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リリィ編 > 4



排気口から、倉庫らしき場所へと静かに降り立つ。
書類の束や、段ボールが綺麗に積まれている場所だった。
天井に吊された監視装置に気をつけながら、スチール棚に身を隠しつつ進む。
左腕にはナイフ。敵がくれば、いつでも対応できるように。
この特注のナイフは、高熱のプラズマからスタンガンレベルの電流まで電圧を変えて流すことが可能だ。
倉庫のドアに近づき、ドアのロックをナイフで素早く焼き切る。
開けたドアから廊下の様子を確認する。
磨かれた大理石と、明るい廊下が続いていた。人の気配はない。
転がるように外へと飛び出し、斜め向かいの会議室へと素早く入り込んだ。
(監視装置に見つからないルートか。ゴーストめ、どうやって情報を手に入れたんだ?)
軽い疑問を持ちつつ、得た情報通りに行動する。
会議室の右奥、鋼鉄の壁を力づくで焼き切ると、壁の中にコードがあった。
(赤と緑の配線。これか)
ナイフで切り、配線に手のひらサイズの解析装置をセットする。
上手くいけば、これで監視装置がダウンし、エデンがいると思われる研究室のロックが解除されるはずだ。
解析装置が緑色に点滅しながら動いている。
警戒を続けながら、俺は今回の任務について考えていた。
俺が与えられた任務は、脅迫、もしくは証拠を上げ公共の敵として社会から抹殺することだった。
任務を受け、脅迫や強奪だと言われて最初はうんざりしたが、結局、俺は任務をやり遂げていた。
それは何故か。そいつらは胸くそ悪くなるような偽善者で、自分を悪と認められない悪人だった。
犯罪を犯した子供を、臓器売買の組織に売っていた警察官などは、あやうく殺しかけた。
だが俺は、そのことを一度も後悔していない。
俺も“ドグマ”という悪に染まってしまったのか。最近の見る悪夢と相まって、自己嫌悪気味だ。
緑のランプが点灯する。これで、研究室に忍び込める。
(今回もどうか敵が、俺が殺したくなるような悪人であってくれればいい)
静かに願った。
暖房が効いていない部屋のせいか、俺の左手が細かく揺れた。

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最終更新:2011年01月02日 19:41
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