川を遣わせるくらいには牽制していたが――
司城あやか: 奴らがクイーンで我々を襲っているとするなら、
これはもはや、“戦争”と言っても過言ではないだろう
主人公: ……
司城あやか: ███、ひとつ頼まれてくれ。
このままだと恐らく、我々に明るい未来はない
主人公: それは、特殊部隊のみんなにも……ですか?
司城あやか: もちろんだ。彼女たちが最も辛い目に遭うかもしれない。
だからそうならないように、攻勢に出る
司城あやか: 来週から3日間、遠征に出ろ。どこへ行っても構わない。
ただし、3日間は学園に一切連絡を入れるな
司城あやか: それと、その遠征には駒川を連れていってくれ
主人公: えっ……!?
どうしてですか?
司城あやか: ……それは今は言えない。
ただ、私を信じてほしい
主人公: もちろん、司令のことは信用しています。
ですが……少し不安なところもあります
司城あやか: 何が心配だ?
主人公: ……大変失礼なことを言ってしまいます、
先に謝っておきます。申し訳ありません
司城あやか: いいから言ってみろ
主人公: はい……。自分は今まで、司令が作戦を立てて
指揮しているのを見たことがありません
主人公: ここに来たばかりの頃、
チームはバラバラでした
司城あやか: ははは、そういう事か。
確かにお前からすれば、私の作戦能力は不安だろうな
司城あやか: 正直、自分で言うのも何だが、
私は彼女らに何ら作戦指示などをしてこなかった
司城あやか: 専門外だからな。
だからこそ、お前をスカウトしたのだ
主人公: 専門外なのに司令なんですか……?
司城あやか: まあ……、無意味に見えることであっても、
全ての事には必ず意味がある
司城あやか: だから、信じて従ってくれれば助かるが、
信じられなければ、お前が自分で何か考えても構わない
司城あやか: ただ、動く時には必ず報告をしてからにしてくれ。
こっちにもやらなければならない事がある
主人公: ……はい。承知しました
司城あやか: お前には随分苦労かけてしまって、すまないな
主人公: 気にしないで下さい。
そのために来たわけですから
司城あやか: ほんとに、お前はいいやつだな
司城あやか: この作戦が上手くいった暁には、卒業後に
カタナで相応のポジションにつけるようにしてやる
主人公: いえ、そういうのはあまり興味ないので……
司城あやか: まあ、そうだろうな
司城あやか:……言ってるそばからお出ましだ。
今から行けるか?
主人公: もちろんです
司城あやか: よろしく頼む。あ、それと
主人公: はい?
司城あやか: 無理言って、お前をスカウトしてよかった
司城あやか: 特に特殊部隊の連中の、
お前への懐きっぷりを見てるとな。心底そう思う
主人公: ……ありがとうございます。
でも、本当に大変なのは、これからですから
司城あやか: ああ、そうだな
司城あやか: さあ、前哨戦だ。頼んだぞ
主人公: はい!

5_11


パーティーまで、あと1日。
夕刻――


主人公: ……デカいな
安住菜々花: 明日の準備間に合わなかったら、こいつのせいだから
森崎アレシア優: それは単なる責任転嫁
安住菜々花: あんたは黙ってて!
春日詩帆: こんな時までケンカはやめてください!!
安住菜々花: ……最近の春日、なんか当たり強くない?
森崎アレシア優: 多分、あれが素顔。
今までが猫を被っていただけ
瀟美岐: 戦闘に集中しろ
高岡由紀子: 右手! 2時の方向から援軍来てる!!
オーラの強さからすると、雑魚だけど!
瀟美岐: ユキ、谢谢你!
星谷かんな: おおっ! これって先手必勝だよね!?
かんな、行ってきまーす!
瀟美岐: 待て! 勝手な行動をするな!
瀟美岐: リーダー、指示を!
主人公: あ、ああ
主人公: (クイーン自体は巨大だが、今は雑魚を従えていない。
一体だけなら全員で攻撃すれば――)
生駒彩未: ねーねー、きららがねー、そのクイーン怪しいって~!
だから、少し様子見たほうがいいかもって~!
主人公: 様子を見る……?
瀟美岐: どうする? リーダー
主人公: ……
主人公: 由紀子、オーラを見ていて、気になることない?
高岡由紀子: うーん……なんか、よく見ると
クイーンの中のオーラがいくつかに分かれてる気がする!
主人公: ……分かれてる?
主人公: 前衛! なるべく分散してクイーンを取り囲め!
もしかしたら分裂するかもしれない!
瀟美岐: 了解!
アレシアは9時の位置、かんなは2時の位置へ!
星谷かんな: オッケー!
森崎アレシア優: 了解
安住菜々花: かかってくれば?
わたしたち8人なら、瞬殺だし
星谷かんな: そのとおりだよ!
だって、かんなたちは――
生駒彩未: かんな! まだダメ!!
瀟美岐: 無駄話するな!
瞬殺とか大口叩いてると痛い目に遭うぞ。緊張感を持て
安住菜々花: わかってる!
主人公: (……大口でも何でもない。菜々花の言う通りだ)
主人公: (目の色が全然違う。あの頃とは――)
春日詩帆: もういいです! ごめんなさい、
わたし、先生と話して地元に帰らせてもらいます!
高岡由紀子: せ、先生に色々雑用頼まれちゃって。
それに、今日ちょっと熱っぽいから、もう帰らないと
安住菜々花: あんたさぁ、悪いけど、自発的に転校して
瀟美岐: そうやって、上から目線でものを言うやつは、
私は絶対に信用しない……
森崎アレシア優: 極力、私の視界に入らない場所にいて
星谷かんな: えー、だって……。
戦ったって痛いだけで、何もいいことないし!
生駒彩未: 困ったな~。行きたいのはやまやまだけど、
お姉さん、これから別の任務任されてるのよね~
久野きらら: というわけで、きららもそろそろ
ご祈祷の時間になるので、帰宅することにする
主人公: ……
瀟美岐: リーダー、来るぞ!!
主人公: ……ああ。全員、戦闘態勢!
主人公: (信頼してるぜ、みんな――)
主人公: 作戦、開始!!

