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東方魔蓮記 第十四話

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物凄い速さで距離を詰めてくるレミリア。
だが、ディアボロに手が届くまであとわずかというところで、突然真下から殴られる
『S・H・I・T!』「がふっ……!」
思わぬ一撃をもらって床に落ちるレミリア。立ち上がろうとするが、体が物凄く重い。
エコーズACT3。殴った物体を物凄く重くする力があるが、その能力もある程度距離を取ると強制的に解けてしまう。
勿論、殴られた者は立ち上がれない。……少なくとも人間は。
しかし、吸血鬼は違った。なんと、レミリアは何とか立ち上がったのだ。
「凄いな。今までこの一撃を受けて立ち上がることができた奴を見たことがないぞ」
ディアボロは驚きながらも、次の策を考える。
「(だが、ACT3の影響で今のこいつはあまり速く動けないはずだ。叩くなら、今を置いて他にはない)」

「(身体が……物凄く重い……!)」
ACT3の一撃を受けたレミリアはそのあまりにも自分にかかる重さに、それに耐え切れずに倒れそうな気がした。
今のままでは相手を殴ったり蹴ったりできない。そんなことをしたら身体が重さに耐え切れずに立っていられなくなる。
飛ぼうとしたところで重くて落ちるだろう。
「(弾幕を撃とうとしてもこの距離じゃ彼の一撃のほうが先に命中するし、パチェもフランも見えない何かに逃げ惑っている……)」
頭の中で思いつく策が、全て彼に覆されそうで。それどころか、自分の策を逆手に取られそうで。
悔しさのあまり、ディアボロを睨んだのだが……

―彼の目はあまりにも冷たく、情がない目つきだった。吸血鬼である彼女ですら、見たこともないほど冷たかった。

……それは彼女を威圧するための彼の策なのだが。
その非情な目に歯軋りをしながら、レミリアは一本の槍を作り上げる。
『スピア・ザ・グングニル』。今まともに目の前の男を攻撃できる手段はそれしか心当たりはない。
本来は作り上げた後に投げるのだが、身体が重くて勢いをつけれないため、投げたところで大して飛ばないだろう。
ならば、このまま突き刺すまで。
「はぁぁぁぁぁっ!」
ディアボロにあっさり避けられるだろう。だが、その状態でも重さと勢い任せに斜めに振れば彼を切ることができる。
レミリアはそう考えてディアボロに槍を突き刺そうとした。
「(なるほど、そういう計算の上で仕掛けてくるか)」
だがディアボロはエピタフで未来を見ることができる。彼が見た未来は、槍で自分が斬られる光景だった。
「(だが、俺の見た未来には辿りつくことはない。……残念だな)」


「……!?いない……!」
レミリアの一撃ははずれ、ディアボロはレミリアの視界から消えていた。
突然、レミリアは後ろから引っ張り倒される。
今もACT3の効果は続いている。一度こうやって倒されると、起き上がるのは大変である。
「どこ向いて攻撃しているんだ?」
その声と共にレミリアの視界にディアボロが入る。
「ど……どうやって私の背後を……」
「うかつに種明かしをするのは自滅を招く一因になる」
どうやってディアボロがレミリアの背後を取ったか。……簡単だ。
レミリアが槍でディアボロを突こうとした瞬間にキングクリムゾンの能力を発動して背後を取ったのだ。
レミリアは起き上がろうとするが、まだ身体が重たいままだ。
「(一気に行動不能にするか)」
そう思ったディアボロは時間を消し飛ばしている最中にメタリカと入れ替えていたホルス神の能力でレミリアを凍らせようとする。
両腕から、両足から、どんどんどんどんレミリアの身体が凍り付いていく。
「……!(急いで抜け出さないと……!だけど身体が重いし、手足の感覚が無くなっていってる……!)」
氷はやがて両手両足を覆い、レミリアの手足の感覚はもはやなかった。
「(も……もう逃げれないというの……!?)」
今度は胴体が凍りだす。両手両足を封じられ、逃げることもできないレミリア。
足掻くことすらできず、とうとう凍っていないのは首から上だけになってしまった。
「くっ……!」
「これでしばらくは身動きはとれないな。後は……」
そう言って次の相手に狙いを定める。
「(フランドール・スカーレット……あのなかでもっとも破壊する力は強い。早めに行動不能にしておいたほうがいいな)」
そう思いながら二枚のDISCをケースから取り出し、ホルス神のDISCを身体から抜き取った。

