解説
1989年7月、韓国の民主化運動(1987年に民主化達成)で逮捕された在日韓国人政治犯29名の釈放を嘆願するという趣旨の要望書が、当時の日本社会党・公明党・社会民主連合・無所属の議員有志133名の署名とともに韓国政府へ提出されたが、この中に辛光洙や金吉旭など北朝鮮スパイが複数含まれていたことが判明した。安倍晋三は、金正日が北朝鮮による日本人拉致実行を認めた2002年9月以降、土井たか子・菅直人を名指し批判した。
ソース
安倍官房副長官の発言は、菅前幹事長と土井党首が、原敕晁さんを拉致した北朝鮮の元スパイ、辛光洙(シンガンス)元死刑囚の釈放を韓国政府に要求したことがあるという事実を挙げ、「土井たか子と菅直人はきわめてマヌケな議員なんです」と批判したもの。同氏はさらに、「社民党や民主党が、いかにも昔から拉致事件に取り組んでいるかのように、小泉純一郎首相の決断を批判するのはちゃんちゃらおかしい。彼らはまず反省すべきだ」と、両党にも批判を向けていた。
これに対して佐藤国対委員長は、問題の韓国政府への要求は13年前になされたものであり、当時菅前幹事長は社民連所属だったと指摘したうえで、「安倍副長官こそ、自分が平壌に行ったときには、総理の袖を引っ張って『帰りましょうよ』と言ったらしいが、こどもの使いじゃあるまいし。今回の補選での『政治とカネ』という本来の争点をぼかすために、北朝鮮問題を政治利用していることは明らかだ」とし、今後予算委員会などで安倍副長官を厳しく追及することを表明した。
これに対して、安倍氏は21日の記者会見で、「広辞苑を調べたら『マヌケ』は『ぬかりがある』ということ(*1)。(菅氏らに)確かにぬかりがあった」と再批判した。
安倍氏は「(社民党などの反論は)言葉が不適切という批判かもしれないが、事実を受け止めていただきたい」と強調。「(辛容疑者に拉致されたとされる)原敕晁(ただあき)さんは今、ものが言えないわけで、原さんとご家族の気持ちを私は代弁した」と説明した。
釈放運動への署名、民主・菅氏が「私の不注意」と謝罪(朝日 2002/10/21)
聖帝は、討論で危うくなると辞書を引いて定義論に逃げる癖があるのだろうか。しかし、その定義もこじつけであるのが悲しい。
類似例:『そもそも』という言葉の意味について、辞書で念のために調べてみたわけでありますが、これは『基本的に』という意味もある
類似例:『そもそも』という言葉の意味について、辞書で念のために調べてみたわけでありますが、これは『基本的に』という意味もある
共産党は自民党とともに署名問題について非難していたが、安倍氏の発言については「安倍さんの発言は不公平だ。菅さんも署名しているが公明党議員も署名している。それをどうしていわないのか」(*2)と批判している。
非常にジューシーな豆知識
安倍総理と関係が判明した統一教会だが、フレイザー報告書において韓国軍事政権(朴正煕政権)の命を受けてアメリカや日本で政治工作を行うために組織された政府機関であると認定された。さらに、朴正煕暗殺事件時には岸信介が朴の娘(パククネ)を日本に避難させ孫(晋三)と結婚させようと計画していた(*3)。この関係性を踏まえて聖帝の「韓国軍事政権下の政治犯釈放署名」へのこの反応の仕方を見ると、ただ北朝鮮工作員の名前が含まれていたこと以外に苦々しく思う理由があったのかもしれない。