5_12


そして、いよいよパーティー当日。
夕刻――


高岡由紀子: かんな、こっちクラッカーないんだけど?
星谷かんな: もう、早く言ってよー。
ここに沢山あるから使って使って
森崎アレシア優: …あ、クラッカーの紐が抜けた
瀟美岐: なぜもう引っ張った?
ほら、こっちのを持っておけ
久野きらら: …きららレーダーに反応あり。
目標がこちらへ急接近中!
安住菜々花: みんな黙って!!
ドアが開く瞬間に合わせて…
主人公: うわっ!
春日詩帆: きゃあ!! な、なになに!?
星谷かんな: お兄ちゃん、詩帆!
あらためて、入隊おめでとうー!!
久野きらら: おめでとう
安住菜々花: ふふ~ん、ビックリした?
これをやるために、あんたたちにケーキを頼んだの
主人公: そういう裏があったのかっ!
安住菜々花: 冴えてるでしょ?
これであんたたちも正式なメンバー
春日詩帆: ありがとうございます!
これからも足を引っ張らないように頑張っていきます!
高岡由紀子: いや、むしろ誰よりも中心に近い気がするけど
瀟美岐: まあ、細かい話はいい。
早く会場へ移動しよう。ご馳走が冷めてしまうからな
星谷かんな: うわあ、めっちゃ美味しそう!!
これ、全部詩帆が作ったの!?
春日詩帆: えっと、全部じゃないよ。
久野さんも手伝ってくれたし
高岡由紀子: これ、お洒落なのは詩帆の料理で、
お餅のが、きららのでしょ
久野きらら: そう!
お祝いごとにお餅は欠かせないから
安住菜々花: これ鏡餅でしょ!?
歓迎会に持ってくるようなもんじゃないから!
久野きらら: 切り餅が入ってるタイプだから便利。
ありがたみは変わらず
瀟美岐: 餅、か…よし、私が焼こう
高岡由紀子: あ、私は茹でてきなこまぶしたのにして
森崎アレシア優: 私は詩帆の作ってくれたサルマーレで十分。
トマトソースが最高に美味しい
春日詩帆: よかった! WEBサイトで勉強したの!
森崎さんが喜んでくれたのが一番嬉しいよ
主人公: ……どうでもいいけど、なんで俺の部屋?
安住菜々花: 女の子の部屋でやったら、プライバシーの侵害じゃん
主人公: そんなのは、俺だって同じだろうが!
生駒彩未: あれあれ~? もしかしてリーダー、
見られたら困るものがあったりするのかな~
主人公: ち、ちがっ――
久野きらら: きららのシックスセンスが、大量の猥褻物を
キャッチしている。リーダーは観念した方がいい
生駒彩未: ほーら、潔くお姉さんに提出しなさい?
主人公: どう考えてもセクハラだろこれ!
ていうか装飾係、全然装飾してなくないか!?
生駒彩未: あ、えっとー……実は~……、
クラッカーで予算全部使い果たしちゃって~♪
主人公: んなわけあるか!
安住菜々花: じゃあ、わたしはこのライブに全てを賭ける!
5万ドルを8に! えーいっ!!
安住菜々花: …3
高岡由紀子: はーい、アイドル菜々花没落~
安住菜々花: うっざ。
次、高岡の番
高岡由紀子: はいはい。えーいっと。
やった、9進める!
高岡由紀子: えっと、なになに?
旧縁のストーカーに再び粘着されて精神を病む……
高岡由紀子: ……何これ笑えない
生駒彩未: 2回休みで1万ドル払う、だよ~。
それじゃ、次はお姉さんの番だね~! えーい!
生駒彩未: 7! ってことは、あがり~!!
お姉さん、億万長者一番のり~!
主人公: ちょっと早すぎだろ!
瀟美岐: おめでとう彩未。それじゃこのクジを引いてくれ。
出たアルファベットの商品をプレゼントしよう
生駒彩未: は~い! どれにしようかな~っと、これ!
えっと~、「D」だって~
高岡由紀子: で? 結局なに?
私とメイと彩未とアレシアが“くまっぴ”グッズで――
星谷かんな: お兄ちゃんときららとかんなが“忠犬にゃんこ”、
詩帆と菜々花が“ダンゴリラ”……
星谷かんな: って!! 全部one-xじゃん!
安住菜々花: そう、可愛いでしょ?
星谷かんな: えー、かんなone-xより
ディザリーの方がよかったなぁ~
安住菜々花: へぇ……“教育”が必要な子がまだいるんだぁ……
星谷かんな: えー! なんでなんで!?
かんな、何も悪くないよ!
高岡由紀子: はぁ、間違いなく担当の選定ミスね。
次からの参考に覚えておかなくちゃ
生駒彩未: はいはーい、宴もたけなわだけどー。
みんな、そろそろ“アレ”の時間だよ~
星谷かんな: えっ、もうそんな時間!?
安住菜々花: 早っ
主人公: ん? アレの時間ってなんだ?
高岡由紀子: すぐにわかるから、楽しみにしてて!
生駒彩未: それじゃ皆さん、準備するよ~。
リーダーは、しばしのお別れで~す♪
主人公: え? 何だ!?
誰だ電気消したの! 真っ暗で何も見えないって!
安住菜々花: 黙って。
はい、これも。ちょっと我慢して
主人公: うわっ、なんだ!? 目隠しって、おい!
高岡由紀子: すっごいドキドキするんだけど!
ちゃんと目隠しした?
安住菜々花: 信用できないわけ?
生駒彩未: でも、自分で外しちゃうかも~
瀟美岐: もしそんなことをしていたなら、消し炭にする!
主人公: (な、何なんだ物騒だな……。一体何を――)
春日詩帆: オッケーです!
星谷かんな: かんなも!
森崎アレシア優: 大丈夫
生駒彩未: 他のみんなも、オーケー?
それじゃリーダー、目隠し取っていいよ~
主人公: あ、ああ……
主人公:!? こ……これは……
生駒彩未: 日ノ杜学園・対異灰殲滅特殊部隊、改めまして~。
チーム名『SOLiD』でーす!
主人公: なっ……みんな、その服――
生駒彩未: さっきは嘘ついちゃってごめんね。実は装飾の費用は
全部、このTシャツのプリント代に使っちゃったの
安住菜々花: リーダー、言ってたでしょ?
わたしたちは、みんなで1つのチームだって
森崎アレシア優: だから、忘れないためにチーム名を付けたの
高岡由紀子: ちなみにSOLiDの意味はね、Seed of life district、
訳すと、『生命圏の種』
星谷かんな: ね? いい名前でしょ?
8人みんなで、毎日集まって考えたんだよ!
久野きらら: ねえ、リーダー。きららも、みんなも、
誰も離れ離れになりたいなんて思ってない
瀟美岐: だから、本日結成となったSOLiDは、残り2週間の間に
コズミックファングを制圧し、奪還する
春日詩帆: リーダーさん。お願いです。
私たちの……『SOLiD』のリーダーになってください!
主人公: ………みんな
生駒彩未: あれあれ~?
もしかしてリーダー、泣いちゃったりしてる~?
主人公: ちっ、ちが………
主人公: ただ……こんなにも嬉しいことが、
あるんだな……って
主人公: 生きてるから、みんなと一緒だから、
あるんだなって……そう思って
瀟美岐: リーダー……
主人公: みんなが望むなら、俺に断る理由はないよ。
今までも、これからも、変わらずやっていく
春日詩帆: ありがとうございます!
主人公: みんなで1つのチームとなって、
それぞれが得意なことでみんなをカバーし合って
主人公: 最強の部隊になる。そして、俺たちが、俺たち自身で、
最高の居場所を作る
主人公: 灰にも、病気にも怯えることがない居場所を。
俺たちは、それを自分で作る力を持ってるから
高岡由紀子: そう。
そのことを、リーダーが教えてくれた
瀟美岐: そうだとも。私たちなら必ずできる。
まずは解散を回避することから始めないとな
安住菜々花: コズミックファングを制圧して、
わたしたちの実力を見せてやろうじゃん
主人公: ああ、もちろん
春日詩帆: リーダーさん
森崎アレシア優: これからも、みんなのリーダーとしてよろしく
主人公: こっちこそ。全然足りないことだらけで、
みんなには苦労かけっぱなしだけど――
主人公: これからも、よろしく

CASE5. 決戦前夜祭 THE END.

C6

+ ...
6_1
【?】: ねえ、リーダー。
二人で子供、作らない?
【?】: わたしと結婚して、
アダムとイヴになろう?
主人公: ……はははっ、何を言い出すのかと思えば
【?】: 真面目だよ
【?】: 知ってる? この世界のこと。
幾何級数的に消滅していってるって
【?】: つい一週間前までは、世界が消えるなんて、
誰も本気で思ってなかったよね?
【?】: でも昨日の段階では、50%が消滅したみたい。
灰が降り始めてからここまでで、およそ2年
【?】: さて問題です。残り半分の世界が消滅するまで、あと――
【?】: 何“時間”でしょうか
主人公: っ!?
【?】: リーダーは、数学、得意?
わたしはあまり得意じゃないかな。でも――
【?】: 数学はわからなくても、
新しいセカイの作り方なら知ってる
【?】: だからわたしは、今ここにいる。
たとえ“この世界にとっての”破滅の神と言われても





主人公: 特殊部隊改めましてSOLiD、
コズミックファング調査に出発致します
司城あやか: よろしく頼む
司城あやか: 任務中、学園周りの異灰については、
広島日の杜に要請を出してある。心配するな
主人公: ……はい。ありがとうございます
司城あやか: 駒川も、よろしく頼む
駒川詩: もちろんですっ!
主人公: あっ、それで、今回なのですが――
主人公: 前回の反省点を踏まえる形で、
浜通りのルートで目的地に向かう予定です
主人公: 道程としては山ルートの3倍ほどになりますが、
中継できる市街地も点在しているため安全かと
司城あやか: そうだな。
駒川はどう思う?
駒川詩: とっても素敵な案だと思います!
もちろん私も賛成で~すっ!
司城あやか: 使える所は極力交通機関を使っていけ。経費で出す。
なるべく体力は温存するように
春日詩帆: はい……っ
安住菜々花: らじゃ
高岡由紀子: 了解
瀟美岐: 承知しました
森崎アレシア優: 可能な限り
星谷かんな: ワクワクするね!
生駒彩未: ふふっ
久野きらら: ……
主人公: 最善を尽くします
司城あやか: 出雲日の杜、初の完全なる遠征だ。
くれぐれも、気を抜かぬよう尽力してほしい
全員:はい!



星谷かんな: はぁ~~~っ!
久し振りにバス乗った~!
瀟美岐: 潮風の香りがするな
安住菜々花: で? ここでもう1回別のバスに乗り換えでしょ?
わたし先行ってるから
安住菜々花: こら~~春日! アレシア!!
そのバスじゃないっつーの!
春日詩帆: えっ!?
主人公: ……それじゃ彩未、かんな。よろしくな
星谷かんな: 任せておいて!
かんなにかかれば、チョロいもんだよ
生駒彩未: お姉さんも、素敵なカフェで時間潰すの大好きだから。
むしろ役得だよね~
星谷かんな: うんうん!
主人公: そう言ってもらえると、少し気が楽になるよ
星谷かんな: お兄ちゃん、いつも気を使いすぎだよ。
かんなのこと、もっと乱暴にしてくれていいんだよ?
生駒彩未: お姉さんには、優しくしてほしいかな~。
でも今回は、頑張っちゃうからね!
主人公: よろしく頼むよ
星谷かんな: らじゃ!
生駒彩未: 了解~
駒川詩: ……
主人公: ……さあ、俺たちも次のバスに乗ろう
駒川詩: ███クン、
良い判断ですね~
主人公: ……何が?
駒川詩: "司令のことを疑っている。
だから、あの二人を司令の監視に戻したんでしょう?
主人公: ……半分は正解だよ
駒川詩: ふふふっ、やっぱり私が見込んだだけのことあります!
一層███クンに惚れちゃいました♪
主人公: そういうのはいいから……
駒川詩: お世辞じゃないですよ? 真面目な話、本当に
司令には気をつけておくに越したことはありません
駒川詩: 私なんかは、もう出雲日の杜に二度と戻れないことに
なっていてもおかしくない……って思ってますし
主人公: ……
駒川詩: でも、ホント嬉しいんです。███クンが、
私が言ったこと覚えてくれていて――
駒川詩: そして、信じてくれていたことが
駒川詩: 立場もありますし、どうしても
言い方が厳しくなっちゃう自覚はあります
駒川詩: ███クンに嫌われるの覚悟で
暴言吐いたことも沢山ありましたし
駒川詩: でも、そうやってきたことが、
いま全部報われた気がしました。ふふっ♪
主人公: 駒川さん――
駒川詩: あっ、早く行かないとバスが出ちゃいますね!
駒川詩: それに、みんなに妬かれるのは本意じゃありませんし♪
早く行きましょう!
主人公: はぁぁぁ………


