このSSの咲夜さんとヴァニラは壊れてます。特にヴァニラが。
完全で瀟洒な一日
PM7:00
完全で瀟洒なメイド、十六夜咲夜の仕事の始まりは19時きっかりに始まる。こうして聞くとどこかの蓬莱NEETのような生活を送っているように思えるが、彼女の主の都合だ。吸血鬼である主人は日光を好まない。
完全で瀟洒なメイド、十六夜咲夜の仕事の始まりは19時きっかりに始まる。こうして聞くとどこかの蓬莱NEETのような生活を送っているように思えるが、彼女の主の都合だ。吸血鬼である主人は日光を好まない。
「失礼します、お嬢様。」
自らの主がまだ寝ていることは承知しているためノックはせず、静かに扉を開ける。部屋の中央には豪華なベッド。更にその中央に大きなベッドに不釣合いなほど小柄な少女が眠っていた。彼女こそ紅魔館の主にして夜の女王、レミリア・スカーレットだ。
「あぁ・・・今日もお美しい・・・」
鼻から忠誠心をほとばしらせつつ、寝顔を眺める。起きている間は生意気な小娘(某ブルマッチョ談)だが、こうして寝ている姿は子供そのものだ。
己の忠誠心をうっかりレミリアにかけないように気をつけつつ、時を止めて鼻を拭く。そして改めて時を動かし、レミリアを優しく起こす。
己の忠誠心をうっかりレミリアにかけないように気をつけつつ、時を止めて鼻を拭く。そして改めて時を動かし、レミリアを優しく起こす。
「お嬢様。お時間ですよ?」
「んう・・・?咲夜・・・?今何時・・・?」
「夜の9時ですよ。お食事の支度も出来ています。」
レミリアはどうも低血圧らしく、目を擦りながら頭をふらふらと左右に振らせている。ちなみにこの時点で咲夜の忠誠心はネ○アのティッシュ一箱分程流出している。
「・・・フランとパチェは?起きてるかしら?」
「パチュリー様は徹夜3日目だそうです。妹様はまだ眠っていらっしゃいますよ?」
「そう。じゃあ着替えてフランを起こしに行きましょう。あの子、私が行ってやらないと寝巻きのままご飯を食べに来るんだから・・・」
ブツブツ言いながらもにやけながら言う。なんだかんだで、レミリアもフランが好きなのだ。ついうっかり495年ほど閉じ込めてしまうほどに。
着替えを終え、咲夜を従えながら地下へ向かうレミリア。こうしてみると、カリスマ全開なのだが・・・。
着替えを終え、咲夜を従えながら地下へ向かうレミリア。こうしてみると、カリスマ全開なのだが・・・。
「ふふふ。今日はどんな寝方をしているのかしら、フラン・・・」
ヨダレを口から垂れ流しながらではカリスマも糞もあったものではない。まぁ、まるで恋人でも見るかのような顔で口をふき取っているメイド長もメイド長だが。
そうこうしている内に、地下のフランの部屋へたどり着く。最近は大人しくなってきているが、発作のように破壊衝動が湧き上がってくるようなので本人たっての希望(遊んでくれる魔利沙に迷惑をかけたくないらしい)で地下暮らしを続行している。
そうこうしている内に、地下のフランの部屋へたどり着く。最近は大人しくなってきているが、発作のように破壊衝動が湧き上がってくるようなので本人たっての希望(遊んでくれる魔利沙に迷惑をかけたくないらしい)で地下暮らしを続行している。
「フラン?起きているかしら?」
レミリアが呼びかける。返事がないところをみると、まだ寝ているようだ。
「うっし、寝てるわねッ!咲夜!可及的速やかにこの扉を開けることを要求するわッ!」
「御意。」
wktkしながら命令するレミリアに応え、鍵を開けて中に入る。子供らしい寝顔にレミリアからは姉妹愛が、咲夜からは再び忠誠心がほとばしった。
PM11:00
「毎度毎度の事で言い飽きてるんだけれど・・・」
「毎度毎度の事で言い飽きてるんだけれど・・・」
パチュリーが本から顔を上げて思いっきり呆れた様なため息をつく。
「いい加減、血まみれで食堂に入らないでもらえるかしら?私は血を見て喜ぶ趣味なんてないんだけれど。」
「「いや、ほんっとうに申し訳ないわ(ありません)。」」
