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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ

短編 蒼×薔薇

最終更新:

rozen-yuri

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だれでも歓迎! 編集

 
蒼「水銀燈、あのね…」
蒼「もう、水銀燈っ!」
蒼「ねぇ、水銀燈…?」

いつも憎かった。私の場所。あのひとの隣を、奪おうとするあの子が。
――でも、その反面、凄く羨ましかった。
いつも、私がはっきりと伝えられない想いを、あの子はぶつけていたから。

薔「……それ…以上、銀ちゃんに、近付かないで…」
――私の、唯一、安らげる場所……
……奪わないで。
蒼「はぁ…ねえ薔薇水晶。それ、君に言われる筋合い、ある?」
薔「わかってる、わかってる!!っそれでも……!」
蒼「僕は水銀燈の事が好きだって。いつだって、僕だけを見ていてほしいって。…水銀燈に、伝えたよ?」
蒼「でも、君はどうなのさ!!一度でも、水銀燈に言った!?」

薔「………っ!」
――言ってない。…怖くて、言ってない。
私の事だけ見ていてほしい。私にだけ、あの場所をあけていてほしい。
それでも、あの子が眩しい。
……勇気が、出ない。


 時は朝を過ぎ、昼のちょっと手前。とある公園の大きな噴水の前で、薔薇水晶は誰かを待っていた。
 普段はあまり気にしないファッションも、今日はちょっぴり頑張った。普段からお洒落な友人に認められるくらいに。
 暫くすると、遠くから人影がこちらに近付いてきた。かなり遠く、人物を特定しづらいが、薔薇水晶にはすぐ分かった。と、同時に胸が高鳴った。

「ご、ごめん!待たせちゃった?」

 薔薇水晶が待っていた人物とは、友人であり、実は両思いの恋人、蒼星石であった。

「いえ…私が早く、来すぎただけです…」

 約束の時間までは、今から十分近くもあった。だが、緊張するあまり、三十分も前に来てしまったのだ。

「次からは気を付けるね。それじゃあ、行こうか」

 にこり、と微笑んで、片手を薔薇水晶に差し出した。

「…はい」

 まるで、王子様にダンスに誘われたお姫様のように、薔薇水晶は掌を重ねた。

―――――

 それから二人は、様々な場所を巡った。可愛いものが売ってる小物屋。シンプルさが売りの洋服店。お腹が空いたらファミレス。
 特に大きな目的等は無いが、二人にとって「二人で一緒の時間を過ごす」という事が一番大切な事だった。

「…もう、こんな時間…」
「本当だ。帰らないと、槐さんが心配しちゃうね」

 薔薇水晶の父、槐はドが付く程親馬鹿で、門限より一分でも帰りが遅くなれば、警察に電話するような人物だった。

「…でも…まだ…………帰りたく、ない……」
「薔薇水晶…」
「…………」

 普段は大人しく、無口でクールに見られがちだが、薔薇水晶にだって甘えたり、我儘を言いたい時だってある。
 しかし、恥ずかしがり屋な薔薇水晶は、そんな姿を滅多に見せる事はない。見せるとしたら、父である槐か――恋人である蒼星石だけだった。