6_2
瀟美岐: ここの灰地域を越えれば、沿岸部の集落に着くようだ
安住菜々花: あーもう!
バス降りてから何時間歩いてると思ってんの!
森崎アレシア優: ……あつい
高岡由紀子: もう夏だもんねぇ。
灰が降るようになってから冷夏が続いているとはいえ
駒川詩: 安住ちゃん。よければこれ、どうぞ~♪
安住菜々花: あっ、これ、ヒンヤリシートじゃん!
やった、気が利く~!
駒川詩: 皆さんもどうですか?
サッパリしますよ~
瀟美岐: よければ私もいただこう
森崎アレシア優: 1枚お願い
駒川詩: は~い。1枚と言わず、何枚でもどうぞ~
高岡由紀子: ……
駒川詩: 高岡さん♪
どうですか?
高岡由紀子: ……っ!
わ、私は大丈夫……だから……
駒川詩: そうなんですか~?
でもぉ~――
駒川詩: 汗、いっぱいかいてますよ?
……ふふっ
高岡由紀子: ……
久野きらら: は~、は~……
春日詩帆: はぁ、はぁ……
主人公: 頑張って、あと少しで抜けるはずだから
主人公: (美岐たちと、だいぶ間を開けられてるな……)
主人公: ……ん? あれは――
駒川詩: 春日ちゃん、久野さん、大丈夫ですかっ?
春日詩帆: あ、はい、大丈夫ですっ……
久野きらら: ……
駒川詩: 春日ちゃんの荷物、すごく重そうですし~……、
私が半分持ちますね? 久野さんも!
春日詩帆: あっ、だ、大丈夫ですっ!
駒川詩: …!?
駒川詩: 春日ちゃんちょっと止まって?
春日詩帆: えっ?
駒川詩: もしかして、足、痛めてないですか!?
春日詩帆: えっ? ……えっと、まあ、少しだけ違和感ありますけど
でも普通に歩けますから大丈夫です
駒川詩: ダメですよっ! ちゃんと休んで回復しなくちゃ
春日詩帆: で、でも、皆さんに迷惑かけられないし……
駒川詩: 春日ちゃんは唯一の回復担当なんです。
春日ちゃんの身体はチーム全員の身体なんですよ?
主人公: 詩帆! 駒川さん! どうしたの?
春日詩帆: あっ、何でも――
駒川詩: あっ、███クン!
春日ちゃんが足を怪我しちゃって
春日詩帆: えっ!? い、いえそんな、全然――
駒川詩: しっ! 春日ちゃん、こういう時は
思いっきり甘えた方がいいんですよ?
春日詩帆: えっ、で、でも……
駒川詩: 春日ちゃんは真面目過ぎるんですよ~。
だから、安住ちゃんたちに出し抜かれちゃうんです
春日詩帆: えっ――
駒川詩: まあまあ、ここは詩ちゃんにお任せあれ~♪
春日ちゃんは、甘える訓練もしなくちゃですよっ!
主人公: 詩帆、大丈夫か?
春日詩帆: あっ、えっと、本当に……その、大丈夫なんで……
駒川詩: そんなこと言って、
歩けないくらい痛がってたじゃないですか~
春日詩帆: ええっ!? わたしそんな――
主人公: 詩帆、無理しないで。痛いときはそう言えばいい。
詩帆はいつも頑張りすぎなんだよな
駒川詩: あっ、やっぱり███クンもそう思いますよねっ!
駒川詩: それじゃ私、春日ちゃんの荷物持ちますから、
███クンは春日ちゃんが良くなるまで――
駒川詩: あっ、あそこのバス停の待合所とかで、
休んだ方がいいと思います♪
主人公: わかった、そうしよう。美岐に連絡する
駒川詩: あっ、私が合流したときに伝えますよ?
主人公: いや、いい。自分で伝える
駒川詩: ……
主人公: ああ、美岐か。見えてると思うけど、
詩帆がちょっと足を――
瀟美岐: ――ああ、わかった。
では、良くなったら連絡をくれ
安住菜々花: はぁ~。春日、上手くやってんじゃん
森崎アレシア優: 詩帆は貴方と違って、
えげつない策を講じる子じゃない
安住菜々花: わたしをゴミみたいに言うの止めてくれる?
駒川詩: はぁ~~~、お待たせしました~~っ
瀟美岐: すまないな、詩帆の分の荷物まで持ってもらって。
私が持とう
駒川詩: ありがとうございます~♪
はぁ、重かった~~
瀟美岐: なんか、すまないな。
うちのメンバーの荷物を持たせてしまって
駒川詩: いえいえ~! 全然大丈夫ですっ!
でも春日ちゃんには、ちょっとびっくりしましたよ
駒川詩: 全然普通に歩けてるのに、
急に私に荷物全部持たせるんだもん
安住菜々花: はぁ? どういうこと?
駒川詩: なんかですね~、私が春日ちゃんに、
“足大丈夫?”って聞いたんです
駒川詩: そしたらそのときは、“全然平気です”って言ってて
駒川詩: なのに███クンが来たら急に、
“痛くて歩けない”って言い始めて
安住菜々花: ちょっと、なにそれ
駒川詩: 別に私、荷物くらいいくらでも持ちますけど、
なんていうか、ちょっと腑に落ちなくて……
瀟美岐: それは事実を確認する必要があるかもしれないな
安住菜々花: ほら、アレシア。……わたしが言ったとおりでしょ
森崎アレシア優: ………まだわからないわ
久野きらら: あ………っ……
駒川詩: はいっ、どうしたんですか? 久野さん?
久野きらら: あっ、えっと………なんでもない……
高岡由紀子: ……
瀟美岐: …っ!! みんな、来るぞ!
高岡由紀子: 異灰!?
瀟美岐: ああ
瀟美岐: クソッ、このタイミングでリーダーがいないとはな
安住菜々花: こんなザコ、わたしたちだけでやれるって!
森崎アレシア優: 同感。さっさと倒しましょう

6_3
瀟美岐: はあぁぁっ!!
瀟美岐: 他は!?
全員、確認!
安住菜々花: こっちは殲滅!
森崎アレシア優: こっちも終了
高岡由紀子: 広範囲の確認、異常なし!
駒川詩: ミッションコンプリート! ですねっ♪
瀟美岐: さあ、先を急ごう
高岡由紀子: あっ、メイ!
安住菜々花: あ、ちょっと!
そんなに急がなくても!!
森崎アレシア優: 美岐、すっごい不機嫌に見える
安住菜々花: え、なんで?
わたしらの戦い方に、なんか文句でもあんの?
高岡由紀子: ……
久野きらら: あ、あの、なーな……
駒川詩: さあ、もうここまで来れば、あと少しで海岸ですよっ!
頑張りましょう!
久野きらら: あっ……
久野きらら: ……あぁ
高岡由紀子: ……ねえ、きらら――
久野きらら: ……?
高岡由紀子: もしかして、駒川さんのことで、
何か言おうとしていた?
久野きらら: ……そう。
あの人はとても危険。由紀子も気をつけて
高岡由紀子: きらら……
高岡由紀子: ……大丈夫。私はわかってるから
久野きらら: えっ?
瀟美岐: (まったく、詩帆は……)
瀟美岐: (リーダーもリーダーだ。
そんな嘘ぐらいすぐに見抜けるだろうに!)
駒川詩: 瀟ちゃん♪
さっきはお疲れさまでした~!
瀟美岐: ……駒川……さん、か
駒川詩: もー、詩ちゃんでいいですってば。それか、詩。
私たち、タメなんですから♪
瀟美岐: あ、ああ。
それじゃ、詩と呼ばせてもらおう
駒川詩: ふふふ~
駒川詩: ところで、さっきの戦闘での立ち回り、
すごくてビックリしました!
瀟美岐: ……世辞はいい
駒川詩: お世辞じゃありませんよ!
正直かなりビックリしてるんですよ
駒川詩: だって司令からは███クン以外、
全員無能だって聞いてましたから
瀟美岐: なっ……!?
瀟美岐: ……そうか。まあ、仕方ないことだ
駒川詩: 全然仕方なくありませんよ?
それに、私もごめんなさい……
瀟美岐: 何故謝る?
駒川詩: そんな情報を信じてたから、瀟ちゃんやみんなのこと、
ずっとダメな子たちだって思ってて
駒川詩: だからさっきの戦闘を見せてもらって、
私が間違っていたんだ……って思ったんです
駒川詩: 今日は一緒に着いてきてよかった。
瀟ちゃんたちの、本当の実力を見ることができたから♪
瀟美岐: ……そう言ってもらえると、私も嬉しい
駒川詩: それにしても……、瀟ちゃん十分リーダー出来てるのに、司令は
何故███クンにすげ替えたんでしょうね?
瀟美岐: それは……そうだな……
瀟美岐: 私が本当に、リーダーとしてやれているのだとするなら、それは全部、
███……リーダーのお陰だからだ
瀟美岐: リーダーが、私に教えてくれたんだ。
リーダーシップとは何たるかを、な
駒川詩: なるほど……そういう事があったんですね。
でも、そう考えると――
駒川詩: 今回の███クンは、
ちょっと残念でしたね……
駒川詩: 春日ちゃん可愛いから、
断れなかったんでしょうか♪
瀟美岐: ……仕方のないヤツだ
駒川詩: ……
駒川詩: あの~、もし違ったらゴメンナサイなんですけどぉ~
瀟美岐: ん?
駒川詩: 瀟ちゃんって、███クンのこと、
スキだったりしちゃってます~?
瀟美岐: ぶっ!!
そ、そんなわけないだろう!!
瀟美岐: 私はまだアイツを
リーダーとしてすら認めていないのだぞ!
駒川詩: あはは、そりゃそうですよね。だって瀟ちゃん、
こんな有能だし、今までずっと頑張って来たのに――
駒川詩: 上層部の派閥争いのせいで、███クンに
リーダーの座を奪われちゃったんですもん
瀟美岐: なっ、何だそれは!?
駒川詩: あっ! ご、ごめんなさい。
知らないなら、今のは忘れて下さいっ!
駒川詩: でも、それは置いておいたとしても、瀟ちゃんの心の
モヤモヤは、剣に迷いが出る原因になっちゃいます
瀟美岐: ……
駒川詩: だから、一度全部ぶつけちゃった方がいいと思います。
好意も、敵意も、全部そのままに
瀟美岐: いや……だがしかし――
駒川詩: 嫌われるのが怖い……ですか?
瀟美岐: まっ……まさか……
駒川詩: 瀟ちゃんの心が吹っ切れることは、
みんなにとっても大事なことだと思います
駒川詩: だって、瀟ちゃんはこのチームSOLiDの中で
一番強くて責任感もあって……頼りになるんですから
瀟美岐: ……
駒川詩: それじゃあ、こうしましょう♪
駒川詩: この詩ちゃんが、███クンと瀟ちゃんの関係を
お手伝いをしちゃいますっ♪ ですから――
駒川詩: 早くそのモヤッとしたものを吐き出して、
最強で完璧な瀟ちゃんになってくださいね♪