妖精メイド達に代えの服を用意してもらいながら、パチュリーに謝る二人。これもまた、紅魔館の風物詩だ。
「それより、咲夜ぁ。今日のご飯なーに?」
元凶が無邪気な声でメニューを聞く。その声に悶絶しているレミリアをまるでリグルかタワーオブグレーでも見るかのような目で見るパチュリー。
「今日はハンバーグですよ。ちゃんとつけ合わせのニンジンも食べなきゃダメですからね?お嬢様も!」
「はーい!」
「わ、わかってるわ・・・アレ嫌いだって言ってるのに・・・」
素直に返事をするフランに対し、ギクリとした顔で答えるレミリア。実は少食なのではなくて、単なる食わず嫌いなのではないかとパチュリーは睨んでいる。
AM2:00
「こぉのペド長がぁぁぁッ!今日こそ貴様を倒し、あの泥棒猫もとい泥棒コウモリを殺してぇぇぇッ!今度こそDIO様とぉぉぉッ!」
「こぉのペド長がぁぁぁッ!今日こそ貴様を倒し、あの泥棒猫もとい泥棒コウモリを殺してぇぇぇッ!今度こそDIO様とぉぉぉッ!」
「やれるものならやって見やがれこのブルマッチョがぁッ!あとPADと言ったか貴様殺ぉぉぉすッ!」
案の定やってきたブルマッチョ――ヤンデレ化したヴァニラ・アイスを全力で潰しにかかる。弾幕ごっこのルール無視の本格的な殺し合いなのだが、何故か両者共に無傷である。
「クソクソッ!私には振り向いてくれないのに何で貴様や紫モヤシやスカーレット姉妹とぉぉぉッ!」
「知ったこっちゃぁないわッ!いい加減にしないとその口にナイフぶち込むわよッ!」
「やってみろ!このヴァニラ・アイスに対してなぁッ!」
クリームの中に入り、無闇やたらに部屋の中のものをガオンしだすヴァニラ。レミリアやフラン、パチュリーには離れた部屋へ行ってもらっているが、後で修復するのはヴァニラではなく咲夜である。
いい加減に殺しておかないと唯でさえこれから門番を刺しに行かなけりゃならなのに仕事が増えていく!
いい加減に殺しておかないと唯でさえこれから門番を刺しに行かなけりゃならなのに仕事が増えていく!
「いい加減くたばりなさいッ!幻符【ザ・ワー・・・」
「ザ・ワールド!時よ止まれッ!」
ドォ―――ンッ!
咲夜が時を止めて確実に潰そうとした刹那、コンマ数秒の早さで時を止めた人物がいた。無論、悪の救世主・闇のカリスマ、DIOである。
「やれやれ・・・すまない。また私の部下が壊したようだな・・・」
「いえ。」
DIOの言葉に短く答える咲夜。彼自身が時を長く止められないことを知っているが故の短さである。
「フ・・・レミリアは実にいいしもべを持っているな・・・そして時は動き出す・・・」
「・・・はッ!?DIO様ッ!?」
「さて、言い訳を聞こうか?」
突如現れた敬愛すべき主にゲロ吐きそうなほどビビるヴァニラ。
そりゃあ目だけ笑っていない主の微笑を見ればビビるのは当然だろう。誰だってそーなる。私もそーなる。
咲夜は泡を吹きかねないほど狼狽しているヴァニラを見てそう実感した。
そりゃあ目だけ笑っていない主の微笑を見ればビビるのは当然だろう。誰だってそーなる。私もそーなる。
咲夜は泡を吹きかねないほど狼狽しているヴァニラを見てそう実感した。
「DIO様ッ!私はDIO様の事を思って!DIO様に近づく悪い虫を払って私がDIO様のおそばに・・・」
「自分を知れ・・・そんなオイシイ話が・・・・・・あると思うのか?おまえの様な命令を聞けない人間に・・・」
「DIO様それは息子n・・・」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄~以下7ページ分略~無駄無駄無駄無駄ァアアアア!」
「ヤッダーバァアアア!」
粗相の分だけ増えていく無駄ラッシュを喰らい、吹っ飛ぶヴァニラ。紅魔館の外に設置してある【燃えるアイスと中国は月水金】とかかれたゴミ箱に頭から突っ込んでピクリとも動かなくなった。
「すまなかった・・・私の監督不行き届きだったようだ。」