レミリアはディアボロが次に誰を狙うかに気づいた。
「フラン気をつけて!狙われているわ!」
「!」
レミリアの声にフランドールが気づいて振り返ると、そこにはDISCを入れ替えたディアボロと身体を凍らされた自分の姉。
「……!」
フランドールは驚くも、すぐに物凄い速さでディアボロに接近し、レヴァーテインで斬りかかる。
対してディアボロは、刀を鞘から抜き、今装備している近接パワー型のスタンドを総動員してその刃で受け止める。
……だが、なぜか顔は下を向いている。
「切れ味はまあまあ。だけど吸血鬼の力でこれを振るえば並大抵のものは斬れるわけだ」
そういったディアボロが顔を上げ、フランドールを見る。
ディアボロの『何か』がおかしいことに気づいたフランドールは数歩後ろに下がる。
先ほど入れたDISCのうち一枚はアヌビス神。……そう、『表に出ている方』が入れ替わったのだ。

「こりゃごり押しで何とかなるものじゃないな。どうするか……」
ディアボロの身体を借りたアヌビス神はフランドールの一撃を受け止めた感想を平然と言い放つ。
対してフランドールは距離を取って弾幕を撃つが、アヌビス神は冷静に全てを斬り捨てる。
「おっと、弾幕で何とかなるほど俺は甘くないぞ?」
ニヤリとしながらそう言うアヌビス神。そこにフランドールが斬りかかって来る。
だが次の瞬間、またもやアヌビス神はフランドールの視界から姿を消していた。
「おいおい、俺はこっちだぜ?」
その言葉と共に背後から斬られるフランドール。その痛みに耐えて後ろを振り向くと、そこには不敵な笑みを見せるアヌビス神。
どうやって背後を取ったのかは先ほどと同じであるため、説明は省略する。
「(だが相手はDIO様と同じ吸血鬼。この一撃も、もたもたすれば傷口が塞がって意味がなくなる……)」
そう思ったアヌビス神は一撃を加えようと再び振りかぶったランドールの両腕を斬りおとす。フランドールが苦痛に悲鳴を上げている隙に、更に両膝まで斬る。
「(確かDIO様は首から下がなくても生きていたと旦那に聞いたことがある。同じ吸血鬼なら、こいつもきっと……!)」
アヌビス神がそう思っていたそのとき、炎がアヌビス神目掛けて飛んできた。
『アヌビス神!後ろだ!』
ディアボロに言われ、振り向きざまに物凄い速さで炎を斬る。
何度も斬られた炎は瞬く間に消滅し、その光景にパチュリーは驚いた。
「(炎を斬った……!?)」「……そういえばもう一体いたんだったな」
そう言ってパチュリーを見るアヌビス神。
「(……あれは厄介だな)」
そう思ったアヌビス神は、意外な行動を取る。
まだ傷が治っていないフランドールの襟首をキングクリムゾンで掴むと、パチュリー目掛けて投げつける。
……レミリアがディアボロを見つけた直後のディアボロの行動に似ているのだが、気にしてはいけない。
「ひやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「!」
避けたらフランドールが背後の壁にぶつかって落下する。避けなかったら自分も巻き込まれて同じ目にあう。
パチュリーとフランドールの距離が詰まっていく中、パチュリーは迷う。
パチュリーが取る行動は……?