6_4
主人公: 詩帆、大丈夫? 足の痛み悪化してない?
春日詩帆: 全然平気です。
ほとんど何とも無いですから……
春日詩帆: 本当にすみません
主人公: いや、気にしないで。詩帆にはこれから
頑張ってもらわなくちゃいけないからね
春日詩帆: は、はい
主人公: (とはいえ、早くみんなに追いつかないとな。
何事も無ければいいけど……)
春日詩帆: どうかしたんですか?
主人公: かんなからだ
主人公: ……
主人公: ……学園に、結構な数の軍用車両が来てるらしい。
どこの所属かは、今のところ謎だって
春日詩帆: ええっ……どうして、そんな……
主人公: わからない。でも、このタイミング……
偶然とは思えないな
春日詩帆: それって……わたしたちと関係が……
主人公: どうだろう。まあ、かんなには動画を撮るよう
言ってあるから、後で見れば何か分かるかも
主人公: いずれにせよ、俺たちはこのまま進もう。
急に方針を変えると、相手が警戒するかもしれない
春日詩帆: ……はい
主人公: ……
主人公: 詩帆……
春日詩帆: ……
主人公: ……大丈夫
春日詩帆: ……はい
主人公: (とはいえ、これはどういう動きだ……。
司令の作戦か? それとも……)
駒川詩: お世辞じゃないですよ? 真面目な話、本当に
司令には気をつけておくに越したことはありません
主人公: (果たして、白か黒か……)
主人公: なんだ、今度は美岐か
主人公: ……
主人公: ……夜?
春日詩帆: どうかしたんですか?
主人公: ん? あ、ああ、いや何でもない。
みんな浜通りのカフェにいるってさ
安住菜々花: はぁ~、海の香りがする~!
高岡由紀子: こんな所にまだ、生きている街があったんだ……
瀟美岐: やっと安心できる場所まで来れたか……
駒川詩: 皆さん、お腹空きませんか?
折角ですし、そこのカフェでご飯にしましょう♪
久野きらら: はぁ、きららはもう疲れた……。
ここらで充電しないと、もうムリ……
安住菜々花: わたしもー。
カフェで休むの賛成ー!
高岡由紀子: ……えっ、でも私たち今任務中だし、
カフェとかでマッタリするのは……
安住菜々花: はぁ? そこ気にするとこ!?
駒川詩: ███クンたちを待たなくちゃいけませんし、
それなら栄養取って万全の体制にするのも大事ですっ!
安住菜々花: そうそう。それに、もうそろそろ夕方じゃん。
まさか夜通し灰地域を歩く気?
駒川詩: ほんと、安住ちゃんの言う通りですよっ!
ねえ、瀟ちゃん♪
瀟美岐: あ、ああ……そうだな。
リーダーには私から連絡をしておこう
高岡由紀子: (……メイ?)
安住菜々花: へぇ、なかなかいいカフェじゃん
森崎アレシア優: 学校の周りよりお洒落な気がする
駒川詩: というわけで皆さん、好きなものを頼んでください!
ここは全部、詩ちゃんのおごりですから!
安住菜々花: マ?
久野きらら: なーな、気をつけて。
きっと裏がある
駒川詩: ちょ、ちょっと待ってください!
裏なんてありませんよぅ、ホントに
高岡由紀子: ……
久野きらら: ………
駒川詩: わかりました、わかりましたっ!
全部正直に白状しますっ!
駒川詩: ごめんなさいっ!
これは私からの、せめてものお詫びなんですっ!
高岡由紀子: お詫び……?
駒川詩: はい
駒川詩: もしかしたら、███クンから
色々聞いてるかもしれませんけど――
駒川詩: 私は皆さんを一掃するために
中央から派遣されてきました
安住菜々花: そこまでハッキリとは聞いてなかったけど、
正直、あまりいい印象は無かった
森崎アレシア優: ……
駒川詩: 中央組織の人たちは、皆さんが弱くて
役立たずだと思ってるんです
駒川詩: だから私も、この世界を救うためには、もっと強い
精鋭たちを連れてこなくちゃいけないって思っていて――
駒川詩: 組織を塗り替える気マンマンだったんです
駒川詩: ただそれは、皆さんに苦労をかけたくないからっていう
気持ちもあってのことだったんですけど……
駒川詩: でも、今日の皆さんの戦い振りを見て、
それは全然間違いだったんだって思いました
駒川詩: そして、そのせいで
皆さんに混乱を招いたことも確かで
駒川詩: ですからそのお詫びと、これから仲間として仲良くやって
いきましょうっていう、私の気持ちなんです
森崎アレシア優: 随分正直なのね
高岡由紀子: 本心かどうかわからないよ。ねえ、メイ
瀟美岐: ……ん? ああ……
高岡由紀子: ………?
安住菜々花: まあ、どんな理由でもディナーを
タダで食べられるなら大歓迎。ねえ、きらら?
久野きらら: え?
お、おう……
主人公: すまない、みんな。遅くなった
春日詩帆: ごめんなさい、わたしのせいで
安住菜々花: ……
瀟美岐: ……
主人公: あ、あれ? みんなどうした?
森崎アレシア優: 詩帆、普通に歩けてる?
春日詩帆: うん。もう全然大丈夫だよ。
心配かけちゃってごめんなさい
森崎アレシア優: ……そう
春日詩帆: ?
駒川詩: それじゃ、全員揃ったことですし、
早速ディナーにしましょうか~♪
春日詩帆: あっ、それじゃわたし、お水持ってきますね
安住菜々花: いや、いいから。あんた足痛いんでしょ?
リーダーと二人で食べたら?
春日詩帆: え……?
安住菜々花: きらら、アレシア、行こ
駒川詩: ああっ、私のこと無視しないで、
入れて下さ~いっ♪
森崎アレシア優: 後でちょっと聞きたい事がある。また後で
春日詩帆: ……
主人公: (なんだこれは……?
一体どうなってるんだ……)
春日詩帆: ちょ、ちょっと安住さんっ! 森崎さんっ!
高岡由紀子: メイ、ちょっと相談したいことがあるんだけど……。
別のところで二人になれる?
瀟美岐: ……すまない。これから野暮用がある。
それが終わってからでもいいか?
高岡由紀子: えっ!?
高岡由紀子: あっ、うん。いいよ、それで

6_5
駒川詩: いや、本当のこと言うとですよ?
本部の人たちって、本当に横暴で!
駒川詩: 私がコッチに来させられたのだって、
言われてから2日後とかですよ? 2日後!!
安住菜々花: マジで? やっば。 
駒川詩: しかも適当な情報だけ持たされて、
皆さんを始末して来いって!……って、ごめんなさい!
森崎アレシア優: 気にしないで。
その状況なら、私だって同じ事をする
駒川詩: 今となっては反省してます…っ……
駒川詩: さっきだって、本部にクレーム入れておきました!
もう適当な情報で指図するなって! ほら見てください!
安住菜々花: うわ、辛辣ー!
駒川詩: こういう罠にはめるようなヤツって大嫌いなんですよ。
失敗したら足切りしようとしてたくせに
久野きらら: ……
久野きらら: 駒川さん
駒川詩: はい♪
久野きらら: 本部ではリフレクターとして、
どんな仕事をしていたのだ?
駒川詩: えっ? えっと、それはですね~――
久野きらら: 人の心を奪って、廃人にする仕事か?
駒川詩: ええっ? なんですかそれ、怖いですっ……
安住菜々花: ちょっときらら、何のつもり?
久野きらら: きららではない。とある神からのご神託だ。
駒川さんが昔、魂を食べていたと、神は仰っている
森崎アレシア優: ……
駒川詩: ……そ……んなこと……
安住菜々花: きららさぁ!
ご神託って言えば何でも許されるって思ってない!?
久野きらら: い、いや、そんな……!
駒川詩: いえ、いいんです! 私だって皆さんを
否定的に見ていたわけですから、おあいこですよ……
安住菜々花: けど、駒川だってこうして洗いざらい全部
話してくれてるんだし、もういいじゃん!
久野きらら: あ、いや……それは………
森崎アレシア優: ……
安住菜々花: ………
久野きらら: ……き、きららはちょっと、ご祈祷の時間になるから
準備のために席を外すことにする……
春日詩帆: はぁ~、もうすっかり夕方になっちゃいましたね
主人公: そうだね。
ここにまだ生きてる街があってよかった
春日詩帆: ……ここからまだ、遠いんですか?
コズミックファングの場所まで
主人公: いや、距離にすればもうすぐそこだ。
ただ、初めての場所だから慎重に行動しないと
春日詩帆: そうですね……
主人公: (そろそろ夜になるな……。
なりゆきで浜に来てしまったが、まずいな)
【美岐】:『夜、浜辺に来て欲しい。
リーダーと二人きりで話したいことがある』
主人公: (詩帆がいると、話がややこしくなりそうだ……)
主人公: 詩帆、いいの?
さっきの菜々花やアレシアのこと……
春日詩帆: ……いいんです。
少し時間を置くことも大事だと思いますし
主人公: そうか……
春日詩帆: ……
春日詩帆: 多分……安住さん、ちょっと拗ねてるんだと思います。
わたしとリーダーさんがずっと二人でいたから
主人公: え?
春日詩帆: 森崎さんはわかりませんけど、
やっぱりちょっと態度がよそよそしい感じでしたし
主人公: そ、そうなんだ……
主人公: (まずいな、このままだと
美岐と完全に鉢合わせだ……)
春日詩帆: ……あの!
春日詩帆: リーダーさんは、どう……思ってますか?
わたしや、安住さんとか……森崎さんのこと……
主人公: えっ……? ど、どうって……
春日詩帆: ……そうですよね
春日詩帆: もちろん、それが一番いい答えだって思います。
けど、やっぱりちょっとだけ複雑な気持ちかも
春日詩帆: ありがとう……ございます
春日詩帆: 嬉しいけど……ちょっとだけ複雑な気持ちかも
主人公: えっ?
春日詩帆: わたし、一番最後に入ってきたから、
昔のことはわからないです。ただ――
春日詩帆: みんなの話を聞いていると、前はもっとまとまりが無くて
リーダーさんが入ってからまとまり始めたって感じで
春日詩帆: 今では、SOLiDなんて素敵なチーム名までついて、
今までで一番チームになってるっていうのは分かります
春日詩帆: けど、このままでいたら――
春日詩帆: もしかしたらまた、みんなバラバラになっちゃうかも……
って、ちょっと思いました
主人公: ……何か、あったのか?
春日詩帆: それは、言えません。
女の子の友情についてのお話だから
春日詩帆: ……ううん、それも違うかも。
これはわたしだけの問題かもしれない
主人公: ……?
春日詩帆: と、とにかくっ!
春日詩帆: わたしはずっと、みんなとも仲良しでいたいし、
リーダーさんともずっと一緒にいたいんです
主人公: 詩帆……
春日詩帆: ご、ごめんなさい。急に変な話を始めちゃって
春日詩帆: わ、わたし、リーダーさんが誰を選んでも、
わたしはリーダーさんのことをすっ……
春日詩帆: すっ……
春日詩帆: ……っ尊敬してますから! ずっと!
主人公: あ――
春日詩帆: やっぱり安住さんたちのところに戻ります!
ちゃんとお話しなくちゃ。それじゃ、また後で!
主人公: (な、なんなんだ、一体……)
瀟美岐: ……リーダー
主人公: ああ、美――
主人公: なっ!?