「いえ。ウチの門番も役立たずだったせいで余計な被害が増えただけですから。それにDIO様はお嬢様のご友人です。顔をお上げください。」
「助かるよ。」
あれだけヴァニラをぶん殴ったにも関わらず息一つ切らしていないDIOの謝罪に答える咲夜。このやり取りも今回で133回目だ。
「それより、お嬢様と妹様がお待ちです。Wiiをご用意させていただきましたので、奥のお部屋へ。」
「ありがとう。さすがは完全で瀟洒なメイド、だな。自分で行くから部屋の片づけを頼んでもいいかい?」
「御意。」
咲夜の言葉を聞いた後、奥の部屋へと姿を消すDIO。レミリアやフランを取られたようで少しさびしいが、楽しんでいる彼女達を見ているとヴァニラのように「DIO死すべしッ!」と思えない事が今の彼女の誇りだ。
AM4:00
「さぁお嬢様、妹様。そろそろおねむの時間ですよ?」
「さぁお嬢様、妹様。そろそろおねむの時間ですよ?」
どうやらDIOにスマブラとマリオカートでこてんぱんにノされたらしく、リアルスマブラに発展していた二人にパンパンと手を叩いて伝える。
「えー?もうそんな時間?」
グングニルを構えていたレミリアが不服そうに呼びかける。レーヴァテインを振り下ろしていたフランもまだ遊び足りないーと目で訴えている。
「今日は博霊神社で宴会があるんですよ?今のうちに寝ておかないと宴会中に寝てしまいます。」
「ふむ。そういえばそうだったな。私も寝ておかなければいけないな。」
咲夜の言葉にレバ剣を白刃取りしていたDIOも言う。二人に言われ、レミリアとフランは渋々遊びを切り上げた。
「うー。じゃあ今度決着をつけましょう。明後日も来るのでしょう?」
「え?明後日もお兄ちゃん来るの?」
「あぁ、そのつもりだ。だから今日はこれまでにしよう。さすがに私も疲れたからな。」
DIOの言葉に素直に頷き、てててと咲夜の元に戻るフラン(咲夜は時を止めて忠誠心を処理した)。
「では、お嬢様。お見送りをお任せしてもよろしかったですか?私は妹様を寝かせてきます。」
「わかったわ。DIO、明後日は絶対負けないわよ?」
「フッ。覚悟しておこう。」
DIOとレミリアが部屋から出て行くのを待ってすでにウトウトとしていたフランを抱き上げ、地下に連れて行く。本当にこうしてみると吸血鬼とは思えないくらいのかわいらしい寝顔だ。
「・・・ふぅ。おっといけないいけない。」
また忠誠心が飛び出てしまった。今度人里でネ○アを買って来なければ。
AM4:30
「お嬢様。お待たせいたしました。」
「お嬢様。お待たせいたしました。」
「遅いわよ咲夜。」
咲夜がレミリアの部屋に入ると、既にレミリアは着替えてベッドに横になっていた。失礼しますと声をかけ、咲夜もベッドの中へもぐりこむ。
「さぁ、咲夜。今日もお願いね?」
「はい。」
期待に満ちた目をするレミリアに笑顔で答える。この瞬間こそが咲夜にとって最高の【ゴホウビ】なのである。
「どこまで話しましたっけ・・・?」
「足の不自由な騎手が【回転】を覚えるところまでは覚えているわ。」
「そうでしたか。では、今日は彼の友人の過去のことから話しましょうか・・・」
咲夜はレミリアが眠るまで話し続ける。気高く、そして優しい【奇妙な冒険】の話を・・・
AM5:00
「くそッ!今日もダメだったか・・・明日こそ・・・明日こそあのペド長とコウモリ幼女をってもう朝!?早く日陰に移動しなければって体がつっかえてこのゴミ箱ガオンできねぇッ!?中国!中国ーッ!助けろ中国ーッ!」
「くそッ!今日もダメだったか・・・明日こそ・・・明日こそあのペド長とコウモリ幼女をってもう朝!?早く日陰に移動しなければって体がつっかえてこのゴミ箱ガオンできねぇッ!?中国!中国ーッ!助けろ中国ーッ!」
AM9:00
「えーっと・・・咲夜さ~ん。私の勤務時間、もう10時間も過ぎてるんですけどぉ!まだ交代の時間にならないんですかぁッ!?眠たいよぉ~!」
「えーっと・・・咲夜さ~ん。私の勤務時間、もう10時間も過ぎてるんですけどぉ!まだ交代の時間にならないんですかぁッ!?眠たいよぉ~!」