一方その頃、氷に動きを封じられてしまったレミリアは……

「(……もうプライドがどうのこうの言っていられないわ。このままだと、全員やられる……!)」
未だ身体を凍らされて動くことのできないレミリアは苦渋の選択をする。
なるべく自分の手で片付けたかったのだが、この状況ではそういうわけにもいかない。
『……アヌビス神。メタリカのDISCとザ・ワールドのDISCを入れ替えろ。面倒な事が始まる予知をみた』
エピタフの予知を見たディアボロはアヌビス神にDISCの入れ替えを促す。
『エピタフの予知か……。だったら旦那の言うとおりにしたほうがいいな』
そう言いながらもDISCの入れ替えを済ませるアヌビス神。
「咲夜ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
レミリアが大声で咲夜を呼ぶ。
直後に時間が停止し、何もかもが動きを止める。
『(これは……!DIO様と同じ力……!?)』
時が止まった中で、突然図書館の扉が開く。そこから入ってきたのはあのメイド長。
傷を癒し、体力もちゃんと回復している。
「これは……一体……」
咲夜は目の前の光景に絶句した。
両腕と両足が再生途中のフランドールが、パチュリー目掛けて飛んでいる。
フランドールが飛んでいくのとは反対の方を見れば、さっきの『あの男』。刀を抜いて応戦しているようだ。
「お嬢様は……?」
姿が見えないレミリアを探して飛ぶ咲夜。そして、見つけてしまった。
「……!」
首から下が全て凍らされている自らの主を。
「お嬢様……!」
驚き、動揺する咲夜だったが、すぐに行動に出た。
咲夜は時間停止によって空中で止まっているフランドールを捕まえると、ゆっくりと地面に下ろす。
「(もうこの時点で9秒を軽く突破していやがる!まさかDIO様や旦那以上に時を止められる奴がいるとは……!)」
そして、ディアボロを視界に捕らえると、10本ほどナイフを投げつけ、レミリアの元に移動する。
『背後に10本ナイフがある!』
ディアボロがそうアヌビス神に告げる。その言葉を聞き、アヌビス神は振り返る。
咲夜はレミリアを見ているためにアヌビス神が動いたことに気づいていない。
そして、時間が再び動き始めた。

突然フランドールが視界から消え、周囲を見渡すパチュリ-。
スタープラチナの攻撃から受けた際に経験したスピードを生かし、常人を大幅に超えた速さで全てのナイフを弾き落とすアヌビス神。
吹き飛んだ勢いがまだ残っていたために、再び飛んでいくフランドール。
だが、足の再生が運良く終わり、何とか着地に成功する。
「咲夜!」
「大丈夫ですか?お嬢様」
咲夜がやってきて安心するレミリアと声をかける咲夜。
「(危ない危ない……スタープラチナの全力を経験していなきゃ、間違いなく何本か刺さっていたぜ……)」
そう言って安堵のため息をつくアヌビス神。
『厄介ごとになったな……4体相手にどう戦うべきだ……?』
ディアボロはそう言って考える。
相手は吸血鬼姉妹、時間を操るメイドに魔法使い。
こちらの使えるスタンドは4つ。現在、アヌビス神、ザ・ワールド、キングクリムゾン、ウェザーリポートを装備している。
『アヌビス神。……メイドは何としても行動不能に追い込め。あの能力は厄介だ』
咲夜は時間を操り、こちらよりも長く時間を止めていられる。吸血鬼姉妹も厄介だが、彼女に戦闘の邪魔をされるのも厄介だ。
『確かに厄介だな。時間もこっちよりずっと長く止めていられた……』
アヌビス神もその意見に同意し、相手の様子を伺う。
「(確かこっちは9秒……相手はさっきので30秒……いや、1分近く時間を止めていた。隙を突いて一撃を決めるべきだな)」
そう思ってふとフランドールを見ると、なんと手の再生がもう少しで終わるところまで回復していた。
「(しまった!吸血鬼の再生速度を考えていなかった!)」
心の中で焦るもすでに遅し。フランドールは再生を終え、アヌビス神を睨みつける。
そして飛んでくるスピア・ザ・グングニル。
それをアヌビス神はあっさりよけるが、なぜか背後から悲鳴が聞こえた。
アヌビス神が振り返ってみてみると、怯えているさっきディアボロに投げられた悪魔のすぐ隣にスピア・ザ・グングニルが刺さっている。
もしも彼女がもう少し左にいたら彼女に刺さっていたかもしれない。
「「「「『「……………………」』」」」」
思わずその場のほぼ全員に沈黙が走る。
数秒経過し、アヌビス神がレミリアたちのほうを再び見る。
「こうなったらしょうがないな……」
そう言ってため息をつくアヌビス神。そして、刀をレミリア達に向けるとこう言った。
「やられる覚悟がある奴からかかってきな!」
その言葉を挑発と受け取ったレミリアたちは一気にアヌビス神に襲い掛かる。
レミリアはスピア・ザ・グングニルを、フランドールはレヴァーテインを持ってアヌビス神に飛び掛り。
咲夜はナイフを取り出して投げる構えをとり、パチュリーは魔法を使う準備に入った。
それを見たアヌビス神は刀を構え、攻撃に備える。

久しぶりに命を懸けた死闘を繰り広げられそうだからなのか。
ディアボロには、自分の身体を借りたアヌビス神が刀を構えたときにニヤリとしたように思えた。

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