6_6
高岡由紀子: ……
高岡由紀子: (メイの野暮用って何だろ……。
なんか今日のメイ、ちょっとヘンな気がする)
安住菜々花: 高岡ー!
安住菜々花: 聞いた?
今日はここで一泊だって
森崎アレシア優: 上にホテルがあって、
学校経費で泊まっていいとのこと
高岡由紀子: あ、そうなんだ
安住菜々花: 温泉大浴場あるらしいし、高岡も一緒に行こー
高岡由紀子: あっ、えっと、そうだね
高岡由紀子: でも、その前にちょっとメイと話したいことがあるから、
メイ誘って後で合流するね
安住菜々花: ああ、ちょっと!
高岡由紀子: (やっぱりちょっと気になるんだよね。
いつもと雰囲気違った……メイ)
高岡由紀子: ここにも……いないか……――
高岡由紀子: ――っ! いた!
高岡由紀子: ちょっ、メイ……と、リーダー!?
一体何を――
瀟美岐: ……リーダー
主人公: ちょ、美岐……なんでその格好!?
瀟美岐: リーダー助けてくれ
瀟美岐: ずっと一人で悶々としていた
瀟美岐: リーダーは……私のことを、どう……思っているのだ?
主人公: (なんだこの状況は!?
俺は、脅されているのか……!?)
瀟美岐: 私は……私にはわからないんだ……。
リーダーのことが憎いのか、それとも――
主人公: (……憎い? なんで!?)
瀟美岐: それとも……こっ……
好意をっ……寄せているのか…っ
主人公: (なっ……)
瀟美岐: ……
主人公: ……
瀟美岐: リーダー……頼む、教えてくれ。
私の……本当の気持ちが何なのかを……っ!
主人公: (いや、まてまてまて! これはおかしい!)
安住菜々花: き、きらら! やめて……っ!!
久野きらら: なーな、一緒に行こう。
このセカイを二人で作り直そう
久野きらら: なーなときららが
ずっと幸せに過ごせるセカイにしよう
安住菜々花: きらら! しっかりして!
主人公: (まさか駒川さん……っ!?)
主人公: 美岐!! ちょっと待て! 落ち着いて!
瀟美岐: 見ればわかるだろう……?
私は十分落ち着いている
主人公: (ダメだ、こうなったらもう――)
瀟美岐: リーダー……私と……一つになろう……
主人公: (ダイブしてみるしかない!!)
高岡由紀子: う、うそ……メイ……
高岡由紀子: (野暮用って、リーダーと……何を……!?
なんで、イローデッドの姿になってるの!?)
高岡由紀子: (リーダーを殺そうとしてる……?
……ようにはみえない。むしろあれは――っ)
高岡由紀子: (で、でも、何もこんな大変な時に……!)
高岡由紀子: ……
高岡由紀子: ……そっか、大変だって思ってるの、私だけか
高岡由紀子: いや、私ときららだけ
高岡由紀子: (……きららと二人で何とか頑張ろう)
久野きらら: ……そう。
あの人はとても危険。由紀子も気をつけて

6_7
瀟美岐: リーダー……私と……一つになろう……
主人公: (ダイブしてみるしかない!!)
主人公: 頼む、美岐……受け入れてくれ……!!
主人公: 入った――
主人公: って、これは……あの時のきららと同じだ!
瀟美岐: リーダー
主人公: 美岐! 大丈夫か!?
瀟美岐: ……大丈夫なわけがあるか
瀟美岐: リーダーがここに来てから、
私の心はずっと、不安定なままだ
主人公: ……それはやっぱり、俺がいきなり来て、美岐から
リーダーとしての役割を奪う形になったからか?
瀟美岐: 確かにそれはきっかけだ。
けれども、それだけだったら、どうということはない
瀟美岐: どんな手段を用いてでも、
リーダーからその役割を奪い戻すだけだからな
主人公: なら、今からでも遅くないよ。この任務から戻ったら、
美岐をリーダーに戻すよう、司令に言いに行く
主人公: 当時はわからないけど、
今の美岐ならちゃんとやれる。だから――
瀟美岐: そういうところだ!! リーダー!
主人公: え……?
瀟美岐: どうしてリーダーはそうなんだ!
どうして私の父と同じではないんだ!!
主人公: 父…って、お父さん?
美岐のお父さんが一体なにを……!?
瀟美岐: アイツは口ばかりだ。それだけじゃない、その口で
私や母が積み上げてきた全てを奪っていく
瀟美岐: 外面が良くて、周りからは有能だと思われていて
瀟美岐: だがフタを開けてみれば、私たちがやって来た頑張りを
全部自分の手柄として喧伝しているだけだ
瀟美岐: しかも、汚名を着せられれば全て母のせいにして……!
だから、だから母は……っ……
主人公: ……そんなことがあったのか
瀟美岐: だから、上に立とうとする者は信用しない。
リーダーだって同じだと思ってやってきた
瀟美岐: 私からリーダーの座を奪い、私たちに色々やらせて
全部自分の手柄として司令に報告するのだろうと
瀟美岐: させまいと、リーダーの言うことは全て無視してきた。
少しでも尻尾を見せたら、すぐに掴んでやろうと……
瀟美岐: けれども、いつまで経っても、一向に尻尾を出さない。
一体いつ! いつ尻尾を見せるのだお前は!!
主人公: 俺に尻尾なんて無い!!
主人公: 俺にあるのは……美岐や、みんなが少しでも楽しい
毎日を過ごせるようにって……そんな想いだけだ
瀟美岐: ……
瀟美岐: ああ、そうとも。わかっている。
だから、こんなに切ない気持ちになってしまうのだ
瀟美岐: どうしてくれる、リーダー。
最近私の頭には、お前が棲み着いている
瀟美岐: 全く集中ができない。
何をするにもお前のことばかり気になるのだ
主人公: 美岐……!?
瀟美岐: リーダー、憎い……憎い!
瀟美岐: 私の立場を奪い、貶めた者が、
真の実力を持つ誠実な者なんて、許せない!
瀟美岐: それでは私は、この屈辱的な状況に、
どう決着を付ければいいのだ!?
瀟美岐: もうたくさんだ!
私の前からいなくなってくれ!!
瀟美岐: ……けど、やっぱりダメだ。行かないでくれ。
私は……リーダーのことが好きなんだ!
瀟美岐: リーダーのことを考えているだけで幸せなんだ。
いなくなったら、どうなるかわからない
瀟美岐: もう……どうしたらいいか、わからない
主人公: ……
主人公: だから、駒川さんにお願いしたの?
瀟美岐: ……
瀟美岐: 思い切って、本人に聞いてみるのがいい、と。
私が力を貸すと言ってくれた
瀟美岐: 少しばかりの勇気をくれると……
主人公: クイーン……。
やはりそうか。きららの時と同じ……
主人公: 美岐、頼む。俺に力を貸してくれ。
そのクイーンを、美岐の心から追い出す!
瀟美岐: だめだ! まだ私の迷いは解消していない!
私は迷いを絶ちきって、強さを得るのだ!
主人公: 美岐……
瀟美岐: ……
主人公: ……
主人公: おい! 駒川さん!!
いや、駒川詩!! いるんだろ、出てこい!
主人公: 美岐に何をした!! おい!!
主人公: ……
主人公: ……そうか、わかった。
出てこないなら、全部ここで終わりにする
主人公: 今回の任務も中止するし、お前に忖度するのもお終い。
今後は完全な敵対勢力とみなして対応する
駒川詩: はぁ~♪
駒川詩: 私に猛烈な怒りと憎しみを抱く███クン、
最高ですっ♪ 好きになっちゃいそう……♥
主人公: ……ここは
駒川詩: 私と███クン、二人っきりのスウィートルーム。
今なら、私にナニしてくれてもいいですよっ?
主人公: ふざけるな!
主人公: 美岐に何かしただろ!
あと、前にきららにも同じ事をしたよな!
駒川詩: はいっ! 人生をもっとエンジョイできるように、
背中を押してあげたんですよっ♪
主人公: ……本当の目的は何なんだよ。
頼むから本当にもう、俺たちに関わらないでくれ
駒川詩: そんな、私は本当に、皆さんの力になりたくて!
駒川詩: ███クンは知らないでしょうけど、
こう見えて私、昔はフラグメントのお掃除屋をやってたんですからね?
主人公: ……お掃除屋?
駒川詩: そうですっ!
誰の心にも燻ってる、臭くてドロッとしたカス――
駒川詩: 自分が嫌いな気持ち、罪悪感、憎しみ、トラウマ。
そういったものを、お掃除してあげる仕事です
主人公: (……何だそのお掃除屋って……?
嫌な予感しかしないな……)
駒川詩: 実はその頃、由紀姫……じゃなくてぇ~、
高岡さんの心も、お掃除する予定があったんですよ~
主人公: なんだって!?
駒川詩: まあ、そのお掃除のお仕事は、もう出来ないんですけど。
でもその時の経験を活かして、今も大活躍中っていうか!
駒川詩: あと私、一度目を付けた獲物は、死ぬまで追い続ける
性分なんですよね~。だ・か・ら……っ
主人公: ……っ!?
駒川詩: なーんちゃって♪ ビックリしましたかっ?
冗談ですよ、冗談♪
駒川詩: それに私、今回の遠征で、もうだいぶ
SOLiDの皆さんと仲良しになれてるんですよ~?
駒川詩: その関係をぉ、壊したくないしぃ~♪
主人公: (しまった……。見ていないところで
みんなが懐柔されてるかもしれないな……)
駒川詩: ああっ、思い出しましたっ! 
ゴメンナサイ! 私もう戻らなくちゃ!
主人公: は!?
駒川詩: 今、安住ちゃんやアレシアちゃんたちと、
お話してるんです~。あまり待たせたくないので!
主人公: ちょっと待て! 話はまだ――
主人公: お、おい。ちょっと待て!
ここはどこなんだよ。どうやって戻れば……!?

