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東方魔蓮記 第十三話

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匿名ユーザー

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フランドールは全速力で飛んできて距離を詰めると、物凄い速さでレヴァーテインを振る。
それは吸血鬼のパワーを生かした一撃必殺の振り下ろし。
人間の武器や防具は恐らく容易く破壊され、回避しようにも常人には視認すらできないだろう。
だが、ディアボロは振りかぶったその一瞬のタイミングで時間を消し飛ばすと、フランドールの背後に回って狙いを定める。
攻撃箇所は右腕の根元。手刀で切り落とすつもりだ。

「あれ?」
フランドールはディアボロを見失って左右を見渡す。
「(もらったッ!)」
ディアボロはその隙をついてキングクリムゾンの手刀を勢いよく振り下ろす。
その一撃によってフランドールの右腕は根元から切られ、大量の血と共に床に落下する。
……もしこれがDIOや承太郎と同じくらい腕が太かったら切断はできなかったかもしれない。
「あああっ!」
突然の痛みに思わず叫ぶフランドール。
痛みを感じたところを左手で押さえようとするも、右腕が無いことに気がつく。
「……・!」
フランドールが後ろを振り返ると、ディアボロはもう『次の一手』を仕掛けてきた。
キングクリムゾンに腹部を殴られ、不意打ちに思わず怯むフランドール。
さらにそのまま顔を殴られると同時に足払いをされ、その勢いで地面に倒れてしまう。
倒れたその隙を逃さずキングクリムゾンで殴りかかるが、フランドールがとっさに顔を左腕で庇ったため、偶然にも防御される。
フランドールは弾幕を撃ってディアボロを離れさせて何とか立ち上がり、顔を上げてディアボロを見る。
……しかし、フランドールは『目』が見えなくなっていた。

『目』といっても視覚を失ったのではない。
彼女にのみ見える全ての物体に存在する『破壊の目』。それは破壊されると、どんな物でも一瞬で壊れてしまう。
フランドール・スカーレットの能力は、その『破壊の目』を自分の手元に移動させ、自力で壊す力。
故に『ありとあらゆる物を破壊する程度の能力』と言われる。
ディアボロとしては何としてもその能力を封じないと勝ち目は無い。
だからヘブンズ・ドアーの能力を使って『ありとあらゆる物を破壊する程度の能力』を封じたのだ。
フランドールがキングクリムゾンのパンチによって怯み、転ばされ、ディアボロを離れさせて起き上がるまでの間にヘブンズ・ドアーを撃ち込み、能力封じと本にされたことに関する記憶の消去を行ったのである。
「(これで勝てる可能性が見えてきたか……)」
フランドールの右腕が再生してきている。
それを見たディアボロは、ウェザーリポートの風圧をまとったパンチをフランドールに命中させる。
殴られた衝撃と風圧によって、フランドールは物凄い勢いで吹っ飛んでいく。
「(場所を変えよう。ここには身を隠す場所があまりない)」
そう判断したディアボロは走ってフランドールとレミリアから逃げる。
……かつての経験から言うと、強力なDISCを装備していなかったときは吸血鬼2体を相手にして浅い傷で済んだことなど無いからだ。
リスクを減らすための早急な治療を必要とするぐらいの怪我を負うし、場合によっては死に掛けたこともある。
しかし、幻想郷の吸血鬼の身体能力は柱の男たちのエサであった『ディアボロのいた世界』の吸血鬼とは違って非常に高く、力は鬼に劣らず、速さは天狗に引けを取らないといわれている。
そんな奴相手にどうやって逃げるのか……ディアボロには一つの考えがあった。


