ゴールを通り抜けた瞬間、妹紅の全身を疲れが襲った。
15,000メートルのレースは、馬の体だけでなく乗り手の体にも強烈な疲労を与えていたのだ。
「すげぇな……あのジャイロ・ツェペリとか言う鉄球男……最後の最後であんな加速をするなんて」
馬から下りて、規定の場所に馬を繋ぐ。
「飲み物をどうぞ。食べ物もいかがですか?」
のびをする妹紅の耳に、屋台の係員が発した言葉が突き刺さる。
「……飲み物……」
彼女に耳が、ピクリと動いた。
「選手の方は無料となっております!」
「無料……」
彼女はふらふらと、誘蛾灯に引き寄せられる蛾のように屋台へと向かい、
「…………」
絶句した。
理由はただ一つ。
無いのだ。飲み物も食べ物も。
「めちゃくちゃだな。ここでは空気を無料で食べさせてくれるのか?」
「い……いえ……すぐにおかわりをお持ちいたします……」
睨みを利かす妹紅に、冷や汗をかく係員。
ちなみに、屋台の物全てを食べつくした張本人は、妹紅の後ろで肉にかぶりついていたりする。
「はぁ……どうしたものか……」
係員の体たらくに頭を抱える妹紅。
その横から、
「スポンサーの皆様方、ゴールを祝して高価なフランス・シャンパンやドイツ・ワインなどをご用意しております」
というスティール氏の大声が。
妹紅の中に、ブラックなアイデアが浮かんだ。
「うふふふ……我ながらなんてアイデア……」
自然と顔がにやける。係員は頭上に疑問符を浮かべる。
「あの、どうかされましたか?」
「いや、何でもないんだ。早くおかわりを用意しに行ってくれ」
「かしこまりました」
立ち去る係員。
「さて……と。にひひ」
妹紅は黒い笑みを浮かべ、自前の妖術で姿を消した。
15,000メートルのレースは、馬の体だけでなく乗り手の体にも強烈な疲労を与えていたのだ。
「すげぇな……あのジャイロ・ツェペリとか言う鉄球男……最後の最後であんな加速をするなんて」
馬から下りて、規定の場所に馬を繋ぐ。
「飲み物をどうぞ。食べ物もいかがですか?」
のびをする妹紅の耳に、屋台の係員が発した言葉が突き刺さる。
「……飲み物……」
彼女に耳が、ピクリと動いた。
「選手の方は無料となっております!」
「無料……」
彼女はふらふらと、誘蛾灯に引き寄せられる蛾のように屋台へと向かい、
「…………」
絶句した。
理由はただ一つ。
無いのだ。飲み物も食べ物も。
「めちゃくちゃだな。ここでは空気を無料で食べさせてくれるのか?」
「い……いえ……すぐにおかわりをお持ちいたします……」
睨みを利かす妹紅に、冷や汗をかく係員。
ちなみに、屋台の物全てを食べつくした張本人は、妹紅の後ろで肉にかぶりついていたりする。
「はぁ……どうしたものか……」
係員の体たらくに頭を抱える妹紅。
その横から、
「スポンサーの皆様方、ゴールを祝して高価なフランス・シャンパンやドイツ・ワインなどをご用意しております」
というスティール氏の大声が。
妹紅の中に、ブラックなアイデアが浮かんだ。
「うふふふ……我ながらなんてアイデア……」
自然と顔がにやける。係員は頭上に疑問符を浮かべる。
「あの、どうかされましたか?」
「いや、何でもないんだ。早くおかわりを用意しに行ってくれ」
「かしこまりました」
立ち去る係員。
「さて……と。にひひ」
妹紅は黒い笑みを浮かべ、自前の妖術で姿を消した。
不死鳥は失敗を恐れない 第八話『ペナルティ!? ぶっちゃけありえな~い』
「ンッン~大漁大漁♪ とは言っても二本しか盗ってないけど」
満面の笑みを浮かべ、妹紅は姿を現した。
腕に抱くのは二本のボトル。
赤ワインとシャンパンである。
「さあて、どっちを空けてやろうかな~♪」
笑顔で選り好みする妹紅の耳に、
“ただいま順位結果が確定しましたッ!”