6_8
駒川詩: ……
安住菜々花: おーい、おーーい!
森崎アレシア優: ……ダメ。戻ってこない
駒川詩: …えっ?
安住菜々花: あ、生き返った
駒川詩: ご、ごめんなさいっ!
ちょっと考え事してて、ボーッとしちゃって!
安住菜々花: もー、ビックリした。
遠征で疲れてんじゃないの?
駒川詩: ふふっ、そうかもしれません
安住菜々花: 瀟もずっとボーッとしてるし、高岡は辛気くさいし、
きららはヘンだし、春日もリーダーに抜け駆けするし
安住菜々花: みんなどうかしてる
駒川詩: ストレスがかかると地が出るっていいますし。
きっと遠征で疲れてるんですよ、みんな
森崎アレシア優: ……そうね
安住菜々花: あれ、高岡じゃん。珍しい。
えーと……“きららを知らない?”
安住菜々花: 『ゆうしょくのあとに、ごきとうのじゅんびとかいって
どこかへいったけど?』……と
駒川詩: それじゃ、私はそろそろ自分の部屋にこもりますね~。
やっぱり、結構疲れちゃってるみたいですし♪
安住菜々花: うん、また明日ー
森崎アレシア優: それじゃ
安住菜々花: なんかさー、駒川
安住菜々花: リーダーが警戒するから、どんだけヤバイヤツなんだって
思ったけど、全然普通じゃん?
森崎アレシア優: ……
安住菜々花: ……そんじゃ、わたしたちもそろそろ部屋に戻る?
森崎アレシア優: そうね……。別に貴方と話すようなこともないし
春日詩帆: 安住さん、森崎さん!
春日詩帆: はぁ、はぁ……
森崎アレシア優: 詩帆
春日詩帆: ちゃんと言ってください!
わたし、何かダメな事しましたか!?
安住菜々花: はぁ……。ダメって言うかさぁ――
春日詩帆: はい
安住菜々花: ……やっぱいい。おやすみ
森崎アレシア優: また明日
春日詩帆: え――
高岡由紀子: ……
高岡由紀子: (菜々花も知らないってこと?
どこに行っちゃったんだろ……)
高岡由紀子: やっぱり戻って、メイに相談を――
高岡由紀子: ……
高岡由紀子: (いつからなんだろう、リーダーと……。
今日が初めてなんてことは……)
高岡由紀子: ははっ、さすがリーダーは慣れっこみたいだね。
一体どれだけの女の子に手を出してきたんだか
瀟美岐: ユキ、不潔な発言は慎んでくれ…。
さあ、早く追いかけるぞ
高岡由紀子: もうっ……なにが“不潔な発言は慎んでくれ”よ。
どっちが不潔なんだか!
高岡由紀子: (あと、頼りになりそうなのは……)
星谷かんな: 由紀子、さっき危なかったね!
油断してちゃだめだよー?
高岡由紀子: え? 危なかったって、何が?
星谷かんな: え? あれ? 別に危なくなかった?
うーん、おかしいなぁ……
高岡由紀子: かんなだ……!
高岡由紀子: …って、そういえばかんなは、
リーダーの指示で別働隊だったっけ……
高岡由紀子: はぁ、もう、なんでこんな時にっ!
状況伝えて、意見だけでももらおう……――
高岡由紀子: 『いまわたしたちは、はまべのカフェとホテルに
いるんだけど、こまがわさんが、こわくて――』
高岡由紀子: ……
高岡由紀子: (既読もつかない。忙しいのかな……)
高岡由紀子: …………
高岡由紀子: (……もしかしてリーダーも、わかっていて
かんなたちを分けたりしてないよね……?)
高岡由紀子: ッ!?
高岡由紀子: もしもし? きらら!?
久野きらら: ご神託が降りてきた。
リーダーが危険!
高岡由紀子: えっ!? どういうこと?
何があったの!?
久野きらら: このままだと、リーダーが
クイーンに喰われて死ぬらしい
高岡由紀子: (リーダー……!!)
久野きらら: 由紀子は、リーダーが今どこにいるか知ってる?
高岡由紀子: 浜だ……
久野きらら: 浜? それっ――
主人公: はぁ、参ったな。
どうやったらここから抜け出せるんだ
主人公: ……
主人公: くそっ、美岐を早く助けないと……
主人公: それにしても、最初の頃から随分と当たりが強いと
思ってたけど、あんな過去があったんだな……
主人公: 裏切られ、奪われ続けてきた……のか
主人公: ……
司城来夢: 考え中のところ申し訳ないけど、
このままだと貴方、死ぬわよ?
主人公: !?
主人公: あの時の……っ!
司城来夢: 貴方とはまた逢える気がする。そう遠くない日に
司城来夢: 話はあと。本当にもう時間が無いの。
あと僅かな時間で、貴方はクイーンに取り込まれる
主人公: なんだって!? 一体どうすれば……
司城来夢: 大丈夫。貴方の仲間の一人に、
コモンの声を聞ける子がいるわ
司城来夢: その子に、貴方のことを伝えておいたから。
運が良ければ、助けに来てもらえるはず
主人公: 運が……って!!
主人公: ちょ、ちょっと!

6_9
高岡由紀子: (……っ、急がなくちゃ!)
高岡由紀子: (もしかすると、あれはメイじゃなくて
メイに変装した異灰だった…!?)
高岡由紀子: (もしそうなら、私は何てバカなんだ。
リーダーも、メイも、信じてあげられなかった)
高岡由紀子: (それに、もしそうなら、私の能力は……
エーテルシーカーは……)
高岡由紀子: (本気でザコすぎて、
全然使い物にならない!)
高岡由紀子: (……クソッ。もっと力が欲しい。
こんなザコみたいな力じゃなくて――)
高岡由紀子: みんなのことを守れる力が欲しいっ!!
高岡由紀子: あっ!!
高岡由紀子: 痛ったぁ……っ……
高岡由紀子: 膝……痛い…… でも、行かなくちゃ……
高岡由紀子: えっ、ちょっと、何これまっ赤……
高岡由紀子: 目から出血した? いや、そんなことでは……
高岡由紀子: ……
高岡由紀子: そんなことよりっ……行かなくちゃ。
リーダーがっ……!
高岡由紀子: リーダーっ!!
高岡由紀子: はぁ、はぁ……
高岡由紀子: まだいたっ……!
瀟美岐: リーダー、今こそ一つになろう
瀟美岐: これで全て……憂いは消え去り、
私は完全な力を手に入れる
瀟美岐: (リーダー……)
高岡由紀子: 待ちなさい! そこのクイーン!!
瀟美岐: ……
高岡由紀子: まさか、メイに化けて入り込んでいたなんて。
それ以上リーダーに危害を加えたら許さない!
高岡由紀子: あと、本物のメイはどこにやったの!?
瀟美岐: ……
高岡由紀子: ………
高岡由紀子: (どうしよう。許さない、なんて言っちゃったけど、
私一人でクイーンと戦うなんて、とても……)
高岡由紀子: (……!! そうだ、リーダー!
リーダーはまだ生きてるよね!?)
高岡由紀子: (エーテルを見れば――)
高岡由紀子: (相変わらずまっ赤。やっぱり私、おかしくなった?)
高岡由紀子: (よかった、リーダーは生きて――)
高岡由紀子: (えっ!? なんで!?
クイーンに青が混ざってる!)
高岡由紀子: (異灰は赤だけのはずなのに……。
どういうこと? こんなの初めて)
久野きらら: 由紀子ー!
高岡由紀子: きらら!?
久野きらら: はぁ、はぁ……
久野きらら: 助けに来た!
みんなにも連絡入れておいた!
高岡由紀子: ありがとう、きらら。
お願い、みんな早く来て……っ!
久野きらら: けど、みんなを待ってる時間はない。
少なくともリーダーだけは目覚めさせないといけない
高岡由紀子: ……わかった。私がクイーンの気を逸らすから、
きらら、リーダーをお願いできる?
久野きらら: オーケー。
そのために、最上級の御神酒を持ってきた
高岡由紀子: ありがとう!
久野きらら: では出撃する。ぐっどらっく!
高岡由紀子: (きららがいてくれて本当によかった……)
高岡由紀子: (頑張ってクイーンを引きつけなくちゃ。
でも、どうやって……?)
瀟美岐: ユキ……
高岡由紀子: !?
高岡由紀子: え? 今、メイの声が……
高岡由紀子: どこに!?
高岡由紀子: (そうだ! オーラ!)
高岡由紀子: ……いない
高岡由紀子: !? ま、まさか、
このクイーンに被さっている青いのって……
瀟美岐: ユキ……
高岡由紀子: !?
瀟美岐: 私なら、目の前にいるだろう
高岡由紀子: メイ……どうして……
瀟美岐: みんなを護る力を得ることができた。あとは、
この男とひとつになれば、リーダーにだって返り咲ける
高岡由紀子: 何言ってるの!! あなたは異灰でしょ!?
メイを返して!!
瀟美岐: ユキの方こそ、何を言っているのかわからない。
私は私だ
瀟美岐: ユキだって前に言っていたじゃないか
瀟美岐: イローデッドと異灰は、本来同じもの。
異灰化している比率の差でしか無い、と
高岡由紀子: そ、それはあくまで理論的な話でっ――!!
瀟美岐: ならば、どこまでがイローデッドで、
どこからが異灰なんだ?
高岡由紀子: えっ……?
瀟美岐: 我々はイローデッドの力を使うとき、各々違いはあっても
腕や足、頭など、必ずどこかが変化する
瀟美岐: 変化するのが一部だけならイローデッドで、
全部なら、異灰なのか?
高岡由紀子: そっ……それは……っ……
高岡由紀子: (……かんな!?)
星谷かんな: 『カフェとホテル?
よくわかんないけど、由紀子のGPSが壊れてなければ』
星谷かんな: 『今由紀子がいるあたりは灰地域のはずだよ。
前にバイトしてるときに通ったから間違いない』
高岡由紀子: (……まさか……そんなこと……?
だとすると……この、エーテルが全部赤いのって……)
久野きらら: 由紀子! 異灰たちが集まってきている!
クイーンが呼んだのだ!
高岡由紀子: …っ!!
メイ、やめて!!
瀟美岐: ユキ、観念は捨てろ。
異灰化が進行するほど、我々は強くなれる
瀟美岐: ユキも私と一緒に強くなるんだ……
高岡由紀子: (……どうしよう。なんでこんな事に!?
私、どうすれば……っ!!)
安住菜々花: させない!
高岡由紀子: えっ!?
森崎アレシア優: 由紀子、間に合った
安住菜々花: まずはザコを一掃するから
春日詩帆: はいっ!!