立ち上がり、ディアボロを睨むフランドール。
すぐに物凄い速さでディアボロを追いかけ始め、レミリアも慌ててついていく。
「(やはり追いかけるか)」
それを見たディアボロはキングクリムゾンを出し、同時に『走る』。
ディアボロの走る速さがどんどん上がっていき、最後は目の前の扉を時間を消し飛ばしている間に通り抜けた。
「……!消えた……」
レミリアはディアボロが消えた先にある扉を見る。
何処かに身を隠したか、あるいは目の前の扉を開けていったか。
だが、開けていく瞬間を見ていないし扉を開けた音も聞こえなかった。
「(もし目の前の扉の向こうに行ったとしたら……!)」
目の前の扉からは紅魔館にある図書館へと続いている。
そしてその図書館には、レミリアと仲が良い魔女『パチュリー・ノーレッジ』がいる。
もしそこに逃げ込んだとしたら……。
「フラン!急ぐわよ!」
レミリアは友を助けるために、フランドールはディアボロに仕返しをするために目の前の扉を開いた。

「(……あれ?私、この本のページをいつめくったのかしら……?)」
ディアボロがフランドールの右腕を切り落としたのと同じ頃。
パチュリーはいつのまにか次のページがめくられていたことに気づいた。
自分がめくった記憶は無い。誰かがめくった覚えも無い。
しかし、気にせず読書を続けるパチュリー。
そして、ディアボロがキングクリムゾンのスタンド能力で図書館に侵入した。
そのとき再び時間を消し飛ばしたため、先ほどと同じ現象が再び起こる。
「(またいつの間にかページがめくられているわ……)」
パチュリーがそう思った直後、図書館の扉が開く。
「パチェ!大丈夫!?」
「……どうしたの?急に」
慌てた様子で自分の下に向かってきたレミリアに、何故慌てているのかわからず尋ねるパチュリ-。
「無事だったみたいね……じゃなくて、ピンク色の長い髪に緑色の斑点模様がついている男を見なかった?」
「私は本を読んでいたわ……誰も見ていないわよ」
パチュリーが攻撃されていなくて安心したのだろう。レミリアは胸を撫で下ろした。
「お姉さま……まだ終わっていないわ」
「わかっているわフラン。……あの男は一体どこに隠れたの?」
レミリアはそう言うと、ディアボロを探すためにフランドールと共に飛ぶ。
「(面倒だな……上から俺を探しにくるとは)」
その様子を伺っていたディアボロは上から身を隠す場所があまり無いことに苦い顔をする。
うまく隠れるほかに策は無いと判断して身を隠す場所を変える。


レミリアと共に飛んでいる最中、フランドールの脳裏に先ほどの光景が蘇る。
「(あの行動の『いつ』、あの人間は私の能力を封じたの……?)」
フランドールにはさっぱりわからない。いつ自分の能力を封じたのか。
「(わからない……・いつ能力を封じられたのかわからない……)」
悩むフランドールに対して、レミリアは顔には出さないものの苛立っていた。
「(……このままじゃ吸血鬼の名が恥じるわ)」
咲夜は呼ばない。
……これはプライドの問題。自分とフランドールであの男を倒さなければならない。
「(さて、どうやって隠れようか……)」
ディアボロはうまくレミリア達から隠れていた。
読書の邪魔をされたからか、パチュリーも彼を探しにレミリア達と一緒に行動している。
うまく身を隠せているのがある意味幸運だろう。
「(移動しなくては……見つからなければ別の場所に行ったと思ってこの部屋から去るはずだ)」
そう思って移動しようと振り返った。
……目の前にレミリアやフランドールやパチュリーとはまた違う者がいた。
そいつは鼻歌を歌いながら本を本棚に直している。その身体の特徴からして、どうやら人間ではないようだ。
どうやらディアボロには気づいていないらしい。
「(俺に気づいていないなら別にどうもしない。こっそり背後を通れば大丈夫だろう)」
そう思ってこっそり背後を通る。……が、そううまく物事が進むはずも無く。
「見つけたわ!」
レミリアの声がディアボロの耳に響く。
「(とうとう見つかったか……!)」
とっさの判断で、さっきまで背後を取っていた者を、レミリア目掛けてキングクリムゾンとザ・ワールドとウェザー・リポートで同時に思いっきり蹴り飛ばした。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
何が起きたか分からずに若干泣き顔でレミリア目掛けて飛んでいったその者を、レミリアは簡単に避ける。
その結果、その者は壁に体がぶつかり、そのまま地面に落ちていく。
「むぎゅぅ……」
床に倒れているその者にパチュリーが心配そうに近寄っていく。
「……大丈夫?」
「大丈夫です、パチュリー様……」
そうは言ってもやはり先ほどの一撃のダメージはやはり大きかったようだ。
ちょうどわき腹の辺りを思いっきり蹴られたために痛くて立てない。
「いたたたたたた……」
「……無理はしないで」