アナウンスの声と観客たちの歓声が押し寄せてきた。
「おおっと!」
ボトルを落としそうになるも、何とか体勢を立て直した妹紅は、アナウンスに耳を傾ける。
“審議により、1位ジャイロ・ツェペリ選手によるサンドマン選手への『走行妨害行為があったため』ツェペリ選手に『順位降格のペナルティ』が課せられます!”
そのアナウンスに、誰もが驚いた。
妹紅が、ジョニィが、ポコロコが、驚きの表情でアナウンスを発する気球を見る。
ただ一人、ジョニィの目の前で馬から下りるジャイロだけが、下を向いていた。
彼の脳裏に写るは、下り坂の光景。
自分の手から放たれる鉄球。
鉄球がえぐった岩を踏むサンドマン。
“よってジャイロ選手は20位降格のペナルティが課せられ、2位以下の選手が順位繰上げになりますッ!”
ざわめく会場。
“優勝は繰り上げでサンドマンが確定しました! ファーストステージ王者はサンドマンだぁぁーッ!”
ざわめきはすぐに歓声に変わった。
“2位はディエゴ・ブランドー! 一旦枯れた川で退いたが、流石は英国競馬界の貴公子! ゴール前直線での追い上げは素晴らしかった!”
次々と、
“3位はポコロコ!”
明かされていく、
“おっと、4位に我らがマウンテン・ティムが入ってきているッ! 流石我らがカウボーイ! いつの間にかキッチリと馬の鼻をねじ込んでいたッ!
順位。
“6位はモコウ・フジワラノ選手! 遥か遠い東の地、日本からの参戦だッ!”
そのアナウンスを聞き、妹紅は舌打ちをする。
「いつの間にか一人増えていたのか」
油断の出来ない奴だ。と思い馬に乗ったままのカウボーイを見つめる。
「ま、次のステージで追い抜けばいいだけか」
カウボーイに見飽きて振り返ると、そこには20分前に見かけた青年と目が合った。
「あ、アンタ……今朝俺の足に刺さってた木を引っこ抜いた……」
青年ことジョニィは、妹紅を指差す。
「ああ。今朝騒ぎ散らしていたアンタか。どうだ? 祝いの酒を持ってきたんだ」
妹紅は気さくに話しかけ、腕に抱えているボトルをジョニィに見せ付ける。
「ワインとシャンパン……? 妹紅、アンタそれ荷物に入れて走っていたのか?」
「いや、そこのテーブルからくすねた」
「悪ゥ~」
怒り、というより呆れた表情をするジョニィ。
「まあ、堅いこと言うな。そういえば、アンタの名前聞いてなかったな」
悪戯が成功した子どものような表情を浮かべ、妹紅はシャンパンのコルクを景気よく飛ばす。
「ジョニィ。ジョニィ・ジョースターだ」
「へぇ。略してジョジョだな。とりあえず飲め」
妹紅はシャンパンのボトルをジョニィに突きつけるが、ジョニィは首を振る。
「なんだよ。アタシの酒が飲めねーってのか?」
少し喧嘩腰になる妹紅。
「俺は炭酸が苦手なんだよ」
「なるほど~」
そんな和気藹々とした雰囲気の二人の後ろで、とてつもなく濃厚な殺気を放つ男がいた。
ジャイロ・ツェペリだ。
拳を握りしめ、総金歯を軋ませ、彼はシャンパンやワインボトルの並ぶテーブルに鉄球を叩きつけた。
スポンサーたちはざわめき、警備の保安官がスティール氏の前に並ぶ。
だがスティール氏は彼らをはらい、一歩前に出る。
「何か文句でもあるのかね? ツェペリくん……普通なら失格だったぞッ! 武器による妨害なんだからな」
見下すかのような言い方をするスティール氏に、ジャイロは歯を軋ませて、
「別にねェよォーッ。もうてめーらとは絶対に口をきかねぇッ! もう済んじまった事はどうこう言ってもしょうがねーしよォォ……だが明日の為によォォー」
振り返ると、
「ムカついた気分を変えに来ただけだッ! それだけだッ! 言いてぇ事はッ! 後はシャンペンなりワインなりで祝ってろッ!」
大股開きで歩き出す。
スティール氏の近くにいた男が、スティール氏に耳打ちをすると、
「おい、ちょっと待てー!」
すぐさま手を伸ばしてジャイロを引き止めようとする。
その動きと同時に、シャンパンボトルからコルクが飛び出した。
「うおおッ!」
スティール氏はのけぞって、コルクを避ける。