6_10

久野きらら: あー、あー、リーダー、リーダー。
きこえますか……きこえますか……?
主人公: この声は……きらら……か……?
久野きらら: きららは今……あなたの心に……直接語りかけています。
リーダー……今すぐに……目覚めるのです
主人公: 別に眠ってない……眠ってないから……
久野きらら: お昼の……ワイドショーを付けっぱなしに……して
昼寝をしている……場合ではありません……
主人公: いや……何を訳の分からないことを――
久野きらら: 今すぐ……目覚めて……戦闘に参加するのです……
主人公: ……そうだ! 美岐!!
主人公: きらら! きらら!
俺の声は聞こえるのか!?
久野きらら: おお、リーダー。目を醒ましたか。
きこえている
久野きらら: 今からきららが、リーダーをそこから出す。
目ざめの御神酒で一瞬だ。さあ、覚醒に備えよ――
主人公: 待て、待ってくれ! まだダメだ!
久野きらら: 何故?
主人公: 目覚める前に、美岐に取り憑いている
クイーンを排除しないと!
久野きらら: ……それはもう、手遅れかもしれない
主人公: なんだって!?
久野きらら: 美岐は既に、現実ではクイーンの身体を纏って
目覚めてしまったのだ
主人公: ………そんな……
久野きらら: とにかく、このままだと本当に身体と魂が
分離してしまうかもしれない
久野きらら: リーダーがいなくなったら……きららはいやだ。
だから、一旦戻って来て――





合原舞: 総司令
駒川詩: 舞タン♪ 早かったですね~
合原舞: その呼び方、止めてください
駒川詩: えー、好きなんだけどなぁ、舞タン。
それじゃ、ゴーバルにする?
合原舞: ……どちらでも
駒川詩: え~、つまんな~い。
まあでも、どちらでもってなら、舞タンでいいよね♪
合原舞: ……
合原舞: 総司令、お言葉ですが、
少し派手にひっかき回しすぎなのでは?
駒川詩: えー、舞タンがそれを言うんだー
駒川詩: クビにする予定だったあの子たちを、
欲しいって言ったのは舞タンの方じゃないですかー?
合原舞: それはそうですが――
合原舞: 彼女らをあそこまで精神的に痛めつけずとも、
移管後に命令すれば、難なく進行できたと思います
駒川詩: な~に言ってるんですか。
やっぱり舞タンは真面目ちゃんなんですねっ
駒川詩: 京の都から、こんな辺鄙な場所に出向させられちゃって、
楽しいことなんて何もないんですから
駒川詩: これくらいドラマティックな展開がなくちゃ、
ココロが干上がっちゃいますよぅ~
駒川詩: それにしても、今回のロケーションは、
ホントにロマンティックで素敵ですねっ♪
合原舞: ありがとうございます。ですが……、
もうそろそろ限界です。これ以上は私が持ちません
駒川詩: わかってますよぅ。
おつかれさまでしたぁ~♪
駒川詩: お陰で、お花ちゃんたちの心に一杯隙間を作れましたし!
舞タンには感謝感謝ですっ!
駒川詩: はぁ~、それにしても♪
やっぱりお花ちゃんは、おバカちゃんに限りますね~♪
駒川詩: いまのとこぉ~、春日ちゃんでしょ? 久野さんでしょ?
で、瀟ちゃん! 3人……かぁ
駒川詩: ん~~~~、やっぱり今回、あともう2人くらいは
“埋め込み”したかったな~って思いますけど――
駒川詩: でもまあ、あの子腕力だけはフツーに使えそうですし、
成功すれば、割と役に立つ気がしますっ♪
合原舞: そうですね、成功を祈ります。
強化イローデッドは、ファング攻略に必要不可欠
合原舞: 腐っても特殊部隊である彼女たちの強化版なら、
無作為な引き当てより、よほど信頼性は向上しますから
駒川詩: まぁでも、今回で最後ってワケでもありませんし♪
あまり気負わず、楽しんでやっていきたいですよねっ!
駒川詩: 死んじゃってもドンマイって感じで♪
合原舞: ……
駒川詩: ん~、次は誰がいいかなぁ~。
███クンは当然として――
駒川詩: やっぱり、“姫”が欲しいなぁ♪
やっと私の元に戻ってきてくれたんですから~!
駒川詩: 今度こそ、絶対に奪って――
駒川詩: 原型を留めないくらいメチャクチャにしてあげた~いっ!
姫ちゃんっ♪ 姫ちゃんっ♪ ふふふっ……
合原舞: ……






星谷かんな: (うーん、やっぱりお兄ちゃんの勘が当たったかな)
星谷かんな: (こんなに軍用車両が学校に来るなんて、
一体どういうことなんだろ……)
星谷かんな: (まあ、お兄ちゃんに言われた通り動画は撮ったし、
後で誰かに見せればわかるよね……)
星谷かんな: ……っ!?
星谷かんな: (何かいる……っ)
星谷かんな: えっ……な、なんで学校に異灰が……!?
学校が灰地域になっちゃったってこと!?
星谷かんな: い、いや、それはないか。じゃあ――
星谷かんな: 誰かが、異灰を操ってる……?
司城あやか: なんだ星谷、サボりか?
星谷かんな: うわあぁっ! きょ、教官!?
司城あやか: 今、特殊部隊は全員で遠征に向かっているはずだが?
星谷かんな: じ、実はですね~!
かんなだけ、赤点の補習授業がありまして~!
司城あやか: ……お前は本当に嘘をつくのが下手だな。
今日はそんな補習、ないぞ
星谷かんな: あ……っ。あはは~……
司城あやか: 星谷をここに配置したのは、███だろう?
まったく……私も随分と信用されていないものだな
星谷かんな: ……はぁ
星谷かんな: ……はいはい、そうでございますよ。
リーダーが私をここに配置しました
司城あやか: ……ん?
星谷かんな: それで?
これから私をどうするおつもりで?
司城あやか: ……
星谷かんな: 後ろにいらっしゃる方が黒幕ですか?
よろしければ紹介してくださいよ。冥土の土産にでも
司城あやか: あぁ、そうだな。
これは斎木有理。強力な助っ人だ
斎木有理: ……
司城あやか: そんじゃ、一丁おっぱじめるとするか。
なぁ星谷!
星谷かんな: ……望むところです

