リセットボタン邪面

「俺の名前はリセットボタン邪面!何度も同じ時間を繰り返すことが出来る最強の邪面師だ!」

【名前】 リセットボタン邪面
【読み方】 りせっとぼたんじゃめん
【声】 浜添伸也
【登場作品】 魔進戦隊キラメイジャー
【登場話】 エピソード11「時がクルリと」
【所属】 ヨドンヘイム/ヨドン軍
【分類】 邪面師
【素体スーツの色】
【手袋/マント/ブーツの色】 黒/黒(裏地は赤)/黒
邪面 リセットボタン→たったひと押しで全てをやり直すことができる無敵のチートボタン
【担当邪面獣 邪面獣ハッシャボタンリガニー
【作戦名】 リベンジ地獄
【一口メモ】 リセットしているのがバレないよう、初対面のふりをしましょう
【モチーフ】 歯車、メビウスの輪、リセットボタン、破壊と再生

【詳細】

ベチャットが地球のチートボタン「リセットボタン」を模した邪面をかぶって昇格した邪面師。

右側頭部に取り外し可能なボタンが装着されており、そのボタンを押すことで一定範囲内の時間を巻き戻す「リセット」が可能。
邪面はボタンそのものよりも、ボタンを押すことで起きる事柄をまとめ上げたようなデザインで、
歯車や黄金の地球儀のような球体、無限の比喩などに使われるメビウスの輪、その輪に囲まれた壊れた仮面と元通りの仮面が組み込まれている。
歯車や球体は回転しても形が変わらない上に、メビウスの輪に閉じ込められるような仮面はそれぞれ破壊と再生を思わせるもので、
それぞれ物事が無限に回る様子を象徴しているのだと思われる。

よくあるタイプのように「能力の起点であるボタンを破壊」しても、セーフティで自動で巻き戻しが行われる厄介な仕様。
自分で押すことはもちろん、自分が木っ端微塵になるような攻撃に巻き込まれてもボタンが壊れたら即座にリセットされると思われる。

しかし、一方で袋小路に陥ってしまえば、そこから無限に抜け出せなくなる危険性も有るわけで、
この邪面師は無限ループの中で相手の手の内を学習し、最終的な勝利を得るまではリセットし続けることを目的としている。
相当タフな精神がないと耐えられない作戦だが、自分の行動が単調にならないように毎回考えているようで、
「初対面」であることを強調するなど自分の動作から相手にループしていることを知られないよう気を配っている。

能力の対象になるのは基本的に自分だけだが、邪面を用意したクランチュラはその都合上能力を知っており、
さらに、ボタンを押した人物もリセットの対象となる。このことが為朝の苦難の始まりとなってしまうのだが……

エピソード11に登場。
駆けつけたキラメイジャー達を前に、何故か「手捌きインクレディブル」というキラメイピンクの名乗りを知っていて小夜に驚かれていた。
丁度その日は魔進ヘリコの誕生日を祝うところであり、さっさと邪面師を倒して誕生日の続きをするという為朝はキラメイショットで銃撃。
ダメージを受けてしまったことが影響したのか、足をもつれさせたリセットボタン邪面は為朝と激突。
その拍子に為朝の手が邪面師のボタンを押してしまい……

気がつくと為朝は同日のEスポーツプレイヤーの川田洋二郎から恨み節を言われる場面に戻っていた。
当初は彼が自分に呪いをかけたことが影響しているのかと勘違いしていたが、ループの直前邪面師がボタンを押している場面を目撃したことで、
この無限ループが邪面師の能力であることに気がつく。
一方何度もループを繰り返していたリセットボタン邪面は為朝の銃撃も軽く避け、メンバー同士の連携攻撃もかるくいなすようになっていく。

リセットする度に強くなる邪面師と何度も対峙し、追い詰めてもボタンを押されてループ、ボタンを壊してもループが自動発動してしまうことで八方塞がりとなった為朝はイライラを溜め込んでいく。
しかし充瑠が「本気になったら何でも出来ちゃう」とアドバイスしたことで、吹っ切れた為朝は、
川田洋二郎を呼び出して得意キャラを使いEスポーツの戦いでパーフェクト勝ち。

これによって対抗策を見出した為朝は、常に本気で邪面師を撃破し続ける。
邪面師の対抗策(盾を用意、プロテクターを装着、鎧で身を守る、ベチャットを盾にする)も意味をなさず、リセットボタン邪面の作戦の根幹が悪い方に作用してしまい、瞬殺され続けたことで勝つための作戦のはずが今度は自分自身を追い詰めてしまうことに。
それによってリセットボタン邪面の心は折れてしまった。