しばらくすると、シャンパンも、ワインも、ウイスキーも、全てのボトルが小刻みに震えだし、次々にコルクを発射させる。
後はもう大混乱。
コルクの弾幕がスポンサーたちに襲い掛かる始末。
「よっと!」
ジョニィは、飛び交うコルクの一つを、掴み取った。
未だにパニックは続き、そしてシメは彼らの背後に立つ貯水樽の大崩壊。
「ちょっと気分は落ち着いたぜ……」
ジャイロは事を見つめていた妹紅とジョニィの傍で止まる。
「ド派手な前祝いやってくれるじゃないの。一杯どう?」
ジョニィの横にいる妹紅が、ジャイロにシャンパンを差し出す。
「いや、待ってくれ。ちょっとジョニィに話がある」
ジャイロは首を振り、ジョニィを指差す。
「無事についてこれたみてぇだな。ジョニィ。次はLESSON2『筋肉には悟られるな』……だ!」
LESSON2。
その言葉に、ジョニィは聞き耳を立てる。
「いいか、例えば腕を掴むこ~んな動作!」
「おいジャイロ! 何すんだよ!」
突然ジャイロは妹紅の腕を掴み始めた。
「腕をこうやって強く掴めば掴むほど……」
「離せ! コラ離せってんだ!」
躍起になって妹紅は掴まれた腕を振る。
「筋肉はこの力を振りほどこうと理解して反応してくる! 肉体が本能的に身を守ろうとするのは筋肉にきづかれるからだ」
「はーなあーせぇぇ!」
「だが鉄球の回転はそれを悟らせない! 皮膚までだ……」
ジャイロはぱっ、と妹紅の腕から手を離してみせる。
掴まれていた所には、回転する鉄球が。
「皮膚を支配しろ! 皮膚までなら筋肉は異常事態が起こっていると気づかない」
妹紅の腕に置かれた鉄球は、回転しながら妹紅の指先へところがり、ジャイロの右手へと戻ってくる。
「試してみるか? 手の中のコルクは既に回転がかかっている」
ジャイロに言われてジョニィが手を開くと、そこにはシュルシュルと回転するコルクが一つ。
そーっと、回転するコルクを馬の体に当てると、馬の姿勢が崩れた。
馬の前足が上がり、落下するジョニィを受け止め、彼は受身を取って着地する。
「それが馬の『降り方』だ。馬の筋肉は気づいていない。 悟られるな……武器なのは『鉄球』じゃなくて『回転の力』が武器なんだ」
鉄球をホルスターに戻すジャイロの左手には、妹紅の持っていたシャンパンのボトル。
「なるほど……筋肉に悟られないよう私の酒をすり取った、って訳か」
「ニョホホ。そういう事」
金歯を見せて笑うジャイロ。
右手にシャンパンのボトルを持って笑う妹紅。
「って、ええ?」
いつの間にかシャンパンがすり取られた事に、ジャイロは目をむいた。
妹紅はシャンパンを一口飲んで、
「皮膚までなら気づかれないんだろ?」
と白い歯を見せて笑う。
「飲み込みが速いじゃねぇか」
「まあね」
二人は拳と拳を突き合わせた。
「さて、セカンドステージは砂漠越えだ。距離はなんと1,200キロ以上。厳しい戦いになりそうだ……」
ジャイロの切り出しで、空気が変わった。
「お二人さん、協力関係を結ぼうぜ……」
その提案に、二人は息を呑んだ。
←to be continued...
満面の笑みを浮かべ、妹紅は姿を現した。
腕に抱くのは二本のボトル。
赤ワインとシャンパンである。
「さあて、どっちを空けてやろうかな~♪」
笑顔で選り好みする妹紅の耳に、
“ただいま順位結果が確定しましたッ!”
アナウンスの声と観客たちの歓声が押し寄せてきた。
「おおっと!」
ボトルを落としそうになるも、何とか体勢を立て直した妹紅は、アナウンスに耳を傾ける。
“審議により、1位ジャイロ・ツェペリ選手によるサンドマン選手への『走行妨害行為があったため』ツェペリ選手に『順位降格のペナルティ』が課せられます!”
そのアナウンスに、誰もが驚いた。
妹紅が、ジョニィが、ポコロコが、驚きの表情でアナウンスを発する気球を見る。
ただ一人、ジョニィの目の前で馬から下りるジャイロだけが、下を向いていた。
彼の脳裏に写るは、下り坂の光景。
自分の手から放たれる鉄球。
鉄球がえぐった岩を踏むサンドマン。
“よってジャイロ選手は20位降格のペナルティが課せられ、2位以下の選手が順位繰上げになりますッ!”