6_11
安住菜々花: はぁ、はぁ……あとは、クイーンだけ!?
高岡由紀子: 待って! 違うの!
あれはメイなの!!
春日詩帆: えっ……
安住菜々花: ……
森崎アレシア優: ……3人目ね
高岡由紀子: 待って!! メイはまだ話ができる!
安住菜々花: それが普通なの!
樹里もそうだったし
春日詩帆: そ、そんな……
高岡由紀子: みんな待って!!
今回は他にもおかしなことがあるの!!
高岡由紀子: 私の能力、エーテルシーカー、わかるよね!
見ようと思えば異灰かどうか、分かっちゃう!
高岡由紀子: メイの中には、まだ異灰と本人の魂が同居してる!
あともう1つ!!
高岡由紀子: 今、私たちの周りは全部、
異灰っていう可能性がある!!
安住菜々花: は!? 何訳わかんないこと言ってんの。
ザコならわたしたちが全部倒したっつーの!
森崎アレシア優: ……時間稼ぎ?
高岡由紀子: 違う!! そうじゃなくて!! 信じて!!
視界がまっ赤なの! こんなの初めて!!
高岡由紀子: 赤は異灰の色! 今は全部まっ赤なの!!
どういうことかは私にもわからない! けど!!
駒川詩: はいは~い、私、信じま~す♪
安住菜々花: えっ……詩?
駒川詩: さっすが~、高岡さん♪
見事、このカラクリを暴いちゃいましたねっ!
駒川詩: もしかして能力、覚醒進化しちゃいました?
これは後で、た~っぷりご褒美をあげないとですねっ♪
高岡由紀子: (覚醒進化!? そうか、それで急にまっ赤に……)
森崎アレシア優: え、なに? どういうこと?
駒川詩: こういうこと~♪
駒川詩: はい、カーット!
駒川詩: お疲れさまでしたぁ~♪
春日詩帆: えっ……どうして……急に、灰が……!?
安住菜々花: 何よこれ……どういうこと!?
全部廃墟じゃん!!
駒川詩: ふふ~、素敵なカフェとビーチでしたでしょっ♪
目一杯お楽しみいただけたと思いますっ!
駒川詩: そんな素敵なロケーションを提供してくれた、
舞タンに拍手~♪
森崎アレシア優: ……誰?
高岡由紀子: あそこ!! 誰かいる!!
合原舞: 初めてお目に掛かります。イローデッドの皆さん。
合原舞と申します
高岡由紀子: ……あなたが……!?
メイに何をしたの……
合原舞: ご心配なく。
異灰化の度合を調整して、人間の形態に戻しただけです
高岡由紀子: っ……! メイ!!
駒川詩: 皆さんに紹介しま~す!
私の優秀なリフレクター仲間、ゴーバル舞タンですっ♪
主人公: …… …
久野きらら: リーダー、目を醒まして!!
大変なことになってるから!! お願い!
森崎アレシア優: ――ということは、あのカフェも、砂浜も、
貴方が異灰を使って作っていたということ……?
合原舞: はい、そうです。
それが私の、リフレクターとしての能力ですから
駒川詩: 舞タンはですね、灰をコントロールして、
どんな世界だって作っちゃえるんですっ!
安住菜々花: 何それ……チートじゃん……
駒川詩: そんな落胆しなくてもいいんですよっ!
それがリフレクターの圧倒的な力なんですから
駒川詩: 制御不能なイローデッドと違い、リフレクターは
緻密に能力をコントロールできるんですっ!
安住菜々花: ……で?
その力で、わたしたちを殺しに来たってわけ?
合原舞: いえ、違います
合原舞: 私たちは、あなたたちと敵対したいわけではない。
むしろ、共闘したいと思っているのです
安住菜々花: ……
合原舞: この地にそびえ立つ塔、コズミックファング。
そこは今、異灰の巣窟と化している
合原舞: 異灰たちは、この世界を消し去るためにあの塔へ侵入し、
内側から塔を破壊しようとしているのです
森崎アレシア優: ……そもそもあの塔って何なの?
駒川詩: その情報はっ、共闘契約特典とさせてくださ~い♪
共闘してくれるなら、全部教えちゃいますっ
合原舞: 塔を攻略しようとしている異灰は、
この辺のものとは比べものにならないくらい強い
合原舞: 我々リフレクターの力を持ってしても、
勝率は芳しくないというのが正直なところ。けれども――
合原舞: あなたたち、イローデッドと共闘できれば、
勝率は飛躍的に上がるのです
春日詩帆: それは……何故ですか?
合原舞: あなたたちイローデッドは全員――
合原舞: 素晴らしい力を秘めた存在、
クイーンになることが出来るからです
森崎アレシア優: …っ!?
安住菜々花: ふざけんな!!
わたしたちをクイーンにして突っ込ませようってこと!?
合原舞: そうではない。
先にも言ったとおり、共闘したいだけ
合原舞: そもそも、あなたたちがクイーンになるのを恐れるのは、
それをコントロールできないからではありませんか?
合原舞: ご存知かもしれませんが、クイーンはイローデッドの
最終形態と言っても過言ではありません
春日詩帆: そんな……
森崎アレシア優: やっぱり、そうだったのね
合原舞: けれどもイローデッド単体では、異灰化の度合が
進むにつれ、正気を失っていってしまう
合原舞: 我々リフレクターは、そんなイローデッドの欠点を
補うことができる。すなわち――
合原舞: “安全”に、クイーンという最強の異灰になれるよう
サポートすることができる、というわけです
安住菜々花: 異灰には異灰、
それも最強の“クイーン”で対抗……ってこと?
駒川詩: ですですっ!
合原舞: 今回のプレゼンテーションで、
我々の実力の程は、納得いただけたと思います
駒川詩: というわけで~す。皆さん、どうしますかっ?
誰でも…もちろん全員だったら最高にウェルカムですっ!
安住菜々花: ……共闘するか、しないか。
答える前に、1つ聞きたい事があるんだけど?
駒川詩: ……なんですか?
安住菜々花: 倉持や樹里、それ以外のクイーンも全部……、
あれをやったのは……あんたたち?
合原舞: ……
駒川詩: ……そうです、と言ったら?
安住菜々花: 絶対に、許さない



6_12
安住菜々花: 倉持や樹里、それ以外のクイーンも全部……、
あれをやったのは……あんたたち?
合原舞: ……
駒川詩: ……そうです、と言ったら?
安住菜々花: 絶対に、許さない
駒川詩: きゃ~っ、どうしよぅ~!
ゾクゾクする~~っ♪
駒川詩: 許さないって~、
私、どうされちゃうんですかっ? ねえねえっ!
安住菜々花: ふざけんな!!
合原舞: 総司令……
駒川詩: あ~ん、怒られちゃった♥
てへぺろっ♪
合原舞: ……私から回答します。
市街地のクイーンは、我々の所業ではありません
合原舞: ただ、自然現象というには無理がある……。
いずれにせよ、今ここで話すには長すぎる話です
安住菜々花: ……なにそれ。
やっぱりふざけてるじゃん
駒川詩: さっきも言いました。
共闘するならお教えしますよ、と
安住菜々花: 答えはもう決まってる。
あんたたちと共闘するつもりはない
駒川詩: え~、そんなぁ~~~。
カフェで裸の付き合いをしたばかりじゃないですかぁ~
森崎アレシア優: 私も菜々花も、大切な人がクイーンに……
森崎アレシア優: そんな私たちの前で、クイーンになれって言うような人と
共闘するなんて、お断りよ
春日詩帆: ……
合原舞: 気持ちはわかります。けれども、今は
決定に私情を挟めるような状況ではありません
合原舞: こうしている間にも、異灰は着々と
コズミックファングを攻略している
合原舞: この地に赴き、初めて判った誤算は、
異灰の量が想像より遥かに多く、質も高かったこと
合原舞: 正直、私たちリフレクターが総出で戦っても、
コズミックファング奪還は不可能と判断しました
合原舞: けれども、あなたたちは違う
合原舞: 惨い言い方をすれば、あなたたちは異灰そのもの。
制御出来れば、我々よりも可能性がある
安住菜々花: ……っ
合原舞: コズミックファングを奪還出来なければ、
人の世は終わります
合原舞: 今は共闘以外の選択肢はありません。
あなた方の未来のためにも
駒川詩: さあさあ、選択して下さいっ!
クイーンか、人類の絶滅かっ!
安住菜々花: ……なにそれ、選択肢なんて無いじゃん
安住菜々花: (クソッ……こういう時、リーダーだったら
どうするんだろう。瀟だったら、どうする……?)
安住菜々花: (どうしてこんな時、二人ともいないの……?
わたしが……わたしがやらないと……っ)
安住菜々花: え?
森崎アレシア優: ……詩帆?
春日詩帆: わたし、やります
安住菜々花: ……今、何て……?
春日詩帆: 共闘……します
久野きらら: 詩帆……
安住菜々花: あんた、何言ってんの!?
こんな時にふざけないで!!
森崎アレシア優: 詩帆。どうして……?
春日詩帆: わたしは、わたしの大切な家族やみんなを護りたいから
春日詩帆: わたしは……私情で大切なものを壊したくないから
森崎アレシア優: ……詩帆
安住菜々花: なにそれ……わたしらへの当てつけ?
駒川詩: きゃ~っ、春日ちゃん格好いい!
私、惚れちゃいそうですっ♥
合原舞: 共闘に感謝する、春日
合原舞: 他には?
他にはいませんか?
駒川詩: いないなら、私から御指名しちゃおうかな~
高岡由紀子: ……!?
駒川詩: 由紀姫ちゃん、御指名で~すっ♥
受けてくれますよねっ♪
高岡由紀子: っ!?
駒川詩: 私、ずっと由紀姫ちゃんのオッカケやってたんですよ?
東京にいた頃から、今でも、ずーっと……
高岡由紀子: は……… あぁっ…… …あっ……
久野きらら: ……
久野きらら: リーダー、お願いだから目を醒まして……っ
久野きらら: いつもみたいに、きららたちを助けてよ!!
主人公: …… …だめだ、全然出られない

主人公: あぁ……、自分に…意識が……あるのか無いのか、
わからなくなってきた
???(来夢): ……ちょっと期待しすぎたみたい
主人公: え……誰……?
???(来夢): ……私が誰だっていい。
ただ、貴方には生きてもらわないと困る
主人公: …… …
???(来夢): ……いいわ。
本当はダメなんだけど――
???(来夢): 私のおうちに来て

星谷かんな: はぁっ、はぁ……っ――
星谷かんな: 殲滅……完了……っ!!
司城あやか: お前の力、初めて見せてもらったが――
司城あやか: 凄まじいな
星谷かんな: えへへ~。それほどでも!
司城あやか: これほどの力を使えるのなら、普段の異灰掃討任務なんて
もうとっくに終わってるはずなんだがな……
星谷かんな: この街も無くなってると思いますけどね!
司城あやか: ……違いない。
しかしお前が……な
司城あやか: 星谷、お前……知ってるか?
星谷かんな: ほぇ?
司城あやか: 今、もう日本という国は存在していない
星谷かんな: えっ……
星谷かんな: あぁ……、やっぱりそうだったんですね。
薄々そんな感じかなーって、思ってはいましたけど
司城あやか: 勘……か?
星谷かんな: えへへ~
司城あやか: カタナは国に代わって、外出規制やらエリア規制やら、
色々やって誤魔化しているようだが――
司城あやか: そろそろ限界なんだろうな
司城あやか: 国に護られているはずの教育機関が、
軍事拠点にするため占拠されても何もナシ
司城あやか: まあ、事前に情報を得る事ができて、
広島日の杜と共闘出来たから良かったが
司城あやか: 感謝しているよ。AASAの斎木有理
司城あやか: アイツらの状況は?
星谷かんな: あやみんのストリーミングを見る限りだと、
リーダーと美岐が沈黙。詩帆が駒川詩の要求を呑んで――
星谷かんな: 他のみんなも絶体絶命の大ピンチみたいです
司城あやか: ……仕方ない奴らだな。
少し早すぎた……か
司城あやか: まぁ、星谷のお陰で予定より早く奪還できたし、
証拠もしっかり確保した
司城あやか: 予定には無かったが――
司城あやか: 助けに行くか
星谷かんな: らじゃーですっ!!

CASE6. 真実の向こう側へ THE END.
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2017/03/30 進捗▮▯▯▯▯
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2021/04/09 進捗▮▮▮▮▯
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2023/02/21~
2024/03/29(5/30)
進捗▮▮▮▯▯
  • 📵BLUE REFLECTION SUN/燦
    • 🎧BLUE REFLECTION SUN/燦 ボイスドラマ
    • 日ノ杜
    • 灰
2021/10/21 進捗▮▮▮▯▯
  • 🎮BLUE REFLECTION TIE/帝
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*1 FF15は他シリーズとは異なる特徴として主人公とその仲間は武器を背中や腰に一切常備しておらず、王家の魔法により武器を自由自在に召喚可能。

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