「……ごめん、なさい」

 自分で我儘な事を言っているのに気付き、自分の家に帰ろうとしたその時、何かに肩を捕まれ後ろを振り向いた。

「…――!」

 自分の額に柔らかいものが当たった。

「………あ……」
「…唇は、また今度ね?」

 耳元でそう囁かれ、薔薇水晶の顔は紅く染まった。視線を蒼星石の顔に向けると、彼女はにこりと笑い「また明日」と告げ帰っていった。

「…また…今度……」

 その場に立ち尽くす薔薇水晶の表情は、羞恥と期待に染まっていた。



end


『貴方の香り』


「ん……?」

 瞼を開くと、そこには見慣れた教室が広がっていた。いつもと違うのは、教室全体がオレンジ色に染まっているという事。
 つまり、時はもう夕暮れだった。

「…あ、れ…?私…いつの、間に…寝ちゃった、んだ……」

 眼帯をしていない右目を眠そうに擦った。
 ふと、肩から背中にかけて重みを感じ、手で探ってみた。

「…制、服?」

 の、上着だった。
 一体誰の…、一瞬だけそう思ったが、上着からはよく知っている香りがした。

「………成程」

 すべて分かった気がした。自惚れている訳ではないが、自分がこの香りを間違える訳がなかった。

「あ、薔薇水晶。起きてたんだ」

 ガラ、と音をたてて、少女が扉を開けた。何故か、制服の上着を着ていなかったが、画面の前の貴方ならそろそろ気付いただろう。

「うん…。これ、ありがとう…ございました…」

 薔薇水晶は、持っていた上着を蒼星石に渡した。

「う、うん。…何で僕の上着って分かったの?」

 まるで最初から知っていたような薔薇水晶の様子に、少しだけ疑問に思った蒼星石。薔薇水晶は、にっこりと笑ってちょっぴり得意気に言った。

「…だって、貴方の香りが…しました、から」



end


「薔薇水晶って、髪綺麗だよね」

 す、と薄紫色の髪の一房を手に取った。まっすぐで、とても綺麗だった。

「…お手入れ、は…欠かしません、から」

 褒められて嬉しかったのか、ちょっぴり誇らしげに、薔薇水晶は言った。

「僕はあんまり髪長くないから、ちょっと羨ましいかも」
「…蒼星石も…綺麗、ですよ?」

 茶色の短い髪に、白い指が触れた。サラサラ、と髪は指の間をすり抜けた。

「ふふ、ありがとう」

 蒼星石は、薔薇水晶の髪に触れるのを止めなかった。けれど、薔薇水晶はそれを不快に思うどころか、気持ち良さそうに目を細めた。

「……蒼星石」
「何?」
「櫛で…といて、くれませんか?」
「……うん」

 ふ、と二人の髪はなびいた。この世界を吹き抜ける風が、二人の髪を舞わせていた。


end


「今日の夕飯はカレーだよ」
「……蒼星石の、カレー…大好きです…」
「ふふ、もうちょっと待ってて――っ…!」
「! 蒼星石?」
「だ、大丈夫。ちょっと指切っただけだから……」
「……血が……」
「本当だ。絆創膏……って、薔薇水晶?」
「…………」
「…どうして僕の指をくわえてるの?」
「……血止め……ちゅー……」
「……くすっ、ありがとう」


「九月……長月とも、呼ばれ……旧暦の、八月十五日が…中秋の名月、となります…。今年は、九月十四日…ですね…」
「へぇ、詳しいんだね」
「お月様、とか…お星様とか…好きですから」
「薔薇水晶らしいね。じゃあ、今月の十四日に皆でお月見しようか」
「…はい…」
「…不満そうだね?」
「!…え、えっと……その……あぅ……」
「なぁに?」
「……ふ、二人…きりが……良い、です…っ」
「うん、よく言えました」
「…ずるい……分かってる、くせに…」
「ふふ、ごめんごめん」ナデナデ
「…もう……」


「えっと…弱火、で………!!」
「薔薇水晶!そっちは強火だよ!」
「す、すみませ……熱っ!」
「大丈夫!?水で冷やして!」
「…ごめん、なさい…」
「…やっぱり、僕が夕飯作るよ…」
「!…お願い、します…やらせて下さい…!」
「…薔薇水晶……」
「…いつも、お世話になって…ばっかり、で……お礼、したくて……」
「……じゃあ、一緒に作ろう」
「…え…?」
「いつもお世話になってるのは僕もだよ。お互いにお礼しよう、ね?」
「……はい!」


「頂きます」
「…頂き、ます」
「さて。薔薇水晶が作ってくれた煮物、頂こうかな」
「あ…は、はい…。め、召し上がれ…」
「……うん、美味しいよ。とっても」
「本当、ですか?…良かった……」
「ほら、薔薇水晶も」
「え…………あ、あの……」
「あーん」
「……あ、あーん……」
「ふふ。美味しいでしょ?」
「……は、はひ……」