ざわめく会場。
“優勝は繰り上げでサンドマンが確定しました! ファーストステージ王者はサンドマンだぁぁーッ!”
ざわめきはすぐに歓声に変わった。
“2位はディエゴ・ブランドー! 一旦枯れた川で退いたが、流石は英国競馬界の貴公子! ゴール前直線での追い上げは素晴らしかった!”
次々と、
“3位はポコロコ!”
明かされていく、
“おっと、4位に我らがマウンテン・ティムが入ってきているッ! 流石我らがカウボーイ! いつの間にかキッチリと馬の鼻をねじ込んでいたッ!
順位。
“6位はモコウ・フジワラノ選手! 遥か遠い東の地、日本からの参戦だッ!”
そのアナウンスを聞き、妹紅は舌打ちをする。
「いつの間にか一人増えていたのか」
油断の出来ない奴だ。と思い馬に乗ったままのカウボーイを見つめる。
「ま、次のステージで追い抜けばいいだけか」
カウボーイに見飽きて振り返ると、そこには20分前に見かけた青年と目が合った。
「あ、アンタ……今朝俺の足に刺さってた木を引っこ抜いた……」
青年ことジョニィは、妹紅を指差す。
「ああ。今朝騒ぎ散らしていたアンタか。どうだ? 祝いの酒を持ってきたんだ」
妹紅は気さくに話しかけ、腕に抱えているボトルをジョニィに見せ付ける。
「ワインとシャンパン……? 妹紅、アンタそれ荷物に入れて走っていたのか?」
「いや、そこのテーブルからくすねた」
「悪ゥ~」
怒り、というより呆れた表情をするジョニィ。
「まあ、堅いこと言うな。そういえば、アンタの名前聞いてなかったな」
悪戯が成功した子どものような表情を浮かべ、妹紅はシャンパンのコルクを景気よく飛ばす。
「ジョニィ。ジョニィ・ジョースターだ」
「へぇ。略してジョジョだな。とりあえず飲め」
妹紅はシャンパンのボトルをジョニィに突きつけるが、ジョニィは首を振る。
「なんだよ。アタシの酒が飲めねーってのか?」
少し喧嘩腰になる妹紅。
「俺は炭酸が苦手なんだよ」
「なるほど~」
そんな和気藹々とした雰囲気の二人の後ろで、とてつもなく濃厚な殺気を放つ男がいた。
ジャイロ・ツェペリだ。
拳を握りしめ、総金歯を軋ませ、彼はシャンパンやワインボトルの並ぶテーブルに鉄球を叩きつけた。
スポンサーたちはざわめき、警備の保安官がスティール氏の前に並ぶ。
だがスティール氏は彼らをはらい、一歩前に出る。
「何か文句でもあるのかね? ツェペリくん……普通なら失格だったぞッ! 武器による妨害なんだからな」
見下すかのような言い方をするスティール氏に、ジャイロは歯を軋ませて、
「別にねェよォーッ。もうてめーらとは絶対に口をきかねぇッ! もう済んじまった事はどうこう言ってもしょうがねーしよォォ……だが明日の為によォォー」
振り返ると、
「ムカついた気分を変えに来ただけだッ! それだけだッ! 言いてぇ事はッ! 後はシャンペンなりワインなりで祝ってろッ!」
大股開きで歩き出す。
スティール氏の近くにいた男が、スティール氏に耳打ちをすると、
「おい、ちょっと待てー!」
すぐさま手を伸ばしてジャイロを引き止めようとする。
その動きと同時に、シャンパンボトルからコルクが飛び出した。
「うおおッ!」
スティール氏はのけぞって、コルクを避ける。
しばらくすると、シャンパンも、ワインも、ウイスキーも、全てのボトルが小刻みに震えだし、次々にコルクを発射させる。
後はもう大混乱。
コルクの弾幕がスポンサーたちに襲い掛かる始末。
「よっと!」
ジョニィは、飛び交うコルクの一つを、掴み取った。
未だにパニックは続き、そしてシメは彼らの背後に立つ貯水樽の大崩壊。
「ちょっと気分は落ち着いたぜ……」
ジャイロは事を見つめていた妹紅とジョニィの傍で止まる。
「ド派手な前祝いやってくれるじゃないの。一杯どう?」