「もう侵略は諦めた…帰る。それでいいだろ……?」


自らリセットボタンを取り外して為朝に渡すと、リセットボタンを失ったただの邪面師はその場から立ち去っていく。
そして能力も失いメンタルもボロボロとなった状態でフラフラ歩いていたところをガルザに咎められ、「ヨドン軍やめます」と口走ってしまったことで彼の粛清を受け死亡した。

リセットを繰り返すことで闇エナジーをかなり集めることに成功していたようで、彼の死亡に伴い闇の保険も適用されたことで邪面獣ハッシャボタンリガニーが出現する。
ループするのであれば闇エナジーをためても貯める前に戻るのでは?という疑問もあるが、心が折れるほどに追い詰められたこの邪面師そのものが闇エナジーを蓄えていたのではないかという考察も。

なお邪面師が死亡しても結局ループを認識していたのはクランチュラと巻き込まれた為朝だけであったため、ハッシャボタンリガニーが出現した際には駆けつけた他の4人にはいきなり邪面獣が出現したしたようにしか見えず驚いていた。

【余談】

リセットボタンモチーフは初。
というかループ能力の起点にリセットボタンが選ばれたのも初。

時間逆行などの能力を使う怪人は時計がモチーフに組み込まれたりしているためである(タイマーのバクトフージER等)。
よくある「ヒーロー側の攻撃を学習して次には通じないタイプ」の怪人だが、無限連鎖カードや耐久性の話ではなく、リセットを繰り返すことで地道にヒーロー側のデータを学習して対処できるようになるというちょっと変わった方式で強くなっていった怪人だった。

また最終的にとはいえ、心が折れることで侵略行為を諦めたという極めて珍しい怪人。
戦隊側と和解するわけでもなく、そのまま立ち去る様子を為朝は見送るだけで特に許すような様子はない。
ガルザと遭遇した地点はどうやらゲートを通って地球に出現したポイントと一緒のようで、もしかするとヨドンヘイムに戻ろうとしていたのかもしれない。
戻ったところでヨドンヘイムに彼の居場所が会ったかといえば口を噤まざるをえないのだが。

日常生活においてリセットボタンがある器物といえば、多くの方がゲーム機を思い出すかもしれない。
ジョイスティック邪面というゲームコントローラーモチーフの邪面師が既に登場しているが、こちらはどちらかというとゲーム機の本体に備わるボタン機能である。
そのような一般的なイメージとは違い、リセットという概念を象徴するものを詰め込んだ邪面デザインで、正面に恐らく破壊と再生を意味するであろう仮面が2つついていたため、
「双子邪面」とも言われていた。

なおジョイスティック邪面はレバー操作が他人も出来るということでその能力をキラメイジャー側に利用されてしまう展開になっている。
リセットボタン邪面は逆に邪面師の能力にキラメイジャー側が手を出してしまったことで負の面に取り込まれてしまうなど、有る種の意趣返し的なものを感じさせる。
しかしながら仲間がいたことで負のループから脱出し光明を見いだせたという展開はスーパー戦隊ならではの展開と言えるだろう。

壊れた仮面が右側にあり、リセットボタンが右側頭部にあることを考えると、劣勢になったり負けが決まった時点でボタンを押してリセットし、反対側のきれいな仮面に戻ることが想定されたデザインなのだろう。
最終的に何度も無限ループを繰り返すことで、邪面師のメンタルが壊れ、それを戻すためのボタンをキラメイイエローに渡して立ち去るというのは何の因果か。
再生を拒み、破壊されたまま任務を放棄したリセットボタン邪面は足抜けも許されずに幹部に粛清される……

フリーザー邪面というガルザと兄から使い潰される悲劇を辿ったフリーザー邪面師という前例はいたが、このリセットボタン邪面も負けず劣らずの非業の最期を遂げた怪人と言えるだろう。
ますますヨドン軍の環境がブラック企業じみてきた。
ちなみにガルザの粛清を受けた邪面師という点でもフリーザー邪面に続く第2号に当たる。







ちなみに、為朝に渡したリセットボタンは、邪面師が死亡後も残り続けており、ED前のミニコーナーでクイズのボタンと勘違いしたマブシーナが押そうとしていた。
仮に押してしまった場合、また邪面師は復活するのだろうか……してしまうのだろうか……

最終更新:2020年10月03日 14:01