天然なのか、わざとやってるのか


『名無しの花とヤキモチ』


「………お花………」
「え?」

 そう呟いた薔薇水晶の指がさす方向に、視線を向ける。そこには、花が一輪咲いていた。太陽の光をいっぱい浴びて、綺麗に咲いた花。

「……何の、花…ですか…?」
「……さぁ…見た事無いなぁ……」

 花に詳しい蒼星石すら、名も知らなかった。
 言葉にならない呟きを漏らすと、薔薇水晶はじっ、と花を見つめた。

「……私…この花、好きです」
「……うん。僕も」
「薔薇水晶、そろそろ帰ろう」
「…………」

 花から視線を外し、薔薇水晶に呼び掛ける。だが、蒼星石の呼び掛けが聞こえていないのか、薔薇水晶は未だ花を見つめていた。

「……薔薇、水晶…」

 もう一度呼び掛けるが、薔薇水晶は反応を示さず、視線と意識は花へ向いていた。

「……………」

 蒼星石の表情は曇っていた。悲しげに俯き、肩を叩いて気付かせようと、薔薇水晶に近付いた。
 その瞬間。

「んっ……?」

 突然薔薇水晶がこちらを振り向き、唇と唇が触れた。

「……えへへ、」

 唇が離れると、悪戯っ子の笑みを浮かべる薔薇水晶が、笑っていた。

「……ヤキモチ…」
「!!」
「……嬉しい…」

 暫くすると、薔薇水晶に遊ばれていた事に漸く気付いた。
 薔薇水晶の言う通り、名も知らぬ花に妬いていたのかもしれない。

「……なんか、くやしいなぁ…」

 そう呟いて、また花に視線を向けた。
 花はただ、綺麗に咲き誇っていた。


end


オヒルノデキゴト

「…具材…切り、終わりました……」
「ありがとう。じゃあ、盛り付けようか」

「九月になっても、冷やし中華は美味しいね」
「まだまだ、暑い…ですからね……」
「そうだよね。…それにしても、大分薔薇水晶も切るの上手くなったね」
「…でも…まだ、大きさバラバラ……」
「これから練習すれば、もっと上手くなるから大丈夫だよ」
「…ありがとう、ございます…」
「ふふ。…あ、薔薇水晶、頬にタレ付いてるよ」ペロ
「! …あ、あの……」
「どうしたの?顔真っ赤だよ?」クスクス
「…もう…」


上を見上げると、灰色のどんよりとした空が、ざあざあと雨を降らせていた。先程から様子を見ていたが、雨の勢いは弱まる事を知らなかった。
 仕方ない、と溜め息を吐くと、覚悟を決めて雨の中へ――行けなかった。ぐい、と片腕を引っ張られたから。と、同時に掌に温もりを感じた。

「風邪、ひくよ?」

 聞き慣れた優しい声が、耳を通っていった。確認するまでもない。その声の主は、自分の愛しい人だった。

「入っていきなよ。送るから」

 どうしようか、とほんの少し悩んだけれど、どうやらもうひとりの私が温もりを欲しがっているらしい。……という言い訳を想像しつつ、本心で言った。

「…お言葉に…甘え、ます……」

――――― 

 自分は傘の半分の空間に入り、愛しい人の隣を歩いていた。時々ちら、と隣を見つめて。
 とくに言葉が交される事はなく、周りを支配するのは雨音と時々聞こえる虫の声だった。

「……雨、止みません、ね…」
「そうだね」

 すぐに会話は途切れてしまった。気まずい、という訳ではないが、無言なのもちょっぴり寂しかった。何気無く空を見上げると、やはり空はどんよりと曇っていた。
 不意に、片方の掌に温もりを感じた。先程学校の玄関で感じた、あの優しい温もり。気が付けば、自分の頬は無意識に緩んでいた。くす、と笑いたくなった衝動を抑え、代わりにぎゅ、と掌を握り返す。
 再び何気無く空を見上げると、どんよりとした雲の隙間から、一筋の光が伸びていた。


end


「私の事も…忘れないで、下さい…!」
「薔薇水晶?どうしたの?いきなり…」
「…言わなきゃ、いけない…ような気がして…」
「…よく、分からないけど……僕は薔薇水晶の事、一時も忘れたりしないよ」ギュッ
「……蒼星石…」キュン


「……蒼星石、何…読んでる、ですか…?」
「ちょっとした理論の本だよ。真紅に勧められて読んだらハマっちゃってね」
「…ふーん……」

――十分後

「………」チラ
「……へぇ…」
「…………」ジー
「……なるほど…」
「……………」ジーーー
「……そういう事か……」
「………………」シュン…
「………くすっ」
「! わざと、ですか…!?」
「ふふ、ごめんごめん。あまりにも可愛くて、つい……」
「……むぅ……」

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