ジョニィの横にいる妹紅が、ジャイロにシャンパンを差し出す。
「いや、待ってくれ。ちょっとジョニィに話がある」
ジャイロは首を振り、ジョニィを指差す。
「無事についてこれたみてぇだな。ジョニィ。次はLESSON2『筋肉には悟られるな』……だ!」
LESSON2。
その言葉に、ジョニィは聞き耳を立てる。
「いいか、例えば腕を掴むこ~んな動作!」
「おいジャイロ! 何すんだよ!」
突然ジャイロは妹紅の腕を掴み始めた。
「腕をこうやって強く掴めば掴むほど……」
「離せ! コラ離せってんだ!」
躍起になって妹紅は掴まれた腕を振る。
「筋肉はこの力を振りほどこうと理解して反応してくる! 肉体が本能的に身を守ろうとするのは筋肉にきづかれるからだ」
「はーなあーせぇぇ!」
「だが鉄球の回転はそれを悟らせない! 皮膚までだ……」
ジャイロはぱっ、と妹紅の腕から手を離してみせる。
掴まれていた所には、回転する鉄球が。
「皮膚を支配しろ! 皮膚までなら筋肉は異常事態が起こっていると気づかない」
妹紅の腕に置かれた鉄球は、回転しながら妹紅の指先へところがり、ジャイロの右手へと戻ってくる。
「試してみるか? 手の中のコルクは既に回転がかかっている」
ジャイロに言われてジョニィが手を開くと、そこにはシュルシュルと回転するコルクが一つ。
そーっと、回転するコルクを馬の体に当てると、馬の姿勢が崩れた。
馬の前足が上がり、落下するジョニィを受け止め、彼は受身を取って着地する。
「それが馬の『降り方』だ。馬の筋肉は気づいていない。 悟られるな……武器なのは『鉄球』じゃなくて『回転の力』が武器なんだ」
鉄球をホルスターに戻すジャイロの左手には、妹紅の持っていたシャンパンのボトル。
「なるほど……筋肉に悟られないよう私の酒をすり取った、って訳か」
「ニョホホ。そういう事」
金歯を見せて笑うジャイロ。
右手にシャンパンのボトルを持って笑う妹紅。
「って、ええ?」
いつの間にかシャンパンがすり取られた事に、ジャイロは目をむいた。
妹紅はシャンパンを一口飲んで、
「皮膚までなら気づかれないんだろ?」
と白い歯を見せて笑う。
「飲み込みが速いじゃねぇか」
「まあね」
二人は拳と拳を突き合わせた。
「さて、セカンドステージは砂漠越えだ。距離はなんと1,200キロ以上。厳しい戦いになりそうだ……」
ジャイロの切り出しで、空気が変わった。
「お二人さん、協力関係を結ぼうぜ……」
その提案に、二人は息を呑んだ。
←to be continued...
次回予告
魔理沙「魔理沙だぜ。今日は永遠亭からこんにちわだぜ」
育郎「育郎です。魔理沙の案内を永琳さんから頼まれました」
魔理沙「案内なんていらないぜ。前に来たことあるからな」
育郎「でも案内しろと言われたからね」
魔理沙「お堅い事を言うやつだぜ」
育郎「他にやることが無いんだ」
次回ッ! 不死鳥は失敗を恐れない第⑨話『サバじゃねぇ!』お楽しみにッ!
魔理沙「次回も見てくれないと……」
育郎「いけない! これは卵焼きの焦げる『におい』……その『におい』を消してやるッ!」
魔理沙「おい、育郎? どこ行くんだよー!」
魔理沙「魔理沙だぜ。今日は永遠亭からこんにちわだぜ」
育郎「育郎です。魔理沙の案内を永琳さんから頼まれました」
魔理沙「案内なんていらないぜ。前に来たことあるからな」
育郎「でも案内しろと言われたからね」
魔理沙「お堅い事を言うやつだぜ」
育郎「他にやることが無いんだ」
次回ッ! 不死鳥は失敗を恐れない第⑨話『サバじゃねぇ!』お楽しみにッ!
魔理沙「次回も見てくれないと……」
育郎「いけない! これは卵焼きの焦げる『におい』……その『におい』を消してやるッ!」
魔理沙「おい、育郎? どこ行くんだよー!」