一方そのころ、ディアボロはレミリアとフランドールと対峙していた。
相手を見つけた以上、空中に居続ける理由は無い。
そう判断したレミリアとフランドールは床に下りていた。
「やれやれ、逃げ続けるわけにもいかないのは承知だったが……どうやら、引き下がれないようだな」
そう言って二人を睨むディアボロを、レミリアは鼻で笑う。
「さっきはうまくいかなかったけど……今回はフランドールもいるわ。どうやって勝つつもり?」
「簡単なことだ」
そう言うディアボロの周囲には、沢山の雨雲が発生している。
だが、レミリアもフランドールもそれに気づいていない。
「『確実に倒す』。ただそれだけだ」
ディアボロの周囲の雨雲が帯電し始めた。
「……・こい。俺を倒して見せろ」
その挑発に乗ったレミリアが沢山の弾幕をディアボロ目掛けて撃ち始める。
それと同時に、ディアボロの周囲の雨雲からも沢山の雷が放たれ、弾幕を次々と打ち消していく。
「やっぱり撃ち合いはあまり得意じゃないな……」
ディアボロがそう言った直後、突然レミリアとフランドールの身体に火がついた。
空気摩擦で火をつけたのだ
「な、なんで唐突に火がつくの!?」
「私に聞かないでよお姉さま!」
慌てて火を消そうとするレミリアとフランドール。
すると、どこからか水が飛んできて火がついた箇所にあたって火が消える。
「体の一部に火がついたぐらいで慌てないこと」
「……・わかったわよ」
水を飛ばしたのはパチュリー。
そのパチュリーから注意を受けて少しふてくされるレミリア。
「また増えたか……しょうがない」
そう言いながらディアボロはある考えを思いつく。

レミリアたちの真上に雲を作る。
この雲はマジシャンズレッドの炎のように、スタンド使いではないものには見えない。
もちろん、誰にでも見える雲を作り出すこともできる。数ヶ月前での雲山との闘いではそっちのほうを使用した。
「(彼がどう動くかに気をつけないと……何をするかまったく読めないわ)」
レミリアがそう思った矢先、彼女の頭の上に何かが落ちてきた。
「痛っ!……なによ、何が落ちてきたの?」
雲がスタンド像ならそこから発生する雨や雷もスタンド像だ。
当然、レミリアが自分に落ちてきたものを探しても見つからない。
「……まだまだ降るぞ」
ディアボロのその言葉と共に、雹がどんどん降ってくる。
「痛い!痛い!痛いって!」
レミリアだけでなく、フランドールやパチュリーにも次々と落ちてくる。
吸血鬼や魔法使い相手に沢山雹が当たったところで死に至らしめるほどのダメージはない。
だが、見えない物を避けようとして必然的に統率が乱れてしまう。
ディアボロはそれが狙いだった。
例え一体でも厄介なのに、三体同時に相手したら痛いじゃ終わらないほどの傷を負う可能性があるのは容易に想像できる。
ならば統率を乱し、一体ずつ倒していった方がいいのだ。
「(まず狙うのは……)」
ディアボロは最初に倒す相手を決めた。レミリアだ。
彼女はもっともリーダーに近いポシジョンだ。彼女を倒せば統率に乱れが生じる可能性もある。
そう思ったディアボロはヘブンズ・ドアーのDISCをケースに入れると、代わりにエコーズのDISCを取り出して装備する。

相手も埒があかないと思ったのだろうか。
レミリアはディアボロの位置を視認すると、自分に降ってくる雹による痛みを強引に無視してディアボロに突撃する。
それを見たディアボロは、応戦するためにキングクリムゾンを出した。

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